<   2010年 08月 ( 22 )   > この月の画像一覧

山脈の踏破は困難を極めるのだ

ティト・プエンテのTICOの超初期の78回転SP盤のコンパイル盤、
いつでも買えるだろうと高をくくっていたのですが、
気が付けば廃盤ということで、慌ててVol.3を買いましたよ。
すでにアマゾンなんかでは足元見たぞ価格になっていて、
なんとか定価?的なラインで買うことが出来たのですけど、
非常に危ういところでした。
e0147206_0254157.jpg
このシリーズ、本当にありがたい。
世界遺産なので、早期に復活を希望します。
あと、TICO音源の残りを順番にリリースしてくれないだろうか?
なんだったら、まとめてボックスでもよいっす。


それにしてもブラジル盤なんかもそうだけど、
ラテン音楽全般、レーベルの権利関係が複雑なのか?
すぐに廃盤になって市場から消えたり、配給されなくなったりで、
油断も隙もないというか、コレクター殺しというか、
全く困ったもんです。
e0147206_0345455.jpg
そんな訳で一向に進まないプエンテ山脈攻略ですが、
というのも素晴らしすぎる音源にかまけているからなのですね。
100枚以上アルバムを出しているプエンテ王の中でも、
正真正銘1,2を争う名盤、『Dance Mania』、
しかも拡大盤で、続編vol.2や未発表曲も含む全45曲。
聴きこめば聴きこむほど、新しい発見が見つかり、
なかなか他のアルバムに手を延ばす気になれないのだ。
e0147206_0305262.jpg
全方位的に完璧なこのアルバム、唯一の弱点はこのやる気のないジャケット写真。

プエンテのアレンジが素晴らしすぎて、曲はそんなに複雑に聞こえないのだが、
細かく聞いて行くと、様々なところに小粋な仕掛けがたくさんあって、
ベースを合わせて弾きながら1曲1時間ぐらい聴いていても
飽きるどころか、スリリングさが増していく、というある種麻薬的な音作り。

バックは、ラテン音楽にそんなに詳しくない私でもよく知っている名手揃い。
レイ・バレット、レイ・ロドリゲス、ウィリー・ボボ、サントス・コローン、
モンゴ・サンタマリア、ロベルト・ロドリゲス、カンディード等等。
もう盤石で、ゴージャスで、スリリングな演奏です。

特にリード・ボーカルのサントス・コローンなのだが、
高めの声に哀愁が滲む歌がとても印象的。
この声がこのゴージャスな音にまた良く合うのだ。

パーカッション聴いているだけでも大興奮だが、
絶妙なホーンセクションのアンサンブルにも燃える。
ベースのロベルト・ロドリゲスの絶妙なスペースの取り方にため息が出るし、
ここぞという時に来るプエンテのティンバレスに痺れまくる。
あと、プエンテのヴィブラフォンも最高にクールでヒップ!
e0147206_0323099.jpg

特に『ダンス・マニア』にもともと収録されていた12曲、
これは至高で究極の12曲でしょう。
文句を付けるとしたら、格好良すぎるところぐらいでしょうか?
「3-Dマンボ」はどこが3Dなのかよく分からないし、
「ホンコン・マンボ」もどのあたりが香港なのかは良く分からないけど、
ただその素晴らしい音に圧倒されるのですね。

それにしても、音を聞いているだけでも燃え上がるこの時期のプエンテ大王、
生で見ていたら、間違いなく失神でしょうね。
最晩年、亡くなる1カ月ちょっと前(ちょうど77歳)の時の映像を見ても、
物凄く興奮してしまいますからねぇ。
タイムマシーンがあったらどの時代に行くか?ってよく話をしますけど、
50年代後半のニューヨークはパラディウムも一気に浮上してきて、
またまた議論がつきないことになりそうな、そんな感じですね。
e0147206_0324770.jpg
プエンテにかかれば、オスカーも陥落ってなもんだ。

しかし、プエンテ山脈、恐るべし。
踏破が難しいことは覚悟していたが、面白すぎて本当に大変そうだ。
明日からの長期出張はこのアルバムだけでも乗りきれそうだ。
お次は『Cuban Carnival』か『In Percussion』か?
e0147206_0313897.jpg


完全に余談だが、ラテンの名手には、レイ・なんとか、と言う人が非常に多く、
ムスメの名前と被ってしまうけど、それもなんとなく嬉しく感じたりして。
ティンバレスを練習させようか?等と軽く目論んだりする今日この頃。
e0147206_039280.jpg

[PR]
by zhimuqing | 2010-08-29 23:23 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)

基本に戻らなきゃいかんばい。

e0147206_1294633.jpg

予想通り、27日付の朝日新聞は小沢叩きが満載している。
1面には星浩のこれ見よがしな悪口が延々と書かれ、
社説には「あいた口がふさがらない」、
政策面には「菅さん、『消費増税』掲げ直しては」、
社会面には「派閥争い、自民と同じ」、「政治とカネ未決着」。
予想通りとはいえ、ここまであからさまだと、
ちょっと笑えてしまいます。

これまでのところ、天下りもOK、予算編成も財務省に丸投げ、
特別会計にもノータッチ、政権担当能力も低くて自分達の言いなり、となると、
そりゃあ官僚はこの菅政権がいいでしょう。
マスコミも、口では「政治主導」とか「行政改革」とかカッコいいこと言いますけど、
本音では官僚と仲良く付き合っていかないと、
官僚のリークで埋めた、官報の丸写し状態の記事が書けなくなるんで、
どうしても菅直人を応援したくなる気持ちも分かる。
金持ちにひたすら有利に働く新自由主義路線だしね。
なので結構焦っているのでしょうね、あまりにも一方的すぎて、
煙幕を上手に張ることが出来ていない。
せめて仙石由人の暴力団や総会屋絡みのスキャンダル、
いきなり報道止めずに、きっちり報道しましょうよ。

e0147206_123836.jpg
まず整理しておかないといけないのは、
本当に「国民不在の権力闘争」で「民意とかけ離れている」のかどうか?ということ。
もちろん小沢一郎と仙石・前原・野田他の権力争いの一面はあるだろうが、
本当の争点は昨年の衆院選のマニフェストの取り扱いだろう。
記事の中にもあるように、先の参院選挙中の小沢の発言が全てなのである。

約束は実行しなきゃ駄目だ。政権取ったらカネないから出来ません、
そんな馬鹿なことがあるか。


参院選での民主党の敗因は菅直人の消費税発言、
つまり、昨年のマニフェストを真っ向から否定したことにあることは言うまでもない。
参院選の敗因を突き詰めるのであれば、党3役もろとも退陣するべきだったし、
退陣しないのであれば、元のマニフェスト『国民の生活が第一』に戻せば良かったのだ。
そうしていれば、このような騒ぎになっていない。
だいたい「逆立ちして鼻血が出ないほど無駄をなくさないと増税しない」と
今年の1月!に大見えを切ったのは菅直人ではないのか?

「政治とカネ」問題に関しても、検察審査会は裁判所ではないし、
起訴されたところで「推定無罪」という原則があることを
マスコミは完全に無視している。
起訴されたところで、堂々と受けて戦い、きっちり自身の思うところを
主張すれば良いだけである。
マスコミもこれまで「政治とカネに関して説明を逃げている」と主張していたのだし、
本人が表舞台に出てきて、ちょうど良いではないか?
e0147206_102975.jpg
政治は人気投票ではないはずだし、支持率が0%になろうとも
自分の信じる道を進めば良いのだ。
「国民の生活が第一」の路線を貫きとおして、
「政治とカネ」を上回る成果を上げればいいと私は思うのだ。

そもそもカネの問題でマスコミは小沢を叩くほど潔白なのか?
カネ問題を追及するのだったら、野中広務に暴露された「官房機密費」を貰っていた
自分達の身内である政治記者や政治評論家のことも追及してほしいものだ。
都合の悪いところには頬っ被りする体質はそろそろ見透かされてますよ。

僅か1年の間に首相が3人も交代するのが問題だ、という声もありますけど、
この経済状況が悪く、円高が一気に進んでいる中、
首相は、といえば、3日続けて1年生議員を集め懇談会を開いて
多数派工作をしている有様。
(このこともマスコミは何故か批判しないのだ。)
肝心の財務大臣は「口先介入」しかできないし。
恥や外聞なんかを考えている暇はないのだ。
政権担当能力の低い内閣にはさっさと退場してもらうしかないのだ。
キーワードは「国民の生活が第一」であるはずなのだ。
e0147206_17851.jpg

[PR]
by zhimuqing | 2010-08-27 23:59 | Change! | Comments(0)

ヒンヤリやるせない大王で快適なのだ

ムスメの水泳教室の付き添いで幼稚園に行き、
ホールで二人で昼ご飯を食べていたところ、
年長さんの男の子がムスメの気を引こうと、色々仕掛けてきました。

わざと我々のテーブルの近くでブツブツ言いながらウロウロしたり、
鼻輪?をつけて牛の真似をしながら歩いてきたり、
我々のテーブルの近くでわざと鬼ごっこで捕まえられたり、と
健気なアピール具合になかなかグッと来ましたよ。

ただ、グッとは来るのだが、なにせアピール対象が良くない。
そのアピールの情熱は向こうのテーブルに座っているあの娘に向けろよ、と
言いたくなるのを、笑顔でグッと我慢。
しかも、隣に座っている私のことは眼中に無いみたいで、
私を全く相手にしようとしないのも問題だ。
まず取り入るのなら、私からだろうに!
「将を射んとせば、まず馬を射よ」という言葉を幼稚園で習ってないの?と
問いかけそうになるのを、これまた笑顔で我慢。

さて、そういう若干甘酸っぱい夏の日であるわけですが、
先日入手したキース・スウェットの新作(といっても6月発売だが)、
これはなかなか良いですね。
ソウルクェリアンズ絡みでない、いわゆる普通?の歌を聞かせるR&Bでは
ここ2,3年出たアルバムの中でも、かなり上位に来るレベルかも。
e0147206_18454867.jpg
アルバム冒頭のオートチューン使いが結構話題になっているのだが、
もともとロジャーと共演したり、ボーコーダー散りばめる人だったんで、
個人的にはまったく違和感なし。
むしろ、その辺をど真ん中にドカーンと打ち出すのではなく、
アルバム全編通してユラユラチロチロと見え隠れさせるように使って
歌世界を引き立たせているところは、流石はスウェット様だわいと感心。
やっぱりこの人は『歌』のことを分かってますね。

ほとんどの曲のプロデュースを任されているのは、Wirlie Morris。
といっても、私この人のことはほとんど分かりません。
クレジットに載ってる他の名前もほとんど見覚えないなぁと眺めていると、
6曲目のところで、随分懐かしい名前を発見。

スティーブ・ラッセルとチャッキー・ブッカー!
元Troopのリードボーカルとそのプロデューサーのコンビですね。
ウーン、懐かしい!
Troop の2ndとかチャッキー・ブッカーの1stと2ndは
当時良く聞いたものでしたけど、すっかりその名前を失念してました。
ジャネットのツアーの音楽監督してた頃までは
チャッキー・ブッカーをフォローしてたんだけど、
その後名前を聞かなくなったんでね。
元気に活動していたようで、何よりです。
e0147206_1845440.jpg
このセカンドは大好きだったんだけど、我が家の在庫には見当たらない模様。
ブラザGのところか?

そうなると、ゲンキンなもので、6曲目がとても良いように思えてくる。
メエメエと形容されるスウェットの歌に絡まるボーコーダーは
緩やかに泳いでいる時の、肌の周りに流れていく冷たい水のようで、
少し風が出てきたこの時期の夕方~夜の空気にピッタリだ。

スレイブのスティーブ・ワシントンに似た性質のスウェットの歌は、
水分含有率が高いが、どことなくヒンヤリした肌触り。
ヴォーコーダーとの相性も抜群だ。
全くタイプは異なるし、それぞれのファンから反論も受けそうだけど、
シャーデー・アデュと重なる部分も感じるのであります。
(個人的には、こういう音で歌うシャーデーも聞いてみたいものだ。)

アルバム全体でもメロウなミッド~スロウ・ナムバーが多く、
つまりキース・スウェットの持ち味が一番活かされる曲調。
中途半端に新しいことをやっていないのも吉と出たのかな。
レゲトンとかそういう私が多少苦手にしている曲が無いのも良い。
革新的な音楽で無いし、曲調も多少平板かもしれないが、
私はこのやるせない大王スウェットの世界に
どっぷり頭まで漬かることが出来たらそれで満足なんで、
このアルバム、私は諸手を上げて賛成です。
e0147206_18491173.jpg
このライブ盤も本当に良い。
カットクロースやシルクにも感涙。
[PR]
by zhimuqing | 2010-08-26 22:32 | Funkentelechy | Comments(2)

夏休み

口蹄疫じゃなかった手足口病も完治した今日この頃ですが、
少し遅れた夏休み、ということで、子供と毎日遊んでいます。
我が家の壊れたCDプレイヤーもアンプごと格安で
新品と交換してもらい、非常に快適な音楽環境でもあります。
娘と一緒に『KABA』に入っている「夜空の誓い」を
一緒に歌うのが楽しいです、はい。

e0147206_16561572.jpg
横浜のズーラシアに行ったのだが、
平日に行ったおかげでガラガラに空いていて非常に良かった。
意外に木陰も多く、夏は意外と穴場なのかも、と思いつつも、
この暑さで動物達はグッタリしていて、なんというか気の毒な感じ。
e0147206_16581712.jpg
我が家の息子も例にもれずグッタリ。
冷房が効いたところに入ると突然元気になる子供らしからぬ体質をいかんなく発揮。
e0147206_16583034.jpg
ムスメのほうは終日絶好調。
ゴミ箱の前であろうと、この笑顔。


e0147206_17365683.jpg
今年もキイダー・フィルム・フェスティバルに。
この催しの最大の売りは恵子姐さん他による生での吹き替えなのだけど、
我が家のベイビーズには、まだハイレベルなんで、低学年向けの会をチョイス。
ピングーでは会場のチビッコ達が大爆笑してました。
とはいえ、ヨウタロウが即座に会場脱出したので、私は外の小さなモニターで見る羽目に。
しかし、このフェスティバル、非常に面白いし、意義もあると思うので、
子供達が高学年になるまで毎年参加したいものだ。
子供向けのワークショップにも参加させたいし。



e0147206_17435932.jpg
プリキュアに最近目覚めたムスメだが、
やはり映画館で見るアンパンマンは面白いらしい。
ブラックノーズがかなり怖かったようで、会場ではチビッコの泣き声が各方面から。
ちなみにストーリーはプリマクさんがレコメンするアンパンマンの歌の内容に沿ったもので
実は結構感動しました。
あとゲスト吹き替えは中谷美紀、前作のスザ○ヌよりもずっと良かった。
それでもやっぱりこういう吹き込みはプロに頼んだ方が良いと思う。



e0147206_17515218.jpg
実は今週から幼稚園の半日保育が始まってて、
午後から水泳教室に行っている娘。
今日見に行ってみたが、結構楽しんでいる様子。
もちろん一番可愛いことは言うまでもない。
お姉さん先生方の水着を期待していったのだが、
全員男の先生だったのが多少残念だったなんてことは
多分なかったような気がします。
ちなみに隣にいるのは2軒隣のコーちゃん。
e0147206_197256.jpg
e0147206_197938.jpg
ムスメを送迎バスで送った後は、ムスコと遊ぶのであるが、
相変わらず私はないがしろにされて、視界に入った女性に向かっていく我がムスコ。
[PR]
by zhimuqing | 2010-08-24 19:11 | Dawn 'n' Shine | Comments(6)

本人もこれを聞いて気合を入れるべし

e0147206_0422036.jpg
オバマにインスピレーションを受けて製作しているらしい
ジョン・レジェンドとザ・ルーツの共演カバーアルバム『Wake Up!』が
もうすぐ発売でなかなか楽しみなんですが、
早速1発目のヴィデオが発表されたようで、
なかなか盛り上がってきますね。



一発目はハロルド・メルヴィン&ブルーノーツのWake Up Everybody。
テディ・ペンの中で多分2番目に好きな曲です、はい。
クエストラブがかけているサングラスが非常に私好みですね。
途中で出てくるメラニー・フィオナもなかなか良い声している。
それにしても、ジョン・レジェンドとコモン、物凄く知的な顔をしてて、
二人並ばれると、なんだか逆にひいてしまいそう。



こちらは別バージョン。
クエストラブのハイハットの上にタンバリンが置いていないし、
途中でコームの位置を直すのがなかなかキュートです。



クエストラブ曰く、
ジョン・レジェンドのファンはみんな1stが一番好きなんだ、
なんで、これまでで一番『下品』な音作りをしている。
ラファエル・サディークとかあの辺の音に近い、とのことで、
やはりこの人はよく分かっていますね。

選曲もハザウェイとかマーヴィンだけでなく、
レス・マッキャンとかニーナ・シモンの曲も入っているし、
度肝を抜かれる革新的なアルバムではないと思うけど、
それでも長く愛聴出来そうな、そういうアルバムになりそうで
期待は膨らみますね。
この組み合わせで来日したら、ヨメに借金してでも駆けつけます、はい。

e0147206_0423895.jpg
John Legend & The Roots - Wake Up!
1.Compared To What
2.Hard Times
3.Little Ghetto Boy
4.Wake Up Everybody feat. Common & Melanie Fiona
5.Our Generation
6.Love The Way It Should Be
7.Hang On In There
8.I Can't Write Left Handed
9.Wholy Holy
10.I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free
11.Shine

それにしても、オバマ本人の方も、もうちょっと頑張るように。
イランは核兵器作ってないんで、さっさと放って、
国内の問題なんとかしなさい。
[PR]
by zhimuqing | 2010-08-22 23:58 | Change! | Comments(0)

互いに引っ張り上げる兄弟

宮部みゆきの「ぼんくら」を読み始めると止まらなくなり、
早くも続刊の「日暮らし」の上巻を読み終えたところなのです。
それにしても、この人が書く江戸ものは本当に心に優しい、というか
柔らかく気持ちに染みいっていく感じですね。
そりゃ「模倣犯」とかそういう心の闇を描く話ばかりだと
精神的なバランスが取れなくなってしまいますもんね。
その分、こちらでバランスを取っているのでしょう。

さて、5月に予約したCD、無事本日我が家に届きました。
The Ruffin Brothers 『I am my brother's Keeper』。
アメリカのサイトから直接買おうとするも拒否され、
一時はどうなるかと思いましたが、本日HMVから届きましたよ。
e0147206_0561082.jpg
さて、今この瞬間、まだ6回しか通して聴けていませんが、
これはまごうことなき名盤ですね。
6回しか聞いてないけど、断言できますね。

デイヴィッド・ラフィンの素晴らしさはもう改めて語る必要もないけど、
その兄ジミー・ラフィンに関しては、恥ずかしながら今日初めて
その歌を聞いたのですけど、まったくイメージが違いました。
e0147206_05626100.jpg
ものの本とかそういうのには、豪快な弟、デイヴィッドと比較して、
地道な、とか、ソフト、とか、ジェントルな、とか、そういう形容詞が付いていて、
私も知らず知らずのうちに、そういうイメージに捉われていたのだが、
やはり百読は一聴に如かず、自分の耳で判断しないとだめですね。
デイヴィッドよりも少し高めの声だが、なかなか攻めるし、
ギリギリと絞り上げるような感じもあって、結構私好みの歌手でした。

そんな歌なんだけど、これがデイヴィッドと張り合って、
ヴォーカル・バトル状態になるかと言えばそうでないのが、これまた良い。
二人の声のバランスが絶妙、痒い所に手が届く感じ?
豪快なデイヴィッドを引き立てるだけでなく、お互いに引っ張り上げあっている感じ。
実に素晴らしい。

テンプス時代のデイヴィッド&エディとの華麗なコンビだと、
匠の技で磨きあげた至高の美しさ、という感じだが、
ジミーとのコンビになると、もっと体質的に合うというか、
何も準備せずにそのまま混じり合う感じ?
e0147206_154667.jpg
それにしても、デイヴィッドの歌は実に素晴らしい。
豪放といってもいいけど、少し言い足りない感じ。
ギリギリの線を攻めるというよりも、そこを平気で踏み外しそう、というか、
まったく破綻を恐れない、とでも言いますか。
聴いていて、こっちが大丈夫か、と心配して、ブレーキを踏みたくなる感じ。
でも、本人はファルセットをぶちかまして、
何もなかったかのように戻ってくるところんですけどね。
とにかくスリル満点。
名シンガー、数あれど、もしかしたら、一番好きな歌手かも。

もっともスピード出し過ぎて激突しなかったことがないか、というと、
勿論そういうわけがなく、ソロアルバムの3、4枚目なんかは
勢い余ってガードレールを踏み越えてしまうようなところがあって、
若干聴きづらくなってしまうようなところがありますね。
とはいえ、本人の素質というかスケールが収まりきらなかったのだから
これはもう、仕方がないというより他はないですね。
テンプス時代のラフィンの魅力は逆に枠に押し込められつつも
そこで抑えに抑えた男の情熱が透けて見えるのが
たまらなかったりするのですけどね。

で、このアルバムですが、ジミーと一緒に歌うとですね、
いくら踏み込んでも、良い意味で安心感があるんですね。
お互いが支え合うので、大丈夫というか、そういう感じ。
力任せにシャウトしても、全く問題なし。

アルバムはこの時代のモータウン、というかソウルに多い、カバー曲主体の作り。
スタンド・バイ・ミーとかデルフォニックスとかタイロン・デイヴィスの他にも
ロック系の曲が入っているけど、二人の黒々とした灼熱の歌、
そして69年のファンクブラザーズが演奏しているので、
問題ないどころか、理想的な音になっていますね。
サイケになりすぎる前のファンキーな演奏が素晴らしいです。
特にジェマーソンがカッコよすぎる。
スタンド・バイ・ミーだからって舐めては痛い目にあいます。

ブックレットを見ると、デトロイトのヒッツヴィルのスタジオBで録音されているよう。
この辺の事情はあまり詳しくないけど、たしかスネイクピットと呼ばれてた
メインスタジオはスタジオAだったと思うので、アルバムが録音されたのは、
サブのスタジオになるのだけど、その辺の経緯もなんとなく
このラフィン兄弟に似合っているようで、感慨深い。

それにしても、もう少しこのデュオの音源残ってないのかな?
ブックレットを見ると、デイヴィッドはあまり乗り気でなかったらしいので、
アルバム1枚、この時期の録音で残っているだけで良し、とするしかないか?
もし出来るのだったら、デイヴィッドの当時の彼女タミー・テレルと
アルバム作ってくれてたら良かったのにね。

ちなみにブックレットには、タミーの逸話が書かれているのだが、
どうも兄弟でタミーを取りあった、というか、そういうニュアンスを感じます、はい。
あと、ブックレットによると、モータウンと契約前にチェスで
レコード何枚か作っているみたいのなので、その辺、どこか再発してくださいな?
e0147206_165595.jpg
ブックレットから。
この後のデイヴィッドの辿る人生を考えると、これも感慨深い。

とまあ、そういう訳で個人的には今年度№1リイッシューですが、
HIP-Oセレクトからの発売で、全世界限定7000枚。
日本に何枚入って来ているかよく分からないけど、
デイヴィッドが好きな人は早めに買っといた方が良さそうですよん。
幻の3枚目のアルバム『David』も即行売り切れてしまいましたしね。
e0147206_054822.jpg
こいつを買う時に初めて海外の通販を使ったのだけど、
それが運のつきで、浪費をしてしまう羽目に。
e0147206_054554.jpg
ヴァン・マッコイと組んだアルバムは評価が分かれるけど、
私は大好きです、はい。
その後にワーナーで作ったアーバンな音でもデイヴィッドも好きなんです。
e0147206_057311.jpg
すみません、ジミーさんも聴いてみることにします。
[PR]
by zhimuqing | 2010-08-21 23:53 | Funkentelechy | Comments(0)

嗅覚と探求ぶりに驚く一方で、                    水泡に悩むのだ。

口の内側や舌のサイドに出来た水泡が痛くて、まともに話が出来ず、
往年のラッパーの様に身振り手振りが激しくなっているワタクシですが、
マッドリブがJ.Roccと一緒にやってくると言うことで、
なかなか悩ましいところであります。
なにせスタートが23時なんで、二の足を踏んでしまうわけです。
間違いなく一回見ておいたほうが良いだろうし、
デカイ音で聞くマッドリブ、楽しそうでもあるし、
聞いたことがないような凄い音聞かせてくれそうなんだけどね。
e0147206_21522157.jpg


そのマッドリブが今年の頭から毎月リリースしているMEDICINE SHOWシリーズ、
なにせ大量に出るので、聞いてみたいと思いつつ、全くフォロー出来ていないのですが、
この度その第3弾(つまり3月発売分)のアフリカ編をようやく入手。
今度一緒に来日するJ.Roccもフューチャーされている模様。
Madlib Medicine Show #3: Beat Konducta in Africa
e0147206_21591562.jpg
このシリーズ、奇数ナンバー(つまり奇数月)がインスト集、偶数月がミックス集らしく、
現時点で発売されているのは、もちろん8枚なのだが、
やはり気になるのはブラジル(2月)、ジャメイカ(4月)、そしてこのアフリカですね。
で、その中身、60-70年代(多分)のアフリカのレコードをベースに
マッドリブがビートを重ねているのだが、音に込められた情報量が多くて
頭がクラクラするほど刺激的です。

まあ、とにかく全く聞いたことが無い音源がテンコ盛り。
ブックレットにも全くデータが書かれていないし、
ネットで色々情報を調べてみると、ナイジェリア、ザイール、ガーナ、
ザンビア、エチオピア等の音源を使用していると書かれていますが、
具体的なアーティスト名が書かれていませんね。
なんという前人未到ぶり!
アフリカのリズムに詳しければ国や地域が分かるのかもしれないけど、
流石にそこまでは分からないですしね。
e0147206_2159426.jpg
とはいえ、ブックレットにたくさん載っている当時のクラブで
撮ったであろうスナップ写真はかなり味わい深い。


黒々としたビートにキックやスネアを重ねたり、
ハチロクのリズムにサイケな上モノ乗せて、ポリリズミック度を増したり、
ピグミー?なコーラスが突然出てきたりと、
まったく刺激的な音が続くわけですが、
こうやって聴くと、もはや、どのレコードを使ったか?というより
美味しい瞬間に対するマッドリブの嗅覚、そしてその探求ぶりの凄さに尽きると
とまあ、そんな風に思うわけです。
e0147206_2215026.jpg
それにしても、どの部分がオリジナルで、どの部分がマッドリブの手によるのか?
どの部分をどういう風に切り取ったのか?その辺が知りたいですね。
オリジナルの音源、再発してくれないかな? 私、多分買いますけど。
(とはいえ、こういうネタもの、オリジナルはあまりピンと来ないことが多いけど)

これだけの情報量を消化するのには結構時間がかかりそうなのだが、
やはり他のブツも気になりますね。
既発分もそうだが、音源の在庫が4トンあるといわれるマッドリブだけに
今後出てくるものが気になります。
やっぱりコロンビアとかハイチとかその辺を期待したいのですけどね。

あと、是非ともやってほしいのは、ダウンホームなブルース。
ライトニン・ホプキンスとかジョン・リーなんかを使って
十字路の悪魔をもう一回呼び出したりしてもらいたいんだけどね。
その上にD様や先日罰金刑を言い渡されたバドゥ様を絡めたりしたら、
完全に鼻血が出ちゃうんですけど、多分やってくれないんだろうね。
e0147206_2225251.jpg
ちなみに今まで出ているシリーズだと、ジャメイカ篇のジャケが一番イカス。
やっぱり本当に分かってるなぁ、この人。

[PR]
by zhimuqing | 2010-08-19 22:05 | On The Corner | Comments(0)

脱皮する姿に熱くなる一方で、                  なかなか脱皮できない私

晩ご飯の時、ムスメが何を思ったか、
たけ組のお兄ちゃんが私のこと好きなんだって!と爆弾発言。
続いて、コーちゃんもわたしのことが好きって言ってたの、と
困ったねぇ、と言うと、どうしよう、と口に手を当てて笑っていた。

うーん、モテないよりはモテた方が良いので、
胸に芽生えるほんの少し複雑な心境を払いのけ、
頑張って幼稚園中の男子を虜にしなさい、とアドヴァイスをしたのだけど、
どうも理解できていない様子で、少し安心したのであります。
それにしても、これを読んでいるであろう祖父は
なんとも複雑な心境なことでしょう。

さて、そんな腑抜け度満点な父親かつ手足口病を患っている私でありますが、
先日電機屋にCD-Rを買いに行った時に、ようやく廉価版が発売された
映画『シティ・オブ・メン』のDVDを見つけ、迷うことなく購入。
e0147206_23202715.jpg
テレビシリーズもばっちり見た後なので、満を持した感がありますね。
テレビシリーズの最後の完結編として作られた映画だけあって、
シリーズの人間関係をそのまま引き継いで話がスタートする。
それだけに、日本で発売されたテレビシリーズのDVDが
中途半端なリリースになっているのが非常に困るところだ。
(全19話中の9話のみ発売)

だもんで、いきなりアセロラに子供が生まれている展開に驚いた私。
しかも警備員の仕事にもついているし。
でもまあ、始めてみる人にも分かるように背景は説明されるし、
それこそたっぷりDVDで予習していた私には全く問題ないのだが。

テレビシリーズのほうはファベーラでの過酷な生活を
したたかに生き抜く少年2人の姿と友情を描いたものだったのに対して、
この映画はファベーラでの家族、正確には父と息子がテーマ。
e0147206_23211776.jpg
ラランジーニャと父の対面、アセロラと亡き父と息子、
少年の父親代わりのギャングのボス、両親無しに育った兄弟、
無力な父とギャングに憧れる息子、まっとうに仕事をする義理の父、
ファベーラでの様々な父と息子の関係が描かれている。

ファベーラの過酷な環境と言えば、その通りだし、
若い命が簡単に失われてしまう現状はフィクションでの体験とはいえ、
なかなか見ていて辛い部分もありますが、
このシリーズでは、そうな過酷な環境であるからこそ、
隣人同士で助け合っている姿も描かれている。
迷子になった幼児を見て、ギャングが誰の子か知っていたりするのも
そういう下地があってのことだろう。(この辺の事情はテレビ版に詳しい)
e0147206_23214128.jpg
あまりに状況が違いすぎるので、単純に比べることは出来ないが、
外でホストと遊びたいがために、幼児を置き去りにする今の日本と
貧困が故に若者が簡単に死んでしまうリオのファベーラ、
比較は出来ないのだけど、なかなか考えさせられます。

内容はヘビーなのだが、それでいながら見るほうを楽しませるところは
メイレレス+モレッリのコンビだからなせる業か?
良質のエデュテインメントと言っても良いけど、
私は単純に良く出来たエンターテインメントと言いたい作品でもあります。
e0147206_2322846.jpg
二人の少年が大人の男へと変わっていく姿を描いた成長譚でもある。
生まれたばかりの赤ん坊の手を握って涙する少年、
犯罪者である父親の姿を見てしまう息子、
失った時間を取り戻そうと距離を縮める父親。
ギャングの抗争の中、道を踏み外しそうになる友人を助ける姿
なんとか踏みとどまり、父親としての自分に目覚める少年。

基本的に男性視点で描かれているので、
女性が見てどう感じるかはよく分からないのだけど、
私にはとても素晴らしい映画だと思える。
最後の3人の姿は、同じく息子を持つ身として感慨深く
非常に深い余韻をもたらすものだ。
私も子供たちに何かを教えてあげられるのかな?

粗くてスピード感溢れるカメラ、ロモで撮った写真のような絶妙な色合い、
このシリーズ特有の映像は実に見事。
冒頭のビーチで泳ぐマドゥルガドやアセロラとラランジーニャの
褐色に輝く肌は、ほんとうに眩くて、美しい。
この映像だけでも見る価値があると思いますね。
e0147206_2322327.jpg
この映画でシリーズは完結してしまうのだけど、
アセロラとラランジーニャの今後の生活が見えるような
そんな感じもするのであります。
続編は正直言って作って欲しくないけど、
早くこの製作陣の映画が見たくてたまらないのだ。
e0147206_23205044.jpg

[PR]
by zhimuqing | 2010-08-18 23:14 | Blues 4 Terapin | Comments(0)

めでたく発症か?

本症(手口足病)は4歳位までの幼児を中心とした疾患であり、
2歳以下が半数を占めるが、学童でも流行的発生がみられることがある。

国立感染症研究所感染症情報センターのHPより


その昔ポケモンの放送でピカチュウーにやられて
気分が悪くなり病院に運ばれた友人R氏、
病院では大勢の幼児とともに診察室に入ったらしいのですが、
このたび、私もめでたく『手口足病』に感染いたしました。

e0147206_23203860.jpg
手のひらとか足の裏に出来た発疹がいちいち痛いです。
(激痛というわけではないけど、ベースが弾けないくらい)
口内炎もめでたく4ヶ所発生、うち1ヶ所は舌の奥のほうに発生しており、
なかなか厄介な感じですね。
明日辺りは涎を垂らしながら歩いている可能性があるので、
豚と間違えられて処分されないように気をつけようと思います。
[PR]
by zhimuqing | 2010-08-15 22:33 | Dawn 'n' Shine | Comments(4)

夏のブリブリ

梅津和時セッションを見に行ったのだ。
いつ見ても、ああ、素晴らしいの一言に尽きる。
以上。



e0147206_20598.jpg
という感じなのだが、梅津和時 夏のブリブリ2010最終日のこの日は
マダムギターや岡地さん、藤井康一も出るという、かなりお得な編成、
じっくり聞かせる曲が多く、非常に堪能できました。

e0147206_1341380.jpg
マダムギターは船橋の『月』で見て以来ですが、
やはり岡地さんがドラム叩いている時が、やっぱり一番キレる。
唸りまくる岡地さんのハイハットの一撃との組み合わせが絶妙。
まあ、夫婦なんだから、当たり前か。

出てくる音とギターの弾き方と佇まいとの一体感、
形でなく本質で捉えているブルーズ、
ミュージシャンである部分と表現者である部分が
非常に良い形で共存している。
そろそろ新作を出してもらいたいものだ。

この日はテナーサックスとウクレレを弾いていた藤井康一は
やはり芸人魂が全開。
歌いだすと、男前に変身してしまうのだが、
細かなアクション、バップなスキャット、ヒップなカズー、変なMC、
なかなか粋で、素晴らしい。
なんだけど、吾妻光良とのコンビになると、お互いに上手いこと作用して
魅力が10倍以上になることを私は知ってしまったので、
また共演が見たくてたまらないのだ。
結構狙っているんですけど、なかなかチャンスがない。

巨匠、梅津和時の凄さは生で見てもらうしかないし、
それを表現できる語彙も持ち合わせていないのだけど、
一音に込める入魂の度合いが凄い、といつもながら感じ入ります。
e0147206_1332819.jpg
嘶きながらキリ揉みして上昇していくフレージングは
なかなか他では味わい難いものだし、
プリマク氏も言っていたが、リズムに対する遊び方も非常にスリリング。
フリーキーなトーンも必然性があるし、
マウスピースやら何やらを分解して、それぞれ吹くカークばりの技も
もちろん芸人魂、遊び心の発露なんだろうけど、
それを単なる遊びに終わらせない。
今回初めて歌っているのを聞いたが、それもまた良かった。
本物の芸人ですね。

e0147206_136117.jpg
ところで、今回ライブ前に腹ごしらえしようと、
ピットイン2階のタイ料理屋『クルンテープ』に初めて行きましたよ。
初めに出てきた春巻きについてたタレを舐めた時から
アタリの予感があったが、トムヤンクンで予感的中。
良い店を見つけましたね。
プリマクさんと初めて入る店は成功率が高いです、はい。
[PR]
by zhimuqing | 2010-08-15 01:36 | Blues 4 Terapin | Comments(0)