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カッツ先生に遭遇

デイヴィッド・カッツが来日!
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カッツと言えば、スティーヴ・バロウと並ぶレゲエ研究の世界的な大家。リー・ペリーの調査研究発掘に関しては多分世界で一番有名な人かと。なんといっても伝記『ピープル・ファニー・ボーイ』の著者ですから。玉石混交(誰だ、石ばかりと言うのは!)の数あるペリーのコンピ盤でも、カッツ印への信頼感は抜群。超有名なところでは聖なる三位一体の≪Arkology≫、私が気に入っているのはMotionから出た≪Born In The Sky≫、ドライブなんかに便利なのはTrojanの≪Trojan Upsetter Box Set≫。うーん、お世話になっております。あとは『ソリッド・ファンデーション』でしょう。これまたジャメイカ音楽の歴史について書かれた本の決定版です。もう亡くなってしまったレジェンドの発言がたっぷりと詰まった貴重な本。そういえば、スティーヴ・バロウの辞典『ラフガイド』にもカッツは協力していますね。

イベントですが、前半はカッツが語るリー・ペリー、後半は未発表らしいペリーのドキュメンタリー映画。あの分厚い伝記の中で触れられた逸話がほとんどなので、特に新しい話はなかったように思いますが、日本と言うことを意識した分かりやすい英語は助かります。ところどころで入れるペリーの曲はオーソドックスな選曲ではありましたが、その辺は逆に基本が大事だというメッセージのような気もしつつ、いや時間が少ないのでどうしようもないのでしょう。カッツのDJを聞いてみたかったものです(と思ったら、12日に新宿OPENでやっていた模様。失敗しました!)途中で流れたPipecop Jacksonに変身したペリーの映像は強烈でした。

後半のドキュメンタリーフィルムは90年代後半以降のペリーの姿をとらえたもので、まあ最近のペリーの姿ではありますが、そこはペリー、面白い発言が多いわけですが、正直やや冗長な部分もあったかもね。ほぼ自主製作のようなフィルムだし、対象がペリーとなると作り手の苦労も並々ならなかったでしょうが。それにしてもあの鏡やらなんやらを張り付けた帽子は本当にかっこいいです。
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イベント終了後、カッツに持参の本とArkologyにサインをしてもらう。なんでArkology持ってきているんだ?と聞かれ、いやこれはあなたとバロウの力作コンピでしょ?これは私の初のコンピなんだとか、まあそういう会話を。新作をずっと待っているのですが?と伝えると、パブリッシャーを見つけるのが本当に大変なんだとのこと。たしかにこのご時世、しかも市場の狭いレゲエの本ともなると出版社を見つけるのは本当に大変そう。というか、最近結構頑張っているディスクユニオンあたりに、まずはカッツのジミー・クリフ本の翻訳を出してほしいものなんですが、どうでしょう?
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シンパシーの湧くサイン!
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by zhimuqing | 2018-09-14 17:21 | Open the gate | Comments(0)

夏休み、本当に良いものを見た!

トリックアート展やってるみたい、トリックアートが見たい!との会話を経て、娘と一緒にミラクル・エッシャー展へ。上野の森美術館。恥ずかしながらマウリッツ・エッシャーのことはあまり知らずに見に行った私ですが、だからこその不意打ちに痺れました。
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ポップな作風の中に潜む偏執的な視点で表現された版画は数学的で論理的。平面充填やメタモルフォーシスにただただ圧倒されましたが、自然の中に潜む静寂を見事に捉えた水たまりの版画もまた素晴らしく美しい。若い頃の作品も素晴らしいですが、個人的に惹かれるのは40を過ぎた後の作品群ですね。正則分割の絵はどれだけ見ても飽きることがありません。宇宙に偏在する美しさや無限に広がる法則を畏怖の念をもって掴み取り平面に落とし込もうとする意志も感じて、ただただ感動。科学、聖書、風景、人物、広告、違法、反射、錯視のテーマに沿った切り口も良かったのではないでしょうか。大トリにメタモルフォーゼⅡを持ってくる展開には、初心者の私も娘も同じように痺れさせていただきました。夢に出てきそうですが、出てくればそれはそれで幸せだとも思いますね。
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パンフレットの心配りも素晴らしい。コピーしやすいような綴りになっている。
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娘が好きだと言っていたのはこの広告
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私はどうしてもこの系統だな。
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夏休み。実に良いものに出会えました!
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もう一回見に行きたいけど、会期は7月29日まで。時間が作れない!
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by zhimuqing | 2018-07-25 00:28 | Open the gate | Comments(0)

スケールのデカさは島随一

スタイルとして完成された音楽を好む人も多いのでしょうが、完熟後の音よりもそれ以前の音、試行錯誤している時代の音のほうに面白みを感じる人も結構いると思うのですが、どうでしょう?私は完全に後者。ソウルやファンクもラテンもヒップホップもジャズも完熟一歩手前の音こそが面白い。雑味が入っている方が旨味を感じるということだと思うし、横綱の相撲よりも横綱昇進をかけた大関の相撲のほうが面白いということでもあります。

ということで、ジャメイカ音楽も完熟した70年代後半よりも、60年代後半から70年代半ば。アビシニアンズよりもカールトン&ザ・シューズ、フレディー・マクレガーよりもアルトン・エリスのほうを聴く比率が大きくなるのですね。どちらが素晴らしいという話ではなく、単なる個人の好みとして。例外はグレゴリー・アイザックスぐらいでしょうか。

ということで、デニス・ブラウン。この人も長らく私の中では難しかった人。レゲエ聴き始めの頃に聴いたライブ盤がピンと来なかったこと、私がレゲエを聴き始めた90年代半ばには全盛期が過ぎていたこと、それでもアルバムは粗製濫造されていたこと。重く引きずった歌唱方法に気後れしたこと。昔の有名盤はプレミアがついていて入手しづらかったこと。様々な要素が重なって、割と疎遠な関係でいたのでした。
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とはいえ、名歌手がゴロゴロいるジャメイカの中でも確実に5本の指に入る実力派。積極的に聴かなくても自然と耳に入ってくるもの。特に70年代後半のデニス・ブラウンの充実度は流石としか言いようがないもの。どれも優劣が簡単に付けられるものではなく、そこにあるのは収録曲に対する個人的な好みがあるのみ。そういう意味で、私の中でのベストはやっぱり≪Words of Wisdom≫ですね、今のところ。
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レヴォリューショナリーズ(ジョー・ギブス録音なのでプロフェッショナルズ名義ですね)中心の面々の演奏は100点満点、充実期を迎えていたジョー・ギブスの曲作り、冴えわたるエロール・トンプソンの卓裁き、完璧な三位一体。そのうえでジャメイカの香りがプンプン香るデニス。圧倒的にスケールのデカい歌は説得力に満ち溢れていてあまりにも素晴らしい。

全12曲、うち1曲はジョニー・テイラーというよりこの場合はアルトン・エリスのあの名曲“Ain’t That Loving You”ですが、残り11曲がそれを凌駕するほどの名曲揃い。この1枚あれば梅雨が明けた関東の蒸し暑さをさらに上回る濃厚な歌でジャメイカの熱帯夜の気分も味わえるというものです。ロッカーズな感じの推進力のある演奏のほうがデニスの歌のグルーヴとの相乗効果が出てくる気がするので、私が好きなのはやはり “Drifter”、“Should I”に“Words Of Wisdom "。

とまあ、そんなわけでデニス・ブラウン。苦手意識はなくなってきた今日この頃なのですが、このアルバムは編めば噛むほど味が出てくるスルメ盤。手元にあるデニス・ブラウンのアルバムは4枚しかないので、いろいろ探しに行きたい気持ちもあるのですが、手ごろな再発盤はあまり見当たらず、なかなか手が出ないのもまた事実。ま、気長に探しましょ。
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by zhimuqing | 2018-06-30 00:28 | Open the gate | Comments(0)

これまた楽しみすぎる!

フリーマガジンRiddimの最新号を探しに都心まで。
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Stussyに置いてあるはずなのですが近場では見つからず、結局新宿のHMVでようやくゲット。それはそうと、HMVの新宿店、初めて行きましたが、なかなかスペースが広くて物が探しやすそう。掘り出し物が眠っていそうな気配は感じませんが、今度じっくり漁りに行きましょう。
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さて、Riddimの最新号、石田昌隆さんの特集「ジャマイカ1982」。1年前に引き続いての特集。迫力あるミュージシャンの写真と同時に、当時のキングストンの市井の人々の写真もあって、思わず笑みがこぼれる私。
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このナイヤビンギの写真は本当にかっこいい!
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みんな大好きトゥーツ・ヒバーツ!
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バイロン・リーまでフォローしているのがすごいところ。
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こんな写真がたんまり載っているのにフリー。今のうちに急いでゲットすべし!

ページをめくっていくと、なんと写真集「JAMAICA1982」の発売予告が!今年は音楽的にも大当たりの年ですが、音楽に関する書籍も当たり年になりそうで、うれしい限りです!
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楽しみすぎる!
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by zhimuqing | 2018-05-04 23:28 | Open the gate | Comments(2)

磨き抜かれた音

クアトロでKODAMA AND THE DUB STATION BAND。

こだま和文のバンド、なかなかスケジュールが合わなかったのですが、ようやく体験。自分の中にある様々な感情が体表から染み出してくるようなそういう音。ジャズのスタンダード中のスタンダードをレゲエ化、その研ぎ澄まされた音に乗せるこだまさんのトランペット。手垢のつきまくったはずのスタンダードであっても演奏する人の心の乗せ方で景色の見え方も随分と変わるものだと感嘆。

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コーチさんのしぶといベース(音がよく聴こえて本当に良かった)も凄いが、ハカセサンの鍵盤、これが凄かった。メレンゲを掻き立てるような、花で翼を休める蝶のようなカッティング。リトル・テンポでのライブで観たのはKedaco Soundsの時だから16年ぐらい前ですが、当時はそのすごさがあまりわかっておりませんでした。

 

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 それにしても精鋭部隊というのがふさわしいバンド。音から感じる乾いたロマンティシズムに「馬賊」という言葉を思い出したのですが、その武器は磨き抜かれた美しい音。帰りに興奮して最新12インチを買いましたが、これまた素晴らしい。早いところ、ワンマンを観に行かなくてはいけないと痛感した夜。いいものを聴かせてもらいました。

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ランキン・タクシー乱入!呼ばれてないのに乱入!というのが最高だ!


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by zhimuqing | 2017-10-06 23:28 | Open the gate | Comments(0)

ロック、紛れもないロック

タイへの出張から帰ってきて家にいったん荷物を置いて、向かうは代官山。ReggalationIndependanceのライブ。アルバム≪Reggalation Rock≫のリリースパーティー。

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8月頭に下北沢のド深夜に観た時よりも低音が引き締まっていて、バンドの凄みが3割増しで堪能できました。素晴らしいライブ。特にドラム、ベース、パーカッション、ギターの4ピースの怒涛のリズム隊に燃えました。ドラムの一音入魂の引き締まった音、全盛期の武双山の突進を思わせるコウチさんのベース、センスしか感じさせないギター。前回観たときもそうですが、あのギタリストは本当にかっこいいです。見た目がハンターxハンターに出てくる蟻にやられた人に似ていると同行のサンディーと盛り上がったのですが、そのキャラの名前が思い出せずにモヤモヤしていましたが、帰りの電車で思い出しました。「カイト」です、ああすっきりしました。

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それにしても変則的なリズムがさらに磨きがかかっていて面白い。曲を聴きながら必死で拍を捉えようとしてみたのですが、これがなかなか難しい。17拍子(2017年にちなんだそう)までいきなり出てこられると、流石に捉えきれない。捉えきれなくても、十分に躍らせてしまうのがまた凄い。変則的な拍でドッカンドカン叩きまくるドラム、アフロ度の高い呪文のようなリズムを刻むギター、淡々と肝を押さえているかと思わせておいて突然ズドーンとぶち込むベース(この場合、ベイスというのが正しいのかと)。フォーマットとしてはジャマイカ音楽がベースなんでしょうけど、レベル・ミュージックとしての佇まいは紛れもなくロック。痺れました。
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ゲストも凄くて、ランキン・タクシーにこだま和文。芸人魂炸裂のランキンさんは合間の素に戻る瞬間の感じが実に可愛らしくて面白い。オウトオブキー唱法は気持ち悪いのだけど、気持ちよいという変な展開。いつものようにアジテートも笑える。こだまさんは生で観るのは二回目ですが、一音吹いただけで景色を変えてしまうのが凄い。あのトランペットに合わせて/その後にホーンを吹く人は気の毒だな、と。卵の殻の上を歩くのはマイルスですが、殻を割らずに彫刻する、いや違うな、これでは表現できていない、もっと的確な表現がありそうだ。やはりDub Station Bandを観に行ってじっくり味わうしかありませんね。

ということで、燃えたRI、次回は10月にリトル・テンポ、リクル・マイとのライブがあるそう。25日水曜日、果たして時間を確保することが出来るのか?うーむ。

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by zhimuqing | 2017-09-16 00:28 | Open the gate | Comments(0)

マンボ、独走!

代官山は意外に遠くてなかなか足を延ばす機会がないので、「晴れたら空に豆まいて」に入るのもかなり昔の梅津和時依頼の2回目。今回はギター・マガジンのカリブ海特集のイベント。あの特集自体が無茶な感じだったのですが、その筋のギタリストが一堂に会してみんなでギターを弾くという、これまた無茶な催し。

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イベントはギター・マガジンの編集者とワダマンボとのトークから始まったのですが、ワダマンボのトークは吾妻さん直系で大変面白く、しかも色々と気づかされることも多くて、もっと聞きたかったというのが正直な感想。ギター・マガジンの特集がジャメイカの偉人3名が中心となっていたため、話の流れがどうしてもロック・ステディやレゲエ方面に偏ってしまうのは仕方がないところ。


でも折角のワダマンボですから、もっとカリブ海全体に話を広げても良かったもと思いますが、それは仕方ないのでしょう。誰もついていけませんから、ワダマンボ。カリプソ界を中心としたギタリストについてのワダマンボの記事、編集部の人は誰もチェック出来なかったそうですから。記事で紹介されているギタリストの音源どころか名前を誰も聞いたことがなく、しかもネットで探しても音源がアップされておらず、原稿のチェックが何も出来ない(=ワダマンボが適当に記事を書いていたとしても誰も真偽が分からない)レベルですからね。


他にも編集時の裏話的なものでも興味深い話がたくさん。少し耳が遠くなってきているアーネスト・ラングリン、電話インタビュアーの質問に対して全く違う趣旨の答えを返してくるのだけど、その答えがいい話なので仕方なく記事では質問の方を回答に合わせて編集したとか、ハックス・ブラウンのインタビューが急遽取れたので、奏法解説のページを泣く泣く削ったとか、編集部の試行錯誤が随所に伺えるいいお話。ビザールギターという言葉を作ったのは前の編集長だとか、特に名を秘しますがカスラックと音楽誌の攻防の話も。

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ステージに置いてあるビザールギターの数々について熱く語るマンボ氏。


トークの後は、ワダマンボ+アンドウケンジロウのデュオ。ワダマンボ、実に聴かせます。ゴリゴリ、いや違うな、原石のゴツゴツした部分をうまいこと残して磨き上げたかのようなギターが実に素晴らしい。ちょっとしたカッティングでも別格の輝きが。鋭角にねじれるようなソロもかっこいい。カリブ海の北から南まで自在に漂うようなスタイリストぶりはお見事。私はカセットコンロスのリズムセクションがもの凄く好きなのですが、ワダマンボのソロや今回のデュオも観ておくべきだなと痛感。かっこいいっす。


第3部の東京のロック・ステディ/レゲエ界隈の猛者を集めたセッションバンドでは、ヤギー&小粥鐵人両氏のドラム&ベースがいつものように快調で素晴らしい。何度見ても勉強になりますね。Matt Soundsの二人のギターの絡みを楽しみにしていたのですが、ステージ上には4人のギタリストがいるわけで、二人の微妙な絡みをじっくり聴けなかったことが少し残念ですが、それでも秋廣シンイチロウの音価を自在に変えるカッティングの凄みには改めて感じ入りましたし、何よりも今年屈指の名曲と思っているBaku’s Steadyが聴けたのが嬉しかったです。これはなんとか7インチをお願いしたいところですね。

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ということで、驚きのギター・マガジンのイベント、10年殺しの特集(一度やると10年間はその特集は出来ない、という意味らしい)なので、今後私の興味を引きそうなイベントはそうそうないとは思いますが、なかなか面白い企画。こういう事だったら去年やっていたジャズファンクのイベントも観に行っておくべきだったなと後悔しながら帰ったのであります。


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by zhimuqing | 2017-09-11 00:07 | Open the gate | Comments(0)

研究を進めなくては

ジャメイカを代表する鍵盤奏者、アール・ワイヤー・リンドが亡くなったそう。何といってもウェイラーズのキーボーディストとして有名な人。訃報を聞いたマーシャ・グリフィスは「彼にしか出せない音があった。ジャッキー・ミットゥーと同じように。他と違う独特のサウンドを」と話したそうですが、アメリカのソウルもそうですが、こういう寂しいニュースが多くて参りますね。

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間違いなく世界最高峰、世界最高のバンドだったころのウェイラーズの有名な写真。ボブ、ピーター、バニーを差し置いて一番前でポーズを取っているのがアールですね。ちなみに残りの二人は言わずと知れたアシュトンとカールトンのバレット兄弟。

さて、そんな悲しいニュースでも名前の出たジャッキー・ミットゥー、ここ数年私が熱心に聴いているミュージシャンですが、ミットゥーの残した作品には駄作が無いと言っても過言ではなく、どの時代の音も素晴らしいとしか言いようがないのですが、やはり一番キレキレだったのは60年代末にカナダに移住する直前だったと思いますね。アルバムで言えば、67年の≪In London≫を皮切りに70年の≪Now≫や≪Macka Fat≫ぐらいまで。ま、個人的にこの時期のジャメイカの音が一番好きだ!という事もあるのでしょうが。

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で、最近ようやく購入したのがソロとしてはセカンドの68年作≪Evening Time≫。なかなか買おうとしなかったのは単なる思い込み。よく見かける紹介文で、「恋は水色やウェディングソングを含むラウンジ、和み系」というインプットをされてしまっていたのですね。和み系というのは多分ジャケットの写真のイメージか、それとも可愛い音色のオルガンのせいなのかな。

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実際に聴いてみると、グリグリ攻めるリズムでこれは猛烈に私の好み。ロックステディーは結構メロウな音楽なように聞こえますが、ドラムとベースだけでなく、ギターや鍵盤まで音の重ね方がもの凄くタイトかつ繊細で、その部分こそが最も旨味がある部分。その中で、ミュージシャンそれぞれの特徴というかクセを楽しむというのが醍醐味(の一つ)なのですが、この時期のミットゥーの音はそんな中でも格別なのですね。

当時のミットゥーと言えば泣く子も黙るスタジオ・ワンの番頭さん。でも、正直言うとこの時期の音ではスタジオ・ワンよりもトレジャー・アイルのスーパー・ソニックスの音の方が私は好きなのですね。というか、ソニックスのウィストン・グレナンやヒュー・マルコムのドラムやグラディ・アンダーソンのピアノ、そしてなによりもジャッキー・ジャクソンのベースが好きなのでね。(ベースの音の長さに対する感覚が気持ちよいのだ) なので、例えばアルトン・エリスでもどうしてもトレジャー・アイル盤のほうを選んでしまうことが多いのだけど、ミットゥーだけは何かが違って聞こえる気がするのが不思議なところです。

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私の大好きなジャッキー・ジャクソン。ジャクソン・ファミリーではないですよ。


おそらくベーシストの違いかな?と思っているのですが、ロイド・ペレヴェットとリロイ・シブルズの違いかも、と。スキャタライツのプレヴェットのほうが私好みの音のような気がするのですが、この辺はいかんせん研究不足なので、何とも言えませんね。ま、単純にミットゥーの監督というか采配が自作の時はより強調されていた、というのかもしれませんが。
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プレヴェット師匠。歳をとればとるほどカッコよくなるのは、カリブ海の伝統か?

ということで、スカ時代以降のミットゥー初期の次なる探求はソウル・ヴェンダーズのアルバムかな。オリジナル盤はなかなかの高値だし、リイシューでいいのですけど、どこかに安く転がっていないかな?ま、それを足で探すのが楽しいのですけどね。
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by zhimuqing | 2017-09-08 01:11 | Open the gate | Comments(0)

初めて購入

すみジャズの興奮も冷めやらない中、日常生活に復帰しなければならないわけで、一日置いてタイへ出張。ま、これも浮世の義理、等と言ってはいけませんね。

国際線の機内プログラムは月替わりなので、新作は流石に見尽くしました。それにしても機内で観る映画は映画館に観に行くものより期待値が低い分、よほどひどくない限り楽しめるのがいいところです。機内でなければ観ることがないであろう『ジーサンズはじめての強盗』も『ビニー/信じる男』も『LION/ライオン』も、あと一本なんだっけ?バディもののリメイクも全て楽しめるのがいいところです。が、しかし本当の名作を観ると余韻の深さの違いに改めて驚いてしまうのも事実。ものすごく久しぶりに観た『フォレストガンプ』とか『フィールド・オブ・ドリームス』、この辺は昔観た時よりも感動が深くなっているような気がするのは、私が歳をとったせいもあるのでしょうが、それだけではないですよね。

さて、それはさておきギターマガジン9月号ですよ。全力での特集「ジャマイカ楽園のギタリストたち」!これは快挙というよりほぼ暴挙でしょう。130ページを超える大特集。3大ギタリストとしてラングリンが筆頭、次がリン・テイト、締めがチナ・スミス。しかもそれぞれのインタビューまで載ってるって、これはレゲエ・マガジン?それともRiddimですか?って感じですね。(リン・テイトのインタビューはラフンタフ関連なので、まさしくRiddimですが)

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この総力特集具合を見よ!
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チナ・スミス、超カッコいい!


しかも、そこにとどまらずスーパーソニックスのハックス・ブラウン(好きなんです)やナウ・ジェネレーションのマイキー・チャンまでたっぷりインタビューが載っている。ハックス・ブラウンは大好きなんですとか言いながら、現役で活動しているなんて知りませんでしたよ、私は。嬉しい驚きです。メントやカリプソについても触れられているのですが、アンセル・ワイアットの名前が載っていて笑います。さすがに紙数も限られているので分量は少なめですが。カセットコンロスのワダマコト氏による随分深くまで掘り込んだ解説がとても素晴らしい。ルンバやカリプソ、ジャイブ等との相互影響を踏まえた上での音楽的な解説が出来る人は稀有なのではないでしょうか?

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日本のミュージシャンのインタビューもたくさん。Matt Soundsのお二人をはじめ、最近ライブを観た人が多くて、そこも面白いですね。ギタリストとしてのピーター・トッシュの評価、特にワウの使用についての言及が多くて嬉しくなる私。プレイヤー視点で見ると、個人的に一番興味深いのは元ドライ&ヘビーのThe Kによる音価や左手の話ですね。

レコメンドされている音盤のチョイスも実に良い塩梅。それにしても残念なのはこの辺のCDがほとんど入手困難になっているという事。でもアーネスト・ラングリンの初期音源やリン・テイトは大丈夫です。日本が誇るDub Store Recordsが一気に再発してくれていますからね。私もこの再発で一気に手に入れました。あとは英Soul Jazzぐらいえしょうか、割と簡単に入手できるのは。でも、その辺も一度売り切れると、入手大変になると思うのである時に是非とも。今よりも5年後、5年後よりも10年後のほうがもっとよく聴こえてくること間違いない音楽ですからね。

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リン・テイトの3枚はどれもお勧め。内容は甲乙つけがたいけど、ベストは一番下のグラッドストーン・アンダーソンとのGlad Soundsかな。ジャケ的には文句なしに手前のRock Steady。


そんな素晴らしいギター・マガジンですが、一つだけ気に食わないのはこの広告。

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まさにF××キン ×スラック!これほどジャメイカ音楽と合わない広告もなかろう。


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by zhimuqing | 2017-08-23 12:21 | Open the gate | Comments(0)

26時10分スタート

以前から見てみたかったReggaelation Independenceのライブが開催ということで、深夜の下北沢へ。
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深夜と言っても凄いですよ。RIの登場はなんと26時10分。この界隈では特に珍しい時間帯ではないようですが、個人的にはちょっと驚きの時間帯。周囲の中では宵っ張りな方の私ですが、レゲエ界はなかなか奥が深いようです。会場に到着したのは深夜25時40分。駐車場が探しやすい上、料金が安いことは良いのですが。
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ドラム、ベース、コンガ、ギター、鍵盤+ギターの5リズムにトロンボーン、テナー、トランペットの3管。に合わせてダブミキサー。メンツ的にもっとレゲエ方面に寄せるかと思っていた私の予想は外れ、アフリカにずっと寄せた音。それもアフロビートだけでなく、西アフリカ全般。要は分離の良いドラムを決めるドラム、そしてファンキーなギター。特にギターの松本龍一さんは先日新宿でダブメインの演奏で見た時よりもぐっとアフロ色を強めた感じ。スライドバーを使っても、ロッキッシュに決めても、呪術的な反復フレーズを決めても、全部カッコいい。私の好きなフレーズをバシバシと繰り出してきて、ずいぶんと引力の強い演奏です。そうそう、ベースのコーチさんは言わずもがな。いや、凄いバンドです。
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ダブミックスをしていた人はiPadを見ながら調整していた人だと思うのですが、あの辺の文明の利器的なものは私にはよく分からないのですが、ああいう操作系は見ているだけで色々妄想が沸いてきますね。それにしても、ダブの感覚というのは今のミュージシャンにも必要とされる感覚だと思うのですが、ミキサーともなると音楽というよりも絵画系の才能が必要だなと、絵画の才能が無い私は思うわけです。
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それにしても、こういう濃厚な音を抜群の結束力で奏でるバンドが深夜未明に入場料無料でライブをやっているというのはやはり東京ならでは。爆音を浴びて、全身の細胞が開きましたが、終演後会場を出ると近所の苦情を受けたのか、お巡りさんが立っていてびっくり。ま、私はそそくさと帰るだけだったんですけど。
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年内にはまだまだたくさんライブを控えているようですが、やはり目玉は9月15日の新作リリース記念のライブでしょう。万難を排してスケジュールを開けなければ。なお、そんなに遅くない時間なので、翌日へのダメージも少ないし、一緒に行ってくれる人を募集中です。笑
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by zhimuqing | 2017-08-05 23:28 | Open the gate | Comments(0)