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BlacKkKlansman

スパイク・リーのブラック・クランズマン。レイトショーでも結構なお客さん。

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スパイク・リーは全て見ているわけではありませんが、映画を見ている回数があまり多くない私の状況を鑑みると、熱心なファンなのでしょうね。

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モー・ベター・ブルース、マルコムX、クルックリン、クロッカーズ、セントアンナ。思い起こせばDo the right thingは有楽町で二回、天神で二回の計4回観ていたはず。(当時は入れ替えがない映画館、結構多かったのです)妹のジョーイや弟のサンキにも結構スポットライトが当たっていたような気もします。

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こちらは先日部屋の掃除をしていた時に発掘されたもの。断捨離という言葉から100万光年離れている私の生活が伺えます。どこかにパンフレットもあるはず。

さて、そんな久しぶりのスパイク・リー。先日のオスカー受賞にはなかなか心が震えましたが、KKKに黒人警官が潜入するというストーリー、これはまあ私には完全に必須といえるもの。そうそう、ブラック・クランズマンと片仮名で書くと見事に締まりませんね。BlacKkKlansmanと書かないとね。

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パンサー党やクー・クルックス・クラン、公民権運動、ブラックスプロイテーションについてある程度知識があった方が楽しめると思うし、スパイク・リー節なメッセージの打ち出し方には好き嫌いが分かれるかもしれませんが、私にとっては勿論ど真ん中の映画です。しかし、これが実話ベースの映画だとは全く知らず、映画の最後のクレジットでそのことを知った時はびっくり。

シリアスな展開の中に笑える要素を散りばめて進んでいく展開はたしかに脚色賞に値するもの。ジョン・ディヴッド・ワシントンとアダム・ドライバーのコンビからか醸し出されるもっさり感、私はとても良いと思います。ローラ・ハリアーのカッコ良すぎない感じも。若い頃のデンゼル・ワシントンだともっとスタイリッシュになってしまって、絶妙な味わいが損なわれたような気がします。

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本篇の中でトランプのアメリカを揶揄する描写が散りばめられていて、スパイク・リーが今この話を撮るその必然性が露わになります。最終盤にカットインしてくる2017年のメッセージもさることながら、ハリー・ベラフォンテが若者の前で語るその姿に1番心奪われます。そして最後の最後、プリンスの歌で泣かされます。

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べラフォンテ翁、久しぶりでクレジット見るまで誰か分かりませんでした。

結局、今も変わらない状況への苛立ち、調和と対話よりも分断を志向する政治家とその支持者。KKKのディヴッド・デュークの物腰の柔らかさは昨年町山智浩が「アメリカを知るテレビ」で突撃取材していた白人至上主義団体の代表のそれと共通していて驚かされますが、当時のデュークの発言が現在のトランプのそれと重なっていることに気付かされた時の気味の悪さは相当なものです。

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その気味の悪さこそが、最近の傑出した映画の多く、例えばグリーンブック、ヒドゥン・フィギュア、シェイプ・オブ・ウォーター、スリー・ビルボード、そういった映画の多くに通奏低音として流れていることに気付かされて、これまたなんともやり場のない気持ちになるわけですね。

ストークリー・カーマイケルの演説シーンはなかなかの迫力です。ブラックパンサーを描いた映画といえば今二つだったマリオ・ヴァン・ピープルズの映画しか観ていないので、ヒューイ・ニュートンやボビー・シールやエルドリッジ・クリーヴァーを含め、きちんとしたものが観てみたいし、今の時代にこそ求められているとは思っているのですが、そんな世間の要望を感じていたのか、この映画の共同制作者というか、むしろ言い出しっぺ?のジョーダン・ピールがパンサー党の映画を撮影するそう。フレッド・ハンプトンを主役に据えた設定とのことで、これは楽しみがまた一つ増えましたね。個人的には、誰がアンジェラ・デイヴィスを演じるのか興味津々でもあります。

そうそう、黒人が白人の喋り方の真似をして大儲けする、でも最後にみんな馬人間!になってしまうというこめで映画を昨年機内上映で観たのですが、タイトルがどうしても思い出せない。あれはあれで強欲資本主義を揶揄した面白い映画だったのですが。

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by zhimuqing | 2019-04-16 00:28 | Change! | Comments(0)
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