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アトランタに行きたいものだ

キッパー・ジョーンズの初ソロアルバム≪Ordinary Story≫やその前のティーズとしての3枚目≪Remember…≫は私をその道に導いてくれた本当に感謝しかないアルバムなのですが、今の耳で改めて聴き直してみると90年代半ばのネオソウルと呼ばれた音楽のかなり先駆けとなる音だったと思うのですね。
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その2作でキッパー・ジョーンズに助力した面々を見ても明らかですね。チャッキー・ブッカーやオーガン兄弟といったティーズでの仲間はマイコーやジャネットのツアーバンドの面々だし、キースとケネスのクロウチ兄弟はその後ブランディーやラサーン・パタースンに力を貸しているし。特にキース・クロウチは特に重要かと。ブランディーやラサーンのファーストなんかでの音作りはトニーズやDなんかに比べると注目度は低いものの、ファンク臭濃厚な音作りは間違いなく後進の範になったものですからね。
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裏方過ぎて写真がほとんど出てこないキース様。この人の名前があると、私基本「買い」なのです。この人についても一度じっくり考えてみたい。

さて、キッパー・ジョーンズの魅力も何といっても匂い立つファンクネス。一声で言うと、ソウルやファンク的にいい喉、いい声なのだが、なんというかウン十年も丁寧に使い込まれた中華鍋の鍋肌のように黒光りするタフネスがたまらなくかっこいい。なもんで、もちろんバラードを歌わせても繊細な節回しを聞かせて絶品なのですが(アイズリーのFootstepなんか最高としか言いようがない)、少し重心を落としたファンクを歌う時が圧倒的にかっこいいというか存分に持ち味が発揮されている気がします。
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あとファンキーな曲を歌う時のリズムの付け方が天才的。単調になりそうな曲でもいい歌を聴かせてしまうのは、例えば瞬発力や超絶技巧を見せつけた結果でなくて、曲のリズムへ自身の声のリズムをうまく乗せることで複合的にグルーヴを生み出しているわけで、実に素晴らしいと思うわけ。なので、例えばティーズの2枚目のようなミネアポリス寄りの音でも他のプリンス追随者とは違うノリが出ていてスリリングなのですね。

ということで、私の愛してやまないキッパー・ジョーンズですが、悔やんでいることが2点。一つはその昔ベイビーフェイスが来日した時にバックヴォーカルで一緒に来ていたのに、見逃してしまった点。もう一つが07年か08年に密かに発売された自主制作のセカンドを買い逃して今に至ること。特にこの幻の2枚目≪K.I.P. (Keep It Pushin’!)≫はその後さんざん手を尽くすも影も形も無し。何とかしたいものです。
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銀盤があるものは、DLじゃ嫌なんですよね。銀盤が欲しいの。

もうこうなると、キッパー・ジョーンズが住んでいるアトランタに行って直接本人に直談判するしかなさそう。かの地では結構コンスタントにライブやっているようで、なんとも羨ましい限りです、はい。

昨年プリンスの"Head"歌っている映像見たけど、見つからず。
代わりにメイズの"Happy Feeling"、やっぱりかっちょいい。


by zhimuqing | 2017-02-05 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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