Check the Technique!

以前からずっと読んでみたかったブライアン・コールマンの
「チェック・ザ・テクニーク ヒップホップ名盤ライナーノーツ集」、
先日ディスクユニオンで中古本を見つけたので、即購入。
取り上げられているヒップホップの名盤は36枚、
名盤の収録曲を当事者が存分に語る、というだけでも面白いけど、
そのバックグラウンドや製作風景に触れた部分はもっと面白い。
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上昇気流に乗って名盤を作り上げるまでの話が中心なので、
みんなポジティブで、青春というか、目映い感じが全開。
ただカッコイイ音楽を作ることだけに集中しているので
読んでいて非常に爽快な気持ちになりますね。
単純な読み物としても、非常に優れていますね。
イメージとしては、ワックス・ポエティックスの記事のよう。
(コールマンはよくWP誌に記事書いていますよね。)

それにしても、良くぞこれだけのメンツを集めたものだ。
ラン-DMC、BDP、ラキムに始まり、PE、デラソウル、ATCQと続いて、
ブラック・ムーン、ウータン、コモン、フージーズ。
ビッグ・ダディ・ケインやスリック・リックあたりは順当かなと思うけど、
Xクラン、MCライト、プア・ライチャス・ティーチャーズに
ゲットー・ボーイズあたりが選ばれているのが嬉しいですね。

主要関係者全員にコメントが取れていないのは少し残念ですけど、
それは仕方ないかな。
フージーズだったら、ローリン・ヒルがいないと、やっぱり弱いし、
ウータンだったら、メスやODB、ゴーストフェイスキラのコメントが
欲しかったところ。(ODBは時期的に無理だったかもしれないけど)
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ああ、オール・ダーティー・バスタード!RIP!

アルバムの発表順に並んでいるので、誰が誰に影響を受けたのか?
分かりやすくなって並んでいるのもポイントが高いところ。
80年代中盤以降、どのようにこの文化が育まれてきたか、
イメージが非常に掴みやすくなっている。
コールド・クラッシュ・ブラザーズの影響の大きさは
これを読んで初めて知りましたよ。

ちなみにアルバムで選ばれているのは、それぞれのアーティストが
世間的に大ブレイクした時のアルバムが多いので、
このアルバムじゃなくて、あっちのほうが知りたかったのに、というものも。
まあ、このあたりはリスナーそれぞれで意見が分かれるところでしょうけど。
ピート・ロック&CLスムーズやファーサイド、BDKに関しては
1枚目より2枚目のほうが私の好みだし、
ザ・ルーツだったらThings fall apartの製作裏話が聞きたいし、
コモンだとなんと言ってもOne Day…とか、Like water…でしょ、やっぱり。
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このアルバムは今でもヘビーローテーションの1枚です。

あと、これは誰もが共通する感想だと思うけど、
何故あの名盤が入っていない?というアルバムも結構ありますね。
96年までに発表されたアルバムだったら、
NWAとかキューブ、ドレーのChronic、スヌープの1st、DJクイック、
KMD、ジャングル・ブラザーズ、NAS、ギャングスター、
ビギ―、2パックと即座に頭に浮かぶアルバムがたくさん。

まあ、巻頭でクエストラブが書いているように、
続編を早急に出してもらうしかないな。
96年以前はもちろん、97年以降も良いアルバム山ほどあるしね。
とはいえ、90年代後半に一気にメインストリーム化したヒップホップ、
ビジネスライクな話が前面に出てきて、
この本のようにキラキラした輝きや鮮度がそのまま保てるかどうか、
ちょっと分からないところもありますが。

とまあ、そういう訳で、ヒップホップが好きな人だけでなく、
音楽好きな人にお勧めしたい1冊ですね。
古本で買った私がこういうのもなんですけど、
定価3150円、読む前にはちょっと高いように思えますけど、
ワックス・ポエティックス3号分買うことを思えば、
ずっとリーズナブルなんじゃないですかね。
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それにしても、パブリック・エネミーがシャウトしていた
Don't believe the Hype がこれほどリアルに響く日が来るとは
高校生の私には想像できていなかったな。
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by zhimuqing | 2011-04-06 18:28 | On The Corner | Comments(0)
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