ウィリー・ミッチェルが5日亡くなったそうだ。
81歳だったそうだ。
70年代のハイサウンドの立役者。
O.V.ライト、オーティス・クレィ、アル・グリーン、
アン・ピープルズ、ドン・ブライアント、クワイエット・エレガンス、
シル・ジョンソン、ビル・コディ、デニス・ラサール。
私はサザンソウルが好きだと広言しているが、
もしかするとミッチェルの音が好きなだけなのかもしれない。
あの歌、あの曲、あの音。
19の秋に買ったアル・グリーンを初めて聞いた時の空気感は
今でもCD聞くと鮮明に思い出されるものだ。
ずっと昔から有機栽培されている畑の土壌のように肥沃で豊潤な響き。
柔らかく軽やかで、それでいて腰があるアル・グリーンの声。
浪人生の気持ちを鼓舞し、更なるソウル道へ邁進させ、
勉強を疎かにさせた根源でもある。
今思えば背伸びして買ったOVライトのボックスは
聞けば聞くほど味わいが増し、今でも聞く度に新しい発見がある。
オーティス・クレィはオーティス・レディングに比べて
過小評価されている等としたり顔で主張してみたりもしたのも、
今となっては少し恥ずかしいが、懐かしくもあります。
月並みになるが、ウィリー・ミッチェル、ありがとう。
貴方の作った音は世界遺産。
これからも大事に大切に聞いていきます。
ウィリー・ミッチェルが残したレコードはかなり多く、
その全てを聴いているわけではないのだが、敢えて5枚挙げると、こんな感じかな。
AL GREEN 『Explores Your Mind』
アル・グリーン、とにかく前半の流れは文句のつけようがない。
柔らかく秘孔を突いてくる北斗神拳の天才トキの如し。
秘孔を突かれた人はみな、ソウル探求の旅に旅立つのだ。
O.V.WRIGHT 『Memphis Unlimited』
ミッチェルという観点からみたら、このアルバムかな。
素晴らしいハイサウンドに緊張感極まるOVの歌が絶品。
OTIS CLAY 『Trying to live my life without you』
オーティス・クレイは以前見た福岡でのライブが実にすばらしかったが、
あの時M田氏とこっそり楽屋に忍び込み、サインは貰うわ
写真は撮るわ、で大盛り上がりだったのでした。
ANN PEEBLES 『Tellin' it』
アン・ピープルズがハイに残したアルバムは
はっきり言ってすべて良いのだが、個人的にはこれがベスト。
まだまだ現役なので、夫のドンさんと一緒に来日を激しく希望。
THE GLORIES 『Special Singles』
クワイエット・エレガンスの前身グループ。
はっきり言ってミッチェルの仕事ではないのだが、
ハイ・サウンドから遡ったソウル道の探求の成果として。
ファンキーなノーザンからディープ極まるバラードまで、
フランキーの歌が存分に楽しめる1枚。
もちろんクワイエット・エレガンスも文句なしで最高です。