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音楽本2冊

都内某DUで音楽本2冊購入。

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「失点・イン・ザ・パーク」はラッパーECDの半自伝的なエッセイ。レコード会社との契約がなくなり、恋人ともうまくいかなくなり、アルコールに溺れ、最後にアル中になり入院していく様子が淡々と描かれているのに、なぜか読後感が温かいのがとても不思議。中島らものアル中物ともまた違う肌ざわり。ECDの音楽自体はほとんど聴いたことがないが、ECDの本はもう少しいろいろ読んでみたいなと思わせる出来。と、ここまで書いて思い出したのだが、ECDのライブ観たことありますね、私。90年春(ということはなんと今から27年前!)、福岡にKRS-ONEが来た時の前座で。スティービー・ワンダーの瞳に乾杯、とシャウトしていたけど、当時の私にはピンとこなかった記憶が。今聴くとまた違うかもね。
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昔のミュージクマガジンでのECDの論評は鋭かったですね。特に、泉山真奈美やバブルガムブラザーズに対する的確な批評なんかね。

もう一冊は鷺巣詩郎のBMRでの連載をまとめた「執筆録 其の一」。立ち読みしていて、止まらなくなり、購入してしまう。BMRに連載されていた時は流し読みしていたのだが、連載から15年以上経ち、機材の事も多少、いや違うな微小だな、聞きかじり、バンドでレコーディングなんかもやってみた今読んでみると、これが相当面白い。ちなみに今回の本を買うまでずっと鷲巣詩郎と思い込んでいたのは秘密。
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スタジオでの作業での経験や所感がイキイキとした筆致で描かれている。当時の音源制作の記録としても一級品だと思うし、プロ中のプロが語る内容は文句なしに勉強にもなるが、なにより音楽への愛情が随所で文章から零れ落ちるのがいい。時間がたっているので、欄外につけている注釈もよい。問題は鷺巣詩郎の作ってきた音楽をほとんど聴いたことがない、いや聴いているのだろうけど、どれか分からないことでしょうか。続編もすぐ出るそうなので、これも相当楽しみです。というか、BMRの連載を単行本化する試み、願わくはJAMこと細田日出夫のあの濃厚な連載こそを!
by zhimuqing | 2017-05-04 00:28 | La Sombra Del Viento | Comments(0)
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