カテゴリ:Blues 4 Terapin( 165 )

おもて寒いよね。

Baby It's Cold Outside(おもて寒いよね)がセクハラで放送禁止になったと聞いて、正直驚いたわけですが、実は歌詞もいろいろなパターンもあるそうで、中にはセクハラというよりもすでに事後のといった感じのものも(lend me your combなんてセンテンスも)あるわけで、この曲を一概にセクハラと決めていいものだろうか?という気もします。もっとももっとも有名な曲はシナトラ・バージョンらしく、まあ全盛期のシナトラが自信たっぷりにこの歌を歌うとなると、そりゃ威圧的だし#MeTooと感じてしまうのも分からないわけではありません。
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私の一番好きな、そして一番粋なバージョンはスウィンギン・バッパーズの「おもて寒いよね」。小悪魔的な思わせぶりで振り回す服部恭子、なりふり構わず追いすがる吾妻光良。情けない男の姿を描写した歌詞に本当にしみじみとしつつも、吾妻さんの相手の手に微苦笑がこぼれます。元のバージョンの生々しさをマスキングしてペーソスで包んだこのバージョンを聴いてセクハラだと思う人はいないと思うのですが、もしこれも駄目だというのだったら、私も十四年の初場所の朝青龍戦での栃東のように受けて立とうではないか!と思うのであります。
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出~たぞ、寒波の注意報!とか、食べないか焼きそば~の所が特に好きです、はい。それにしてもバッパーズ、聴けば聴くほど、吾妻さんの凄みを感じますね。前作が出てから早5年。そろそろ新作出してほしいよね。
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by zhimuqing | 2018-12-08 10:36 | Blues 4 Terapin | Comments(0)

ジャニス

神田のジャニスが11月末で閉店したということで、ここ最近は私自身もめっきり利用する機会が減っていたとはいえ、やっぱり寂しいものがありますね。
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ファンクやサザンソウル、ヒップホップの品揃えは国内最高峰、ジャズも私が好んで聴くせまーい範疇では凄い品ぞろえでした。最近足が遠のいていたのは私の興味が集中していたアーリーレゲエやカリブもの、ジャイブものの品揃えがやや弱かったためではありますが、それでも膨大な在庫を気軽に借りることが出来るというジャニス、本当に貴重な場であり、一つの文化だったと言っても過言ではないでしょう。最終日にお別れに何百人という人が訪れたようですが、私も行けばよかった。

それにしても1991年の著作権法改正による洋楽新譜の1年レンタル禁止措置は結果的に日本の洋楽市場をつぶす愚行でしたね。CDの売り上げという話ではなく、リスナーの裾野の開拓、拡大が劇的にストップしてしまったという点で。その後のJポップバブルにただ踊っていたレコード会社の人たちは今どう考えているのでしょう?
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by zhimuqing | 2018-12-04 00:28 | Blues 4 Terapin | Comments(0)

猿風呂でのぼせあがる

音浴Gallery Bar猿風呂にマダムギターと岡地曙裕が登場!
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実は結構久しぶりに見るマダムギター。ブログを見返してみると、なんと2013年ですから5年前になるのですね。少々驚きました。マダムと岡地さん、ここ最近58兄さんの周りにチラリチラリと見え隠れしているので、もっと見ているものだと思っていました。

今回初めて訪れた猿風呂ですが、噂に違わぬなかなか愉快な空間でその月に合わせたテーマでレコードを飾っている様子をネットで拝見していたのですが、カウンター正面の上の段にはクリントン、サンラー、フェラ・クティ、リー・ペリーとパーフェクトな並びで驚かされました。初めて行った私を待っていたような。ちなみに横の壁にはジャケ付きの7インチが飾ってあるのですが、パーラメント、スライ、細野晴臣、チャールズ・ミンガス、サンダーキャットという並び。素晴らしい!アルコールが飲めない私でも常連になりたい感じです。
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トイレにナンシー関の絵とランキンタクシーの名言が貼ってあるのもいいですね!

さて、久々に見たマダムギター。年を重ねて更なる進化を遂げておりました。もう気のいい樹木希林のような素晴らしさ、つまり最高だということです。ギターのジャックの調子が悪くて音が出なくなってもまったく動じない姿は最近呪いにかかっていると評判の私には神々しく感じます。磨きがかかった歌とギターの一体感。スローな球を絶妙に通していく制球力。あと見過ごされがちなリズム感のすばらしさを今一度強調しておきたいです。私の一番好きなお別れの歌とクセは治らないとクアハウスが聴きたかったけど、ま、それは次回のお楽しみということで。
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少しご機嫌斜めだったギターのナナちゃん!

岡地さんはドラムセットとは言えない謎のセット。トラベルコンガとハイハットとバナナのシェイカーとプラスチックの太鼓とその他諸々。でもそうと思わせないグルーヴ。やっぱり憧れの地ではなかった、あこがれの人です。あと、随所で歌っていて、マダムとの夫婦掛け合い歌唱の絶妙な混ざり具合が実に良い塩梅でした。

終演後、58兄さんの陰に隠れつつ、マダムと岡地さんとブルースやサザンソウルの日本の女性に対する普及の難しさについて語ることが出来たのは素直に嬉しかったですね。
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踊る骸骨を感じさせるライトニンはOK、バディー・ガイはジミヘン的なのでOK、ジョニー・テイラーやボビー・ラッシュはムリ。オーティス・ラッシュやブランドは絶対無理。プリンスはOK。分かるような分からないような。私はローウェル・フルスンを持ち出すもマダムに却下されてしまいました。ま、分かっててゲイトマウスとかルイ・ジョーダンを引っ張り出さなかったものの、やはり女心を理解するのは難しいものです、はい。
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そうそう、マダムギターのこの写真を見てもらえたのもなかなか嬉しかったのだ。あれからもう過ぎ12年。次は一緒に会いに行こう!
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by zhimuqing | 2018-11-30 00:28 | Blues 4 Terapin | Comments(2)

片山広明

片山広明。
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立ち上る男気に満ち満ちた剛毅な咆哮、その中にうっすらと滲む男の色気とユーモアとだらしなさ。私がこれまで生で観ることが出来たサックス吹きで、これほど圧倒された人は他には梅津和時以外にはいません。オーティス・レディングに一番近いサックス吹きというのが一番分かりやすい表現かもしれませんが、もっと荒々しくて華麗な感じもあった人。スペンサー・ウィギンズとかジェイムズ・カーのほうが近いかもしれません。でも、得も言われぬ華やかさも。生で観ることが出来て本当に良かった。でもやっぱり寂しいです。
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私の師匠の上村さんがベースを弾いているアルバム。初めて体験した片山広明さんはそれはものすごい演奏を聞かせていたのですが、ステージ上で酔っ払って上村さんに向かって倒れてしまい、ベースのジャックを壊してしまっていましたが、その後、上村さんに謝りながら、更にすごい竜巻のような演奏をしていたものでした。
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by zhimuqing | 2018-11-14 05:17 | Blues 4 Terapin | Comments(0)

ZZ

新橋のライブハウスZZが閉店するという事で、松川純一郎さん主催?のライブに58 Specialで参加。
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夏のすみジャズ以来のライブ、当日のリハまで音合わせなし、展開もよく分からない、しかも私の体調も最悪で関節ダルい、という中でのライブでしたが、いざとなればなんとかなるものです。ツェッペリンとかAC/DCという私が完全に門外漢な選曲。ですが、ドラムがMr.Pということもあり、ファンカデックの曲だと思えばなかなか楽しく弾けるってなものです。肝は歌の姉御二人に集中すること。私はやはり歌ものが好きなのだという事を再認識させられた夜でした。
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それにしても、昨年の新宿JAM、今年の池袋鈴ん小屋 、そして新橋ZZ。ライブハウスがどんどん無くなってきていますね。寂しいことです。

新橋ZZ 2018年2月10日 (土)

58 Special

58△:ギター
スミエ:歌
ランチ:歌
P:ドラム
マゴ:ベイス

1. Love Sick Blues
2. Lucille
3. Sweet Inspiration
4. Proud Mary
5. Whole Lotta Love
6. Highway to Hell

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by zhimuqing | 2018-02-19 00:28 | Blues 4 Terapin | Comments(0)

ようやく耳が開く

ポール・サイモンの≪グレイスランド≫から本格的に音楽が好きになったと言っても過言ではない私にとっては、かなり近いところに見え隠れしていたヒュー・マセケラ。当時ちょっと聴いた感じではポップなエスニック風味のフュージョンのような気がして、あまり興味が沸かなかったのです。が、9年前の石田昌隆の名著「オルタナティブ・ミュージック」の中で触れられていたのを読んで興味を持ち、ベスト盤を買って聴いてみると、これがなかなか面白かったのですが、それきり忘れてしまっていたというのが情けない限りです。

ということで、寂しい訃報に接して、慌てて棚の奥から取り出した聴いたマケセラ、いやこれは相当面白くて、びっくりしました。単に私の耳が開いていなかっただけだという事がよく分かります。人間と同じで、優しい表情を持った音楽の中には、意外とタフで生命力に溢れたものがあるという事をまたもや思い出させられました。
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私が持っているのは≪The Collection≫という編集盤で1974年から94年までの13曲を集めたものですが、軽やかな丸みを帯びた音の奥の方にがっしりとした核が見え隠れしている。70年代の曲も90年代の曲も同じ感触があり、おそらくずっとぶれていない本人の信念のようなものが感じられます。リズム隊を中心にアレンジも相当練られているはずで、勉強にもなります。(でも、そんな練られた形跡をほとんど残していないのがまた凄いのだ)
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でもまあ、そんな能書きを並べてもあまり意味はありませんね。ようやく気が付いたこの魅力に身を委ねることが先決です。この気持ちよい音を楽しんでいると、自然にマセケラの思いも細胞に染み込んでいくのだと思います。年末にたまたま聴いたタジ・マハールの≪Happy Just To Be Like I Am≫にも驚いたものですが、このマセケラ山脈は相当なものの予感がします。調べたところ50枚ぐらいあるマセケラ山脈、ゆっくり分け入ってみるのもなかなか面白そうです。遅すぎると言えば確かに遅すぎますが、どんなに遅くても遅すぎることはないとも思うのです。

そうそう、石田昌隆の書いた文章が気になって≪オルタナティブ・ミュージック≫でマセケラを探してみたのですが、本人の写真が見つからない。そんなはずはないと、ゆっくり探していると、マハラティーニのところに少しだけ書いてあり、私の記憶違いかなと思っていたら、ミュージックマガジンにインタビューがあったのを思い出しましたね。スカリプソウル特集の号。ミュージックマガジンを読まなくなって久しい私ですが、この号は捨てずにとっておいたのでした。
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インタビュー自体は短いものですが、真摯に問いかける石田昌隆、真摯に答えるヒュー・マセケラ、やはり読みごたえのある記事であることは間違いありません。ヒュー・マセケラに対する追悼についても、この記事が最も素晴らしいものだと思います。それにしても、石田さんのこういう一連の記事はなかなか素晴らしいものが多いので、このまま埋もれてしまうのはやっぱり勿体ないと思うのですが、どうでしょう?
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by zhimuqing | 2018-02-01 23:28 | Blues 4 Terapin | Comments(0)

導き!

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いつ入手したかは忘れてしまったのだが、ザッパの名曲“Inca Roads”でのザッパのギターソロのみを延々と集めた音源があるのですね。数えきれないライブ音源を使って、延々ザッパのギターソロが2時間2分にわたり、存分に味わえるというもの。

ソロが長ければ長いほどかっこよくなると言えば、エディ・ヘイゼルやジミヘンやプリンス、ロック畑だとガルシアなんかがいますけど、ザッパもやはりそのタイプですね。様々な時期の演奏を継ぎはぎしたものなのですが、一音でザッパと分かる音が素晴らしい。と、同時に様々なアプローチが存在していて、ザッパの永遠に尽きることのない湧き出る想像力に感服いたします。あと、時代をまたいで繋いでも全く違和感のないライブ演奏のバンドの実力にも。

ということで、本日22日(アメリカで21日)はザッパの77回目の誕生日。深夜バンコクへ移動する最中に突然ザッパが聴きたくなったというウソのような本当の話、はザッパのお導きでしょう。今の日本にこそ清志郎が生きていてほしかったように、今のアメリカにこそザッパが必要だったのに。音源が欲しい方はご一報ください。

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いつも行っているタイの工場の運転手さんが履いていたサンダル。ドープ過ぎる。ザッパを感じさせます。というか、これもザッパの導きかと!
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by zhimuqing | 2017-12-22 08:44 | Blues 4 Terapin | Comments(0)

山脈が呼んでいる

体が突然フランク・ザッパを欲している気がしたので、棚からザッパのCDを一通り引っ張り出して聴いてみたのですが、私のとってのザッパはやはり≪Hot Rats≫と≪One Size Fits All≫に尽きます。初めて聴いた(買った)ザッパが≪Hot Rats≫、2枚目が≪One Size Fits All≫で、当時ファンカデリックを熱心に聴いていた私にとっては新たな鉱脈を見つけた気持ちになったものです。その後も折に触れて購入していたのですが、この2枚を超えるものに出会うことが出来ず、気が付くと私のザッパ山脈攻略はフェイドアウトしてしまったわけなのです。

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ちなみにその2枚については、私の中で本当に甲乙つけがたく、どちらが良いか?と聞かれると、その時の気分で答えが変わってしまうというものですが、今この瞬間ですと≪Hot Rats≫に軍配を上げたくなりますね。
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何といってもファンキーなのが良いですね。全部聴いていないので断言はしませんが、私が聴いた中ではザッパの他のアルバムに同じ感触のものはありません。ま、これはザッパの2枚目のソロ名義でのアルバム。バンドとしてではなく、LAの周りの名人を集めての音だからということなのでしょう。

それにしてもリズム隊いいよね!という事で、ライナーを読んでみる。その昔は日本語ライナーしか読んでいないかったのですが、ライナーを書いているのが岸野さんだったことにも軽く驚きます。各曲の参加メンバーがなかなか興味深い。名曲”Peaches En Regalia”の唸るベースを弾いているのはシュギー・オーティス!残りの5曲でベースを弾いているのはレッキング・クルーのマックス・ベネイ。クルセイダーズの名ライブ盤≪Scratch≫でベース弾いている人でもありますね。

で、一番驚いたのは “Son of Mr. Green Genes”“The Gumbo Variations”2曲でドラム叩いているのがポール・ハンフリーだということ。ハンフリーにベネイのコンビ、そりゃファンキーにもなりますよね。まあハンフリーは当時ロスのファーストコールなドラマーだったわけで、ザッパが参加を要請したのも頷けるわけですが、こういう繋がりがあったとは知らなかった私にはもの凄く新鮮に感じます。

他の2曲でドラムを叩くジョン・ゲリンは普通のエイトを刻んでいても、ハイハットの響きがヒップホップっぽくてなかなか良いし、ドン・シュガーケイン・ハリスのフィドルも最高。初期マザーズ、後にクインシーとも仕事をするイアン・アンダーウッド(We are the worldでも演奏してますからね)もお見事。鍵盤も最高ですが、ここでの白眉はサックスやフルートだと思いますね。

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それにしてもドン&デューイのハリスを招いてみたり、ホーンにローランド・カーク的なアレンジをホーンに凝らしてみたり(音色もそう)、ハンフリーに叩かせたり、何よりもアルバム全曲の作曲とアレンジ能力、この辺はやはり流石フランク・ザッパ。まさに天才だけが可能な技かと思いますね。69年の時点でこのレベル。ローランド・カークのVolunteered Slaveryが並び立つぐらい、ジミヘンよりも少し前に、マイルスよりもかなり先に行っていたと思うのですが、どうでしょう?やはりもう一回きちんとザッパ、聴かないといかんと思うのであります。
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by zhimuqing | 2017-11-01 20:21 | Blues 4 Terapin | Comments(2)

懐かしい面々

ディアゴスティーニから出ているビートルズのLPシリーズ、買うかどうか迷っていたのですが、ラバーソウルのジャケを見て我慢できなくなり、買ってしまいましたよ。3000円。価値感は人それぞれでしょうが、中身の素晴らしさと値段を考えると、物凄いコストパフォーマンスかと。とか、そんなことを考えながら、鼻息荒くして(荒くする必要もないのですが)レジに並んでいる時にふと気が付きました。
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第5号で終わり?全部買うつもりはなかったのですが、これは全く困ったものです。正直あとリヴォルバーは欲しかったのですけどね。
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それにしても中身は絶品です。ドラムとベースの演奏の黒さが嬉しい!

このビートルズもそうですが、やはり中高生の頃に聞いていた音楽というのはどうしても自分の根っこにあるもので、40も半ばにもなると当時の音楽を突然耳にすると、懐かしさで痺れてしまうわけですが、昨日タイのレストラン(先週からずっといるのだ)で突然耳にしたビリー・ジョエルの“アップタウン・ガール”、痺れました。

高校生の頃、人気がありましたからね、ビリー・ジョエル。周りの友人が好きだったのは“素顔のままで”や“オネスティ”だったのですが、私が好きだったのは“アップタウン・ガール”、“ロンゲスト・タイム”。ちなみに先ほどネットでものすごく久しぶりに聴いてみると、今の耳で聞くと当然かっこ悪いところは多々ありますが、完全に60年代ソウルのリバイバルだったのね。当時はまったく気が付かないというか、分かる由もなかったわけですが。

でも当時、私が好きだったのはどちらかというとエルトン・ジョンの方。クラスでは少数派でしたけど。マイケルやプリンス、ホイットニ―と並行してエルトン・ジョンとポール・サイモン、ジョージ・マイケルを聴いていた私、なんと平和で平凡な普通な高校生の姿でしょう。ベスト盤を一枚買ってそれを繰り返し聴いていたものです。今思うとアルバム一枚に対する当時の集中力は大したもの。この辺は反省したほうがいいのかもしれません。

ということで、先日クインシーを買う時に見かけて買ってしまったのがエルトン・ジョンのベスト盤。当時私が持っていたベスト盤(当時Vol.1とタイトルに付いていた)とその続編的なVol.2を合わせての2枚組。Vol.2は当時未聴。これは私の中で理由がはっきりしていて、Vol.1を買った後、自発的に黒い沼地にズブズブと沈み込んでいったからですね。ま、エルトン・ジョンを聴く暇もそこに回す資金とが無かったということです、はい。
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それにしても名曲だらけのVol.1。懐かしさもありますが、やはり曲も演奏も歌も良くて、驚きますね。今聴くと黒人音楽の影響というのも微かに匂います。 “Bennie and the Jets”がデトロイトのブラック局で1位になってエルトン・ジョン自身が驚いたという逸話も頷けるものです。甘めの曲でもやわな方向に振りきれるのを頑なに拒んでいる感じもあるし、湿度が高いというより霧で視界が悪くなったような空気感もあるし、改めて聴くと相当屈折した感じで、その辺が当時の私の気持ちにフィットしたのかもしれません。
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と、大変楽しく聴いたVol.1ですが、初めて聴くVol.2のほうは案に相違してグッと来ない、というか全く良いと思えないのが不思議なところ。Vol.1のほうが耳に良く馴染んでいることを差し引いても(その部分はものすごく大きいのでしょうが)。LPに付属していた解説によると、Vol.2の時期はチャートアクションでは絶好調の時期だったという事ですが、耳に引っかかってくる部分がない。売れるために何かを捨てたのか、あるいは何かが薄まったために売れたのか、それはロックには全く疎い私にはよく分からないのですが、イギリスの靄とか湿気とか、言ってよいのなら陰湿さ、そういうものが濃厚に残っている初期の方が圧倒的に面白いし、やっぱり好きなのですね。ベースとドラムがトラフィックの人達というのも大きいのかもしれないけど、なにぶんトラフィックについてもよく知らないので、偉そうなことは言えません。

とここまで偉そうに書いてきましたが、もしかして私が当時エルトン・ジョンが好きだったのは単に衣装の問題ではないか?という事に気づいてしまいました。というか、間違いなくそうだよね。
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この衣装、今見るとどこかで見たような気がするし。変わり続ける同じもの、どころか全く成長していないのかもしれません。

エルトン・ジョンに関して言うと、もう2枚欲しいアルバムがありますね。1枚は初期のライブ盤の“17-11-70”。これは確か出来が相当良かったはず。でもう一枚は最近のアルバム“Diving Board”。なんとベースで全曲愛しのラファエル・サディークが参加しているもの。デラックス版があるのですが、これにサディークが参加しているかどうか、そこがどうにも分からないのがなかなか悩ましいところなのです。
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サディーク、新作そろそろ出ると聞いているが、どうなんでしょう?
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00年代以降で私の好きなベーシスト、トップ3のうちの二人が邂逅したらしい。素晴らしい瞬間だ!
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by zhimuqing | 2017-07-01 08:28 | Blues 4 Terapin | Comments(0)

本物は圧倒的に違う!

錦糸町オールドスコットでKOTEZ&YANCYのライブ。
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58 Special は先日の房之助さんに引き続きKOTEZ&YANCYのオープニングアクトを務めることになったわけですが、今回は看板姐さんコンビの片割れランチが不在の上、思いっきり練習不足だったわけで、もうリハの段階でやる曲が全く決まらず、お二人の前で焦りまくるという肩身の狭い展開に。なんといいますか、バンドやり始めた頃のあの冷や汗的な気持ちを久しぶりに感じました。ま、何事も初心忘れるべからずですね。

ま、そんなポンコツな我々のことはさておき、Kotez & Yancyですよ!やっぱり本物は圧倒的に違います!

Kotezさんは何度もブルース・ザ・ブッチャーのライブを拝見していたので、かっちょいいハープを期待していたのですが、その歌というか筋肉質な声にびっくりしましたね。ちょっと他では観たことがない歌手。ハイトーンなんですが、ものすごくソウルフル。観に来ていたケンドリックス君も「アル・グリーンみたいっすね」と大コーフン。ブランドのメンバーズ・オンリーもサッチモのワンダフルワールドも、ジミークリフのメニー・リバーも最高だが、やっぱり一番燃えたのはサム・クックのBring it on home to meですね。ホームというところの喉の開き方、声の響かせ方、ソウル歌唱の肝の肝がそこにあったと思います。
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Yancyさんは近藤房之助とのバンドで観たことがあり、その時も随分興奮したものですが、こうやって改めてまじまじと聞かせてもらうと、そのセンスの塊に目から鱗どころか、顎が床に落ちて踊りまくる感じです。ニューオリンズなピアノを弾く人は結構いますが、強力過ぎる左手、奔放に跳ね回る右手、疾風のように吹き荒れたかと思うと一気に滑空するフレージング、もちろんテクニック的にももの凄いのでしょうが、それ以上にヒップでカッコいいのですな。そうそう、歌も実は隠れた魅力ですね。いい湯加減で包み込むような節回しは鄙びていてルイジアナ感があります。ヴァン・モリソンのCrazy Loveではエアロン・ネヴィルのようなこぶしも。筋肉隆々なKotezさんとの組み合わせは実に良い塩梅ですね。
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それにしても、3月のオールドスコットは先日の近藤房之助、今回のKOTEZ&YANCY、来月早々には佐藤タイジのソロと、なんとも豪華な面々がライブを行う凄いスポットになりつつあるのですが、ビル自体が解体されるという事で、何とも勿体ないわけですが、やり手で男前の社長がいるので、その辺は全く問題ないのでしょう。ビルの解体がいつになるか詳しくは聞いていないのですが、当分の間は目が離せない場所になりそうです。
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by zhimuqing | 2017-03-28 00:28 | Blues 4 Terapin | Comments(0)