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近年屈指のスルメ盤

今年は昨年よりも面白いアルバムが出ていると思うのですが、
KINGの“We are KING”はなかでもトップレベルでしょう。
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私がグループの名前を知ったのはそんなに前ではなく、
多分に漏れずロバート・グラスパーのアルバム。
その時には音楽性もよく見えておらず、
凄い自信満々なグループ名だなとしか思っていたのですが、
こんなにかっこいいグループだとはついぞ気付かず。

ジャム&ルイスの80年代初期の頃の音作りをベースに
心持ち体温低めの迎えたヴォーカルが乗っかる音は
聴けば聴くほど病みつきになるもの。
近年屈指のスルメアルバムでしょう。
iPodをシャッフルしている時にふっとキングの曲が流れると
鼓膜が素晴らしい快感に包まれていけません。
(いや、別に何の問題もないのですが)
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1曲ずつの素晴らしさを語ってもいいわけですが、
ここではこのアルバムの流れにただ身を任せるのが
一番正しい楽しみ方でしょう。
リード二人の対比がまずその気持ちよさの要因ですが、
その声を優しく包み込む多重コーラス、
さらにその声をくるむメロウネス極まりないシンセで
春の嵐みたいな状態になって気持ちよさが溢れだします。
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かといって、甘きに流れているわけでもなく、
よく聴くと、豪快に攻めているところもあるのがミソ。
打ち込みのリズムの組み立てだって一筋縄じゃいかないし、
シンセベースのフレージングなんかはちょっと真似したくなるほど。
この音を一人で作り上げているパリス・ストローザーの才能には
恐れ入りますね。底が見えません。
今後のプロデュースなんかにも大いに期待したい、というか
期待させられます。
エスペランサなんかとも交流があるようですが、
やはりここはビラルとがっぷり四つのコラボが聴きたいところです。
5月はパスした来日公演、12月はやっぱり行っとくべきかしらん。



初期のテレビゲームみたいとの声もありますが、
むしろマックス・ヘッドルームを思い出しました。
いかんいかん、歳がばれますな。



こういうシンプルな演奏もいいですな。
でも、春の嵐シンセに巻き込まれた音の方が好みです、はい。
by zhimuqing | 2016-09-08 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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