カテゴリ:A Felicidade( 53 )

Welcome to Marwen

ロバート・ゼメキスの11月公開予定の新作『Welcome to Marwen』、名作の予感!
e0147206_1227694.png




ま、モネイちゃんが出ているだけで名作は確定なのですが笑、それにしてもジャネール・モネイの役選びの確かさは完璧です。ムーンライト、ヒドゥン・フィギュア、エレクトリック・ドリームズ。返す返すもスタートレックのオーディションでモネイを落とした制作陣の見る目のなさが残念です。

e0147206_12274862.jpg
e0147206_12281964.jpg
e0147206_12283560.jpg

[PR]
by zhimuqing | 2018-06-21 12:47 | A Felicidade | Comments(0)

If we do nothing, neither are we

もともと水陸両棲というのに憧れがある私、動物だったら両生類、恐竜だとモササウルス、ジョジョだとハイエロファント・グリーン、キン消しで一番大事にしていたのはアトランティス。学生の時の研究対象は海藻。アマゾンの半魚人という設定の時点で、「シェイプ・オブ・ウォーター」は間違いないこと決定だったのですが、いつものようになかなか観に行かず、上映館がなくなっていくギリギリのタイミングで映画館に。
e0147206_1145574.jpg
もう想像以上に素晴らしい映画。「美女と野獣」はなぜ最後に野獣を王子に戻らなきゃいかんのか?という思いで作った作品だそうですが、映画全編に流れる社会の中心から外れた(外れざるを得ない)人々への共感、そして多様性を持った社会への前向きなギジェルモ・デル・トーロのメッセージが全面的に打ち出されています。自閉症の子を持つ親という立場から逃れることが出来ない私ですが、それを横に置いていても心に沁みる映画です。

半魚人の救出チームの構成が絶妙です。ろう者、黒人、ゲイ、自分の組織へ疑念を抱く共産主義者。それぞれ疎外されているのになかなか結び付くことが出来ない社会的少数者。そこに加わる半魚人は異文化の象徴でもあるし、発達障害の人のようにも感じます。このメンバーを演じる俳優の演技がまた素晴らしい。オクタビア・スペンサーの軽妙なのに思慮深さを感じさせる演技も見事ですが、特に印象に残るのがおそらくはアルコールではなく性的少数者であるために職を失わざるを得なかったジャイルズ、そして組織と折り合いがつけられずに煩悶するディミトリ。

絵描きのジャイルズは主流となる社会に馴染んで生きていくことを諦めることが出来ない男。社会とのつながりを求め、無理な努力(まずいパイを買い続ける)を重ねる男。ハッピーではないと評され“Maybe later”と言われ続ける自身の作品。公民権運動のニュース(=現実)から逃避し、古き良き時代の映画にひきこもっているジャイルズの姿は社会の主流から疎外された人の姿の象徴なのでしょうが、もしかするとデル・トーロ自身を反映させた人物かもしれません。
e0147206_1153048.jpg
映画の中盤でエライザの申し出に心が動きながらも、ジェラルドは自分を押し殺して社会の主流に同化することを選ぶわけですね。“I have to go. Second chance to me. Nothing. We can do nothing.”と言って。しかし、どうしても元の会社から自分を受け入れてもらえない。さらに自分の絵(=ありのままの自分)を評価してくれると感じたパイ屋の兄ちゃんから拒絶され、さらに黒人夫婦が店から追い払われる様子を間近に見て、ジェラルドはここで変わる。ただ座して見ているだけでは駄目だと悟り、イライザと行動をともにすることを選び、半魚人との交流、特に猫の一件、を通して人として大きく成長していくわけです。

半魚人に直接触れられて「衛生上まずい」と言っていたジャイルズが、相手を「面白い男だ」と言い、お互いの頭を撫であうという友情にまで成長していく。この一連の流れは見どころだらけのこの映画の中でも屈指の場面です。「異文化との共存」というデル・トーロのメッセージが濃厚に凝縮されていて、濃厚な旨味にあふれています。
e0147206_1154548.jpg



「血が出ることもある」
「多少傷つくこともある」
「本能だから仕方がない」
「僕は大丈夫」
「そこに違いがあって当然」


私の父が羨みそうな髪の毛の件も、人はいくつになっても成長出来るというデル・トーロのメッセージですよね。


もう一人はディミトリことホフステトラー博士。ソ連のスパイでありながら、組織にも疑問を感じているディミトリは主流社会からも自分の共同体からもはみ出した存在。そんな疎外感を感じているディミトリには、航空宇宙センターの同僚には見えていない(いないも同然の)清掃員イライザやゼルダの姿が見えている。なので同僚とは違って、ゼルダの言葉遣いにも反応するし、すれ違う際にイライザと会釈もし、最終的にはお互いを理解しあうまでに至る。
e0147206_116212.png
半魚人を実験体操としてでなく、美しい生物としてみているディミトリは組織の一員として流されていくことを拒み、自分自身の価値観に寄り添うことを選ぶわけですが、その選択には切り捨てられる立場の悲哀でなく、自分で道を切り開いていく喜び、自分で物事から学び取る喜びが表現されています。もちろんこれもデル・トーロのメッセージでしょ。ただ状況に流されていくだけの生き方でいいのかい?という。

I came to America to learn what I could, as a patriot yes,
but also as a scientist.
There is still much we can learn.


We don’t need to learn. We need Americans not to learn


そしてジャイルズやディミトリと対比的に描かれるストリックランド。成功の象徴を追い求め、半魚人をただ気持ち悪いものとしてのみ受け取る強迫観念の塊。妻と精神交感することもできない男。マイケル・シャノンの演技が展開を引き締めます。手の傷の悪化に向き合えない男には昨今の日本の状況を重ねてしまう私ですが、それは置いてきましょう。
e0147206_11617100.png
イライザやディミトリが見えているようで全く見えておらず、チープなキャディーに依存して「Power of positive thinking」を愛読するという男というのも、なかなか強烈な皮肉です。ロシア語を喋っていたというだけで発砲する単純さも含めて。異文化の存在とその価値を認める瞬間を人生の最後で迎えるストリックランドがそこで救われたのかどうかは理解が分かれそうですが、私としてはそもそも早い段階から本人は気が付いていたことではないかという気がしております。

イライザのシーンの色使いは本当にきれい。これは登場人物の中で一番自由であることを表現しているのかもしれません。イライザについては多くの言葉は不要ですね。ルールを変えて、流してしまえる逞しさ。帽子やショールで外の音を聴くイライザが半魚人の胸の音を聴くシーンも雨の粒で心の自由さを表現した場面もとても美しい。ガラス越しのぼやけた表現も。音楽や絵、ダンス、手話で境界を盛り超えるイライザと半魚人の交流の在り方にも強く共感しますね。
e0147206_1163788.jpg
e0147206_117594.jpg
これは私の好きなシーン。

チョコレート工場の火事やSurf & Turfのように意味がつかめていないものもあり、アマゾンの奥地で捕まった半魚人なのに生息するために水の中に塩分濃度が必要な点も納得できていないのですが、多分まだまだいろいろな部分を見落としているのでしょう。実は先週今週と機内上映でも2回観たのですが、いろいろ削除されているシーンがあり、逆にもやもやが膨れてしまっている私。DVDの発売を待つしかなさそうです発売されていたので先ほどポチリました。ということで、今年の№1はスリー・ビルボードかと思ったのですが、それを軽々と超えるこの映画。観ていない方は是非とも。
e0147206_1173568.jpg

[PR]
by zhimuqing | 2018-06-05 23:28 | A Felicidade | Comments(0)

気負いすぎたか!

満を持して映画「ブラックパンサー」。
e0147206_2161327.jpg
アフリカが舞台、マーべルもの、クールな衣装、文句のつけようのない配役、音楽監修はケンドリック・ラマー、私の鉱物、いや間違えた好物をちりばめた作品ということで、大いに期待して観に行ったのですが、結論から言いますとちょっと期待しすぎたというか、気負いすぎたというべきか。

いや、本当に好きな世界観なのですよ。ラストのトランプに対する皮肉を挙げるまでもなく、背景に流れるテーマ、例えばアフリカの民族紛争とか経済格差や援助の問題点とかその辺を包括しながら進めるストーリー。キャスト、特に戦う女性陣もヒップだし、ラマーの音楽は西アフリカに多少沿いすぎている気もしますが、これまた文句なくかっこいい。でも、どうしても盛り上がれない自分がいるのも事実。群れを作らないはずの豹が群れているという違和感ではなく。
e0147206_2163713.jpg
思うに、ブラックパンサーのコスチュームかな、私の敗因?は。途中からどう見ても、子供のころに馴染んでいた(正確には少しずれているけど)戦隊モノを思い起こしてしまい、なぜか作中に入り込めなかったのですね。蒸着!とかグランドパースとか焼結!とか赤射!とかドルギランという言葉を叫んでいた弟を思い出してしまう。宇宙刑事ものとアメコミというのが似てしまうのは当たり前のことだし、今まで君はそれを楽しんできたのでしょ?と言われるとそれまでなのですが、自分の好きなジャンルに大いに接近しただけに、逆に違和感が生じてしまったのかも。

あとはアクションシーンかな。生身の肉体というか力感がさすがに希薄すぎる。それは例えば、ベイダーとルークの戦いのほうがもっと派手なはずのヨーダとドゥークー伯爵の戦いよりも盛り上がらないのと似ていますね。私がオールドスクール過ぎるのかもしれませんが。アッシャーの完璧な歌唱よりジェシ・ジョンスンのへなちょこな歌のほうが痺れることが多いのとも似ているかと。

とはいえ、ブラックパンサーもかっこいいので、アヴェンジャーズの新作で登場するとコーフンするのだろうし、もっと言えば主役よりもかっこいいオコエとシュリのスピンオフを期待するわけですが。なんかめんどくさい観客で申し訳ございません、という感じですね、はい。
e0147206_2165195.jpg
お久しぶりのアンジェラ・バセットも相変わらずおきれいですね。
e0147206_2194670.jpg
ヴィヴラニウムの資源量も少し気になるかも
e0147206_2242865.jpg


タイ関係をネットで見ていると、なかなかマーべルな写真が多くうれしくなる。このくらい気負いがない自然体というのが望ましいものです。
e0147206_2393582.jpg
e0147206_2394511.jpg
アヴェンジャーズに出演してほしいものだ。
e0147206_2401969.jpg

[PR]
by zhimuqing | 2018-03-31 00:28 | A Felicidade | Comments(0)

映画館で観ればよかった

タイからの出張の帰り、期せずして機内で観たブレードランナー2049の面白さにびっくり。
e0147206_1944172.jpg
ブレードランナーを観たのも随分前だったので、どうしようかと迷ったのですが、機内プログラムのいいところは過去の関連映画もやっているところ。幸い前作もあったので、復習を兼ねて見直したのも良かったのかもしれない。ドゥニ・ヴィルヌーヴの映画は前作「メッセージ」しか見たことがありませんが、確かにあの作品ももの凄く面白かった。映画館で観なかったことを激しく後悔。映像も映画館で観ると綺麗だったろうに。
e0147206_19461629.jpg
個人的には前作よりも好きです。アナ・デ・アルマスにくぎ付け。
e0147206_19444994.jpg
それにしても結局デッカードはレプリカントだったのかどうか?
[PR]
by zhimuqing | 2018-02-09 20:28 | A Felicidade | Comments(0)

デトロイト

ということで、映画デトロイト。噂に違わぬ凄まじい映画。67年の暴動、そして当時の滅茶苦茶な警察を描いたものだとは聞いていましたが、こんなにストレートに今の状況を撃っているとは。正直何度も観たくなる映画ではありませんが、でも一度は観ておくべき映画だと思います。
e0147206_13534881.jpg
やはり圧倒的なのはモーテルのシーン。なし崩しに転げ落ちるモラルと自制心。権力の暴走を堰き止め者が決壊する瞬間のあっけなさ、そして逃げ場のない中で剥き出しになった暴力と対峙する恐ろしさ。強烈なシーン。モーテル以降のシーンだって結構恐ろしい。ですが、これは67年の話というだけでなく、その後50年間続く現状であるというのがおぞましい。さらに言うと、こういう状況は実際のところ、どこでも起こりうるのではないか?とも思ってしまい、更に怖くなってしまうのですが。
e0147206_1350038.jpg
血の匂いが漂ってきそうな映像と演技。これを演じる俳優もそれを撮る制作陣の忍耐力も凄いと感服。特に差別主義者の警官クラウスを演じたウィル・ポールター。文字通り鬼気迫る演技。撮影の合間に涙を流していたそうですが、なんという精神力。逃げ場のない極限状況を演じるアルジー・スミスとジェイコブ・ラティモア、一つ間違うと自身が標的になってしまうジョン・ボイエガの押さえた演技も良かったと思いますが、やはりMVPはウィル・ポールター。自分のイメージが崩れるから悪役を演じないというスターもいる中、大したものです。
e0147206_13474277.jpg
随所に入る音楽のシーンは少しだけテンションを変えてくれるのがありがたい。何といっても60年代後半のデトロイト。当然のようにモータウンナンバーがかかるのですが、選挙kが渋すぎる。テンプスやマーヴィン&タミーとかの有名どころだけでなく、なんとブレンダ・ハロウェイ!やエルジンズ‼を選ぶのはただものではない。さらにドン・ブライアントも。イギリスか日本のマニアが選びそうなチョイス。選曲した人の話を聞いてみたいものです。
e0147206_1351375.jpg
主役の一人はドラマティックスのラリー。ラリーというからてっきりラリー・デンプスかと思ったらラリー・リード。知らない名前だと思ったら、ドン・デイヴィスと縁が出来る前にグループにいた人だそうで、ロン・バンクスとともにグループを作った人だそう。ダイナミックス名義の時にはいたのかな?元の声が分からないので、その辺は不明だな。 アルジー・スミスのような声ではないとは思うのですが。

劇中に出てくるマーサ&ザ・ヴァンデラスが激似。特にマーサ。本物の映像を加工したのかと思いました。ただ、ヴァンデラスのロザリンド・アシュフォード、ベティ・ケリーの役は最後のクレジットでそれぞれヴァンデラス1、ヴァンデラス2になっていて、何となく気の毒な感じ。何とかならなかったのでしょうか?そこを気にする人もあまりいなのでしょうが。

そうそう、ラストの曲が特に素晴らしいなと思ったのですね。特にドラムが凄くて、猛烈に気になったので、結構早く流れるクレジットを必死で見るとAhmir ThompsonとBilalの名前があり、大いに納得。まったくこれまた大したものです。
e0147206_13555749.png
とりあえず帰国したらサントラを買いに行こう!
[PR]
by zhimuqing | 2018-02-06 23:28 | A Felicidade | Comments(0)

機内の3本

機内の映画シートに“All Eyez On Me”というタイトルがあり、これは2パックのアルバムと同じタイトルだなと思ったのだが、本当に2パックの伝記映画なので驚きました。
e0147206_20382086.jpg
結論から言うと、もう一つかな。“Straight Outta Compton”並みの面白さを期待したのですが、やはり群像劇にはかなわないのかな。ストーリーの起伏には事欠かない2パックの人生なので、もっとドラマティックに描いても良かった気はしますが、やり過ぎると叩かれる中ではそれもなかなか難しかったのでしょう。極道シュグ・ナイトの描かれ方は“Straighy”に比べるとやはり穏やかなもので、全方位に配慮しすぎているのではないかとも思います。(シュグのお墨付きを得られているという話もむべなるかな)
e0147206_2038475.jpg
ジェイダ・ピンケット・スミスとの間柄については全く知らなかったのでなかなか面白く見ていたのですが、当のジェイダは完全なるフェイクな話と怒っている模様。パックの母親、アフェニ・シャクールとの絡み、特にパックが母親が薬物から立ち直るためにあえて突き放したりしていた逸話はもうちょっときちんと描いても良かったのかも。ハードコアな部分が薄れてしまうけど、それはそれで本来のパックの姿に近いようにも思うのですけどね。
e0147206_2040411.jpg
アフェニ・シャクールの若いころ。
e0147206_20391447.jpg
ブラックパンサー‼


e0147206_2042521.jpg
スパイダーマン・ホームカミングは全く期待していなかっただけにかなり満足。過去のスパイダーマンのアクションは初めワクワクするものの、すぐに慣れてしまい新鮮味が無くなってしまっていたのですが、2回目のリブート作はその辺もよく考えられています。アイアンマン開発のスーツのおかげもあるのだけど、飽きさせることもなく、最後まで楽しめます。力をうまく使いこなせなくてドタバタする青春映画っぽさも楽しいし、相棒のアジアンの太ったお兄さんも良い。悪役のバルチャーが元バットマン役なのも面白いし、随所に入るキャプテン・アメリカの映像もバカっぽくてなかなかよろしい。
e0147206_20431486.jpg
ですが、私が一番盛り上がったのはバルチャーから武器を買おうとしたクールなお兄さん。ドナルド・グローヴァ― aka チャイリディッシュ・ガンビーノ!ま、私だけではないでしょう、はい。グローヴァ―主演でのマーヴェルもの、作ってほしいのお。いずれにしても、リブート2回目のスパイダーマンは当たりですね。


e0147206_20463526.jpg
ローガン・ラッキー。前情報なくして観る。正直この3本の中ではこれが一番好きですね。オーシャンズ11のような映画だけど、あんなに華麗な泥棒立ちではなく、昨今のアメリカ(だけではないですが)の状況の中で表現。いったんセーフネットから外れると自力で這い上がることが困難となる格差社会、末端で働いている人のことを顧みない本社、そのような中でもなんとか自分のプライドを維持して生きる人々。そんな田舎っぽさが溢れる等身大の設定の方が今の時代にはしっくりくるというものです。

プロットもよく考えられていて、少しややこしめのものが多いのに場面の種明かしで分かるものが多く、後から何度も見返してみないと分からないというものは少ないのもいい。気が利いている仕掛けの中で特によく考えられているのは10か条のチェックリストでしょうか。最後のシーンは私の好みですが、カントリー・ロードを歌うシーンが泣けるのは私がおっさんになったからでしょう。。グミと塩の実験はそのうち娘とやってみたいと思います。
e0147206_2045862.jpg
それにしてもイラクで左手を失い義手を付けている弟クライド役を演じるのはアダム・ドライバー。いつフォースを使うかどきどきしましたね。ジェダイ関係だったら義手は右手でしょ?と思ったのは私だけではないでしょう。
[PR]
by zhimuqing | 2017-12-15 23:28 | A Felicidade | Comments(0)

本編観たいぞ!

これ、本編を作ってもらえないものでしょうか?


[PR]
by zhimuqing | 2017-12-12 08:28 | A Felicidade | Comments(0)

これはお勧め

トリバリスタスの新作。カルリーニョス・ブラウン、アルナンド・アントゥネス、そしてマリーザ・モンチのトリオ。
e0147206_159568.jpg
トリバリスタス、一度きりのスペシャルユニットのようなものかと思ってました。まさかの新作。3人の個性が織りなす魔法の音楽。細かい言葉は不要ですね。黙って聞き惚れるのみ。購入してから2か月経った今もただ聞き惚れています。

それにしても声の混ざり方が実に素晴らしい。いつも艶やかなマリーザ・モンチの歌がアントゥネスとブラウンの声と混ざると、さらに艶やかになる不思議。アントゥネスの乾いた声とモンチの組み合わせは絶品ですが、随所に入るブラウンのアフロ成分濃厚な響きがこれまた効いていますよね。モンチの声にうっすらと漂う、オブラートに包まれた毒薬のような棘も更にうまい具合にほんの僅か、ごく僅かだけ顔を出す、その塩梅にも痺れます。
e0147206_1594057.jpg
きめ細やかな音作りはさらに磨きがかかっていますね。1曲の中に使っている楽器の種類は相変わらず大量で、しかも秘かにフェイドインして秘かに消えていく音も多く、聴けば聴くほど新しい発見があるのですが、その音は聴き手の想像力を掻き立てつつも、あくまでも歌を際立たせるためのもの。精緻を極めた細工のような音に溜息しか出ません。あと、このユニットの勝因?はやっぱりカルリーニョス・ブラウンのリズムですよね。ドラム、カホーン、コンガ、ビリンバウ、クラーベから電子音まで。この躍動感は本当に大切な要素

個人的に特に印象に残るのはどこかへんてこなエレキ・ギターなのですが、クレジットされているのはDadiとPedro Babyの二人。Dadiは私にはわりと馴染みが深くてジョルジ・ベンの2大傑作、“A Banda Do Zé Pretinho”と“África Brasil”やカエターノの“Circuladô”のライブ盤でベースを弾いている人ですね。なので、印象に残るへんてこなギターを弾いているのはPedro Babyなのでしょう。(関係ないけど、なんだかアンジェラ・ベイビーみたいな名前です)
e0147206_1512790.jpg
たしかにヘンテコギター、弾けそうな感じではあります。(失礼)

ということで、同時に発売されているDVDも買っておいた方が良いのか?と思っているのですが、Youtubeにあるこの映像はDVDと一緒のものなのかしらん?



小物関係の多彩さは映像を見るとよく分かりますが、屈託がない楽しそうなモンチの姿。モンチの声に毒薬が…みたいな私の勝手な感想を大いに裏切るような姿。ま、それはそれでよいではないか!ということで。今年屈指のアルバムですね。ライブ、観たいけど、日本では無理でしょうね。
[PR]
by zhimuqing | 2017-12-11 00:28 | A Felicidade | Comments(0)

奇諜妙計五福星

先日BSで観た五福星、多分30年ぶりぐらいに観たのですが、面白かったです。
e0147206_12562943.jpg
ワイヤーアクション無しでのカンフー映画の良さを改めて見直しました。ドタバタ度の高さも最高だし、5人のキャラ立ちも良い。ジャッキー・チェンやユン・ピョウを無理矢理押し込まなくても良かったと思いますが、営業的に不可欠だったのは理解できるし、そういう押し込み感も往年の香港らしくて嫌いにはなれません。



そうそう、最後の挿入歌は元ネタはカリプソだと思うのですが、どうしても曲名が思いつかなくてモヤモヤしております。


それにしてもBSはここに来て謎の香港映画推し。謎が深まるばかりです。

[PR]
by zhimuqing | 2017-09-26 21:28 | A Felicidade | Comments(0)

なんちゅう若々しさ

御年83歳のジョアン・ドナートの新作は息子ドナチーニョとのコンビでのシンセなファンクというかブギー。若手バンドを引き連れ、アフロビートを見事に解釈した前作にもずいぶん驚きましたが、なんちゅう若々しさ。

e0147206_02324540.jpg

音自体は最近の流行に乗ったシンセ・ブギー、ザップだったりスレイブだったりと元ネタが透けて見えるものではありますが、そういう音作り自体が私のストライクゾーンなわけで、気持ちの良い音にただ身を任せるだけです。そうそう、曲自体の出来が良いのもポイントです。ドナチーニョによるトークボックスもヴォ―コーダーもかっこよいというか、ツボを見事にとらえたもの。センスいいです。
e0147206_02385801.jpg
つまり、一聴するとドナチーニョのソロ作にスペシャルゲストでジョアン・ドナートが参加しましたよ、と聞こえてしまうもの。なのですが、いえいえどうしてあの合気道の達人のような、重力を自在に操るような鍵盤のカッティングが結局は全てを握っているという、ドナート翁の威力がまたもや発揮されたアルバム。名盤すぎる前作≪DONATO ELETRICO≫を聴いた時にてっきりバックを務めているビシーガ70の功績かと思い、慌ててビシーガ70を聴いてみるとそんなに騒ぐほどのものではなく、改めてドナートの凄さを思い知らされたのを思い出しました。
e0147206_02362000.jpg
ドナートは数曲で歌も歌うし、あのメロウすぎるコード進行も聴かせてくれるわけで、個人的には当然大満足。ですが、せっかくなのでドナートがシンセ・ブギ―な曲でどんなメロディーを紡ぐか?とか、シンセ・ブギーなリズムにどんなコード進行を乗せるか?というところまで聴いてみたかった気もしますが、それは贅沢なのかもしれませんね。仲睦まじい二人の様子を見ると、ドナートはもしかするとドナチーニョの才能を世に知らしめたかったのかもしれないし。メロウサイドなドナートを味わってほしい向きには、なんと今年もう一枚ボッサなアルバムが出ているらしいので、そちらで楽しんでくれという事なのでしょう。ということで、LPは日本盤出てますけど、これは音も相当良いので、あるうちに入手して降りたほうが良いかもしれませんよってことで。
e0147206_02392785.jpg
ドナート翁、満面の笑み
e0147206_02375572.png
二人でモントルーでライブやったりしている模様
e0147206_02365080.jpg



[PR]
by zhimuqing | 2017-09-17 16:06 | A Felicidade | Comments(0)