ローランド・カークの生前に出た公式リーダー・アルバムが
ようやくあと1枚に迫ったので、ここで一回聴きなおして 自分なりに総括しようと考えているわけです。 まずはマーキュリー時代から、と思ったのですが、 はっきり言ってカークは素晴らしすぎて、なかなか選べない。 まあ簡単に言うと、まだ聞き込み不足ですな。 顔を洗って出直すこととしましょう。 ということで、本物の講義でも聞いてみるか?とのことで、 土曜日に四谷のジャズ喫茶いーぐるに行って来ましたよ。 お題は『美は乱調にあり。ジェイムズ・ブラッド・ウルマーをめぐる冒険』、 講師は佐藤英輔。 私の中では、岩間慎一なんかと並ぶ、信頼できるライター。 こういう著名なライターのお話を目の当たりにできるが、 関東在住の良い所ですね。 とはいえ、まだ丸屋Q師と遭遇出来ていないのだけど。 ウルマーというか、オーネット・コールマン系は これまでほとんど接点がなかった私なので、聴いた事があるのも 『ARE YOU GLAD TO BE IN AMERICA』1枚だけ。 当日かけられたのは全部で25曲ですが、聴いた事があったのは マイルスとデファンクと前述のウルマーのアルバムに入っていた3曲のみ。 こういう風に固め打ちで聴く事が出来るのは貴重な体験ですね。 ブラックミュージックのチンコのようなもんだから、 ジャズが洗練されていく中で、モロ出しにしなくなってきたのでは?とか その辺の解釈はなかなか面白かったですが、それよりなにより ウルマーのギターの捻じれた響きが新鮮でした。 バラバラ、パリパリ、メリメリと断片化されてはいるが、 それでいて物凄くブルージーに聞こえるところが面白く、 25曲目にかけられたアイク・ターナーのギターと確かに通じていて、 そういう選曲の妙にも唸りました。 あと、昔ミュージック・マガジンなんかでフニャフニャになってしまったと 悪く書かれていた時期のウルマーも別に悪くないな、とか。 個人的な感想としては、アミン・アリよりもメルヴィン・ギブスのほうが、 ギブスよりもジャラマディーン・タクマのベースのほうが好みだとか、 昔は全く受け付けなかったこの手の音楽のパンキッシュなドラムは これはこれでファンキーでもあるな、とか、 コクが無いファンクロックと佐藤さんが言っていたマイケル・グレゴリーの曲は それはそれでエレクトロなヒップホップ、というよりバンバータに 通じるものがあるなとか、 そういう意味ではヴァ―ノン・リードのリヴィング・カラーに シュガーヒルのハウスバンド出身のダグ・ウィンブッシュが加入したというのも 妙な繋がりだなとか、そういう事をつらつら考えたのでありますね。 有名になる前の77年のウルマーのソウルフルなジャズとか 73年のアーチー・シェプのゴスペル丸出し曲なんかは 個人的にも入手しておきたい感じですかね。 なかなか手を出す余裕(時間的にも金銭的にも)はありませんけどね。 今回は時間的に80年代までにとどまった選曲だと言う事で、 90年代以降の続きがあるなら、やっぱり聴きに行ってみたいですね。 いい音をでかいスピーカーで聴くと、やはりそれだけでも楽しいものです。 90年代以降だったら、やっぱりフュンジンスキーとかブランドン・ロスなんかは 確実にかかるのだろうけど、マーヴィン・スーウェルも入れといて欲しいっすね。 2014年4月12日@いーぐる 選曲 佐藤英輔 1. JAMES BLOOD ULMER / MOONS SHINE 2. JAMES BLOOD ULMER / REVEALING 3. JAMES BLOOD ULMER / TIMELESS 4. ORNETTE COLEMAN/SLEEP TALK 5. JAMES BLOOD ULMER /JAZZ IS THE TEACHER (FUNK IS THE PREACHER ) 6. JAYNE CORTEZ & THE FIREISPITTEES /U.S. 7. SONNY SHARROCK/PEANUT 8. WAYNE SHORTER/SUPER NOVA 9. MILES DAVIS/CALYPSO FRELIMO 10. GET UP WITH IT (COLUMBIA,1974) 11. HOWLIN’ WOLF / SPOONFUL 12. ARCHIE SHEPP / REST ENOUGH 13. DEFUNKT SPECIAL EDITION / FIRE 14. JAMES BLOOD ULMER / BLACK ROCK 15. JULIUS HEMPHILL / PENSIVE 16. JAMES BLOOD ULMER/ PART TIME 17. GRANT CALVIN WESTON /PLANETERIAN CITIZEN 18. ORIGINAL PHALANX / A SMAIL 19. ARTHUR BLYTHE/BUSH BABY 20. OLIVER LAKE/COMOUS 21. MICHAEL GREGORY (JACKSON)/ NO ORDINARY ROMANCE 22. MG / FUNKY STUFF 23. RONALD SHANNON JACKSON AND THE DECODING SOCIETY / SMALL WORLD 24. JAMES BLOOD ULMER/ I CAN’T TAKE ANYMORE 25. IKE & TINA TURNER/GRUMBLING
by zhimuqing
| 2014-04-15 00:55
| Blues 4 Terapin
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