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鶏のプラム煮は美味いのか?

ということで、映画『チキンとプラム』
昔のイランを舞台に、楽器を失ってしまったヴァイオリニストの
最後の8日間を描いた映画。
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イランからフランスに移住した漫画家が描いた作品が原作。
この原作「チキンのプラム煮」は職場近くの本屋に置いてあり、
前から少しチラチラ立ち読みをしていたものだが、
映画化されていたのには気が付かなかった。
(というより本屋のディスプレイは映画とのタイアップ?)
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物凄く綺麗な映像、語りすぎない筋書き、
本筋でない部分まで凝った話、含蓄の深い台詞、
最後に向かって一気に集中させる展開、
とても面白い。
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原作をきちんと読んでいないが、おそらく原作とは全く違う世界を
上手く表現できているのだと思う。
私の大好きな「ギター弾きの恋」に通じるテクスチャー、というか、
ウディ・アレン的な感じも。
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ナセリ・アリを演じるマチュー・アマルリックは、
瞳孔の開き具合で心が壊れていることを表現。
子役を含め、脇役陣は更に良い。
不幸な結婚をしてしまった妻、二人の子供達もいいが、
私好みなのは、イスラムの死の天使エズライール(イズライール)、
葬儀に出てくる行者?、そして若い日にアリが師事したマエストロ。
そしてナセリ・アリの母親もとてもいい。
更に、その脇役に喋らせる台詞がとてもいい。
深読みが幾らでも出来そうな感じ。
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印象に残るのは、マエストロが若き日のアリに言う言葉か。
無くしたものは全てお前の音のなかに残っている、とか
楽器は光をもたらすものだ、とか。
他にも、やはり母親やエズライールの言葉かな。
この母親役のイザベラ・ロッセリーニは
マーティン・スコセッシの元奥さんらしいが、
なかなかいい役者だ。

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とはいえ、一番印象に残るのは、
イラーヌ役のゴルシステ・ファラハニ。
登場するやいなや、スクリーンに光が満ち溢れるようで、
この配役だけでもこの映画は見る価値があると言いたくなる私。



とここまで書いていたのだが、原作者のマルジャン・サトラピは
この映画の監督をやっているそう。
これは大した才能だ。
とりあえず原作と前作ペルセポリスをまずはきちんと読まないと。
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by zhimuqing | 2012-11-30 23:28 | A Felicidade | Comments(0)

ゼブロンという響き自体がすでに良い

私が大好きなスペンサー・シリーズの新刊「春嵐」を読了。
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作者のロバート・B・パーカーが一昨年に亡くなったので、
この文庫本がスペンサー・シリーズの最終巻。
単行本はずっと前に出ていたのだが、文庫本になるまで
ずっと我慢していたのです。

なんといっても、このスペンサーのシリーズは、
読むと背筋がピンと伸びるような、他では得難い味わいがあって、
私にとってある種の栄養補強のようなものだったので、
これで最後だと思うと、とても残念なのです。

フィリップ・マーロウは町のゴロツキを殴りつけても、
本当の悪党とは戦わない、底辺にいる人々への共感もないと
レイモンド・チャンドラーを評したのは船戸与一だったと思うが、
そのチャンドラーを師と仰ぐロバート・B・パーカーには、
チャンドラーにはあまりない、社会的な弱者に対する共感を感じる視点が
多く取りこまれていて、私の心を捉えて離さないのでありますね。
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主役達が悪党に対して意地を張り倒す場面にも盛り上がるのですが、
弱者に対する現実を踏まえた温かい(ぬるくはない)視点が底辺に流れており、
様々な人々の自己回復が主題になっているものが多く、
これがまた大変じわじわと効いてくるのだ。
そういう筋立てが、ナルシズムがひどすぎる、ハードボイルドではない!との
批判を浴びることも多いようだが、まあ、その辺は人それぞれだからね。
私にとっては、ハードボイルドど真ん中だと思うのだけどね。

閑話休題、最終作となった「春嵐」であるが、原題は≪SIXKILL≫、
つまりこの作品で初登場するクーリー族の若者ゼブロン・シックスキル(Z)を
スペンサーが鍛えるという話。
となると、スペンサー・シリーズの最高傑作「初秋」を思い出すのだが、
流石にあの名作ほどの味わい深さはないものの、これはなかなかの逸品。
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ダンサーとして育った初秋の少年ポール・ジャコミンとは違い、
元アメフト選手のZをスペンサーの弟子として鍛えるという話。
パーカーもかなり思い入れがあった様で、Zの回想シーンを随所に入れる等、
いつもと違う手法を取っているし、Z自体がなかなか面白くなりそうなキャラ。
ホーク(黒人)、チョヨ(チカーノ)、テディ・サップ(ゲイ)に次ぐ、
先住民ネタの提供者としていい存在になっていただろうに。
そういう意味では、アジア系のカッコいいレギュラーが出てこなかったのが
少し残念だ。
「歩く影」での中国系とベトナム系マフィアの中にキャラが立った人が
出てきていれば、と思うのだが。
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それにしても、Zを鍛えるという話なのでまあ仕方ないのだけど、
最終巻でホークが出てこないのが一番残念かな。
トニィ・マーカスやデル・リオがしっかり登場するのはうれしいけど、
やはりホークとZのやりとりが一度読んでみたかった。
まあ、作者もこれを最終巻にするつもりはなかったのだろうけど。
ベルソンが出ないのも、やや残念だ。
ジャコミンとかエイプリル・カリルもね。

ということで、15年以上になる私とスペンサー・シリーズとの付き合いは
いったんこれで打ち止めになってしまうのだけど、
もう一度しっかり読みなおしてみることにしよう。
就職の際に知り合いにあげてしまった本もあるし、
その辺も少しずつ古本で買い直して行くことにしよう。

ちなみに、パーカーのシリーズ各種は別の作家が引き継ぐことが
決まっているようで、このスペンサー・シリーズは
エース・アトキンスという作家が書いて行くことになったらしい。
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残念ながら私はこのアトキンスを読んだことはないのだが、
「ディープ・サウス・ブルース」とか「クロスロード・ブルース」等が
代表作らしいので、これは私の趣向に一致している可能性が高く、
アトキンス版スペンサーにもかなり期待が持てそうだ!
早川書房には、早く続編”Lullaby”の邦訳を出してくれるよう、
強くお願いしたいのであります。
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by zhimuqing | 2012-11-28 23:28 | La Sombra Del Viento | Comments(0)

何かが絶対あると確信できるのだが

ということで、1週間ほど中国へ出張。
色々な人から危なくないのか?と聞かれるが、大丈夫でしょう。
とはいえ、燃やされたと日本で評判の(実は燃やされていない)ジャスコの
近くにも行くので、少し楽しみだ。

とはいえ、上海や広州ならいざ知らず、私が出張で行くような地域は
正直言わせてもらって、何にも楽しめるものが無いのも事実。
南の方だったら、ご飯も美味しいが、今回は割と北の方なので、
ご飯もそんなにビックリするような美味い物もない。

となると、仕事はまあ仕事としてきっちりやるとしても、
やはりじっくり時間を使えるものが必要ということで、
モータウン65年のベスト曲でも選ぼうか、それともアップセッターズのシングル?
と思っていたのだが、ガルシア・マルケスの短編集に
頭からガブっと飲みこまれてしまう私。
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新潮社から出ているマルケス全集の「悪い時 他9篇」、
1958年~1962年の短編を集めたもの。
長さもまちまちだが、そのほとんどがマコンドではなく、
『町』を舞台として、様々な人々、情景を描いたもの。
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短編でバラバラに描かれていた話が中編である「悪い時」の中で
重なり合って行く様に、じわじわと火が付いて行くような興奮。
この素晴らしさを表現するボキャブラリーは残念ながら持ち合わせていない。
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それにしても、この季節の中国の侘びしい風景と全く対照的なマルケスの世界。
まあ、コロンビアが舞台なので当たり前とも言えるが、
悪い時の『町』のモデルといわれるスクレにせよ、
マコンドのモデルであるアラカタカにせよ、
クァンティックやオンダトロピカの演奏するクンビアにせよ、
コロンビアには私が見たくてならない何かが絶対ありそうだ。
なんとかして、彼の地を踏むことは出来ないものか?
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スペイン語版の本、色々見るとデザインだけでも欲しくなりそう。
持ち腐れになるので、流石に購入しないけど。
でも、日本版の抽象的なデザインも結構好きなんだけどね。
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by zhimuqing | 2012-11-27 23:28 | La Sombra Del Viento | Comments(0)

広告に驚き、その背景にまた驚く

二世ミュージシャンで凄い人がいないと散々書いた後に
都内某所で見つけた広告!
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大変失礼いたしました。
オル・ダラとNASのコンビはたしかに凄い組み合わせだ!
それにしても、凄くいい広告や!

と思い、なにかで使ってやろうとこの写真を取っておいたのだが、
Q兵衛師のブログでその裏話というか背景が書かれてあって、驚いた。
Q師、流石の切れ味!
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by zhimuqing | 2012-11-25 15:28 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)

PLANT, LET IT GROW!

ということで、シェウン・クティ&アフリカ80のライブ!
初めてのアフロビート、楽しみにしていていたのだが、
期待以上で、ここ数年見たライブの中で1番だったのでは?
久しぶりに踊りまくって、首筋が痛い。

畏友プリマク氏と観に行ったのだが、なんとプリマク氏の友人である
ガスさん夫妻も観に来ており、念願のファーストコンタクト!
なんと、このガスさんはあのサン・ラーのアーケストラの元メンバー!!
プリマク氏に紹介してもらうと、早速ありがたいお言葉を。

君は水泳やサーフィンをするのか?

水泳はわりと得意ですけど、サーフィンはした事がないです。

釣りをしたりもするのか?

釣りは少ししかやりません。

釣りは海の中の様子を自分の感覚で探るものだから、
ベーシストにはとても良いものだ。
海と感覚を共有する水泳も、またベーシストにはとても良いものだ。

(一部、意訳あり)

そうだったのか、子供の頃、半ば強制的に水泳教室に行かされていたが、
やはりあれは大きな意味があったのか!
他にも、先日のライブで着ていた衣装、あれは衣装と呼んではならない、
スペース・スーツと呼ぶべきだ、とか、古代エイリアンのDVDの話とか、
アーケストラのスペース・スーツはメンバーの手作りだった等、
興味深いお話がもっともっと聞けそうだったのだが、
その辺は後日改めて、講義の場を設けていただくことになりそうなので、
とても楽しみですね
それにしても、アーケストラのメンバーの横で見る、
アフリカ80のライブ、うーん、なんと素晴らしい理想的な環境。
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ということで、シェウン・クティ&アフリカ80。
何となく思っていたよりも大編成ではなかったが、
シェウン+ベテラン8人に若手5人(コーラス2人)の14人編成。
フェラ時代の生き残りだと思われるベテラン勢(リズム隊)はもちろん、
若手のホーンセクションもそれぞれ見事なまでにコクのある顔、味わい深い顔。
いい顔がずらっとステージに並んで、こちらまでいい気分だ。
キーボードのオジサン(大変いい顔)がメンバー紹介して、
バンドメンバーだけでの演奏でステージは幕を開けるのだが、
2曲目でコーラスの女性2人、そしてシェウンが登場、
しかも曲はまさかの<Zombie>ということで、大変盛り上がる!

主役の登場で一気に盛り上がるのだが、コーラスの女性二人が
なんといいますか、大変キュートで魅力的でございまして、
私を含む男性はほぼ全員、女性の多くもそうだったのではないかと思うが、
どうしてもコーラス二人に視線が惹きつけられる。
石田昌隆さんを含む3人のカメラマンも主役そっちのけで、
コーラス隊にカメラル集中させる始末。
最近レゲエでも多いお尻を後ろに突き出して高速で振るあのダンスは
あの動きにはある種の催眠効果があるのではないか?
諸兄の更なる研究を待ちたいところであります。
ちなみに、コーラスのあのメイクはなんとかして導入したいものである。

さて主役のシェウン・クティであるが、登場した瞬間は
かなり悪そうな雰囲気を感じて、とてもかっこよかったのだが、
次の瞬間に見せる笑顔が大変キュート。
歌ってサックスを吹きながら、随所に見せる踊りや体の動きは、
かっこよくて、面白くて、美しく、歌の意味までも見事に伝える。
もちろんオーラはびしびし出ているのだが、同時に人懐っこさも存分に。
こういうのって、とても大事なのではないだろうか?
フェラ・クティもたぶん同じような感じだったと思うのだ。
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フェラ・クティといえば、ともすれば自由のために戦った闘士だとか、
伝説というか、神聖なもの、偉人として祭り上げられているが、
そんなに堅苦しく捉えて、祭り上げてしまうと、
その姿が逆に見えなくなってしまうのではと、感じましたね。
メッセージも戦う姿勢も凄いことは言うまでもないが、
まずは作り出していた音自体が凄かったということが一番大事なのだと。
観る人聴く人をひたすら楽しませる存在であったことを
忘れてしまうと本末転倒なのではないか、というのが、
一晩明けた私の感想ですね。

前半はPAやマイクスタンドの調子がおかしく、ハウリングもしていたため、
シェウン・クティや若手のメンバーは集中力を欠いていた様子もあったが、
ベテランのオジサン達はあまり意に介す様子もなく、黙々と弾き続ける。
特に印象に残るのは、シェケレ担当とクラーベのお化け担当のおじさん二人。
1ステージまるまる、シェケレやクラーベを一心不乱に演奏し続ける二人、
おそらく人生の大半をシェケレやクラーベに捧げてきたのかと思うと、
感慨もひとしおだ。
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マイクスタンドやPAの状態が良くなった中盤以降は
演奏の殺気や密度が急速に高まり、実に素晴らしい演奏。
他のメンバーがソロを取る間はホーンセクションに混じって、
アルトを吹くシェウンの姿がほほえましい。
シェウンが服を脱ぐと、更に会場の気合密度が高まり、
だんだんフェラ・クティのように見えてくる。
流れる汗で光る肩甲骨、そして背中のタトゥー「FELA LIVES」。
漲る生命力がはちきれんばかり、実に美しい。
そうなると、シェウンのアジテートも冴え渡る。
津波はたくさんの人を殺したが、葉っぱは人を殺さない、
放射能をばら撒くのが許されているのに、葉っぱは何故許されない?と
見事なアジテートを決めた上で、植物は自然のままに生えさせとけ!
LET IT GROW!と観客に大合唱させる姿は大変美しい。
偉大なる父親の衣鉢を継ぐ、あの姿をじかに味わえただけで、
観に行った甲斐があったというものだ。

エジプト80を引き継いでいるため、シェウンを正統派だとしたり、
いや、長男フェミのほうがいいとか、色々な意見があるが、
こういう素晴らしい音楽を肌で味わうと、そういうのはどうでもいいですね。
フェラ・クティのDNAを濃厚に引き継いだアフロビートが
100年後も200年後もナイジェリアを中心に世界中で
演奏されていれば、それだけでいいではないか?
踊りまくって、首筋が痛くなっている私がいうのもなんだが、
2時間弱のライブ、もう少し見たかったかな。
せめてあと1時間、やって欲しかった。
というか出来たら、一晩中演奏するのを味わってみたいのだけど、
やっぱり、心行くまで味わおうと思うと、本拠地ラゴスのシュラインまで
行かないとダメなのかな?
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何とかゲットしたセットリスト。
昨年のアルバム≪From Africa With Fury: Rise≫からの曲が多いが、
ライブでのベストは<MR. Big Thief>から<The Good Leaf>のあたりか?

あと、こういうのを味わうと、フェミ・クティとかトニー・アレンも
一回生で見てみたくなりますね。
ということで、関係各位に強くお願いしたいところであります。
あとね、前から疑問に思っているのだけど、他の兄弟や姉妹は
一体どうしているのでしょう?
この辺に関する諸兄諸姉の更なる研究を期待したい。

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by zhimuqing | 2012-11-21 22:28 | Funkentelechy | Comments(4)

デートしてくれ!

ということで、エル・ヴァーナー。
今年デビューの新人で、結構ヒットしているよう。
私はQ兵衛師のラジオ番組もCMで初めて聴いて、
あっけなくノックアウトされたクチです。
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なんと!といっても、多くの人には伝わらないと思うが、
ジミー・ヴァーナーとリン・ロデリックの娘だったのですね。
つまりバイ・オール・ミーンズ(BAM)の歌い手二人の子供!
というか、私はこの二人が結婚していることすら知らなかったのだが。
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BAMというか、ジミー・ヴァーナーとスタン・シェパードといえば、
80年代後半から90年代前半にかけて、名曲を世にたくさん送りだした
プロデューサー・コンビ。
いわゆるクワイエット・ストームといわれるジャンルに分類される、
メローでゴージャスな音楽を作っていたのだが、その他大勢と違って、
甘きに流れない、というか、ビターな感触を残している作風が
個人的に大好きだったのだ。
一緒に組む歌手は基本的に超実力派のみだったし、
生楽器の響きを活かすリズムのアレンジもポイントが高いところ。
やはり当時を代表するスーパー・プロデューサーでしょう。
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BAM名義での出た3枚のアルバムも良かったけど、
その仕事の最高傑作はやはりジェラルド・アルストンのソロ作でしょう。
特に1枚目と2枚目の曲は凄い曲が多い。
マンハッタンズ時代を含むジェラルド・アルストンの全キャリアの中でも
屈指の名曲がこの2枚に含まれていて、今聴いてもやはり凄いとしか
言いようがない。
とはいえ、20歳前でこういうのばかり聴いていた当時の私は
なんともまあ、若々しくないというかオッサン的であることか!

その他にも、テムプスの忘れられた?名作≪Special≫も
やはり個人的には捨てがたい。
アリ・オリとの相性も抜群だっただけに、続けて曲を作ってくれていたら、
アリ・オリ個人としても、ソウル歌唱の歴史としても、
もっと良い方向に行っていたのではないか?と思ったりもするのだが。

歌手としての、ジミー・ヴァーナーは完全にテディ・ペン・フォロワー、
奥方のリン・ロデリックもやはり正統派の実力派だったけど、
例えばアルストンやアリ・オリのような個性や華にやや欠けていて、
その辺りが個人的にもやや物足りない感じも。
ソロ歌手としてのテディ・ペンもそんなに好きな訳ではないし。

そんな訳で、この二人の娘がデビューした!というだけでは、
多分エル・ヴァーナーを聴いてみようとは思わなかったと思うのだが、
なにせ、エル・ヴァーナー、声の吸引力、希求力がスバ抜けている。
声が素晴らしい上に、フレージング、特にリズムの割り方が自由自在、
捩れたり、溜めたり、爆発させたり、甘えたり、実にファンクネス溢れている。



なんでも、これまでジャズの勉強を重ねてきたらしいのだが、
たしかにジャズ的でもあるけれど、頭でっかちな印象はなく、
細胞がリズムに不随意反応するような歌い回しは
優秀なMCが見せる自在なフローの様で、ヒップホップな印象の方が強い。
(もっとも凄いジャズメンというのは、そういうものなのだろうけど)
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曲もなかなか良いのだが、歌の凄さに比べると、やや平坦な印象が強く、
これはこれで売れそうなのだけど、もっとヘンテコなトラックを
色々ぶつけてみたくなりますね。
ジョージア・アン・マルドロウとかMFドゥームのような音を
バックに自在に歌い込むエル・ヴァーナーとか、
あるいは、アフロビートをバックに歌わせてみるのも面白そうだ。
フィンランドのジミー・テナーなんか、どうでしょう?

などと、ごちゃごちゃ考えていたのだが、この映像を見て気持ちが変わった。
この人は歌一本、アコギだけで楽勝でいけるタマ。
どんどん突き進んでほしい。
で、時々冒険をしてくれれば、それでOKだ。
それで、たまに両親と一緒にゴージャスなバックをつけて、
歌ってくれれば、さらに言うこと無し!





うーん、キュート過ぎる。
とりあえず、一回デートしてくれ。

ちなみに、この年の頭にフリーのミックステープを発表していた模様。
これからダウンロードしてみます。
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by zhimuqing | 2012-11-18 01:28 | Funkentelechy | Comments(0)

中国出張が延期という、ラッキーな事案

来週予定していた中国出張が延期となったおかげで、
シェウン・クティのライブを観に行くことが出来るように。
いやあ、ラッキーですね。
人生初の生アフロビート、プリマクさんと堪能する予定。
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それにしても、フェミとシェウンのクティ兄弟は
数多くいる二世ミュージシャンの中でも、
頭が二つぐらい抜けている感じですね。

というより、二世ミュージシャンを色々考えた場合、
大物ミュージシャンを親に持ち、その親の域を超えることが出来た人は
ジャズにしても、ソウルやファンクにしても、ロックにしても、
ほとんどいないような気がしますね。特に欧米では。

父親母親を超えるのは難しいにしても、後世に名を残しそうな人としては、
シシイ・ヒューストンの娘、ホイットニーは別格としても、
その他には、ソウル系ではエディの息子ジェラルド・レヴァート、
ロック系ではリンゴの息子、ザック・スターキーぐらいかな。

レイラ・ハザウェイとかニューオリンズのアイヴァン・ネヴィルも
頑張っているけど、やはり小粒かなぁ、親父さんに比べると。
それにしても、余談であるが、○○の息子、◎◎っていう言い回しは、
スタートレックのクリンゴンを思い出すので、個人的にはやや嬉しい響き。

JBとかサム・クックとかマイルスとかマイケルとかバードとか
カークとかカーティスとかサンラとかエリントンとかのDNAは
一体どうなっているのか?もう少し頑張ってほしいものだ。

なお、私がファンク界の大いなる希望として期待しているのは、
エリカ・バドゥとアンドレ3000の間に産まれたセブン君ですね。
というか、セブン君だけでなく、プーマちゃんとマーズちゃんの
3人全員に期待しているのは私だけではないでしょう。
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セヴン君、たぶんもう15歳。
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来日公演で見たマーズちゃん、でかくなったな!

ちなみに、叔父叔母と甥姪なんかだと、結構いい組み合わせがいる。
ミス・リズムと呼ばれるルース・ブラウンとレジェンドであるラキム、
これはリズムに対する鋭い感覚という点で、血筋というのを感じさせる。
あとは、メルヴィン・フランクリンとリック・ジェイムズかな。
両者の共演もあるし、なかなかいい感じだ。
新しいところではアリス・コルトレーンとフライング・ロータスか。
そういえば、ブーツィーとスヌープも叔父甥の関係だと読んだことがあるけど、
これは多分眉唾でしょう。

欧米以外では、カエターノとモレーノとかマーリーの息子達がいるが、
ここで親を超える可能性があるのは、なんといってもマリア・ヒタ!
母親エリス・レジーナに並ぶ可能性があると思っているのは私だけ?

そうやって考えると、フェミとシェウンの兄弟は
やはりかなりのハイレベルでしょう。
流石に偉大なる父親を超えることは出来ないだろうけど、
時間をかけていいので、なんとか頑張って欲しいものだ。
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ルックスが見ているのは、兄のフェミのほうか?

と、そんなことをつらつら考えるのは、エル・ヴァーナーがきっかけ。
エル・ヴァーナー、ジミー・ヴァーナーとリン・ロデリックの娘!
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はっきり言って、エル・ヴァーナー、いいっすよ。
今年最強の新星かも。
ということで、続きはまた今度。
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by zhimuqing | 2012-11-17 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)

是非とも!

巷で話題のアトランティック創立65周年。
日本では、アトランティックのソウルやR&Bの100枚シリーズが出てますね。
これまでと違って、ベイシックな王道よりも少しだけ脇道に逸れたものが多く、
意外に馬鹿にならない。
というか、オオ!ってなものもラインアップに入っていて、
11月の第2弾50枚が出るのを狙って、私も参入。

近所のレコファンで買ってきて!と母に頼んだ甲斐あって、
1枚1000円!が900円!!
20年ほど前、スタックスなんかのアトランティックのCDが
2000円で再発されてひどく感激してたのに、何という素晴らしい価格!

ちなみに、今回購入したのはこの4枚。
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レコファンの店員さんに、趣味が良い!と言われたと
母は喜んでいたが、まあそれも納得の4枚でしょう。

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ベティ・ライトのセカンドは今回のラインナップで1番売れているそう。
小沢健二が使ったあの曲が入っているからかな?
ベスト盤でしかもっていなかったので、購入。
マイアミ系はあまり手を延ばしていなかったので、
これを機会に色々聞いてみたくもあるが、資金が回りそうにない。
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ベティ・デイヴィスも凄いセンスだが、
ベティ・ライトもなかなか侮れないセンスの持ち主だ。

せめて、今回一緒に発売されたベティ・ライトの1stと3rd、
それにクラレンス・リードあたりは聞いておくのが仁義というものかな?
ギターの軽やかなカッティングが耳に残るが、
クレジットをよく見ると、全部が全部みんな大好きな
リトル・ビーヴァーが弾いているってわけでもないみたい。

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ブラックヒートの2ndは濃厚なファンクということで有名。
数年前に再発されていたが、値段が高かったので
後回しにしていたら、いつの間にか見当たらなくなってしまった一品。
これは買って良かったね。
リズム隊が凄くタイトでかっこいい。

DC出身、しかもパーカッション多用ということで、
ゴーゴーとの関連性云々って話もあるけど、
そんなに直接似ているという訳でもない。
とはいえ、同時期のチャック・ブラウンに比べると、
切れ味は随分と鋭いし、ウォーみたいな曲も本家よりずっと好み。
ボーカル(とベース)のネイモン・ジョーンズは噂通りのカッコよさ。
腕利きが揃っているからか、やや展開に凝りすぎているきらいもあるが。
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ファーストのジャケはかなりカッコいい!
ローランド・カークゆかりのプロデューサーであるジョエル・ドーン絡みというのも
個人的には何となくポイント高し!

キャピトルズとダレル・バンクスはデトロイト出身。
60年代半ば、録音もデトロイトとなると、これは避けては通れない。
ファンク・ブラザーズやモータウンの作家陣が結構絡んでいるのでね。
もちろんモータウンには内緒の「アルバイト」が多いのだが。

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キャピトルズはシングル「Cool Jerk」一発で歴史に残る訳だが、
この曲はゴールデン・ワールド・スタジオ=リックティックで
録音されたもので、バックはファンク・ブラザーズ、
ジェマーソンにヴァン・ダイクに多分ベンジャミン。
ほとんど、というか、完全にアーリー・モータウン。
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それ以外の曲のほとんどは当時のヒット曲だが、
当時のLPなんて、ソウルもロックもそんなものなので、気にならない。
リードを取るサミュエル・ジョージはなかなか良い歌手だし、
他のコーラスと楽器を担当するメンバーもなかなか良いだけに
Cool Jerk以降ヒットに恵まれず、解散してしまったのは
かえすがえすも残念でありますね。
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こういう写真を見ると、ファンクなセンスも抜群だったと思うのだ。

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ダレル・バンクスのこのLPのほうは、もっと興味深い。
レヴィロットとアトコでの録音を合わせたものだが、
レヴィロット録音の4曲の演奏はおそらくファンク・ブラザーズ。
当時はまだ新進ライターだったジョージ・クリントンの曲もある。

ニューヨークでの録音はおそらくファンクブラザーズではないと思うが、
ライターにはモータウン系の名前が見受けられる。
才媛シルヴィア・モイにスティービーの後見人ヘンリ・コスビー、
惜しくも先日亡くなったフランク・ウィルソン。

曲は総じて、モータウン直系のノーザンものが多いが、
ワイルドでディープなシャウトを持ち味とするバンクスの歌に合わせ、
演奏も通常よりも5割増しでラフに迫るのが良い!
歌を含め、LOTUSな仲間達が盛り上がりそうな曲が多い!

こういうのを聴くと、まだまだ謎に包まれているモータウン関係者の
課外活動というか、60年代デトロイトのマイナーな音が
どんどん聴きたくなってしまって困ってしまうのであります。
イギリスあたりの研究者による発掘作業に期待したいところだが、
あんまり一気に進められると、こちらが付いて行けないので、
ほどほどでお願いしたいところでもあります。
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モータウンとはあまり関係ないが、
このアルバムも早急に購入を検討しよう!

ということで、アトランティックの再発に盛り上がる訳ですが、
1枚、重要なブツが欠けているのが残念だ。
そう、22年前ぐらいに再発されてあっという間に消えた
サム・ディーズの≪The Show Must Go On≫。
プレミアが付いて、万単位になっているあの名作、
あれを何とかしてほしい、と思ったのは私だけではないはず。
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と思ったら、イギリスから出た65周年記念ボックス20枚組の中に
入っているということで、これは大ニュースなのだが、
問題はボックスに入っている他のアルバムは
ほとんど我が家に既に存在しているってことなんだよね。
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ボックス自体は格安で20枚入って、6500円。
1枚あたり325円は猛烈に安くて文句なしだし、
それぞれが大名盤であることは間違いないのだけど。
家にない3枚の為にボックスを買うとなると、
流石に手が出ないなぁ。
やはり日本のワーナーに期待するしかないのか?
お願いしますよぉ。
あとついでにアトランティック後期のアレサの再発も是非とも。
ついでにブラック・ヒートの2枚も是非!
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by zhimuqing | 2012-11-15 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)

ハートのカップ

娘から突然貰ったプレゼント。
ハートの形をしたカップ。
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縁が厚くて飲みにくいなんてことは全くない。
むしろ紅茶を入れて飲むと、
いつもより数倍美味くなるのが大変不思議だ。

一方こちらは一緒にテーブルに置かれてあったデッサン?
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題材のチョイスの仕方がなかなか秀逸だ。
もしかして、お笑いを目指しているのか?
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by zhimuqing | 2012-11-14 00:24 | Dawn 'n' Shine | Comments(4)

これはまさに金字塔だ!

4年前にハードディスクレコーダーを導入して以来、
ずっと心待ちにしていた番組。
毎週日曜に新聞の日曜版のテレビ放送予定のチェックを欠かさずやっていたのは、
まさにこのためだったのだ!
王様のレストラン、ついに再放送!(何度目か知らないが)
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前回再放送に気付いたのは、既に3話目か4話目に入っていたので、
録画することも諦めていたのだが、今回はばっちりだ!
とりあえず、来週月曜分までは【最優先】で録画体制を整えております。

キャストも最高、ホンも最高というか、三谷幸喜のテレビ作品の中でも
最高峰の一つでしょう、これは。
それにしても、松本幸四郎の圧倒的な存在感!
感服以外の言葉が思い浮かばない!
残りの放送も完璧に録画するぞ!
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by zhimuqing | 2012-11-13 00:28 | A Felicidade | Comments(0)