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音の塊を浴びて気持ちよくなる件

来週から3月末まで続く怒涛の東北出張シリーズ。
シリーズを前に職場の先輩と夜、ご飯でも食べようと言う話になり、
どこか行きたい店は?ということになったので
入谷のなってるハウスに行きました。
渋さチビズの新春特別バージョンのライブ。
ええ、完全な騙まし討ちです。
こっちは極寒の東北に備えて、気合を入れないといけないんでね。

1ヶ月前に見た渋さチビズはカルテットだったが、
今回はホーン4人+リズム隊3人のセプテット。
片山広明(ts)、広沢リマ哲(ts)、立花秀輝(as)、北陽一郎(tp) に
山口コーイチ(pf)、不破大輔(wb)、磯部潤(ds) 。

渋さ知らズ本体を見たことがない私が言うのもなんですが、
不破大輔関係、みんな上手くてカッコイイのは勿論なのだが、
なんと言っても殺気に満ちているのが良い。
それも、ヤンキーとかチンピラな殺気ではなくて、
小学3年生の男子がそのまま大きくなったよう殺気。
ソウルには滋味が必要であるように、
ジャズにはやっぱり殺気が必要でしょう。

今回初めて遭遇した広沢リマ哲は、なってるハウスの店長。
吸い込んだ空気を濃縮してテナーから大量に吐き出す様が爽快。
静から動へ一気に上り詰めるダイナミズムが圧巻。

北陽一郎もハードにドライブ、空気の塊がこちらに飛んでくる。
ハードボイルドなのに(だからこそ?)ロマンティスト。
同じ渋さ関係の辰巳光英ともまた違う個性ですね。

磯部潤は一音一音がサクサクしていて小気味良い。
開演前、普通のお客さん(サラリーマン)かと思っていた人が、
ステージに登ってドラム叩きだした時には少し驚きましたよ。
飄々とドラムを叩いているその姿は一般人に紛れ込もうとしている
宇宙人(但し周りに正体はバレている)という感じですかね。

片山広明はいつものように怒涛のガブリ寄りをブチかますのだが、
どんなにフリーキーに吹いても、ソウルフルになってしまう体質か?
ああいう不良オヤジに憧れるなあ。

立花秀輝はやはり切り込み隊長。
ソロを始めると、どうしても熱くなってしまうところが魅力だが、
終わった後の放出しきった表情もまた一興。
すぐに復活して他の人のバックでチョッカイかけるのも、また一興。
変な技も多いが、中でも気になるのが舌を出してサックスを吹く技。
見た目には決してかっこいいと言えない技なんだが、
その技を繰り出している姿はやはり大変かっこいいものだ。
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休憩を挟み後半からは、一番前の席で見ていたのだが、
暴発する4本の管が目の前1メートルの位置にあると、
音を耳で聞いているというより、皮膚で聞いているようなもので、
これはさながら音浴とでもいう感じ。
これこそがライブハウスの醍醐味ですね。
しかも、1ドリンク込みで2500円。
すばらしくコスト・パフォーマンスが良いですね。

と、力強く宣言したいところなのだが、
同行した人には濃厚すぎたようで、
はっきりとは言わないが、当面は勘弁という感じだった。
まあ、そんなもんだろうね、世の中は。
by zhimuqing | 2010-01-08 20:25 | On The Corner | Comments(0)
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