人気ブログランキング | 話題のタグを見る

マスター・レイニー

ベーシストだったら誰もが一度は憧れるチャック・レイニー。レジェンドの中のレジェンドが次郎吉に登場するとなると、これは何としても観に行かなければならない!てなもんで、久しぶりの次郎吉。何とか整理番号14番をゲット。上手の端っことはいえ、かぶりつき。ラッキーです。もちろん年齢層は高め、前列は(私も含め)ねっとりした視線多めに感じるのは、そのほとんどがベーシストだからかもと想像してみたのですが、どうでしょう?
マスター・レイニー_e0147206_2302190.jpg
恥ずかしながらマスター・レイニーの姿を生で拝見するのはこれが初めて。御年78歳。体もデカいけど、手もデカい。近くから見ていたので間違いない!指も長いけど、それよりも手がものすごく大きいという印象。フムフム、あの手からあのグルーヴが生まれたのか?と思うと、当たり前ですが感慨深いです、ものすごく。

最前列なので、じっくりマスターの指裁きを堪能しようと思ったのですが、なんとマスターは右手側に置いた譜面も見ながら、つまり下手側を向いての演奏。なんてこったい。
マスター・レイニー_e0147206_2315134.jpg
さっそく必殺技その2のタッピングからのスライド技が繰り出されている(聴こえる)のに、背中しか見えない!いや、ネックを握りこむデカい左手の親指は見えますが、やっぱり正面の手が生で観たい。ポジショニングの見込みの甘さに反省しきり。まあ、全く正面を向かないということもないし、テナーのBob斉藤の素晴らしいソロの時は上手側を向いてくれるので、その際には身を乗り出して手元を食い入るように見入る。とはいえ、ソロイストは西慎嗣とエルトン永田のお二人もいるので、やっぱり下手側を見ることが多いわけですが。ちなみに助演陣でこの日一番かっこよかったのはパーカッションのMac清水さんでした。

親指でネックを握りこむスタイルなので、フレットの上を左右に動きまわる感じでなく、もっと省エネな感じ。左手の薬指はあまり使わない。右手は必殺の一本指のアップダウン奏法ですが、早い弦飛びなパッセージでは中指もしかしたら薬指でも弾いている模様。(早くてよく分からない) 必殺技その1のダブルストップは思ったほど飛び出さず。正確には、下手を向いている時のほうが多かったかな。
マスター・レイニー_e0147206_232815.jpg
この瞬間を逃してなるものかと集中する(割には写真を撮る私)
マスター・レイニー_e0147206_2332481.jpg
ベーアンがひずんでいると指摘されるマスター。

流石に78歳なので、全盛期ほどのキレはないし、曲もうろ覚えなところがあったわけですが、それでもさすがはレジェンド、はっとさせられるところだらけ。一番燃えるのはグルーヴに乗って四分音符でぐいぐい攻めてくるところですね。そういえば、初めて生で見たレイニー、音色を含め、ウッドベースの感覚が強いことが新鮮でした。左手の薬指もあまり使わないし。生で見て初めて気が付くチャック・レイニー。お年を召して、ルーツに戻ってきているのかもしれませんね。

曲目のリストはこんな感じ。

1. Steady Rolling Man
2. Don’t Blame Me
3. Feel Like Makin’ Love
4. What’s Going On
5. Mr. Magic

6. Sunset Blues
7. Drive My Car
8. I Want You
9. You’ve Got A Friend
10. Until You Come Back To Me
11. Fragile
Enc. 1. Cissy Strut

まさかのアンコールでのミーターズ。ちなみにこの日のベストはアリサの“Until ”でした。

マスター・レイニーのベストを何とするかは人によって分かれるところ。同じテーブルで楽しく話をさせていただいたギタリストの先輩はスティーリー・ダンでのレイニー、終演後サインに並ぶ列で盛り上がった先輩はマリーナ・ショウ。私の場合はやっぱりアリサかマーヴィンかクインシーかマイゼル兄弟との諸作か。どれか1曲と言われると、“Rock Steady”か“I Want You”か“I Wanna Be Where You Are”か“Ironside”か。やっぱり選べません、はい。

さて、終演後サインをもらったのですが、私が持参したのはレイニーのセカンド、≪Born Again≫。本当はマーヴィンかアリサのアルバムにサインしてもらいたかったのだけど、そこは遠慮してしまう私。楽屋に押し入りサインをねだる私に対して、周りをレイディーズが囲まれてご機嫌な様子のレイニー師は噂に違わぬジェントルマンぶり。
マスター・レイニー_e0147206_2343226.jpg
小さめなサインにもお人柄が伺えます。

LPのジャケを見ながら、周りのレイディーズに「ハッピーな表情をしてるだろ。離婚した直後だったからな」「えー何回目の?」という微笑ましいやり取りの後、握手をしてもらった私。これで多少はベースがうまくなったのではないかと思ったのですが、帰宅してベースを弾くもいつもとあまり変わらない模様。帰るまでに効能が切れてしまったのかもしれません。それにしてもレイニー師、いつまでも元気にベースを弾いていただきたいですね。勉強になりました!今度はデイヴィッドTとのコンビで観たいですね、やっぱり。
マスター・レイニー_e0147206_2352131.jpg
なんて書いてあるのだろうとよく見ると、マナステと書いてある!マスター・レイニー、やはり奥深い人です!
by zhimuqing | 2018-11-28 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)
<< 猿風呂でのぼせあがる フォックス、狙えるぞ! >>