人気ブログランキング | 話題のタグを見る

歌も演奏も申し分ないんだけど

小沢一郎、検察審査会で結局は強制起訴ということなんだが、
昨日の朝日朝刊の社会面の隅っこに小さく書かれていた検察の意見、
「これで無罪だったら、どう責任を取るんだ」という言葉が
一番本当のところをついていると思う。
ついでに言うと、この審査会に申し立てを行った「在特会」に関して
なんで大手マスコミは掘り下げて報道しないのだろう?
在特会の桜井何某のほうがよっぽど胡散臭いだろうに。

そんな?訳で、日本も『Wake up!』が必要な昨今、
巷で話題のJohn Legend & The Rootsのアルバム『Wake Up』、
遅ればせながら、聞きましたよ。
一説には、年間ベスト級との呼び声もある話題のアルバムですね。
歌も演奏も申し分ないんだけど_e0147206_044172.jpg


アルバム発売前のクエストラブのインタビューで触れられていた通り、
クリーンなシンガーであるジョン・レジェンドから
生々しくて、ざらついた歌を引き出すことに成功している。
Ne-yo以降の最近の男性シンガーではあまり見かけなくなった
精気に満ちた歌いっぷり。

でも、流石にクエストラブが事前にインタビューで仄めかしていたほどには
「ディアンジェロのVoodooに匹敵するダーティーなサウンド」ではないし、
ジョン・レジェンドとしても、デビュー作を超えたのか?と言われると
正直なところ、ちょっと微妙な感じも受けるのだ。

丹精でまっとうな歌、賢そうでまっすぐな歌。
バンドメンバーに対して音で指示を出しているのが
はっきりと見えるようなクエストラブのドラミング、
ツボをピンポイントで押しまくるジェイムズ・ポイザーのエレピ等、
歌も演奏も申し分ない。

申し分ないんだけど、生真面目すぎるというか、生硬な印象も強くて、
もっと柔らかく、もっと彩り豊かなニュアンスが欲しくなってしまう。
すこし笑える展開とか、シニカルな視点があったら、
もっと良かったんですけどね。

あと、どうしても元の楽曲と比べてしまいますしね。
(まあ、私の年齢も大きく関係しているのだが)
60~70年代のソウル名曲のカバー集ということで、
比べる相手がマーヴィン、ハザウェイ、テディペン、レス・マッキャン。
いずれも史上屈指のスケール感、爆発力、琴線接触能力?を持つ名手。
どうしてもレジェンドの分が悪くなってしまうのは仕方がないかな。

でもまあ、このアルバムを作った動機を考えれば、
この生真面目さも、それはそれでありなのかな?
昔の楽曲が持っていたメッセージを今の時代に蘇らせ、
今の状況を座して眺めているだけではダメだ、という意見の表明。
あんまりふざけた感じに仕上げると、それはそれでしっくりこないだろうし。
個人的にも両者の姿勢を高く評価したいですね。
歌も演奏も申し分ないんだけど_e0147206_0403096.jpg
ちなみに3歳のムスメにこの写真を見せて、
どの人がカッコいい?と聞いたところ、なんとBlack Thoughtをご指名!
とりあえず誉めておきました。


あと、まったく勝手な願望で申し訳ないですが、
ちなみに続編を作るんだったら、追加メンバーの招集をお願いします。
歌手だと、アンソニー・デイヴィッドとかライフ・ジェニングスあたり?
でもって、カーティスとかオージェイズ、ギル・スコット・ヘロンの曲を。
バンドはソウルクウェリアンズを再結集して、とか言い出すと、
いつものオールスターバンドの話になるので、以下省略。

それにしても、昨年夏の大統領選挙にインスパイアーされたこのアルバム、
当然オバマに向けられたメッセージでもあるのだが
なんだかんだで、しがらみに絡め取られて苦戦(迷走?)している
オバマに、このまっすぐな歌、演奏は届くのだろうか?と心配すると同時に、
これを聴いている人に対しても、同じ質問が突きつけられているような気がして
なんだか落ち着かない気もするのであります。

歌も演奏も申し分ないんだけど_e0147206_0395128.jpg
アルバム『Wake Up』とおそらく対になるザ・ルーツの単独アルバム。
どちらかというと、こちらのアルバムのほうが好きかも知れない。
もちろん最高傑作『Things Fall Apart』には及ばないけど。
でも、コメントはもうちょっと聞き込んでから。

歌も演奏も申し分ないんだけど_e0147206_039245.jpg
こちらは、ネットでフリーダウンロードできるザ・ルーツによる
J.Dilla のトリビュートアルバム。
骨格のみで構成されたような内容は、しかし、なかなかシブトイのだ。

歌も演奏も申し分ないんだけど_e0147206_039065.jpg
それより何より、私が希望したいのは、ルーツがホストバンドで
出演しているテレビ番組『Late Night』の映像化。
一部Youtubeでも見ることが出来るのだが、
バックアップ・メンバーにスーザフォンとかもいて、非常に興味深いのだ。
歌も演奏も申し分ないんだけど_e0147206_0391113.jpg

by zhimuqing | 2010-10-07 00:28 | Change! | Comments(0)
<< サラーム師に弟子入りしてみる カバンにつめられる >>