何度目か覚えていませんが、最近スモーキー・ロビンソンのブームが
訪れているのですね。 本当に聴きこめば聴きこむほど濃厚な味わいに変わっていくという、 なんと言うか至福のスモーキー波状攻撃にやられまくっているわけです。 はっきり言って、ブログなんか書いている暇はありません(笑)。 その次に曲作りの才が、次にモータウンの副社長として、 その次にようやく歌い手としての評価が出てくるわけですが、 歌手としての評価もその「スモーキー」で甘い声質ばかりが クローズアップされている感が強く、歌手としての凄みについては 十分に語られているようには思えない。 なぜか過小評価されている気がしてしまうのは私だけでしょうか? もちろんミラクルズのコーラスワークの素晴らしさについても あまり評価が適切でないですよね。 ファルセットのリードを中心に添えたコーラスのあり方は テムプスやインプレッションズ、デルズなんかと並んで、 その後のコーラスグループのフォーマットの雛形になっただけでなく、 ファンクでのメロウな曲でのヴォーカルの模範にもなっているのですが、 この辺もあまり語りつくされていませんね。 スモーキーに対するコーラスにクローデットの声が入っているのが強みですね。 声量というより、ぬけの良い目立つ女声が入ることで、 より一層スモーキーの声が際立つという、素晴らしい効果。 なにより、クローデットの声自体が素晴らしい。(ルックスもですけど) 実際の録音の時にもクローデットの声が目立ちすぎるということで、 マイクから一番離れた場所に立つように指示されていたというのも頷ける。 途中でミラクルズの正式メンバーからは抜けるわけですが、 その後の録音の大半にも参加しているのですが、 その声があるのとないのでは大違いなのだ。 ミラクルズの69年のライブ盤はスモーキーの歌も演奏も良いのに、 何か物足りない気がするのは間違いなくクローデットの声の不在が 影響しているのだと思いますね。 さて、話がそれましたが、スモーキーの歌唱の魅力は実に様々で 一言では語りつくせない。 もちろん声自体の素晴らしさもあるし、ライブでも全く乱れない安定感や コードやリズムに対するメロディーの取り方もワンパターンではなくて、 表通りだけでなく、様々な裏通りを駆使する感覚自体も素晴らしい。 (まあ、メロディー作りの才能がずば抜けているので当たり前だが) リズムに対して、身を任せたり、捩ったり、抵抗してみせたりと、 曲の中でのアプローチ方法が多彩で自由自在、 しかも揺さぶりをかける相手は必ずしもリズム全体とは限らず、 マーヴ・タープリンのギターだったり、ジェマースンのベースだったりと 見境がない?というか、自由奔放。 かと言って、狼藉をはたらくという感じにもならず、 あくまでも戯れる感じに収めるのが、これまた凄まじい! そんな性癖じゃなかった強みがあるだけに、バックの演奏に対するこだわりも 強かったようで、たとえばジェマースンをヒッツヴィルに引っ張ってきたのも スモーキーだという説があるし、スタジオ専属になったジェマーソンを 自分のツアーに帯同させようと最後まで粘ったのもスモーキーという逸話も。 当時のシンガーはバックのオケに対して歌を入れるだけなのが一般的な時代に、 バンドの最初の録音からスタジオに立ち会っていたという話もある。 (プロデューサーでもあるので当たり前とも言えますが) 実に良くわかりますね。 たとえば、他のモータウンの歌手の60年代のライブ盤に比べると、 バンドの演奏のレベルとキレが違いすぎますね。 その上に乗っかるスモーキーの歌唱も凄いし、 当たり前ですが、曲が悶絶するほど素晴らしく良いし、 まあ、ため息しか出ない、というもんです。(クローデットがいない時でも) と、まあ、そんな感じで、スモーキーにくるまれるわけですが、 ミラクルズ時代の後期の音源はCD化が進んでいないのが困ったことです。 この辺、実は私も編集盤でお茶を濁しているのが申し訳ない。 LPだと、バカのように高いオリジナル盤だったら売っているんですけど、 流石にそれに手を出すわけには行かないし、 うーん、なかなか困ったものです。 まずはHip-Oから出ているソロ時代のブツを丹念に拾っていくことに 集中しましょうかね。 とはいえ、このアルバム、文句なしの最高峰ですね。 中身もいいが、ジャケもいい! ちなみにスモーキーなるニックネームをつけたのは実のおじさんらしい。 なんという絶妙なセンス。このニックネームのおかげで 音楽界の歴史がかなり変わったように思うのは私だけ?
by zhimuqing
| 2014-07-04 23:28
| Funkentelechy
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