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音に沁み込んだ言葉

天気が悪かった先週末ですが、運良く我が家の引越しの時には
ほとんど雨が降らず、本当に助かりましたよ。
とはいえ、遠足は家に着くまでが遠足です、に習うと、
引越しは片付け終わるまでが引越しだとすると、
まだ6合目ぐらいかなと、そんな状態ですかね。

ということで、ネットが繋がらない環境になっているわけですが、
週明け会社でパソコンを見ると、ギル・スコット・ヘロンの訃報が!
昨年新作を出したばっかりだったのに。
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ギル・スコット・ヘロンというと、ファンキーなビートに合わせて
ライムを披露するということで、ヒップホップの元祖(の一人)、
ジャズ・ファンクの再評価の中でも脚光を浴びたわけですが、
石田昌隆が以前指摘したように、これまでその実績がまともに評価されていない、
というより、不当に評価が低いアーティストですね。

やはり個人的に好きなのは、ブライアン・ジャクソンとの双頭アルバムの諸作、
特にアリスタでのミッドナイト・バンド名義のものが素晴らしい。
コンガやティンバレスを加えてラテン風味を強化することで、
ドライブ感を増したバンドの音に、響き自体に深みを感じさせる声が乗る。
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GSHの歌も相棒ブライアン・ジャクソンを含めたバンドの演奏も
超一流のテクニックを誇るわけでなく、垢抜けないところもあるにはあるが、
別にスポーツでないのだから、技を競うようなものでもないし、
問題は自らが表現したいものが表現されているかということ。
その意味では、自らが表現したいものとか確固たる意思が
猛烈に伝わってくるギル・スコット・ヘロンの音には確かに説得力がある。
言葉が深く音に沁み込んでいるのだ。

へヴィーな状況を歌いながら、微かな希望を感じさせるリリックは
社会への怒りや鬱積を感じさせるものですが、
弱者に対する温かい眼差しというか、共感が根底にあって、
その部分こそが聴いている者の胸を打つわけですね。
拳を大上段に振りかざさず、かといってシニカルにもなり過ぎない
その塩梅はカーティスにも通じるものがありますが、
もう少し直裁的な響きがあるかな。
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残念ながら、これまで日本ではGSHの表現のもう一つの核である
歌詞(と邦訳)がきちんと紹介されてきていなかったように思います。
これを機会(残念な機会だけど)にきちんと紹介されることを期待します。
とりあえず、アリスタの諸作、一部は紙ジャケで再発されているけど、
残らず対訳付きで廉価版にて再発をお願いします。
GSHの視点は、今の日本のこの状況にこそ有効なものだと思うのだ。
再評価はこれからでも遅くない。

RIP!

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最高傑作はこのアルバムでしょう。
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by zhimuqing | 2011-05-31 19:28 | Blues 4 Terapin | Comments(0)

カビだらけからの脱出

ということで、本日引越しとなる我が家ですが、
CDやLPと楽器関係は流石に引越し屋さんにお任せしたくないので、
ダンボールに詰めて自分で運んだ訳です。

とはいえ、5階建ての5階、エレベーター無しという新しい我が家、
CDだけでダンボール7箱ぐらいあるし、
しかもプラケースからフラッシュのソフトケースに入れ替えているので、
ダンボール1個あたりの重量はなかなか味わい深い重さになっていて、
10往復もすると、もうヘロヘロ。
学生時代、ブルーノート福岡に行く為に引越しの日雇いのバイトをして、
全身筋肉痛になってロボコップみたいな体の動きで
地下に降りる階段で大いに苦労したのを久し振りに思い出しました。

しかし、重さの部分で言えば、何といっても書籍関係が馬鹿にならない。
流石にこれは自分で持っていくのを諦めましたが、
引越し業者さんが少し気の毒になる量だったりします。
相見積もりを取りながら、散々値切った私ですが、
正直なんだか申し訳ない気分になりつつある私です。
他にも冷蔵庫とかタンスとかの大物があるし。

とはいえ、今のカビだらけの家から脱出できるのは
大変嬉しいところですね。
マダムギター(というかボ・ガンボス)の一家離散の歌が
しっくり来る家でしたからね。
流石にパンツやブラにカビが生えることはなかったものの、
除湿機は一晩で満水になってしまうし、
箪笥や食器棚もカビだらけになったしね。
フェンダーのハードケースも駄目にしてしまった私は
ミュージシャン失格かもしれないな。
やっぱりマンションの一階はやばいっすね。
家賃の安さに惑わされて高い授業料を払ってしまったか。
引越しの手伝いに来てくれた私の母が絶句してましたからね。



新居に移るにあたっての抱負といたしましては、
まずは家具関係に付着してあるだろうカビの胞子を
ひたすら丁寧に除去していくことと、
CDの整理を徹底することですかね。
時代とジャンルをうまく区切って、即座に検索できるよう
整理整頓したいものだ。
ということで、腰が早くも少し痛いけど、
明日というか今日の午前中あまり雨が降らないことを願って、
今日は寝るのであります。

あと、多分1ヶ月ぐらいになると思うのだけど、
我が家ではネットが使えない環境になるので、
このブログ、ほとんどアップできなくなりそうです。
メールアドレスも変わってしまうので、
急ぎの用事があるかたは、他の手段にてご連絡下さいまし。
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by zhimuqing | 2011-05-27 02:07 | Change! | Comments(2)

Now and Then!

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スペンサー・シリーズの文庫本の最新刊「昔日」を購入。
本屋で見かけると、自動的に購入してしまうこのシリーズですが、
なにせシリーズものとして蓄積が凄いので、
出てくる登場人物に思い入れが大変深いのだ。

私としては、スペンサーの相棒ホークが一番ですけど、
ギャングのトニィ・マーカスとかガンマンのヴィニィ・モリスとか
警官のクワークとかべルソンとかジムのヘンリィとか
一癖も二癖もある登場人物、それぞれに愛着が涌いているので、
もう古くからの友人のようだ。
これはもう人生のお供のようなものなんで、
引越しでいかに大荷物になろうとも、持って運ばなければならないのだ。
とはいえ、重いので、引越し屋さんにお願いするのだけど。

このスペンサー・シリーズ、作者のパーカーが昨年亡くなっているので、
あと5作しか残っていないのが大変残念なところなのですが、
今作で出ているスーザンとの話は片がついたりするのだろうか?
でもまあ、安易に片がつきそうにないところが
スペンサーの良いところなんですけどね。

さて引越しにあたり、自分の部屋の掃除というか整理をしていると、
古い写真とか友達からの手紙とか色々出てきて、
準備がはかどらずに大変困っているわけですけど、
そういえば手紙を出すことも貰うことも無くなってしまったなぁ、と
少し感慨深いものがありますね。
あとで振り返るには、やはり手紙のほうがずっと面白い、というか
メールは消してしまってり、消えてしまったりしますもんね。

ということで、10年以上前の年賀状が発掘されたわけですけど、
その送り主がなんとこの度、年貢の納め時を迎える!!ということで、
うまいこと収まったようで、何ともめでたいわけですけど、
大変嬉しいといいますか、身に余る光栄とでもいいますか、
婚姻届の証人欄に署名してくれとの、有り難いお言葉を頂きましたよ。

ということで、本日大役を果たしてきましたよ。
緊張の面持ちで婚姻届を受け取る私。
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もちろん正装用の眼鏡を当然の助動詞「べし」にて着用の上、
しっかり署名させていただきました。
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棟方志功ばりに婚姻届けを確認する男。
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心を込めて署名する。
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受け取る側も真剣にチェックしている模様。
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どうやら満足してもらえたように見受けられます。

うーん、なかなか感慨深いぞ!
私の中ではもはや兄弟のような関係ですからね。
感慨深くて気の効いた言葉が出てこないので、

前日夜、自宅にて署名の練習に励む男。
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本名:マゴノシーン・マクンヴァ、本籍はゴンドワナ、
所属はもちろん惑星連邦。
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こちらは特訓用書き取り帳です。
特訓の成果は果たして!
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by zhimuqing | 2011-05-25 01:28 | U GOTTA FRIEND | Comments(0)

ありがたやありがたや

舞台「タンブリング」を見に行きましたよ。
ブラザG、初めての先生役、というより
主要キャストの中で最年長なのも、多分初めて(ですよね)。
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仮面ライダーWの片割れとかゴセイレッドに混じっての熱演、
ブラザGは最年長の先生役なのだが、以前に比べ安定感が増してきていて、
安心して見ることが出来たのですけど、
なんといっても主人公のお兄さん役ということで、
私なんかはなんとも新鮮な感じで見ることが出来ましたね。
それにしても、95%はイケメン目当ての女性軍団で
私は場にそぐわない感が全開だったかな。
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ブラザGからお土産に貰ったブツの数々、ありがたや。
しかしパンフの対談で語られている私の話は
多少誇張が入っているぞなもし。

さて、先日は2月にやったライブの打ち上げがあったわけですが、
その席でも、あの裸のギタリストとして、不在にもかかわらず、
話題となっていたロノブ兄さん、
先日無理を言ってお願いしていたタンスが出来上がったそうで、
雨の中わざわざ我が家に運んでいただきました。

いやあ、想像以上に立派な出来、さすがプロの技ですね。
子供用のタンスには若干贅沢すぎる感じか!?
我が家に留守番に来てくれていた私の母親もビックリ、
手に職があるって、うらやましいねえ、と。
試しに私も作ってよいけど、私の腕前ではナチュラルにダブがかかって、
直方体にならずに、三角錐のような不思議な形になってしまうであろう、と
ヨメサンと母親の間で意見が一致。
ロノブ兄さん、わざわざありがとう!
大切に使わせていただきます!
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男前兄さんの力作!
デザインにも凝りまくっていただきました!
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by zhimuqing | 2011-05-23 00:28 | U GOTTA FRIEND | Comments(3)

撚れたアルセニオが召喚されるのか?

先日ごっぱち兄さんから、フジロックでマーク・リーボウが来日!
しかも、私の好きな偽キューバ人名義!ということを聞いて、
み、見たい!しかし苗場スキー場は遠すぎる!しかも金がない!と
心乱れていたのですが、単独公演も無事行われるらしく、
非常に嬉しいですね。
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Marc Ribot Y Los Cubanos Postizos名義としては、10年ぶりの来日らしく、
東京では8月4日、渋谷クラブクアトロ、
この日はなんとしても仕事を早く切り上げなければ!

来日メンバー(予定)はこんな感じ。

Marc Ribot - Guitar, Vo
Anthony Coleman - Keys
Brad Jones - Bass
E.J. Rodriguez - Percusion
Horacio "El Negro" Hernandez - Drums

ドラムのロベルト・ロドリゲスがいないのが少し残念だし、
キーボードはメデスキだったら100点満点で200点なのだけど、
この時期に日本に来てくれるだけでも、私は嬉しいのだ。
個人的には、ベースのブラッド・ジョーンズも気になりますが、
楽しみにしたいのはE.J.ロドリゲス。
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ジョー・バターンと一緒に来てくれると、鼻血ブーで大出血なんだが。

リーボウがどんなギターを弾くのか、生で経験できるのが楽しみなんだけど、
個人的には、バンドとのコンビネーションがどのように絡み合って、
どんな音像を構築していくのか、その部分が一番興味があるところ。
キューバからヨルバの道をさかのぼってアフロまで行ってしまうのか?
はたまた、アルセニオの精霊が召喚されることはあるのか?
うーん、オラ、わくわくしてきたぞ!
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by zhimuqing | 2011-05-18 18:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(4)

みなぎる力にあやかりたい

遅れに遅れた引越しの日程がようやく決定。
27日ですね!
ええ、少しでも安いほうが良いので、平日で仏滅ですね。
でも仏滅を仏陀が入滅した日と考えたら、
イコール 絶対平安の境地に至る日なんだから、
絶対縁起が悪いわけがないと思うんだけどね。
物滅って書くこともあるらしいけど、
それは、物が一旦滅び、新たに始まる日のことだから、
それはそれで、新たなスタートには良さそうな日であります。
まあ、縁起ってのは自分に都合の良いことしか気にしないんですけどね。

さて、このところ、家にある在庫CDを聴き漁っているわけですが、
やはり色々再発見が多いわけですね。
スティービーなんかもそうですけど、
ここ数日はスライ&ザ・ファミリー・ストーンですかね、やっぱり。
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スライといいますと、私にとっては「暴動」に尽きるわけで、
それこそ内臓移植できるほど聞いてきたわけです。
でも、よく考えてみたら、あのアルバムはもちろん個々の活躍はあるものの、
スライ個人の持ち味が全開になったファンク界の極北ともいうべきもの。

なんで、久し振りにまとめて初期の音源からまとめて聴いてみると、
アイデアを消化しきれていないところもあるけど、
漲る力が抑えきれないような、そういう勢いに圧倒されてしまったわけです。
特に、デビュー盤「新しき世界」以降の初期の3作のパワーは本当に凄い。
バンドの勢い自体が素晴らしいし、メンバーの入り混じる声の混ざり具合も最高。
特にリマスター盤ではボトムの音がクリアーになっていることもあり、
ラリー・グレアムとグレッグ・エリコのリズム隊の素晴らしさが際立ちますね。
あまり面白くないという世の中の評判を真に受けてはいけない、と
改めて思いましたよ。反省。
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グレアムのベースに関して言えば、よく雑誌なんかで「グイノリ一発」みたいな
書かれ方をしているけど、いえいえどうして、よく聴いてみると
老獪なフレーズがこっそり埋め込まれていますね。
有名曲でのフレーズ自体は後のソウル・ファンクに応用されているけど、
フレーズ自体を固定せず、自由にヒョコヒョコ上下するライン作りは
真似されているようで、実は他ではあまり聞くことが出来ないもの。
というよりも、グループ脱退後のグレアム自身もあまりそのような
プレイをすることがなくなってしまっているのが少し残念かも。
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この辺のフレーズにスライの意向があったのかどうかは分からないけど、
グレッグ・エリコの独特なドラミングとの相性があったことは間違いないでしょう。
エリコのドラムって、こんなに良かったですかね?
うまく形容出来ないのだけど、瑞々しくもあるし、ワイルドでもある。
ガツンと押し出してくるようで、でもグレアムをがっちりと受け止めてもいる。
やはりグレアムとのコンビはポピュラー音楽史上、稀に見る組み合わせですね。

それにしても、スライ&ファミリー・ストーンのライブ音源が
基本的にウッドストックとワイト島のものしかないのが残念だ。
以前プリマクさんに貰った海賊版でも基本的に同じメドレーばかりだし、
クラブなんかでの演奏テープ、残っていないのかな?
特に初期の頃のが聞きたいのですけどね。
コロンビアの倉庫には絶対にあるはずなんだけどなぁ。
暴動制作時のデモ音源なんかと一緒に、マイルスみたいに出してくれぇ!
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写真としても、やはりこの初期の頃の
和気藹々とした、この感じが好きです。
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by zhimuqing | 2011-05-17 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)

四半世紀ぶりのヒット!

K子姐さんから絵本や児童書を突然頂いたのですが、
その中にわざわざ遠方で買い求めて頂いた子供用の
お守りまで入っていて、非常に感動しましたよ。
本当にありがたいことです。

さて、頂いた本の中には私のもしかしたら一番好きな作家である
ミヒャエル・エンデのこれまた大傑作である「果てしない物語」が。
エンデの中でも「モモ」と並んで、一二を争うぐらい大好きなこの本、
初めて読んだのは、多分小学5年の終わりか6年の頭ぐらい。
狙っているのかと裏読みしたくなるほど、センスの無さに定評のある
我が父が何故か突然お土産に持って帰ってきた本がこの本なのです。
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父は何故この本をチョイスしたのか、我がU家の七不思議の一つなのですね。
女性(もちろん家族以外)の影があるのではないか?という疑いもありますが、
いやいやそんなセンスの良いヒトが周りにいたはずも無いとの意見もあり、
もはや当の本人がこの本のこと自体を忘れている(自己申告)こともあり、
おそらく解明されることのないU家の謎として、
代々伝えていこうと考えている今日この頃です。

さて、先日実家に帰ったところ、父から、脱原発といえばこの人だ、
一度会ったことあるけど、優しげな人だったぞ!と渡された本が。
電力会社からの口止め料3億円を断った男!と週刊誌に特集されていた
原子力資料情報室代表だった高木仁三郎さんですね。
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もちろん名前は知っていたが、著作を読むのは不勉強なもので初めて。
今回読んだのは3冊。

原子力資料情報室 「プルトニウムのすべて」
岩波書店 「プルトニウムの未来 -2041年からのメッセージ-」
社会思想社 「宮沢賢治をめぐる冒険 水や光や風のエコロジー」
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「プルトニウムのすべて」は、高速増殖炉もんじゅの稼動に向けて
プルトニウムの問題点に関して書いた本だけど、
プルトニウムの危険性をただ強調するので無い所が信頼できますね。
廃棄物の処理方法が実際に手詰まりになりつつあり、
その廃棄方法に対して知恵を絞らなくてはならない、
それが次の世代に対する世代的な責任なのだ、という主張は
実に説得力があります。

「プルトニウムの未来」は岩波新書なのだが、本人が後書きで触れているように
これは岩波新書としては相当異色の本ですね。
1991年から2041年にタイムスリップしてしまった主人公が
未来のプルトニウム社会を体験するというフィクション!
「プルトニウムのすべて」で展開された原子力推進側に対する問題提起を
そのままフィクションとして書き上げていて、読み物としても面白い。

なのですが、一つだけ致命的な欠陥がありますね、この本。
タイムスリップした草野をナビゲートする未来の原発推進科学者の伊原壮一、
諸問題に対して誠実すぎるのですね、
2011年3月11日以降の今の日本に住んでいる私達から見てしまうと。
もちろん作者の高木さんの責任ではないのだけど。

残念ながら、今回の事故以降の対応を見ていると、
電力会社、保安院、推進側の学者達含め、この伊原よりも
誠実に問題を捉えていないとしか思えない。
さすがの高木仁三郎氏もここまでひどいとは予想していなかったのかな。
もしかしたら、実情が分かっていただけに、
未来に対する希望的観測でこのように描いていたのだとしたら、
それはそれで大変不幸なことではありますね。

さて、今回の3冊で実は一番凄いと唸らされた本が
宮沢賢治についての講演をまとめた「宮沢賢治をめぐる冒険」。
父から貰った本でここまで感銘を受けたのは4半世紀ぶりです。
平易な文章で、しかも奥行きが深い。

宮沢賢治の作品の中で出てくる水のイメージを
「生というものの循環」に巧みに結び付ける1章「賢治をめぐる水の世界」も
非常に面白いというか、深みがある考察なのだけど、
宮沢賢治と自身の境遇を結び付けつつ、科学者のあり方に関して
考察した2章「科学者としての賢治」は圧巻だ。

含蓄の深い言葉がてんこ盛り、アンダーライン(私は入れない派)を入れながら
読んだほうがいいような気がしてくる。
人間がより良く生きる為の科学が人間の突出を促したが、
「よりよく共に生きる」ことに繋がっていないことに対する懸念は
至極もっともな指摘だと思いますね。

p97
学問そのものが、人間の生命への影響や恐さだとかではなくて
理論的にいえばこうなるはずだ、という回路の中だけで
ことが発展してしまう。
しかも、誰しも自分のやっていることを肯定的にとらえたいですから、
将来にバラ色の期待をする。
したがって、肯定面にばかり目がいって、否定的な面は軽視ないし
無視してしまう。


p106
この地上の自然に対して技術を突出させ、自然を征服することで
人間の繁栄をもたらすと考えるのではなく、与えられた自然条件と
もっともよく折り合って共生できる付き合い方を見つけていく、
科学も技術もそのための解を見つけるために努力していく


しかも、この展開の中で、「グスコーブドリの伝記」への繋げ方がまた見事。
火山を爆発させる為、命を失ってしまうブドリを描いたこの作品は
この物語の最後の一節を抜き出して、これは悲劇的な話ではなく、
一種の循環、仏教で言うところの輪廻だと結び付ける。

その上で、科学者として、試行錯誤こそが大事だと説き、
農民と共に生きようとして挫折したといわれる宮沢賢治の生涯は
しかし、一種の実験であり、挫折とか失敗とか成功といった物差しで
測れるようなものではないと、結んでくる。

なによりも、宮沢賢治への理解が深まりましたよ。
昔少しだけ読んだだけですけど、これはもう一回きちんと宮沢賢治を
読まないといけないですね。
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ということで、高木仁三郎にノックアウトされてしまった私ですが、
残念ながら2000年に逝去されているのですね。
大変残念なのですけど、一方で今の日本の惨状を見ると
さぞかしがっかりしてしまったのではないかとも思ってしまうところが
別の意味でこれまた大変残念ですね。

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高木仁三郎の部屋」に残されたメッセージは必読ですね。

友へ 高木仁三郎からの最後のメッセージ

「死が間近い」と覚悟したときに思ったことのひとつに、
なるべく多くのメッセージを多様な形で
多様な人々に残しておきたいということがありました。
そんな一環として、私はこの間少なからぬ本を書き上げたり、
また未完にして終わったりしました。

未完にして終わってはならないもののひとつが、この今書いているメッセージ。
仮に「偲ぶ会のためのあらかじめのメッセージ」と名付けますが、
このメッセージです。

私は大げさな葬式のようなことはやらないでほしい。もし皆にその気があるなら
「偲ぶ会」を適当な時期にやってほしい、と遺言しました。
そうである以上、それに向けた私からの最低限のメッセージも必要でしょう。

まず皆さん、ほんとうに長いことありがとうございました。
体制内のごく標準的な一科学者として一生を終わっても何の不思議もない人間を、
多くの方たちが暖かい手を差しのべて鍛え直して呉れました。
それによってとにかくも「反原発の市民科学者」としての一生を
貫徹することができました。

反原発に生きることは、苦しいこともありましたが、
全国、全世界に真摯に生きる人々と共にあることと、
歴史の大道に沿って歩んでいることの確信から来る喜びは、
小さな困難などをはるかに超えるものとして、
いつも私を前に向かって進めてくれました。
幸いにして私は、ライトライブリフット賞を始め、
いくつかの賞に恵まれることになりましたが、繰り返し言って来たように、
多くの志を共にする人たちと分かち合うべきものとしての受賞でした。

残念ながら、原子力最後の日は見ることができず、
私の方が先に逝かねばならなくなりましたが、
せめて「プルトニウムの最後の日」くらいは、目にしたかったです。
でもそれはもう時間の問題でしょう。
すでにあらゆる事実が、私たちの主張が正しかったことを示しています。
なお、楽観できないのは、この末期症状の中で、巨大な事故や不正が
原子力の世界を襲う危険でしょう。
JCO事故からロシア原潜事故までのこの1年間を考えるとき、
原子力時代の末期症状による大事故の危険と結局は放射性廃棄物が
垂れ流しになっていくのではないかということに対する危惧の念は、
今、先に逝ってしまう人間の心を最も悩ますものです。

後に残る人々が、歴史を見通す透徹した知力と、
大胆に現実に立ち向かう活発な行動力をもって、
一刻も早く原子力の時代にピリオドをつけ、
その賢明な結局に英知を結集されることを願ってやみません。
私はどこかで、必ず、その皆さまの活動を見守っていることでしょう。

私から一つだけ皆さんにお願いするとしたら、
どうか今日を悲しい日にしないでください。
泣き声や泣き顔は、私にはふさわしくありません。

今日は、脱原発、反原発、そしてより平和で持続的な未来に向かっての、
心新たな誓いの日、スタートの楽しい日にして皆で楽しみましょう。
高木仁三郎というバカな奴もいたなと、ちょっぴり思い出してくれながら、
核のない社会に向けて、皆が楽しく夢を語る。そんな日にしましょう。

いつまでも皆さんとともに
高木仁三郎
世紀末にあたり、新しい世紀をのぞみつつ
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サインを貰った我が父にはグッジョブと言いたいが、
調子に乗られても困るなぁ。
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by zhimuqing | 2011-05-16 00:28 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)

来月最大の楽しみ!

仕事で昔よくお邪魔していた山梨の会社が新しい工場を新設したので、
新規の仕事をすることになり久し振りに訪問して、
今後のスケジュールの打ち合わせをしていたのですが、
ついでに新工場の中を見学していたところ、
使っていない倉庫の中にサックス(多分アルト)のケースを発見。

良く見ると、ホワイトマーカーで「M川君へ うめづ」というサインが。
全国至る所に「うめづ」さんは山ほどいるだろうけど、
サックスのケースにサインを求められる「うめづ」さんと言えば、
あのドクトル梅津こと梅津和時しかいないですよね。

それにしても、その会社の中で親近感を覚えていたM川さんが
サックスを吹くと知って、かなり驚きました。
しかも、センスも良さそうだし。
この日、M川さんと話をする機会は無かったのですが、
傍らのホワイトボードには、音符が書かれていたし、
おそらく仕事が終わった後、この山梨の山中の倉庫の中で
練習をしているのでしょうね。
今晩も練習していたのかな?

さて、前の会社の先輩から遊ぼうよと連絡が入った為、
どこに行こうかと考えた末、表参道に行きましたよ。
ピーター・バラカンと板垣真理子のトークショー。
Rainy Day Bookstore & Caféでやってる写真展「Africa Brazil Cuba」のイベントで
アフリカの音楽をかけながら、語りたおそうという、絶妙な企画。
昔ピーター・バラカンが新潮文庫から出していたガイド本「魂の行方」に
非常に影響を受けていた私としては、こういう企画を待っていたという感じ。

板垣さんはいきなり2曲目でフェラ・クティをかけるもんで、
一気に二人のトークが脱線しまくるのが大変面白かったのだけど、
トニー・アレンがいた頃のフェラの音源がお勧めというバラカンさんと
いや、フェラ・クティがいてこそのトニー・アレンという板垣さんとの
対決(というほどでもないけど)が今回一番の見どころか。

マイルスのバンドメンバーと一緒だね、と奇しくもバラカンさんが言っていたけど、
このネタは偉大なミュージシャンにつきものの話題ですよね。
JBとかPファンクとかマイルスとか、スライやパルミエーリもそうだろうし、
最近だとソウルクエリアンズなんかも。

個人的にはですね、JBやマイルスに関しては、9:1ぐらいで
完全にJBやマイルスあってのメンバーですね。
Pファンクに関しても、バンドメンバーも凄いけど、
やっぱりジョージ・クリントンの手腕が何よりも第一だとしたいし、
クリントンの元を離れた作った音源にはもう一つなモノが多いので、
8:2ぐらいかな。
全盛期のスライなんかは、本人も凄いけど、ファミリー・ストーンも凄いので、
6:4ぐらいというと、少し言いすぎかな?
ソウルクエリアンズは構成員の総合力の勝利だと思いますね。

そういう意味では、フェラに関しては難しいですね。
確かにトニー・アレンがいた頃が面白いのだけど、
でもアフリカ70抜けた後に作ったトニー・アレンのアルバム、
本家に比べるとやっぱり緊張感や殺気に欠けることを考えると、
やっぱりJB、マイルスと同じようにフェラあってのトニー・アレンなのかな。
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とはいえ、トニー・アレンが最高峰にかっこいいことも、また真実。

会場でかけられた曲は実は結構持っているものも多かったのだけど、
ずっと気になっていたフクウェ・ザウォセの音楽が聴けたのが良かったですね。
あれはかなり気持ちよいし、冷房つけなくても涼しくなりそうで、
今夏の節電のために、ぜひ入手しとくべきでしょう。
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まず、この顔つきがいいではないか!

あと、バラカンさんからの衝撃的発言(私的にだけど)。
ブロードウェイで大評判のミュージカル「FELA」が
6月15日にBSで放送されるらしい。
当初の予定より少し時間が短くなってしまったようなのですが、
それでも私は大変嬉しいぞ!
既にデータで一杯になっているハードディスクレコーダーの中身を
早急に整理しなくては。
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ちなみに、バラカン氏によると、フェラ・クティ役の主役の俳優は
非常にナイジェリア訛りが上手で、本物のナイジェリア人のようだとのこと。
しかも、フェラ・クティがイギリスに留学していたことを踏まえ、
微妙にロンドン訛りも織り交ぜる芸達者ぶりだということで、
でもまあ、そんな微妙なところは私には分かりっこないのですけどね。
生で見るのが一番なのだろうけど、この状況下では難しいだろうし、
そういう意味でも大歓迎だ!
いやいや、こいつは楽しみ!
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ちなみに板垣さんは番組にも出演するけど、
バラカンさんは収録時間の都合でカットされたらしい。(笑)
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by zhimuqing | 2011-05-14 01:28 | Funkentelechy | Comments(0)

アフロニーズに感謝

コーネル・デュプリーが星になってしまったと、
ロノブ兄さんからの電話で初めて知る。
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私が見たのは、もう3年の前のことになるのだけど、
体調も悪そうだったし、指も少し縺れる場面もあったしで、
少し心配していたんですけど、
その後も日本に来ていたし、まだまだ大丈夫だなと
思っていたのですけどね。
自分で思っていた以上に思い入れがあったミュージシャンだったんだなと
強く感じてしまいますね。

私が好きなデュプリーを挙げると、どうなるのかな?
私の場合はスタッフ結成以前のほうが燃えますね。
すぐに思い浮かぶのは、アレサ+キング・カーティスのフィルモアか
ダニー・ハザウェイのライブかExtension of a man か
バディ・リッチのグルーヴ・マーチャント盤かな。
いやいや、サム・クックのハーレム・スクエア・ライブでしょう。
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こちらは全盛期のアレサとその仲間たち。
ソウルというか音楽史上最強のメンバーか?

いかんせん、こなしたセッション数が半端でなく、
全てを追うことは大変困難なわけですけど、
やはり世界遺産級の素晴らしいミュージシャンだったことは間違いないし、
どれだけ素晴らしい仕事をしてきたか?ということは
やはり記録として残されないといけないと思います。

それにしても、そのプレイをかぶりつきで見ることが出来たのは
本当に良かったと心から思います。
あの日聞かせてもらった、Mercy Mercy Mercy とか Sunny は
ずっと忘れないと思います。
ありがとうございました。
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本当に残念だ。
天国でピケットとジミヘンとセッションしてください。
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by zhimuqing | 2011-05-12 01:28 | Blues 4 Terapin | Comments(0)

ahh, the name is BOOTSY!

ブーツィー・コリンズ、久々の単独来日!というニュース
プリマクさんから届きましたよ!
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8月12日、13日 クラブチッタということですが、
12日「おとなのファンクナイト」、
13日「サタデー・スターナイト・パーティー」ということで、
どちらに行けば良いんでしょうかね?

どっちにも行ければいいんだけど、金銭的にちょっと厳しいですね。
スタンディングでも「おとな価格」ですしね。
なんでも、席もいろいろあるらしく、
12日が
1F 指定席(前方プレミアム・シート) \11,500(消費税込)
1F スタンディング \9,500(消費税込)
2F 指定席(おとなのファンク・シート) \10,500(消費税込)
13日が
1F オールスタンディング \9,500(消費税込)
2F 指定席(おとなのファンク・シート) \10,500(消費税込)

うーん、12日の前方プレミアム・シートを確保して、
たまに後ろで踊るというのがベストなのかな?

Pファンクだと、大事なのがメンバーなんだけど、
メンバー表は今のところ、こういう感じらしい。

Bootsy Collins
T.M. Stevens - bass
Bernie Worrell-keyboards
Joel "Razor" Johnson-keyboards
Dewayne "Blackbird" McKnight- gtr
Keith Cheatham- gtr
Frankie "Kash" Waddy-drums
Garry Winters-trumpet
Randy Villars-saxophone
Sarah Morrow Trumbone
Kyle Jason - vocals
Candice Cheatham-vocals
Hazel Razzberry Scott-vocals

なんで、ブーツィーがいるのに、T.M.スティーヴンスが来るのか
正直疑問が残る感じですかね?
T.M.スティーヴンス、悪くはないんだけど、ブーツィーと比べるとね。
ブーツィーのベース・プレイ自体が見たいですけどって人は
私だけではないとないと思うんだけど。

バーニーとキャッシュ・ワディ、レイザーシャープは嬉しいし、
そこにブラックバードが参加するのは非常に大きいですけど、
マッドボーンとかPナット・ジョンソンなんかもいて欲しかったかも。
あと、ボーカルでカイル・ジョンソンが来るのもポイント高いですね。

ということで、なんだかんだでやっぱり盛り上がるわけですけど、
その前にDVDボックスと新作を購入しておかないといけないっすね。
うーん、お金がないよー。
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最近のブーツィー?
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でも、ベースは昔ながらのスターベースがいいなぁ。
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by zhimuqing | 2011-05-11 20:28 | Funkentelechy | Comments(0)