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糖分過多ではないよ

カールトン&ザ・シューズのファースト。
私が持っているのはCDですが、中古で買った時には
ジャケの色が随分と褪せておりまして、もう一つなんですが、
でも、中身というか音楽は一切褪せることがありません。
基本、この時期のジャメイカの音楽は古くなることがないのですが、
瑞々しさが増していくという点では格別の一枚ですね。
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セカンドも巷で大人気ですが、冒頭の3曲があまりに素晴らしすぎて
中盤以降の印象がどうしても薄くなってしまうセカンドよりは、
最後まで途切れずに名曲の波状攻撃が続くファーストの方が
やっぱり好きですね、私は。
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大人気のセカンド。オシャレですなぁ。
ちなみに私の持っているのは日本の古い再発盤CD。
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何でこのデザインなの?

カールトン&ザ・シューズの看板は蕩けるようなリードとコーラス。
アルバム全編にこれでもか!というように振りかけられているのですが、
が、しかし虫歯になりそうなほど甘いというわけでもなく、
微量に苦み成分を含んでいるのが、いいんですよね。
曲調によって声を微妙に使い分けるカールトン・マニングの業か、
それとも3兄弟ならではの声のヴァイブのおかげか、どちらでしょう?
セカンドを初めて聴いた時にはカーティスの影響を強く感じたのですが、
そよ風のような湿度の低いリードとコーラスから受ける印象は
今も変わりありませんね。

演奏はメロウに徹していると思わせといて、
意外にゴリっと押しの強いリズム、この場合リディムですね、で
歌と演奏の塩梅がまた良い。
大きい音で聴けば聴くほど良い塩梅になりますね。
カールトンは職人肌のギタリストだそうで、
その辺のこだわりがいい方向に作用したのかと。

意外に曲調にはバリエーションがあって、
これぞ珠玉のロック・ステディという曲の間に
ソウル風味が濃い曲あり、もっと後の時代を感じさせる曲もあり、
飽きさせませんね。
可愛いチープなオルガンと転がるカールトンのギター、
逆にヘヴィーなドラム&ベース、そこに乗っかる絶妙な歌。
私の中でヘプトーンズと双璧をなすかな。

それにしても軽やかなのに重い、重いけれどもやっぱり軽やかな音、
軽やかなのにヘヴィーなリズム、甘いけれど糖分過多ではない歌、
この時期のジャメイカ音楽にはブランズウィックのシカゴ系のリズム、
シカゴ・ソウル、もっと言えばカーティス・メイフィールドの影響力には
驚かされるばかりですね。
やはりカーティスは偉大だな。
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カールトン・マニングはちょっと間に来日していたのですが、
私が全く気付かずスルー。
痛恨の極み乙女です。
# by zhimuqing | 2016-01-21 20:28 | Open the gate | Comments(0)

レタスのようにシャキシャキした

モヤーン氏が打ち合わせのために上京。
秘密の儀式!?で7年ぶりにマクンヴァ・アーケストラ復活で
打ち合わせというか、音合わせというか、
まあ、そんな感じでプリマクさんと3人でスタジオへ。
以前よりアフロ成分溢れたドラミングに興奮するも、
私の調子が今一つで、ジャストフィットなフレーズが
宇宙から降りてこず、意外に苦労する羽目に。
ま、そういうのを含めて非常に楽しめたのですね。
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スタジオに行く前にペダルを使った遊びを開発した二人。
精神年齢が近いのかもしれない。肉体年齢の差は言わずが華。

で、練習後、深夜に部屋で眠気をこらえつつ、
色々な音楽を散々聴くのも、学生の時から変わらない流れ。
プエンテ、カマシ・ワシントン、古いカリプソ、パラゴンズ、
カエターノ、リーボウ、JB、マンチャ、カーク、オーガスタス・パブロ。
もう見事なまでのごった煮ですが、これもまたいつもの通り。
こういう話が出来る人は本当に貴重です。

さて、翌日は二人でスタジオで練習しようか?と言っていたが、
水族館に行きたいとのことで、急遽ヨウと3人!で葛西まで。
人は少なくて良かったのですが、ま、あれですな、
子供を間に挟んで3人で手をつないで葛西臨海公園を歩く図は、
ある意味、最先端のカップル的に見えないこともなく、
妻子ある身の私、しかも相手はもうすぐ新郎になるオッサン。
しかもドラム&ベースのコンビということで、
なんだか複雑な関係のようで、おう、これは傍から見ると
結構面白いのではないか?と思ったのですが、
今考えると、別に何にも面白くないのが不思議です。

3人で水族館を観た後、空港まで車で送ったのですが、
車中で盛り上がったのがウィルソン・ヴィヴェロスのドラミング。
一昨年のクァンティックの来日公演で素晴らしいスティック捌きで、
見た人全員の心を鷲掴みにしたヴィヴェロス師匠。
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おそらく元々はティンバレスの人だと思うのですが、
クァンティックのアルバムで見せるドラミングは
なかなかの絶品なのですね。
あまり話題にならなかったクァンティックの最新作でも
アメリカの古き良きフォーマルな音楽を演っているのに
ヴィヴェロス師匠の太鼓にどこかストレンジな空気感が出ていて、
これがアルバムの面白さの中心になっていたのですね。

勉強不足なので、ヴィヴェロスは過去所属してグループ、
Los TupamarosとかGuayacán Orquestaなんかを聴いておらず、
Youtube等で見ても、いなたいという面白みは感じますが、
肝心の音にもう一つ面白みを感じなかったりするのですが、
その辺は私のアンテナがまだ十分に育ちきっていないのでしょう。
今のところ、ヴィヴェロスさんが面白いのは
クァンティックとの諸作に尽きるというのが
現時点での所感でございます。
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さて、そんな中でも圧倒的に面白いのは、
クァンティックとアリス・ラッセルとのコラボ作。
思えば大豊作だった2012年の中でも屈指の1枚ですが、
このアルバムの半分でドラムを担当しているのがヴィヴェロス師匠。
どれも名演と呼ぶにふさわしい出来ですが、
破壊力でももっとも痺れるのが“Here Again”。

ティンバレスのマエストロであるヴィヴェロスが叩くドラムは
ティンバレスのスティック捌きが発展したものであるようで、
フィルインの間合いやタイミング等を聴くと
ああ、この人はティンバレーロだなと強く感じさせるもの。
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もちろん、そこに私なんかは痺れるわけですが、
ヴィヴェロスのドラミングにはもう一つ別の魅力もありますね。
べとつかない、しゃきっとした、採れたてのレタスのような、
いやそれはちょっと違うか、まあ、シャキシャキしたリズムが
非常に気持ちいいのですね。音の分離も抜群。
ぱらっとした強火で炒めた炒飯のようなスネアの音の感じは
私が愛してやまないポール・ハンフリーのよう。

やはりその辺のチョイスの目を持っているクァンティックは
流石に名の通ったキュレーターというか、ディガーですね。
その目というか耳をもったミュージシャンがコロンビアに
しっかり根を下ろして音楽活動を行った結果であるとも言えますね。
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その良さが分かっていたからこその新作での起用なのでしょうが、
やはりね、それでもクァンティックには、もう少しコロンビアを
掘り下げてほしいのですよね。
オンダトロピカ(第2弾はいつなのか?)もそうだし、
ニディア・ゴンゴーラとのコラボ(一体いつ出るのだ?)もそうだし、
フラワリング・インフェルノでのダブの追及もある。
まだまだカリにやり残したものがたくさんあるよ、と伝えたいなぁ。
私が今一番聴きたいのは、インフェルノでのダブな音像の中で
ヴィヴェロスが叩くドラミングがどんな感じか?ということなんですけどね。
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なにはともあれ、オンダトロピカでの来日を激しき希望!
# by zhimuqing | 2016-01-19 23:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)

マルーン

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ズンビ・ドス・パルマーレス
デュティ・ブークマン
グラニー・ナニー
クジョー
フランソワ・マッカンダル
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# by zhimuqing | 2016-01-18 22:00 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)

カッツ先生にあおられる

明日、家に帰るよ、とタイから電話すると、ムスメが気温何℃と聞くので、
28℃ぐらいかな、タイは南の国だからね、と答えると、
南というのはオーストラリアとかニュージランドのことなの!と。
確かにオセアニアに比べると、タイは日本のすぐ下なわけですが、
それでも家に帰るのはうれしいものです。

さて、先日古本を購入したデイヴィッド・カッツによる大著、
『ソリッド・ファンデーション』を読了。
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ジャメイカのポピュラー音楽の歴史を詳細に調査したこの本、
なんといっても300人を超える当事者のインタビューが含まれているのが
凄いですね。
カッツ先生がインタビューした相手の中にはかなりの確率で
すでに故人になった人も多く、本当に貴重な一冊であり、
レゲエ界の三大歴史書?の一冊と呼ぶに相応しい本と言えますね。
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ちなみに邦訳は帯に限定1000冊!と書かれていますが、
正直言って、これを購入する人が1000人以上いるとも思えないので、
やはり出版元のDU BOOKSの快挙でしょう。パチパチパチ。

個人的には、昨年来ロックステディー~アーリーレゲエ一色ですが、
シンガーやディージェイ、ミュージシャンやプロデューサーといった、
当事者の声が面白すぎますね。
これまであまり手を付けていないディージェイものにも
興味が沸いてきてしまうという、とても危険な一冊でもありますね。
中でも血気盛んなボブ・マーリーの姿が面白いかな。
(カッツはマーリーのことを過大評価と思っているフシがありますけど)
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デイヴィッド・カッツといえば、これまた世紀の名著(迷著)である、
リー・ペリーの伝記本もものしているわけですが、
あの濃度に比べると、さすがにこの本は密度を薄めざるを得ないわけで、
570ページを費やしたこの本に収めきれない逸話も多々あるのだろうし、
続編あるいはディスクガイド的な一冊を期待したいところでありますね。
ということで、次はスティーヴ・バロウのあの本かな。
でも高いんですよね、あれ。
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カッツ先生。マッド・プロフェッサーな風貌であることは間違いないっすね。
いい感じです。
# by zhimuqing | 2016-01-16 01:28 | Open the gate | Comments(0)

これは楽しみすぎる!



結局発売されていないBADの時と違い、
今回はDVDもきちんと出してほしいですね。
頼むよ、スパイク・リー!

というか、デスティニー・ツアーとかトライアンフ・ツアーとか
ヴィクトリー・ツアーの映像もいい加減出してほしいものです、はい。
# by zhimuqing | 2016-01-14 08:28 | Funkentelechy | Comments(2)