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痛快な1枚だ

ということで、ロバート・グラスパーの新作(輸入盤)が遂に発売。
今年前半の話題作、個人的にも待望の1枚です。
まだ通して10回ちょとしか聴いていないので、結論づけるのは時期尚早だが、
今年度屈指のアルバム、ベスト3確定かな。
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ジャケも大変良い。
グラスパーのプレイを見事に体現。

バンド名義なだけに、全曲固定メンバーによる演奏。
グラスパーのピアノとローズ、デリック・ホッジのベース、
ケイシー・ベンジャミンのボーコーダーと管楽器、
そしてクリス・デイヴのドラム。
まあ、ほぼマックスウェルのバンドのようなものですが。
これ見よがしのインタープレイではなく、それぞれの奏でる音に対して、
官能的に反応する様が大変美しい。
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なんといっても、グラスパーの演奏は聴いてすぐに分かる個性の塊。
スタイリッシュでクールなので、よくモンクと比較されているが、
フレーズを自分の中で捻った挙句、音が飛び上がるようなモンクに対して、
グラスパーは空の上から降ってくる隕石のようなイメージなので、
個人的には随分違うと思っているのだけど、どうなんでしょう。

このバンドでも、その持ち味が存分に発揮されているのだけど、
流星雨のように降りてくるピアノのフレーズを
地上で自在に弾き返すデイヴの躍動感とあいまって、
なかなか得がたい磁場が発生している。

豪華ゲストの使い方も実に効果的。
こういうゲストテンコ盛りの話題作というのは、
派手なお祭り騒ぎになって、興奮が冷めると何も残らないことが多いが、
曲の選択も含め、適材適所というか、この人でなくてはならないという
そういう必然性を感じるものが多く、これまた好印象だ。

グラスパーのあの鍵盤の上にシャフィークが重なるオープニングは、
アウトロ?でのエリカ・バドゥ達によるパフォーマンスがこの上なく美しい。
ちなみに、このアルバム、アウトロというかインタルードが結構入っているが、
それぞれがいちいちカッコいいのも、特筆すべき点ですね。
バドゥは続く②で弾むリズムの上で抜群に敏捷な身のこなしを見せつける。
こういう音をバックにすると、バドゥは今や無敵、
早く新作を出してほしいものです。(来日公演も)
原曲の良さを活かしつつ、バンドと歌も最高のパフォーマンスを聴かせる。

バンドとしてのシャーデーが持つ本来のリズムの強さを抽出した③では、
レイラ・ハザウェイが低体温で滑らかに旋回する。
もちろん歌手としての厚みはハザウェイの方がずっと上である訳だが、
余白と余韻をどのように活かすか、緻密なリズムの構築をこっそりと。
捩れたシンセのソロも良い感じ。
レイラ・ハザウェイはラサーンとの共演もあったし、ここのところ好調ですね。
続く④では、静と動の組み合わせ具合が鮮やか。
丹精にライムを綴るルーペ・フィアスコとエモーショナルに唸るビラル。
ビラルとの相性はことのほか良いように思える。

傑作≪In my element≫収録曲のセルフカバー⑤はアルバムのピークの一つ。
迷いのないレディシの歌が聞かせる。
歌が静溢な湖に舞い降りる水鳥のような軌跡を描き、
並走するピアノはその水紋のよう。
とはいえ、リズム隊が随所で仕掛けてくるので、
単なるチルアウトした演奏に留まらない。
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⑥では、個人的に期待している西海岸の女性グループKingのフックアップ。
これまた、ティンバランド経由でのシャーデー発展形を思い起こさせるが、
KINGの歌にジャネイを思い出す私。アルバムにも期待したい。
ミュージック・ソウルチャイルドとクリセットが登場する⑦は、
イレギュラーなドラム、パラパラと降り注ぐピアノに
抑制が効いた二人の声が重なる。
中盤のケイシーによる耽美なソロも抜群。

マイロンとの共闘が大変良かったンデゲオチェロは⑧で登場。
ややダウナーな曲調だが、ここ数作でのンデゲオチェロのアルバムよりは
ずっと聞かせる。
ベースをンデゲオチェロに弾かせると、更に凄い曲になったと思うが、
バンドに対するこだわりの表れということで、まあ良しとしよう。
(でも、やっぱりもったいない気がする。)
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今日現在、②⑤と並ぶ山場はミントコンディションのストークリーとの⑨。
アリとの共演だったオリジナルも良かったが、
やはり広義の意味でアフロ成分に溢れたこっちの方が凄いね。
08年の秀作≪E Life≫のカバーだが、バンドの演奏に触発されたのか、
引っ張ったり捻ったり伸ばしたりと、ストークリーが素晴らしい歌を披露する。
ドラムが刻むミリタントビートがピアノのフレーズに触発されて
変形していく様子が痛快だ。
以前、このメンバー5人で来日公演やってたんですよね、たしか。
ああ、もったいないことをしたなぁ。

⑩にはモス・デフ改めヤシーン・ベイが登場、
何度聞いても、得意?のアンドロイドのようなライミング?が面白い。
ベイベイベイベイベイベイベイベイベイベイベイ、ベイ!
あれって、やっぱりオールドスクールのエレクトロな時代を思い出す。
歌も悪くないけど、ラップで通した方が良かったかも。

⑪はデヴィッド・ボウイ、⑫はニルヴァーナの有名曲のカバー、
ということなのだが、いかんせん、元の曲を良く知らないので、
原曲との比較というかコメントは出来ないけど。
ビラルの滑らかな歌が光る⑪はサンバっぽくリズムが変わっていくが、
アルバムの中では比較的ストレートな演奏で、やや印象が薄いか。
⑫でのボーコーダー使いは完全に◎、私の好みです。
熱心なカート・コベインのファンには嫌われそうですが。
でも、これは原曲も良いのでしょうね。
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ということで、何度もリピートしてしまうこのアルバム、
もしかしたら、2010年代を代表するアルバムなのではないかと
早くも断言してしまいたくなるのだが、どうなんでしょう?
少なくとも、今年屈指の傑作は間違いない。
ヒッポホップ、ブラックポップ、ファンク、ジャズ、
どのジャンルとしてみても、痛快な一枚。
いっぱい売れてほしいな。
おしゃれな音楽として、表面的な扱いでもいいので。

来日公演も見たくなるのだが(でもチケット取れなさそう)、
ちなみに Bootleg Radio として、ライブ音源がダウンロードできるのだが、
こちらはまだあまり聴けていないので、また機会があれば。
でも、早めに入手しといた方がいいと思います。(ゲストも凄い)
続編が早くも聴きたいぞ!
その時はですねぇ、ゲストには是非ともモネイとラサーンとジョイと
アンドレとシーローとドゥームを入れてください。
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by zhimuqing | 2012-02-29 06:28 | Funkentelechy | Comments(5)

生で見たいものだ

クリス・デイヴはやっぱりカッコええなぁ。
サンプリングから生まれる撚れたグルーヴを生で再現するのだけど、
そこに生である必然性があるのが、いいではないですか!
見た目がそんなにイケてない(失礼!)なのも良い!
一度近くで本物を拝見してみたいものだ。




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by zhimuqing | 2012-02-27 01:28 | On The Corner | Comments(0)

ガンボ喰いたし

アメリカに注文していたブツがようやく到着。
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クエストラブのパーカー。ええ、どうせ私はミーハー(死語?)です。
バックのプリントが大変カワイイとムスメにも好評。
サイズはやや大きめか?
でもまあ、パーカーなので、まったく問題なし。今度友人諸氏に自慢しよう!
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さて、1988年にPヴァインから出ていたニューオリンズの編集盤「ガンボ・ヤ・ヤ」。
名編集盤の誉れ高いこのアルバム、編集と解説は湯浅学。
リー・ドーシーの凄さを先日改めて思い知らされたので、
引っ張り出して聴いてみると、やはりこれも凄い。
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1960年代のニューオリンズのヒット曲(一応、地元での小ヒットも含む)を
ほぼ年代順に収録しているのだが、ほぼ実質的にアラン・トゥーサンの手に
因るモノが多いのは、選者の趣味もあるのだろうけど、
それよりも、この時代のトゥーサンが凄すぎるのだから仕方がない。
なので、トゥーサンが兵役についていた63~65年の音源はほとんど入っていない。

独特の柔らかいというよりも、ゆるい湯加減の曲調。
一見ノベルティ物のように聞こえるが、リー・ドーシーと同じように
しぶといファンクネスが足元でトグロを巻いているので、油断大敵ですね。
バックのメンバーについての記載がほとんどないのが残念ですが、
それをいうと、歌っている歌手自体、経歴がよく分からない人が多いので、
まあ仕方がないのか?

それでも、いわゆるディープ・ファンクの名の下に山ほど出た編集盤に比べると
一本筋が通っているというか、明らかに出来が良い曲が多いのだが、
これは当時のニューオリンズに腕利きが多かったことによるものなのか、
それともトゥーサンの差配が良かったからなのか、分からないが、
個人的には後者の説を採用したい。
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まあ、はっきり言って、どの曲も必聴といって良いレベルであるが、
ジェシー・ヒルやドーシーの軽み、郷愁に満ちたトゥーサン自身の歌も
大変印象深い。随所に入るあのピアノの良さは言うまでもなく。
アルヴィン・ロビンソンのもっさりとした味わい、
アーシーな魅力全開のNOの女王、アーマ・トーマス、
そしてNOの至宝ジョニー・アダムズの懐の深さが特に耳に残ります。
特にアダムズ、もっと研究しなければ、と反省させられるほど、
実に素晴らしい歌ですね。
声の張り上げ方、喉の絞り方、ファルセットの噛ませ方、ほぼ完璧です。
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あと、やはりこの兄弟は昔から偉大だったなぁと感心させられます。
エアロン・ネヴィルは若い時から滋味溢れていたことを示す60年の②、
個人的にNOを濃厚に感じさせるアートのあの節回しも
初期の段階から完成されていたことが良く分かる⑭も良い。
(後ろで鳴っているピアノは誰の仕業?)
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で、一番興奮するのは、末弟シリルのファンクネス極まるデビューシングル。
ディープ・ファンクの流れで近年紹介されているが、89年の段階で
この曲をピックアップしていた湯浅学は偉い!
Josieから69年に発売されたこの曲、勿論バックはミーターズ。
ジガブーの名演奏は数多いが、ジガブーのベスト5に入るのではないか?と
思ってみたりするのですけど、いかがでしょう?
シリルの歌はそれにしても筋肉質ですね。

ちなみにアルバムの最後もミーターズがバックをつけたアール・キング。
もしかしたら、ミーターズって、他の人の後ろで演奏している時の方が
良かったりするのではないかと、そういう気持ちが芽生えつつある今日この頃。
スタジオでのオリジナルアルバム8枚は確かに良いものが多いのだけど、
トゥーサンがあまり関与していないこともあり、
未整理のものもあって、玉石混合という感も無いわけではない。
稀代の天才トゥーサンの意見がより多め、強めに入っている
他人のバックでの演奏のほうがやはり味わい深いのではないか?と。
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73年、ミーターズのステージにスティーヴィーが乱入。
この時の音源があれば、1本出してもいいぞ!

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それにしてもニューオリンズの沼は奥が深いですね。
誰か、詳しい人、教えてくださいな。
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ちなみにトゥーサンのアルバムだと、この写真が大好き。
カメラマンは誰なんだろう?
このカメラマンの写真集とかないのか?
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by zhimuqing | 2012-02-26 07:28 | On The Corner | Comments(2)

これまたイギリス人の良いお仕事

PヴァインからBlacker than blackなるキャッチー?な売り文句で
70年代のアフロ・ファンクが5枚ほど発売されている。
曰く、「秘境レアグルーヴの最高峰」、曰く「悶絶ナイジェリア・グルーヴ」、
曰く「ラゴスのジャッキー・ミットゥー」。
もう自動的にレジに並ぶ、あるいはポチッと押したくなるではないか!

勢いあまってつんのめりそうになるのを一歩踏みとどまり、
ネットで調べてみると私の敬愛するイギリスのレーベルSoundwayから
5枚のうち、3枚は既に発売されていることに気付きましたよ。
しかも1枚9.9ポンド!円高万歳ってな感じで、購入しましたよ。
Pヴァインには悪いけど、半額以下だからねえ。

ということで、ジョニ・ハーストラップ率いるMonomonoの1枚目(71年)と
そのハーストラップが78年に出したソロアルバムを購入したわけです。

気に入ったのは、Monomonoですね。
文面から妄想を膨らませた音とは違ったわけですが、
いや、でもしかし、確かに漆黒の強力な音楽であることは間違いない。
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このジャケットの破壊力を見よ!
狙って出来るものではない!

独特の風味があるジョニの歌はラフではあるが、しなやかな歌唱。
その節回しがネコ科の動物の身のこなしを連想させる。
ややコントロールが悪そうなのも、逆にかっこよさを増幅している。
随所に入るコーラスも野性味満点でバランスが取れている。
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原形が残らないほどドロドロに煮込んだスープのようなハチロクの曲が印象に残る。
主役のキーボードもしぶといベースもいなたいドラミングもファンクネス溢れますが、
私の聞いたところ、音の要はギターですね。
サイケなソロも良いが、リズムを切っている時が一番の聴き所かな。
浮遊感と酩酊感が同居した特濃アフロ成分が心地よい。
このギターの上でビャーってなるチープなキーボードの味わいは
他ではなかなか得がたいものですね。
Monomono、2ndも一緒に購入しとくべきだったな。
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みんな悪そうだ。

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一方、ハーストラップのソロアルバムのほうは、残念ながらMonomonoほどの
ごった煮のスープ感覚はなく、ディスコの影響がかなり強くなっており、
これはこれで悪くはないのだが、他のアフロなレアグルーヴと並べると
埋没してしまいそうな感じではある。
大音量でクラブで聴くと、また違ったように聞こえるかもしれないけど、
家やヘッドホンで聴く分には、どうしてもMonomonoのほうを選んでしまいますね。
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でもルックスはある意味いけている。私の基準だけど。

ということで、意外な掘り出し物だったのだが、やはりSoundwayレーベルの
仕事は素晴らしい。
クンビア関係はこのレーベルモノ、結構集めたのだが、
他のブツ(アフロ関係は山盛り出ている)も手元に置く努力が必要なのかも。
購入するお金と聴く時間、この二つが問題であるのだけど。
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by zhimuqing | 2012-02-22 07:28 | Funkentelechy | Comments(0)

20世紀最高の文学者とその最高傑作

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ミヒャエル・エンデ 『エンデと語る』より

自然科学一辺倒の発想が変わる日はきます。
理由はこうです。極めて現実的な生活上の、あるいは人間の生の根本問題が、
それも何百万人もの人間の高不幸を左右するほどの問題がもちあがって、
もしそれが自然科学的世界観の枠内だけで決定されるようなことになるとする。

そんな日がきたら、人間はやはり気づくにちがいありません。
そして変わりはじめる。
今はまだ、人間はそこまで直接的には結果を目にしていないのです。


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灰色の男たちに注意を促すデモ行進が不発に終わったのを受けて、
モモとジジの会話より (『モモ』 149ページ)

「そう深刻に考えることはないよ、モモ。
あしたになれば、またちがって見えるさ。
何か新しことを考えだせばいいんだ、
何か新しいお話をな、そうだろう?」

「あれはお話なんかじゃなかったのよ。」とモモは静かに言いました。


マイスター・ホラとモモの会話より (194ページ)

「・・・だがざんねんなことに、人間はたいていその瞬間を利用することを知らない。
だから、星の時間は気がつかれないままに過ぎさってしまうことが多いのだ。
けれどもし気がつく人がだれかいれば、そういうときには世の中に大きなことが起きるのだ。」

「きっとそのためには、」と、モモは言いました。「そういう時計がいるのね。」

マイスターホラは笑って頭をふりました。
「時計があるだけじゃだめなんだよ。この時計の読み方も知らなくちゃ。」
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by zhimuqing | 2012-02-20 23:28 | Dawn 'n' Shine | Comments(0)

ちょっと齧っただけで、偉そうに述べてみる

出張帰りに新宿のDスクユニオンに寄ったところ、
欲しかったブツを格安で発見、奪い取るようにレジに。
ホクホク顔で帰宅したのはよいのだが、
なんとお釣りを貰い忘れるという間抜け極まる失態を。
翌朝慌てて電話する私。
お店の丁寧な対応に、単純極まりない私は嬉しくなってしまうのは仕方ない。
因みに何をゲットしたかには、ここでは触れますまい。

さて、本職?であるベースとは別に、最近ドラムをこっそり齧っている私、
人前で披露するつもりは微塵もございませんが、
お陰でこれまで以上にドラムに注目(耳)してしまう今日この頃。
とはいえ、派手なフィルインやトリッキーなフレーズには興味はなくて、
むしろバスドラ、ハイハットとスネアの三位一体の組み合わせの妙だとか、
組み合わせの中での微妙な揺れぐらい、アクセントの付け方、
太鼓それぞれが響く時の音の響き方(響かせ方)とか、
そういうミクロ的な部分に心惹かれてしまいますね。

ちょっと齧っているだけとはいえ、そういう耳でドラムを聴くとなると、
ヒップホップのカッコよさを改めて思い知らされる訳ですね。
90年代半ばまでのヒッポホップって、ちょっと聴きには同じに聞こえるほど、
その部分にこそ執念をかけていたといっても過言でないですからね。

ということで、家にあるヒップホップとかその香りが強いR&Bを
片っ端から聴き直しているのですが、やはり個人的な趣向でいうと、
ATCQとかピート・ロックの緻密に組み上げたドラムや、
Jディラのザックリと仕上げた音のカッコ良さがやはり完璧だってことで、
これまでも好きだったアーティストの音がやっぱり良いということで、
ぐるっと一周回って、同じ結果になってしまうのが我ながら面白いところです。
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ATCQで一番ドラムの音が良いのは、このアルバムだと思う。

とはいえ、存在自体を忘れかけていたアーティストもいる訳で、
個人的に申し訳ないと思ってしまう筆頭がDITCの貴公子と呼ばれていた
ロード・フィネスですかね。
多分にもれず、この人経由でロイ・エアーズに目覚めたというのに、
これまで忘れてしまっていて申し訳ないです、はい。
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2ndはどこに行ってしまったか分からないのですが、
3rdはきちんと家の在庫で見つかりましたが、
こんなにカッコよかったかと改めてその凄さに驚きました。
まあ、当時から名盤の誉れ高かったアルバムですけど、
私の耳がまだ青かったということでしょう。

当時はメロウな雰囲気が好きで聴いていて、
その魅力は今でも全く減じることはないのですが、
ドラムの音がカッコ良すぎる。
アナログ盤でもっと良い環境で聴くと、さらに凄味が増すのだろうけど、
mp3音源でヘッドホンで聴いても、凄いものは凄い。
上手く説明できないが、タイトで柔らかい。
あえて使わないようにしているけど、ドープな音とは
こういう音を指すのでしょう。

乗っかるフィネスやその仲間たちのMCもリズムに対して
様々なアプローチを取っていて、実に魅力的。
個人的には、その存在感の前ではどんなトラックもねじ伏せられてしまう
KRS‐ワンの高圧力ぶりが盛り上がりますかね。
それにしても、ヒップホップとして音の理想像の一つが
ここにあるのは間違いない。
当時、DITCのメンバーのアルバムで買い逃していたのも結構あるので、
ここはひとつ、集めてみようかしらん。
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それにしても、ヒッポホップのCD、持っていたはずのものが
結構見つからない。
このアルバムも買い直すか!?
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by zhimuqing | 2012-02-19 22:28 | On The Corner | Comments(5)

備忘録

口だけ番長として今や並ぶものが無いほど、
確固たる地位を築かれた前原率いる民主党の政調会が、
今夏に向けて原発の再稼動を認める方向性で調整しているそうだ。
電気料金の値上げ(なぜか東電のみ)と、そのセットとしての原発の再稼動、
着々と向こうで布石が打たれていることを実感し、なんとも言えない気分になる。
ということで、いい機会なので、備忘録をかねて個人的なまとめを。

まず、念頭に置かなくてはならないのは、毎日新聞が1月暴露した事実。
夏のピーク時の電力供給量が-9.2%足りないという政府の試算が
全くのでたらめだということ。
各家庭に業務用の大型冷蔵庫が1.5台あるとしたり、
製造業の自家発電を中心とした「埋蔵電力」がカウントされていなかったりと
官僚(とその背後の利権団体)が苦心して小細工した結果での数字に過ぎないのだ。

菅直人の指揮内にあった国家戦略室の別チーム(民間)の試算では+6%。
十分に足りているのである。
本来なら国を挙げて大騒ぎして、徹底追及すべき問題であるのに、
元々原発を推進させたい読売や産経はまあ仕方が無いにしても、
なぜか朝日もNHKも表立って報道しないどころか、
原子力村の意図に沿って、電力不足キャンペーンを張っている始末。
私の知っている工場では、節電要請に沿って、夜間に仕事をシフトしたり、
土曜日曜休みを取らずに仕事をしていた人達がいたのに。
3月の無計画停電で、交通事故で死者まで出ているのに。

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小出裕章の「隠される原子力・核の真実」を見ると、+6.0%に更に説得力が増す。
2005年の日本の発電設備総量は全部で2億7500万kW、
酷暑だった2010年夏のピーク時が1億7964万kW、
原発を除いた水力、火力、自家発電の合計は2億3000万kW。
なんだ、原発全部止めても楽勝じゃないか。
脱原発ではなく、即ストップできるじゃないか。

それぞれの設備稼働率は、原発70%、火力48%、水力20%、自家発電55%、
自家発電はとりあえず横に置いておくとしても、
ウランを燃やしている原発は簡単に発電量の調節が出来ないので、
他の発電設備、とくに水力発電で大幅にあまっている発電量を調節しているのだ。
言い換えると、原発を稼動させる為に、水力発電を止めているのだ。
つまり、原発の占める割合が高いので云々というのは、
あくまでも恣意的なデータに過ぎないということだ。
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こちらはやや古いが、2000年のデータ。
やや古いが、大勢に変わりはないはず。

この稼働率の側面から見ると、水力発電のコストが高いとされている定説?の
ウソがよく見えてくる。
稼働率を2割に迎えていては、コストが高くなるのは当たり前だし、
この水力発電のコストには揚水発電のコストも含まれているのだ。
フルに稼動した場合の本当のコストを明示してもらわないと困る。
燃料代は基本的にかからないのだ。

原発の代替エネルギーとして、火力発電が議論に挙がっているが、
むしろ水力発電の現在の発電設備をフルに活用することを
前提において議論しないと意味が無いことがよく分かる。
火力発電の燃料代でコストが上がり、8000億必要だというのは、
単にその金をふんだくって、国から資金をつぎ込ませず、
今の経営陣や社員の高待遇を維持する為の方便にしか聞こえない。

更に言うと、天然ガスの世界的な相場が下落していることも強調するべきだ。
イランの問題でペルシャ湾を封鎖する話が出ている中で、
天然ガスの相場は昨年に比べ大幅に下落しているという事実。
昨年末に比べると、2割も下がっているらしい。
シェールガスのガス田の開発が進み、生産過剰になっており、
アメリカ大手ガス会社のチュサピーク・エナジー社は自社の操業ガス田を
47から24に削減することを決定していること。
これもなぜかあまり報道されていない模様。

そもそも燃料代が嵩むのであれば、他の電力会社も値上げをしなくてはならないのに、
一向にそういう話が聞こえてこないのは、どういうことなのだろう。
東電よりも原発への依存度が高い関電(48%)、九電(41%)は?
(まあ、この依存度も先に述べたようにおかしな前提であると思うが)
天然ガスの価格下落、水力発電の稼働率アップで十分に吸収できるからではないのか?

ということで、私が電気代の値上げの理由として、渋々納得できるのは、
原子炉の廃炉に関する費用のみなのだが、
それでも、その前にやるべきことがあるのは間違いない。

・東電の国有化および解体(発電と送電事業の分離)
 :これはいうまでもないでしょう。
・真に公正な第3者による東電資産の再評価と売却
 :今の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」は即刻メンバーを入れ替えろ!
・東電社員の給与と年金の削減
 :これもいうまでもない。なんならコストカッター清水氏が推薦します。
・原発行政、電力会社経営陣に対する責任追及(刑事責任の追及)
 :九電やらせ事件の主犯格の黒木慎一、なぜまだ保安院でのさばっているのか?
・意見聴取会からの原発業者から寄付を受け取っていた学者の追放
 :中村尚司なんかは永久追放でしょう。

電力供給に限ると地熱発電が3割弱を占め、
残り7割強を水力発電でまかなっているアイスランドでは、
各家庭の暖房等を含めると、主要エネルギーの65.7%が地熱発電らしい。
しかも、この国の地熱発電設備のほとんどは日本製らしい。
同じ火山国、地震国である日本が目指すべきなのは、
まさにこのアイスランド式?だと思うのだが、どうだろう。
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個人的には風力や太陽光発電はなかなか難しいと思っているし、
その発達・発展を待っている時間もないと思っている。
「脱」原発というのは、考えようによっては、緩慢に「脱」していくことにも
なりかねないと思えてならないのだ。
現に現政府は、「脱原発ですよ」という姿勢を見せつつ、
やっていることはまったく別の方向を向いているし。

日本の発電は地熱+水力+メタンハイドレートでのGTCC発電を中心に、
潮力や風力、太陽光での小規模な発電を組み合わせた体制でいくのが
一番良いのだと思えて仕方がない。
しかも、各地に小型のプラントを作って、地産地消を進める、と。
過疎地をカネでレイプして、大型の発電所を作るやり方だと、効率が悪すぎる。
福島第一原発のせいで関東の農産品ではうまくいかなかった地産地消を
電力で実現するしかない。
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まずは本店と渋谷の電力館を売り払うべきだ。
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by zhimuqing | 2012-02-18 00:28 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)

ため息つかせて(改)

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ちょうど高校生の頃はまさに全盛期。
2枚目のアルバムが出て、№1ヒットが連発し、
ソウル5輪のテーマ曲を歌い、
アリサ・フランクリンのアルバムで堂々と渡り合い、
しかる後に、ライブという名目(?)で福岡まで私に会いに来てくれた(?)わけです。
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福岡国際センターでの座席は結構後ろのほうだったで、
レコードに比べて高い声が出ていなかったのだけど、
現役バリバリ、旬まっただ中の本物のスターを見たのは
その時が初めてだった私は、かなり興奮したのでした。
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有り余る潜在能力を十二分に発揮できなかったのではないか、と
今から振り返ると、残念でならない。
誰もが知っている全世界的な大スター、ポップス界に君臨する歌姫としては
頂点を極めたこと、一世を風靡したことは、誰もが認めるところだろうし、
後進に与えた影響の大きさは、歌のスタイルだけでなく、
その売り出し方を含め、90年代以降の大きな潮流の一つだったことは間違いない。
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ただね、本格的にソウルを歌う歌手という部分でいうと、
やや疑問符をつけざるを得ない。
もちろん定形型のソウルな歌唱スタイルということでなく、
魂という意味でのソウル。
心を救済するような歌、感情の機微に触れるような歌、
傷ついた人を励まし奮い立たせるような歌をもっと聞かせて欲しかったのだ。
アリサ・フランクリンやグラディス・ナイトのような。

早くして大スターになってしまっただけに、しかもそれが80年代だっただけに、
市場というかマーケティングの計算が全てにおいて優先されてしまったのが
悪かったのかな?
生まれた時代が良くなかったのかなと言いかえることも出来るだろう。
全方位面にキラキラを光り輝く数々のヒット曲が持つ魅力は認めつつも、
その溢れ出る実力からすると、それだけで収まる器ではなかったと強く思うのだ。

薬物やアルコールに溺れてしまわなければ、とも思うが、
それは本人の問題であると同時に、進むべき道を見失っていたことも
関係するのだろう。(夫婦ともども、かな)
以前持っていた健康的なイメージとのギャップが痛々しかったけど、
でも、これを乗り越えると、たとえ以前のように声を張り上げることがなくても、
地に足がついた歌を聞かせてくれるのではないかと、私は期待していたのだが。
なんとも残念であり、寂しいですね。
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ベストの曲、一曲を選ぶのは難しいけど、
好きな曲だったら、すぐに思いつく。
瑞々しさ極まるデビュー曲〈You give good love〉、
原曲のメロウさに包容力を加えたアイズレーのカバー〈For the love of you〉、
多幸感満載のボビーとの共演曲〈Somethin' in common〉、
シミジミと感情の機微を歌って新境地開拓かと私を喜ばせた〈Waiting to exhale〉。
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高校生の時に部屋にポスターを張っていて、
この人といつか結婚したいものだと妄想を膨らませてみたり、
福岡公演後に広島へ移動する時には、新幹線に乗るはずだと考え、
学校をサボって博多駅で待っていようと考え、親にバカかと諭されたりしたのは、
遠い昔のこととなってしまいましたが、
やはり私の青春を飾る大事なアーティストであり、スターですね。
本当にさびしいものです。
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あの頃の輝きに満ちた姿を脳裏に焼き付けて。
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by zhimuqing | 2012-02-13 00:28 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)

滅茶苦茶踊って、騒ごう騒ごう

家にある10年ぐらい前のヒッポホップやR&Bを聴き返している私。
久しぶりのアリーヤが予想以上に気持ち良かったので、
買ってはみたものの、ほぼ聴いてなかったミッシー・エリオットに着手。
今更という言葉すら恥ずかしくなるほど、間が抜けたタイミングですけど、
カッコいいなぁ。
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ティンバランドがアリーヤのセカンドで登場して、ジニュワインでブレイクした時には
ダンスホール・レゲエっぽくて普通にカッコいいという印象ではあったものの、
アイデア一発でトラックを組み立てているような印象を受けていたのですが。
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改めて聴いてみると、声の重ね方が凄いな、と。
同時に、トラックのアフロ濃度の濃さが印象深いです。
おそらくニューオリンズやキングストン経由ラゴス行きとでもいいますか、
ドラムで組み立て直すと、そういう感じになりそう。
(あくまでもエッセンスという部分でだが)
それでいて、ポップでキャッチーな味わいが前面に出ているところに凄味を感じる。
あまり広言したくなくなるぐらい。
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しかもPVではファンクネス溢れるトリックスターぶりも露わとなっており、
エリカ・バドゥとはまた違ったヒップネスが味わえますね。
参りました。
まだ初期の3枚しか聴き直していない、というか持っていないので、
明日にでも4枚目以降を買いに行きます。



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ミッシー&ティンバランドの音作りを聴き直して、
久々に取りだしたこのアルバムもまた凄い。
ジョセフさんのドラムはやはり天下一品だが、
同時にドーシーの歌のゆるさが本当にドープだ!
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by zhimuqing | 2012-02-11 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)

Age Ain't Nothing but a Number

今朝、携帯にこういうメールが届きましたよ。

(株)セーブ総合調査【03-3797ー****】

担当の安田と申します。

この度、お客様の携帯電話が迷惑メール拒否の設定をされている為、
サイト運営会社から再三の催促のメールが届かないということで
弊社が依頼を受けまして、ご連絡をさせていただきました。

お客様がご使用中の携帯電話の端末認証記録により、(有料複合サイト)の
利用《着メロ・天気・懸賞・ニュース・ギャンブル・出会い・動画》等の
コンテンツの登録があり、月額料金等の長期滞納が続いてるとの事です。

今後も不当に未払いを続ける悪質なサイト登録者には
[利用規約]に基づき携帯個体識別番号から追跡し、
お客様の身元調査をおこない、損害賠償等を求める民事訴訟(民事裁判)となります。

通信記録という証拠を提出したうえの裁判であるため、
誤っての登録であっても支払い命令が下されます。

訴訟差し止め、退会処理希望の方は本日中に大至急ご連絡下さい。

(株)セーブ総合調査
TEL 03-3797-****
担当 安田
受付時間
平日 9時~19時迄
土曜日 日曜 祝日は休日となります。
※メールでの返答には対応できませんので、ご了承下さい。


着メロ・天気・懸賞・ニュース・ギャンブル・出会い・動画と
誰でも何かしら見ていそうなジャンルを設定しているのがキモですね。
しかし、今時こんなのに引っかかる人がいるとも思えないけど、
安田某から民事訴訟が起こされるのを楽しみに待つとしよう。

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セーブ総合調査の社長はやっぱりこういう感じであって欲しいが、
おそらく全くヒップな感じではないと思う、残念ながら。

話は変わるが、某人気グループのメンバーの母親が淫行で捕まった件、
金銭のやり取りがあったわけでもなし、大騒ぎするまでもないと
個人的に思いますね。
少なくとも、親の振る舞いに子供は関係ないだろうし。
でも、男女が逆になってると、やっぱりダメじゃないかと思ったりもする。

ということで、Age Ain't Nothing but a Numberなんだけど、
One Way の曲も名作だけど、やっぱりここはアリーヤでしょう。
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とはいえ、このアルバム製作時のアリーヤ(とR・ケリー)はまだまだ不完全。
アリーヤといえば、やっぱり3枚目だな。
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3rdアルバムにて最高傑作。
突然の事故により、ラスト・アルバムになってしまったのだけど、
ここで聴かれる歌は、アリーヤが憧れていたというシャーデーに
通じる空気や温度が確かにある。
このあと、どこまで進むことが出来たかわからないけど、
でもやっぱり、もう1枚聴きたかったなぁ。
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by zhimuqing | 2012-02-09 08:28 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)