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シリアナ

バンコクからの帰りに見た映画『シリアナ』、かなり前に話題になっていたのに、すっかり忘れていました。機内上映はなかなか侮れません。

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イラクとアフガンで泥沼状態になりつつあった当時のアメリカで、しかも政府と石油会社の暗躍と陰謀を描く(売れそうもない)映画にジョージ・クルーニー、マット・デイモン他、豪華キャストが出演していて、その辺も話題になっていたのですね。

なんといってもね、自国の改革のために石油資源を有効活用しようとするナシール王子役を演じるのが、ドクター・ジュリアン・ベシア!こと、アレクサンダー・シディグ!!!もう、簡単に私の心が鷲摑みです。

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スーダン出身のイギリス人とのハーフだからか、アラビア語もお手の物なのだろうか?ストーリーの真ん中にいるので、主役といっても良いのではないだろうか?(そんなことは、トレッキー以外にはどうでもいいことなのだろうけど。)

映画では、アメリカが中東で行っている悪事(と言い切る)と自国や自社そして自己の利益のためになりふり構わない人々の姿が存分に描かれている。元CIAのロバート・ベアの本を元にして、さらにベアの紹介で会った石油業界の人々へ取材を重ねて脚本が作られたらしい。「イランの民主化」を進めたい人達が実際はどういうものなのか?大義を掲げるアメリカは実際には何を考えているのか?こういうことは、知らないよりも知っていたほうがいい。

5つの話がバラバラに展開される上、おそらくは説明的な描写、おそらく意図的に省いている話の流れはたしかに分かりにくいかもしれない。一つ一つの話が面白いので、それぞれをもっと掘り下げた方が良かった気もして勿体無くもある。

でも、説明的な描写や濃厚な人間臭さを省いたところがかえって緊迫感や説得力を生んでいるとも思うので、これはこれで非常に良かったのだと思う。元の本『CIAは何をしていた?』は早急に読むことにします。

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この映画でオスカーを取ったクルーニーは、役作りのため体重を大幅に増やしていたとのことで、始めの方は誰だか分かりませんでしたよ。どうやって体重を戻したのか、その辺極意を教えてくれないだろうか?「羊の皮をかぶった狼」な弁護士ジェフェリー・ライト、カンパニー・メンでの好演も印象深かったクリス・クーパーの演技も良かった。マット・デイモンはやや薄味で印象に残らないかな。(元から、あまり印象がないのだが)

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DVDで何回かじっくり観た方が良さそうだけど、生爪剥がされる拷問シーンはともかく、子供が死んでしまうシーンが辛いので、買うのはやめておこうかな。

by zhimuqing | 2012-08-07 20:28 | A Felicidade | Comments(0)
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