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充実で納得の4枚目

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ラファエル・サディークの巧みな足捌きと自身の才気とが見事な化学反応を起こしたソランジュの前作《A Seat At The Table》は発売後3年近く聴き続けても瑞々しさを失わない稀有なアルバム。
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練り込まれたシンプルな音に徹底的に抑制を効かせた歌唱。艶めかしさとひたむきさの両方が切り口からたっぷりと溢れてくるアルバムですよね。アーティストの才能が花開く瞬間を捉えたアルバムでもありますが、そんなアルバムはありそうで、意外に無いものです。
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で、その力作に続く新作。クレジットは不明な部分が多いのですが、とりあえずサディークは参加していない模様。なかなかしぶとくて、奥行きというか噛みごたえがあるのは前作同様。口当たりは良いのにあっさりと飲み込んでしまうのはあまりにも勿体無い、というのもまた同じ。
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ただ、肌触りはかなり異なっていますね。より粒子がばらけた感じ。有機的でなくなったとも言えますが、それは昨今のR&Bのバンドのトレンドを見事に消化した結果でもあります。ほんの少しだけ歪ませたバックトラックの上で滑らかにグルーヴしてみせる歌は少しだけ青臭い味わいがあり、ジャネット・ジャクスンが聞くと嫉妬しそう。
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敢えて音を凝縮させない音像はふとした拍子にサン・ラーの可愛い歌モノなんかも連想させてくれたりもします。随所に挟み込まれる可愛いピアノのリフレインや宇宙的なコーラス、LAの最近のジャズの若人によるサン・ラーのヒップホップな解釈というか。最新のスタートレック(ディスカバリー)での転送装置のモヤモヤした感じにも近いし、音自体に転送された意識の痕跡?が残っているようにも感じるわけですが、どうでしょう?褒めすぎかな?そんな事を考えていると、ジャケ写も宇宙を表現したものとしか思えなくなります。
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という事で、これまた長く楽しめそうなアルバム。ビヨンセの妹というなかなかな大変なポジションで、この振る舞い。アイドル然としていたデビュー作(写真は確かに超可愛かったけど)から時を経てこんなにかっこよくなるとは、誰も予想できていなかった未来。バドゥ姐御やジョイなどが攻めてきそうな路線を先に切り拓いてきたソランジュ。今後がさらに楽しみです。
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by zhimuqing | 2019-03-18 23:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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