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アトランタに行きたいものだ

キッパー・ジョーンズの初ソロアルバム≪Ordinary Story≫やその前のティーズとしての3枚目≪Remember…≫は私をその道に導いてくれた本当に感謝しかないアルバムなのですが、今の耳で改めて聴き直してみると90年代半ばのネオソウルと呼ばれた音楽のかなり先駆けとなる音だったと思うのですね。
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その2作でキッパー・ジョーンズに助力した面々を見ても明らかですね。チャッキー・ブッカーやオーガン兄弟といったティーズでの仲間はマイコーやジャネットのツアーバンドの面々だし、キースとケネスのクロウチ兄弟はその後ブランディーやラサーン・パタースンに力を貸しているし。特にキース・クロウチは特に重要かと。ブランディーやラサーンのファーストなんかでの音作りはトニーズやDなんかに比べると注目度は低いものの、ファンク臭濃厚な音作りは間違いなく後進の範になったものですからね。
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裏方過ぎて写真がほとんど出てこないキース様。この人の名前があると、私基本「買い」なのです。この人についても一度じっくり考えてみたい。

さて、キッパー・ジョーンズの魅力も何といっても匂い立つファンクネス。一声で言うと、ソウルやファンク的にいい喉、いい声なのだが、なんというかウン十年も丁寧に使い込まれた中華鍋の鍋肌のように黒光りするタフネスがたまらなくかっこいい。なもんで、もちろんバラードを歌わせても繊細な節回しを聞かせて絶品なのですが(アイズリーのFootstepなんか最高としか言いようがない)、少し重心を落としたファンクを歌う時が圧倒的にかっこいいというか存分に持ち味が発揮されている気がします。
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あとファンキーな曲を歌う時のリズムの付け方が天才的。単調になりそうな曲でもいい歌を聴かせてしまうのは、例えば瞬発力や超絶技巧を見せつけた結果でなくて、曲のリズムへ自身の声のリズムをうまく乗せることで複合的にグルーヴを生み出しているわけで、実に素晴らしいと思うわけ。なので、例えばティーズの2枚目のようなミネアポリス寄りの音でも他のプリンス追随者とは違うノリが出ていてスリリングなのですね。

ということで、私の愛してやまないキッパー・ジョーンズですが、悔やんでいることが2点。一つはその昔ベイビーフェイスが来日した時にバックヴォーカルで一緒に来ていたのに、見逃してしまった点。もう一つが07年か08年に密かに発売された自主制作のセカンドを買い逃して今に至ること。特にこの幻の2枚目≪K.I.P. (Keep It Pushin’!)≫はその後さんざん手を尽くすも影も形も無し。何とかしたいものです。
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銀盤があるものは、DLじゃ嫌なんですよね。銀盤が欲しいの。

もうこうなると、キッパー・ジョーンズが住んでいるアトランタに行って直接本人に直談判するしかなさそう。かの地では結構コンスタントにライブやっているようで、なんとも羨ましい限りです、はい。

昨年プリンスの"Head"歌っている映像見たけど、見つからず。
代わりにメイズの"Happy Feeling"、やっぱりかっちょいい。


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by zhimuqing | 2017-02-05 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)

10代の自分を作った音楽

シカゴ在住のキュレーターというかDJのDuane. E. Powell が選んだティーンネイジャー時代に影響を受けた10枚のアルバムというのがなかなか面白い。

ちなみにそのリストはこんな感じ。

List ten albums that shaped your teenage years. Don't think too long. What was your teenage soundtrack? Mine off the top of my head:

01. Prince first 11 albums
02. Sade first 3 albums
03. Sting - Nothing Like The Sun
04. George Michael - Faith
05. INXS - Kick
06. From The Mind Of Lil Louis
07. Swing Out Sister - It's Better To Travel
08. Basia - Time & Tide
09. Take 6 self titled
10. De La Soul - 3 Feet High And Rising
Cheating
11. Loose Ends - Zagora
12. Terence Trent D'Arby - Introducing The Hardlines
13. B-52's - Cosmic Thing
14. Anita Baker - Rapture
15. Luther Vandross - The Night I Fell In Love
16. Fingers Inc - Another Side
17. DeBarge - In A Special Way
18. Nitzer Ebb - Showtime
19. SOS Band - first album and Jam & Lewis catalog
20. Keith Sweat - Make It Last Forever


いきなり、プリンスの11枚のアルバムがランクしていて反則だし、そもそも20枚じゃないか?という話はさておき、これはなかなか面白い。(と思うこと自体がオッサンの証なのだが)

となれば、私も選んでみるしかない。

熱心に音楽を聴きだしたのが16歳ぐらいなので、16歳から19歳、
加速度的に音楽にはまっていった時代の10枚ですね。

1. Michael Jackson – BAD / Thriller / Off the Wall
2. Prince – Sign ‘O’ the Times (Album + LD) / 1999 / Black Album
3. Motown 25 (LD)
4. Roger – Unlimited
5. Levert – Rope A Dope Style
6. Kipper Jones – Ordinary Story
7. Cameo – Real Men Wear … the Black
8. Whitney Houston – Whitney
9. Take 6 – So Much 2 Say
10. Bobby Brown – Don’t Be Cruel
11. Paul Simon – Graceland
12. Terence Trent D’arby – Neither Fish nor Flesh
13. Anita Baler – Giving You the Best I Got
14. Smokey Robinson – One Heartbeat
15. Gerald Alston – Open Invitation
16. Stevie Wonder – Characters
17. Karyn White - Karyn White
18. D’atra Hicks - D’atra Hicks
19. Kool Moe Dee – Knowledge is King
20. Public Enemy – Fight the Power


思いついた順番で20枚ばかり。私もマイケルとプリンスで少しだけ反則、でもこれは仕方ないっす。

えー、ちなみにこのリスト、格好付けていませんよ。JBやスライ、Pファンク、オハイオプレイヤーズのファンク神髄系やOVライトとかジェイムズ・カーなんかのサザンソウル、BDKとかBDPとかのヒップホップ、色々な音楽をこの時期聴き始めてはいたのだけど、そこは背伸びしまくる10代。その良さを本当に理解できていたとは思えないので、全部外してみました。

今思うと、本格的に黒光りする音にのめり込む入り口になったのは、マイケル好きが高じて購入したモータウン25のレーザーディスク。あれを見てスモーキーやらテンプスを知ったのが過去に向けて突き進む要因になったのは間違いないでしょう。この辺の好みはいまも変わっていないし。

同時代のファンクネス溢れる音という事では、ロジャーの大ヒット“I wanna be your man”とそれに続くアルバム≪Unlimited≫だったかな。ラップ(超オールドスクールな)も入っていたし、ロジャーが弾くバリバリで分かりやすいロックギターも入っていましたし、このアルバムの影響はデカイ。

あとは意外に軽視しがちなボビー・ブラウン。ナスティでストリート感覚にあふれていて、という流れで、キャメオとかリヴァートとかキッパー・ジョーンズに続けて進むことが出来たことには感謝ですね。アイドル的な意味ではホイットニーとキャリン・ホワイトかな、やっぱり。

ま、そんなことよりも当時、そして今の自分に一番影響を与えたのはパブリックエナミー89年、問答無用の“Fight the Power”でしょう。立ち位置がこれで全て明確になったということで。


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by zhimuqing | 2017-01-30 23:28 | Funkentelechy | Comments(0)

新年1発目

旧正月の元旦、1発目は先日感動のサルベージを果たしたこのアルバム。
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文句なしの名作。CDが擦り切れるほど聴いているアルバムですが、改めて聴いても当然素晴らしい。曲の粒の揃い方が凄い。でもLP両面に分けて聴くと、また違った曲の流れが感じられて実に新鮮な感じ。重量盤ではないので、音圧はさほどないけど、それでも銀盤よりも音の厚みはあるし。サディーク、いやこの頃はまだウィギンズでしたね、のベースはこの頃からすでに凄みを感じさせるし、インナーにもジュブ・スミス達の名前がある等、バンド感が強いのが何よりも嬉しいですね。
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今年最大の楽しみはサディークの新作ですが、そろそろデュウェインやティモシーの活動についても期待したいところですね。
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by zhimuqing | 2017-01-28 18:28 | Funkentelechy | Comments(0)

これまた待望の

昨年より続く来日ラッシュ、これまた待望のビラル!
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一昨年のケンドリック・ラマーの傑作、去年のBETでの見事のプリンス・トリビュートやホワイトハウスの図書室でのコモンとの共演と活躍ぶりが目立つミュージシャンズ・ミュージシャンのビラルですが、考えてみれば常に私のアンテナに現れる人であり、個人的にもまさに待望の来日ですね。

カメレオンのようなミュージシャンという表現はよく聞きますが、ビラルの場合はむしろ逆。巧みに変わる声でもって周りの音やバンドメンバーを変えてしまう逆カメレオンのような人。そのビラルに合わせなければならないバンドは当然ながら手練れ揃い。易々と音が変化していく様には溜息しか出ません。個人的にはビラルと楽しいヴォーカルバトルを繰り広げたマイカー・ロビンソン、複雑なのに分かりやすいドラムを叩いていたジョー・ブラックスが特に気になりました。

選曲自体は過去の5枚から満遍なく。新作からのナムバーを中心に冒頭からアフロサイケデリックな音でコーナーぎりぎりを攻めていくのは想定通り。で、やや歌い込みは軽めかな、と思わせておいての本領発揮は幻のセカンドアルバムに入っていた名曲“Hollywood”から。伸縮自在なリズム隊を従え、重く引きずるかと思えば、一気に成層圏まで舞い上がる。カラフルかつ重力を無視した歌。あの時代に仲間たちと成し遂げたグルーヴをさらに深化させたかのような音塊に大興奮。

私もおそらく他のお客さんも聴きたいのは類稀なグルーヴ使いとしてのビラルなわけで、“Hollywood”からファーストの“For You”、“Sometimes”と続くこの中盤が一番盛り上がっていたかな、と。近作のアフロサイケな音は当然カッコいいのだが、この人の歌はもっと粘着性の高いリズムの方がその変態性が露わになって、旨味成分が際立つのですね。そういう意味ではバンドの演奏を含め、本来持っているポテンシャルを全部開放していない感じもあったかな。すこし手堅すぎたというか、変態度を100%押し出さなかったというか。セッションでその場で臨機応変に飛翔するビラルとかって最高じゃないっすか?まあ、ビルボードではやっぱり難しいかな?とも思ったりも。チラ見せ具合で留めておくのもビラルらしいといえば、そうなんですけどね。



ああ何と素晴らしい!
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こういうのが観たいんよね。

ということで、個人的には大変満足しつつ、次回もまた来ようと考えながら会場を後にしたのですが、知人のRさんは翌日のライブ終了後のアフターでバンドとともにセッションして弾けるビラルを目撃したそう。なんという僥倖!そういう場面でのビラルが観たいのよ、私は。くはー、羨ましすぎる!

セットリストは多分こう。

1. Star Now (5)
2. Sirens Ⅱ (5)
3. Robots (3)
4. Pleasure Toy (5)
5. West Side Girl (4)
6. Hollywood (2)
7. For You (1)
8. Sometimes (1)
9. Love Child (5)
10. Levels (3)
11. Who are You (3)
12. Satellites (5)
13. Back to Love (4)
14. All Matter (3)

()の数字はアルバムの通算枚数

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by zhimuqing | 2017-01-25 20:28 | Funkentelechy | Comments(0)

備えが足りなかった私

ムスメとの会話で、遂にこの日が来てしまったことが分かりました。いや、いつか来るとは思っていたのですが、心の準備が出来ていなかったと言いますか。

























パパ、ファンキーって何?









悲嘆に打ちのめされる哀れな父親像を想像した人もいるかと思いますが、残念でした。それはまだのようです(と思いたい)。がしかし、かれこれウン十年、ファンキーだ、ファンクだ、ファンクネスが云々、と人様に言い続けてきたこの私がですよ、そのものズバリを子供の視線で問われたときに、満を持して回答出来ないというのは一体どういうことなのか?ウーンと沈思黙考する私の姿を想像して嬉しそうな表情を浮かべる友人諸兄の顔が目の前に浮かんできますよ。

もちろん様々なもの、映像や写真や音や書籍やなんやらを取り出してゴチャゴチャと頭悪そうに何時間でも説明できますよ、そりゃもちろん。でもね、それってファンキーでもファンクでもないわけですよ。君はそこに濃厚なファンクネスが存在すると断言出来るのか?って話。(子供相手に一晩かけて真剣に説明し続ければ、一周回って濃厚なファンクネスとも言えますけどね)問答無用、言語道断じゃないとダメなわけで、右往左往だとダメなんです。

とりあえず私の部屋に連れていき、「この部屋にあるものが全部ファンクだ」と返すのが精いっぱいの45歳。まだヒップの説明の方が出来るような気がする。ボーシッ(牛糞)の方だと、ずっと自信がある。でもファンク、ファンキー、ファンクネス、ファンクの三段活用、私の人生のタームというかテーマな言葉を問われて、スパーンと返せなくて一体どうするのよ?って。



あるべき姿、理想形は分かっているのだ。やっぱりこれしかない、どう考えても。









パパ、ファンクって何?












私の生き様、すなわち私の中に今この瞬間存在する、この大宇宙のことだよ、ベイビー!



うーん、今の私はどうやってもこう答える資格はない。そこまでの修行を積んでいないことは誰よりも自分が分かっている。ああ、なんと無駄に人生を過ごしてきたのでしょう、私は。猛省に値します。ファンクネスを高める修行があまりにも足りなかったのだ。友人諸氏、笑いたければ笑え。これから真剣に修行します。君たちへの影響も必ずや大きなものとなって君たちの生活をも覆いつくすことになるだろう。ファンクとともに。長寿とファンクを。


【メモ】
同様の状況に陥るかもしれない諸兄のために応急処置を。但しこれはあくまでも応急処置であり、根本的な問題解決には程遠いことを肝に銘ぜられたし。諸兄はよくご承知のことであろうが。

1.簡潔な図案にて容易に咀嚼できるであろう概念を説明する
 (参考図案Aを参照の頃)

2.ファンクの概念と宇宙との親和性について講義する
 (今回は状況を鑑み、特別に図案Bと構造物Ⅽを使用した)

3.部屋に無秩序のように見えて秩序だって保管されている各種音盤、楽器、書籍、映像等を指ししめし、これらはファンクすなわち宇宙と繋がるために日々苦心して蒐集しているものであり、無駄遣いのなれの果てや物欲に突き動かされた無残な姿ではないことを説明する。

参考図案等
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by zhimuqing | 2017-01-22 23:28 | Funkentelechy | Comments(2)

Atlanta!!

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ドナルド・グローヴァーがゴールデン・グローブ受賞。
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主演・原案・脚本を務める"Atlanta"で。
気合のこもったスピーチが話題。
akaチャイルディッシュ・ガンビーノ。
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Pファンク好きの快挙はただそれだけで快哉ものではないですか!
おめでとう!
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by zhimuqing | 2017-01-09 16:54 | Funkentelechy | Comments(0)

BLACK AMERICA AGAIN

まずはこの映像を見たほうが早いかな。タイニーデスク、まさかのホワイトハウスの図書館でのこのパフォーマンス。コモン、マスター・カリーム・リギンズ、シュープリーム・ロバート・グラスパー、インコンパラブル・デリック・ホッジ、キーヨン・ハロルド、レイナ、そしてビラル。




涙が出ますね。


大統領選挙に合わせて発売したコモンの新作は復活の狼煙を上げる久しぶりの力作。前2作は結局買わなかった私が言うのもなんですが、“Be”以来でしょう。いやもしかすると、Like Water以来かも。
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BLACK LIVES MATTERに深くコミットしたアルバムという意味では、DのMessiahやラマーのButterflyに続くアルバムであることはすぐに分かることですが、ソランジュの新作とも波動を一つにする作品でもありますね。アフロアメリカンを取り巻く状況の酷さという厳しい流れではあるものの、コンシャスな姿勢はそのままにコモンがかつての力強さを取り戻してくれたのは1ファンとして本当にうれしいところです。(状況は良くなりそうにないことがつらいところですが)
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なんといっても黒幕のカリーム・リギンスに尽きるでしょう。コモンのバックバンドでドラムも叩いているリギンスによるトラックの切れ、これがないとコモンに力感が戻っていても映えないわけで、というより、このトラックがあったからこそ、の復活作かと。

プログレのキュラキュラしたキーボードをこれ以上なくドープにチョップした上にビラル、元フロエトリーのアンブロージアス、BJ・ザ・シカゴ、パリス・ジョーンズ、シド・ベネットによるホーリーゴースト漂うコーラスで包んだ最高のオープニング、その直後にまさかのO.V.ライトの大傑作“I’m Going Home”から地を這うファンクネスを抽出した“Home”で完全にノックアウトです。カチカチしたドラムは勿論リギンスの手になるもの。オルガンは名盤の陰にこの人あり、のポイザーさん。この2曲だけでも傑作の名にふさわしい出来かと。それにしてもO.V.のこの曲を使うとは驚きました。

で、ここからはロバート・グラスパーが登場。アルバムタイトル曲はJBの“Say It Loud”のライブ盤でのイントロダクションから御大の声を、コモンの声にかぶせてMCライトにチャックD、最後にスティーヴィー。ベースはエスペランサ。チャックDの居場所がまだ分からないのが悔しいと言えば悔しい。ちなみに、この曲は全く異なるけど、21分に及ぶ力作ヴィデオを見ることをお勧めします。というか、私の感想文なんか不要です。ヴィデオを見て、あとは音を聴けば十分です。



大半の曲に参加しているグラスパーの音も心持ちいつもより強度があるように聞こえるのは、コモンとリギンス効果なのか?それにしてもリギンスのリズムはディラ以降のあの撚れた感が強く、しかもビラルをはじめとする歌の絡み方を含め、ソウルクウェリアンズの心意気に非常に近い感じがしますね。リギンス自身の新作は来年早々に出るそうですが、これは大いに期待できそうな予感ですね。先のタイニーデスクにも出演していたフルートのレイナは全編で相当効いています。
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後半にはロイ・ハーグローヴ登場で更にソウルクウェリアンズな空気感に。ジョン・レジェンドとのグローリーコンビもあり、沈鬱な表情からポジティブな心持ちに変わっていったところで、ビラルとのコンビでの魂の祈りで大団円。それもまたコモンを象徴するかのような流れ。アルバムトータルでしっかり練られていて、後味がまた素晴らしい。閉塞感が漂う今の日本にもしっくり来る(来てしまう、残念ながら)アルバム。アメリカの状況はもっとひどいのかもしれないけど、ここで見せるコモンの力強さはまた別格。力づけられます!末永く楽しめるアルバムになりそうです。必聴。
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by zhimuqing | 2016-12-24 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)

前半は完璧ですね

アフター7の新作。
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私が高校生の時にデビューしたアフター7は、ベイビーフェイスの兄弟+LAリードの従兄弟ということで、割とハードコアな歌ものを求めていた当時の私にはなんとなく軟弱なイメージがあり、長いこと私のレーダーの範囲に入っていなかったのです。見直すきっかけとなったのは、ヘイリー兄弟とのユニット、Milestoneでの曲“I Care For You”ですね。



一番かっこいいベイビーフェイスのアンプラグドでのライブがYoutubeで見つからないのが残念ですが、スタジオ版もやっぱりかっちょいいですね。

今聴いてもK-Ciに痺れますが、ここでのエドモンズ兄弟の歌も相当なもの。ジョジョに続いて歌うのがケヴォン、その後がメルヴィンですね。当時のヘイリー兄弟と並んで負けない喉!ちなみにこのマイルストーン、実はグループとしてきちんと活動する予定だったのに、所属レーベル間でのいざこざでポシャってしまったのは返す返すも残念。声質のバランスが最高、全盛期のテンプスに並べた可能性もあったというのは褒め過ぎ?

カッコいいので、スタジオライブも貼っときましょう!



この頃はまだジョジョがしっかり歌っていますね!

でもって、アフター7に注目するようになったもう一つが、メイズのトリビュート盤でのケヴォン・エドモンズのソロ、"Never Let You Down"。



ほとんどの曲が名カバーだったアルバムの中でもケムと並んでマーヴェラスな出来だったこの曲、本家よりも良い出来かも。

そんあこんなで、私の中での待望の新作。エドモンズ兄弟2人+キース・ミッシェルのオリジナルメンバー3人にメルヴィン・エドモンズの息子のジェイスンが加わり4人組になっております。ま、コーラスグループとしては分厚いほうがいいので、これは良い傾向ですね。そうそう、キース・ミッシェルは昔LAリードの従兄弟という触れ込みだったんですけど、これは嘘だったということで、私は30年近く騙されておりました、はい。
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で肝心の中身ですが、オーソドックスな童顔印の美メロと美しい節回しが多くて、前半は文句なしですね。生音重視なのもいいところ。これこそが世界中のファンがエドモンズ兄弟に求めているものでしょう。冒頭の2曲や4曲目のドラムが気持ちよいミディアムものはとてもいいっす!

ただベイビーフェイス(とダリル・シモンズ)の曲作りにムラがあるのと、若作りした音作りでちょっと後半に少しだれるのがもったいない。アップものはもう一つなのは、初期を除くと童顔氏の弱点なので仕方ないかな。今風な音作りに軽い声質が全面に出てしまい、普通なポップスになってしまっていて勿体ない。昔のデバージの失敗を思い出しますね。私としては6曲目とか8曲目を取り除いて、冒頭の“Runnin’ Out”のように、もっともっと美メロ全開で磨き上げた曲を集めてもらったほうが好みというか実用的というか、ありがたかったかな。

とはいえ、主役の歌は流石の貫録。絶妙な節回しは健在だし、特にケヴォンの声の若々しさは凄いですね。50歳なのに少年の声にしか聞こえない。まだまだいけるぞ、次作にも期待しています!
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このインタビュー写真を見ると、年相応というか、もっと老けてるかも。なんというギャップでしょう。
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by zhimuqing | 2016-12-22 19:28 | Funkentelechy | Comments(0)

プリンスに聴かせたかった

今年は本当に音楽の当たり年で名作が連発した年。毎年、クリスマス商戦に向けてアルバムが多く発表されるのですが、今年も例年の通り。というか、充実した一年を象徴するかのように名作が連発で、嬉しい悲鳴ですね。

ということで、これは今年の名作群の中でも屈指の一枚。
Solange “A Seat at the Table”
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デビューした時は姉と比べて圧倒的に非力なアイドル路線の人だと思っていた私の見る目がなかったようですね。思い切って路線転換したセカンドを出した時にも結構びっくりしたのですが、ソランジュ、ついにこのサードで化けました。自由自在な音、滑らかに聴かせる声、才人を次々と首位に引き付ける力、ビヨンセほどお金持ちというかセレブになることは今後も多分ないでしょうが、長い目で見ると音楽性では姉のずっと上を行きそうな気がします。
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周囲に才人を呼び寄せるという意味では、このアルバムでは何といっても、ラファエル・サディーク‼に尽きますね。名作、というか化ける作品の陰にこの人あり!一時期のワーカホリックな感じがなく、少しペースダウンした感もあったサディークですが、こんな隠し玉を制作していたとは。全曲に絡んでいますが、いつものように縦横無尽の活躍ぶり。サディーク印のアルバムとしてはここ10年で最高峰だと思います。
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しかも最近こだわっていたレトロ・ソウル(でも実は新しい)路線ではなく、今のトレンドを踏まえての未来に向けたアフロ・フューチャリズムというか、未来のスピリチュアルなソウル路線での勝負!なのに、突き抜け過ぎずにポップな味わいも過去のブラックミュージックの精髄もしっかりと残すという。天才ラファエル・サディークの帰還ですね。もちろん、あの何気ないのにもの凄いサディークしか弾けないベースもたっぷり。たまりません。

主役の実力を引き出すのがサディークの音作りですが、それを差し引いても主役ソランジュの良さがあってこそ。やはり頭一つ、いや二つも三つも突き抜けた感があります。大声でシャウトすればソウルフルになるわけでないという事をここで見事に実証。丁寧、というより、誠実とかひたむきとか、そういう響きに満ち満ちた歌。もちろんそれだけでなくキュートな場面も艶めかしい場面もあるわけで、端的にいうと美しいということです。
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QティップとかAndré3000とかリル・ウェインとかThe DreamとかBJとか豪華なゲストの参加も目を引きますが、ソランジュの滑らかな声にふわふわとくるまれて、アルバムの流れを崩すこともなく、そこにその声がある必然性を感じさせるもの。そう、アルバムの流れが実の良い。インタールードを含め、個々の曲は文句なしの出来なのは言うまでもなく、アルバム一枚を聴きとおした後の充足感は格別なものがあります。全盛期に差し掛かろうとしている一つの才能に充たされる心地よさ、ですね。聴けば聴くほど味わいが深くなる大傑作。来年、このアルバムに匹敵するアルバムを聴くことが出来ればいいのですが、さすがに難しいのではないか、と思うのですね。個人的にはプリンスに聴かせてあげたかったな。ですよね?うう。
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モネイと仲良しなのはとても嬉しい!
で、エスペランサとトリオでグループ結成みたいなミラクルが起きてくれないかな?

ウィギンズ家に期待する件
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by zhimuqing | 2016-12-20 23:28 | Funkentelechy | Comments(0)

Be Helpful, Do Not Be A Detriment

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ということで、一部で話題のChildish Gambinoの新作。

私の周りでは何といっても畏友プリマク氏のアンテナが一番早く、これはなかなか良い、盛り上がって寝られない等の名言でプッシュしていたのですが、その直後クエストラブ絶賛との噂も流れたこのアルバム、私も2曲ほど視聴したところで、これは視聴ではダメだ、きちんと聴かなくては、と思っていたもの。早々にネットで入手したプリマク氏には、バンドの練習の時にスタジオでかけないでくれと懇願しつつ、都内のレコ屋を巡るも、発売は来年1月です(T店)とか、早くて年末でしょうか?(D店)とか、入荷の予定はないですねぇ(D店のソウル特化店)等というリアクション。あれ?そんなに盛り上がっていない?という懸念をよそに、某所に入荷したという情報を小耳に挟み、直ちに直行して入手した次第。

事前にプリマク氏から聞いていた情報はこんな感じ。

Pファンクへの愛が溢れるアルバム。ファズギターを垂れ流しにしただけでファンカデリック直系扱いされがちなその他のアルバムとはPファンクの解釈の度合が異なる、ジェローム・ブレイリーみたいなドラムまで再現している、これを聴くとPファンクが聴きたくなる、さすがに本家の全盛期には及ばないけど、とても良い。

ほぼほぼその通り。これに付け加える情報はありませんね。さすがというべき感想です。

ドナルド・グローヴァーがチャイリッディシュ・ガンビーノという芸名で活動していたのは知っていましたが、ここまでのファンカティアーだとは思いもよりませんでしたね。ま、この芸名は誰もが一度は楽しんだことがある(ですよね?)、あのウータン風に名前を変換してくれるWu-Tang Name Generatorで決めた人なんで、当然と言えば当然なんでしょうが。それにしてもスターウォーズに出る人がこのファンク・アルバム、最高の組み合わせです。
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あまりに焼き直しというかカバーというか替え歌のような曲もありますが、ここでグローヴァ―が狙っているのは、全宇宙に漂っているアフロフューチャーリズムのエーテルをクリントンのフィルターを通して凝縮することなので、全く問題ないでしょう。アルバムを聴いていて、こんなに何回も笑ったのも珍しい。畳みかけるような前半に比べると、後半はやや密度が薄い気もしますが、そこは今後に期待することろでしょう。

やはり感心したのは、“Boogieman”でのブレイリーなドラムの再現ですね。多分本人も出来ないかと思われる(失礼)ドラミングをプログラミングで再現。ペタペタした感じのテクスチャーまでしっかり再現されていてカッコいい。あと、爆裂しすぎない良い塩梅のギターに私はシャイダーを思い出しました。コーラスの使い方もなかなかだし、メロウに攻めるあまりリック・ジェイムズになっちゃいそうなグローヴァ―が微笑ましいというか可愛らしい。バックのバンドも多分凄腕なのだろうけど、あえて弾きすぎないところが好感度大。

この人はどちらかというと学究肌というか、天然系ではないと思うのだけど、次作も同じ路線を突き進んでほしいものです。出来れば現存する数少ないファンカティアーとの共闘もね。色々名前が挙げられそうですが、この人に一番合うのは多分アンドレ3000だと思うけどどうでしょう。次点では、シーローかビラル。うーん、今後を想像するだけで盛り上がってきますね。若きハン・ソロを描いた映画とどちらが早く世に産み出されるか分かりませんが、本当に楽しみです、はい。

プリマクさんも言っていたが、このアルバムの最大の問題点はPファンクが聴きたくなるところ。私も案の定、パーラメントやファンカ、ブーツィ―と引っ張り出す羽目に。まったく困ったものです。

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こちらはETSYで発見したRainbowPieClothingの商品。先日めでたく赤ちゃんが生まれたモヤーン氏というか、赤ちゃんへのプレゼントとして7,8回メールのやり取りを行った上で購入。もともとファンク3賢人のロンパースは商品ではなかったのですが、メールのやり取りで作ってもらいました。これまた最高だ!(他の友人諸氏から、うちは貰っていないと怒られそうだな。先に謝っておきましょう)
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by zhimuqing | 2016-12-14 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)