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備えが足りなかった私

ムスメとの会話で、遂にこの日が来てしまったことが分かりました。いや、いつか来るとは思っていたのですが、心の準備が出来ていなかったと言いますか。

























パパ、ファンキーって何?









悲嘆に打ちのめされる哀れな父親像を想像した人もいるかと思いますが、残念でした。それはまだのようです(と思いたい)。がしかし、かれこれウン十年、ファンキーだ、ファンクだ、ファンクネスが云々、と人様に言い続けてきたこの私がですよ、そのものズバリを子供の視線で問われたときに、満を持して回答出来ないというのは一体どういうことなのか?ウーンと沈思黙考する私の姿を想像して嬉しそうな表情を浮かべる友人諸兄の顔が目の前に浮かんできますよ。

もちろん様々なもの、映像や写真や音や書籍やなんやらを取り出してゴチャゴチャと頭悪そうに何時間でも説明できますよ、そりゃもちろん。でもね、それってファンキーでもファンクでもないわけですよ。君はそこに濃厚なファンクネスが存在すると断言出来るのか?って話。(子供相手に一晩かけて真剣に説明し続ければ、一周回って濃厚なファンクネスとも言えますけどね)問答無用、言語道断じゃないとダメなわけで、右往左往だとダメなんです。

とりあえず私の部屋に連れていき、「この部屋にあるものが全部ファンクだ」と返すのが精いっぱいの45歳。まだヒップの説明の方が出来るような気がする。ボーシッ(牛糞)の方だと、ずっと自信がある。でもファンク、ファンキー、ファンクネス、ファンクの三段活用、私の人生のタームというかテーマな言葉を問われて、スパーンと返せなくて一体どうするのよ?って。



あるべき姿、理想形は分かっているのだ。やっぱりこれしかない、どう考えても。









パパ、ファンクって何?












私の生き様、すなわち私の中に今この瞬間存在する、この大宇宙のことだよ、ベイビー!



うーん、今の私はどうやってもこう答える資格はない。そこまでの修行を積んでいないことは誰よりも自分が分かっている。ああ、なんと無駄に人生を過ごしてきたのでしょう、私は。猛省に値します。ファンクネスを高める修行があまりにも足りなかったのだ。友人諸氏、笑いたければ笑え。これから真剣に修行します。君たちへの影響も必ずや大きなものとなって君たちの生活をも覆いつくすことになるだろう。ファンクとともに。長寿とファンクを。


【メモ】
同様の状況に陥るかもしれない諸兄のために応急処置を。但しこれはあくまでも応急処置であり、根本的な問題解決には程遠いことを肝に銘ぜられたし。諸兄はよくご承知のことであろうが。

1.簡潔な図案にて容易に咀嚼できるであろう概念を説明する
 (参考図案Aを参照の頃)

2.ファンクの概念と宇宙との親和性について講義する
 (今回は状況を鑑み、特別に図案Bと構造物Ⅽを使用した)

3.部屋に無秩序のように見えて秩序だって保管されている各種音盤、楽器、書籍、映像等を指ししめし、これらはファンクすなわち宇宙と繋がるために日々苦心して蒐集しているものであり、無駄遣いのなれの果てや物欲に突き動かされた無残な姿ではないことを説明する。

参考図案等
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by zhimuqing | 2017-01-22 23:28 | Funkentelechy | Comments(2)

Atlanta!!

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ドナルド・グローヴァーがゴールデン・グローブ受賞。
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主演・原案・脚本を務める"Atlanta"で。
気合のこもったスピーチが話題。
akaチャイルディッシュ・ガンビーノ。
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Pファンク好きの快挙はただそれだけで快哉ものではないですか!
おめでとう!
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by zhimuqing | 2017-01-09 16:54 | Funkentelechy | Comments(0)

BLACK AMERICA AGAIN

まずはこの映像を見たほうが早いかな。タイニーデスク、まさかのホワイトハウスの図書館でのこのパフォーマンス。コモン、マスター・カリーム・リギンズ、シュープリーム・ロバート・グラスパー、インコンパラブル・デリック・ホッジ、キーヨン・ハロルド、レイナ、そしてビラル。




涙が出ますね。


大統領選挙に合わせて発売したコモンの新作は復活の狼煙を上げる久しぶりの力作。前2作は結局買わなかった私が言うのもなんですが、“Be”以来でしょう。いやもしかすると、Like Water以来かも。
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BLACK LIVES MATTERに深くコミットしたアルバムという意味では、DのMessiahやラマーのButterflyに続くアルバムであることはすぐに分かることですが、ソランジュの新作とも波動を一つにする作品でもありますね。アフロアメリカンを取り巻く状況の酷さという厳しい流れではあるものの、コンシャスな姿勢はそのままにコモンがかつての力強さを取り戻してくれたのは1ファンとして本当にうれしいところです。(状況は良くなりそうにないことがつらいところですが)
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なんといっても黒幕のカリーム・リギンスに尽きるでしょう。コモンのバックバンドでドラムも叩いているリギンスによるトラックの切れ、これがないとコモンに力感が戻っていても映えないわけで、というより、このトラックがあったからこそ、の復活作かと。

プログレのキュラキュラしたキーボードをこれ以上なくドープにチョップした上にビラル、元フロエトリーのアンブロージアス、BJ・ザ・シカゴ、パリス・ジョーンズ、シド・ベネットによるホーリーゴースト漂うコーラスで包んだ最高のオープニング、その直後にまさかのO.V.ライトの大傑作“I’m Going Home”から地を這うファンクネスを抽出した“Home”で完全にノックアウトです。カチカチしたドラムは勿論リギンスの手になるもの。オルガンは名盤の陰にこの人あり、のポイザーさん。この2曲だけでも傑作の名にふさわしい出来かと。それにしてもO.V.のこの曲を使うとは驚きました。

で、ここからはロバート・グラスパーが登場。アルバムタイトル曲はJBの“Say It Loud”のライブ盤でのイントロダクションから御大の声を、コモンの声にかぶせてMCライトにチャックD、最後にスティーヴィー。ベースはエスペランサ。チャックDの居場所がまだ分からないのが悔しいと言えば悔しい。ちなみに、この曲は全く異なるけど、21分に及ぶ力作ヴィデオを見ることをお勧めします。というか、私の感想文なんか不要です。ヴィデオを見て、あとは音を聴けば十分です。



大半の曲に参加しているグラスパーの音も心持ちいつもより強度があるように聞こえるのは、コモンとリギンス効果なのか?それにしてもリギンスのリズムはディラ以降のあの撚れた感が強く、しかもビラルをはじめとする歌の絡み方を含め、ソウルクウェリアンズの心意気に非常に近い感じがしますね。リギンス自身の新作は来年早々に出るそうですが、これは大いに期待できそうな予感ですね。先のタイニーデスクにも出演していたフルートのレイナは全編で相当効いています。
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後半にはロイ・ハーグローヴ登場で更にソウルクウェリアンズな空気感に。ジョン・レジェンドとのグローリーコンビもあり、沈鬱な表情からポジティブな心持ちに変わっていったところで、ビラルとのコンビでの魂の祈りで大団円。それもまたコモンを象徴するかのような流れ。アルバムトータルでしっかり練られていて、後味がまた素晴らしい。閉塞感が漂う今の日本にもしっくり来る(来てしまう、残念ながら)アルバム。アメリカの状況はもっとひどいのかもしれないけど、ここで見せるコモンの力強さはまた別格。力づけられます!末永く楽しめるアルバムになりそうです。必聴。
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by zhimuqing | 2016-12-24 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)

前半は完璧ですね

アフター7の新作。
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私が高校生の時にデビューしたアフター7は、ベイビーフェイスの兄弟+LAリードの従兄弟ということで、割とハードコアな歌ものを求めていた当時の私にはなんとなく軟弱なイメージがあり、長いこと私のレーダーの範囲に入っていなかったのです。見直すきっかけとなったのは、ヘイリー兄弟とのユニット、Milestoneでの曲“I Care For You”ですね。



一番かっこいいベイビーフェイスのアンプラグドでのライブがYoutubeで見つからないのが残念ですが、スタジオ版もやっぱりかっちょいいですね。

今聴いてもK-Ciに痺れますが、ここでのエドモンズ兄弟の歌も相当なもの。ジョジョに続いて歌うのがケヴォン、その後がメルヴィンですね。当時のヘイリー兄弟と並んで負けない喉!ちなみにこのマイルストーン、実はグループとしてきちんと活動する予定だったのに、所属レーベル間でのいざこざでポシャってしまったのは返す返すも残念。声質のバランスが最高、全盛期のテンプスに並べた可能性もあったというのは褒め過ぎ?

カッコいいので、スタジオライブも貼っときましょう!



この頃はまだジョジョがしっかり歌っていますね!

でもって、アフター7に注目するようになったもう一つが、メイズのトリビュート盤でのケヴォン・エドモンズのソロ、"Never Let You Down"。



ほとんどの曲が名カバーだったアルバムの中でもケムと並んでマーヴェラスな出来だったこの曲、本家よりも良い出来かも。

そんあこんなで、私の中での待望の新作。エドモンズ兄弟2人+キース・ミッシェルのオリジナルメンバー3人にメルヴィン・エドモンズの息子のジェイスンが加わり4人組になっております。ま、コーラスグループとしては分厚いほうがいいので、これは良い傾向ですね。そうそう、キース・ミッシェルは昔LAリードの従兄弟という触れ込みだったんですけど、これは嘘だったということで、私は30年近く騙されておりました、はい。
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で肝心の中身ですが、オーソドックスな童顔印の美メロと美しい節回しが多くて、前半は文句なしですね。生音重視なのもいいところ。これこそが世界中のファンがエドモンズ兄弟に求めているものでしょう。冒頭の2曲や4曲目のドラムが気持ちよいミディアムものはとてもいいっす!

ただベイビーフェイス(とダリル・シモンズ)の曲作りにムラがあるのと、若作りした音作りでちょっと後半に少しだれるのがもったいない。アップものはもう一つなのは、初期を除くと童顔氏の弱点なので仕方ないかな。今風な音作りに軽い声質が全面に出てしまい、普通なポップスになってしまっていて勿体ない。昔のデバージの失敗を思い出しますね。私としては6曲目とか8曲目を取り除いて、冒頭の“Runnin’ Out”のように、もっともっと美メロ全開で磨き上げた曲を集めてもらったほうが好みというか実用的というか、ありがたかったかな。

とはいえ、主役の歌は流石の貫録。絶妙な節回しは健在だし、特にケヴォンの声の若々しさは凄いですね。50歳なのに少年の声にしか聞こえない。まだまだいけるぞ、次作にも期待しています!
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このインタビュー写真を見ると、年相応というか、もっと老けてるかも。なんというギャップでしょう。
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by zhimuqing | 2016-12-22 19:28 | Funkentelechy | Comments(0)

プリンスに聴かせたかった

今年は本当に音楽の当たり年で名作が連発した年。毎年、クリスマス商戦に向けてアルバムが多く発表されるのですが、今年も例年の通り。というか、充実した一年を象徴するかのように名作が連発で、嬉しい悲鳴ですね。

ということで、これは今年の名作群の中でも屈指の一枚。
Solange “A Seat at the Table”
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デビューした時は姉と比べて圧倒的に非力なアイドル路線の人だと思っていた私の見る目がなかったようですね。思い切って路線転換したセカンドを出した時にも結構びっくりしたのですが、ソランジュ、ついにこのサードで化けました。自由自在な音、滑らかに聴かせる声、才人を次々と首位に引き付ける力、ビヨンセほどお金持ちというかセレブになることは今後も多分ないでしょうが、長い目で見ると音楽性では姉のずっと上を行きそうな気がします。
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周囲に才人を呼び寄せるという意味では、このアルバムでは何といっても、ラファエル・サディーク‼に尽きますね。名作、というか化ける作品の陰にこの人あり!一時期のワーカホリックな感じがなく、少しペースダウンした感もあったサディークですが、こんな隠し玉を制作していたとは。全曲に絡んでいますが、いつものように縦横無尽の活躍ぶり。サディーク印のアルバムとしてはここ10年で最高峰だと思います。
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しかも最近こだわっていたレトロ・ソウル(でも実は新しい)路線ではなく、今のトレンドを踏まえての未来に向けたアフロ・フューチャリズムというか、未来のスピリチュアルなソウル路線での勝負!なのに、突き抜け過ぎずにポップな味わいも過去のブラックミュージックの精髄もしっかりと残すという。天才ラファエル・サディークの帰還ですね。もちろん、あの何気ないのにもの凄いサディークしか弾けないベースもたっぷり。たまりません。

主役の実力を引き出すのがサディークの音作りですが、それを差し引いても主役ソランジュの良さがあってこそ。やはり頭一つ、いや二つも三つも突き抜けた感があります。大声でシャウトすればソウルフルになるわけでないという事をここで見事に実証。丁寧、というより、誠実とかひたむきとか、そういう響きに満ち満ちた歌。もちろんそれだけでなくキュートな場面も艶めかしい場面もあるわけで、端的にいうと美しいということです。
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QティップとかAndré3000とかリル・ウェインとかThe DreamとかBJとか豪華なゲストの参加も目を引きますが、ソランジュの滑らかな声にふわふわとくるまれて、アルバムの流れを崩すこともなく、そこにその声がある必然性を感じさせるもの。そう、アルバムの流れが実の良い。インタールードを含め、個々の曲は文句なしの出来なのは言うまでもなく、アルバム一枚を聴きとおした後の充足感は格別なものがあります。全盛期に差し掛かろうとしている一つの才能に充たされる心地よさ、ですね。聴けば聴くほど味わいが深くなる大傑作。来年、このアルバムに匹敵するアルバムを聴くことが出来ればいいのですが、さすがに難しいのではないか、と思うのですね。個人的にはプリンスに聴かせてあげたかったな。ですよね?うう。
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モネイと仲良しなのはとても嬉しい!
で、エスペランサとトリオでグループ結成みたいなミラクルが起きてくれないかな?

ウィギンズ家に期待する件
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by zhimuqing | 2016-12-20 23:28 | Funkentelechy | Comments(0)

Be Helpful, Do Not Be A Detriment

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ということで、一部で話題のChildish Gambinoの新作。

私の周りでは何といっても畏友プリマク氏のアンテナが一番早く、これはなかなか良い、盛り上がって寝られない等の名言でプッシュしていたのですが、その直後クエストラブ絶賛との噂も流れたこのアルバム、私も2曲ほど視聴したところで、これは視聴ではダメだ、きちんと聴かなくては、と思っていたもの。早々にネットで入手したプリマク氏には、バンドの練習の時にスタジオでかけないでくれと懇願しつつ、都内のレコ屋を巡るも、発売は来年1月です(T店)とか、早くて年末でしょうか?(D店)とか、入荷の予定はないですねぇ(D店のソウル特化店)等というリアクション。あれ?そんなに盛り上がっていない?という懸念をよそに、某所に入荷したという情報を小耳に挟み、直ちに直行して入手した次第。

事前にプリマク氏から聞いていた情報はこんな感じ。

Pファンクへの愛が溢れるアルバム。ファズギターを垂れ流しにしただけでファンカデリック直系扱いされがちなその他のアルバムとはPファンクの解釈の度合が異なる、ジェローム・ブレイリーみたいなドラムまで再現している、これを聴くとPファンクが聴きたくなる、さすがに本家の全盛期には及ばないけど、とても良い。

ほぼほぼその通り。これに付け加える情報はありませんね。さすがというべき感想です。

ドナルド・グローヴァーがチャイリッディシュ・ガンビーノという芸名で活動していたのは知っていましたが、ここまでのファンカティアーだとは思いもよりませんでしたね。ま、この芸名は誰もが一度は楽しんだことがある(ですよね?)、あのウータン風に名前を変換してくれるWu-Tang Name Generatorで決めた人なんで、当然と言えば当然なんでしょうが。それにしてもスターウォーズに出る人がこのファンク・アルバム、最高の組み合わせです。
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あまりに焼き直しというかカバーというか替え歌のような曲もありますが、ここでグローヴァ―が狙っているのは、全宇宙に漂っているアフロフューチャーリズムのエーテルをクリントンのフィルターを通して凝縮することなので、全く問題ないでしょう。アルバムを聴いていて、こんなに何回も笑ったのも珍しい。畳みかけるような前半に比べると、後半はやや密度が薄い気もしますが、そこは今後に期待することろでしょう。

やはり感心したのは、“Boogieman”でのブレイリーなドラムの再現ですね。多分本人も出来ないかと思われる(失礼)ドラミングをプログラミングで再現。ペタペタした感じのテクスチャーまでしっかり再現されていてカッコいい。あと、爆裂しすぎない良い塩梅のギターに私はシャイダーを思い出しました。コーラスの使い方もなかなかだし、メロウに攻めるあまりリック・ジェイムズになっちゃいそうなグローヴァ―が微笑ましいというか可愛らしい。バックのバンドも多分凄腕なのだろうけど、あえて弾きすぎないところが好感度大。

この人はどちらかというと学究肌というか、天然系ではないと思うのだけど、次作も同じ路線を突き進んでほしいものです。出来れば現存する数少ないファンカティアーとの共闘もね。色々名前が挙げられそうですが、この人に一番合うのは多分アンドレ3000だと思うけどどうでしょう。次点では、シーローかビラル。うーん、今後を想像するだけで盛り上がってきますね。若きハン・ソロを描いた映画とどちらが早く世に産み出されるか分かりませんが、本当に楽しみです、はい。

プリマクさんも言っていたが、このアルバムの最大の問題点はPファンクが聴きたくなるところ。私も案の定、パーラメントやファンカ、ブーツィ―と引っ張り出す羽目に。まったく困ったものです。

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こちらはETSYで発見したRainbowPieClothingの商品。先日めでたく赤ちゃんが生まれたモヤーン氏というか、赤ちゃんへのプレゼントとして7,8回メールのやり取りを行った上で購入。もともとファンク3賢人のロンパースは商品ではなかったのですが、メールのやり取りで作ってもらいました。これまた最高だ!(他の友人諸氏から、うちは貰っていないと怒られそうだな。先に謝っておきましょう)
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by zhimuqing | 2016-12-14 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)

He’s alright now, see his wings

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ATCQの新作を聴き続けているわけですね。

結論から言うと、やっぱりQティップの声だけで、ご飯が何杯もお代わりできる体質になってしまった自分がいるわけで、1曲目の“The Space Program”で既に満足している自分がいますね。ファイフも思う存分、フューチャーされていて、しかもジャロビも元気に復活、ファイフ追悼(涙)の意味でも、良いアルバムだと思います。選び抜いたと言ってよい豪華なゲスト陣、ざっくりと作ったようで実は練り込まれている音。
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ただね、ファイフが亡くなり、ATCQ最後のアルバムなのに、アリが参加していないってどういうことなの?ということなんですね。1stだけに参加していたジャロビの名前をその後のアルバムでもシャウトアウトしていたATCQだからこそ、ここはきっちりと筋を通してアリ・シャヒードも参加したアルバムを発表してほしかったのだ。随分と縁が深かったコンシークエンス(というか、正式メンバーになっていたような気も)やバスタは良いとしても、その他のゲストを控えてでも、アリの参加が欲しかったかな。(生前ファイフが残した録音が少なかったのかもしれないけど、それでもなお、ね。)

とはいえ、屈指の名作には違いない。

ファイフ追悼アルバムとしてはほぼ完璧でしょう。ファイフとQティップの合体技が随所に入っていて、ファイフは俺の共鳴板とのQティップの言葉を思い出して、私なんかはこれまた燃える(かつ泣ける)のですが、もしかすると、ファイフのヴァースは結構ティップがいじっているというか再構築しているように思えるのですが、どうでしょう?ティップによるファイフの精霊の愛ある召喚かもしれない。
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ジャロビが思いのほか活躍していて、しかもティップやファイフとの声のバランスが良い。ファーストのみしか参加していなかったので、もう一つ印象が薄かったが、こんなにカッコよかった印象がないのは私の聴きこみ不足なのか?このバランスだったら、他のアルバムにも参加してほしかったな。

音作りは過去のATCQやティップのソロに当然ながら直結した音。ティップがベースやドラムをほぼ全編手がけていて、やはりトラックが作れて、ライムも達人という両方完璧なアーティストとしては、ずば抜けているところを披露。ちなみに、ベースが素晴らしい曲が何曲かあり、クレジットを見るとLoius Catoとあり、すわ!マルカム・カットーの兄弟かと思って調べてみたのですが、全く赤の他人だった模様。こちらのルイス・ケイトーはフージョン系で有名なスペイン人のマルチ・ミュージシャン。ですが、ツボを突きまくるベースに私は大興奮ですね。その他で目を引くのは、グラスパーで有名なケイシー・ベンジャミンやマーク・コレンバーグ、あとは何と日本人のBigyukiさんでしょうか。あと、アンドレと一緒にスタジオに入っているらしいジャック・ホワイトのギターはなかなか面白い、というか、ここで次のトラックに間髪繋げるティップが凄い。
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ゲストの選択は私の好みを突きまくった人選。アンドレ3000、タリブ・クウェリ、アンダーソン・パック、ケンドリック・ラマー、それにバスタ。私の妄想を全開にしたようなメンツ。(これにコモンとヤシーン・ベイを入れたいところです)ティップと並んで音と口の両方とも完璧超人なアンドレとティップは久しぶりですね。ゆるゆるによたよたになっていいバランス。アンダーソン・パック、私はこの人のラップが好きなんですが、その理由はこのアルバムで今更ながら理解できました。ラマーはやはり一発で世界が作れる人ですな。

というわけで、アリ不参加はどうしても気になるにしても、ティップ渾身のファイフ追悼作、やっぱりいいですよね。Gotta get it together foreverってファイフとティップのダブルで語られると、Tip and Phife in townってコーラスで歌われると、やっぱりたまりません。ああ、ファイフ。わたしはやっぱりATCQ、大好きなのですね。寂しいですね。
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“Lost Somebody”
Have you ever loved somebody?
Way before you got to dream?
No more crying, he’s in sunshine
He’s alright now, see his wings
Have you ever loved somebody?
Way before you got to dream?
No more crying, he’s in sunshine
He’s alright now, see his wings
Have you ever loved somebody?
Way before you got to dream?
No more crying, he’s in sunshine
He’s alright now, see his wings
Have you ever loved somebody?
Way before you got to dream?
No more crying, he’s in sunshine
He’s alright now, see his wings
Have you ever loved somebody?
Way before you got to dream?
No more cry

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by zhimuqing | 2016-12-09 18:17 | Funkentelechy | Comments(0)

臥薪嘗胆?一念通天?

JBの“Live at the Garden”のデラックス版を遂に入手!
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09年にHip-O Selectから発売されたもの。当然気にはなっていたものの、当時のHip-Oからは今から考えても鬼のようなリリース攻勢を見せている時期でモータウンやJBの年別シングル全集攻撃、更にはデイヴィッド・ラフィンやエディ・ケンの再発まで重なり、私なんかは捌くのに精いっぱい。ここまで手が回らないうちに、気が付くと入手困難に。そこが限定盤の難しいところで、案の定アマゾンでは恐ろしい値段になっておりますね。

が、流石にその価格で買おうとは思わないので、虎視眈々、雌伏雄飛、臥薪嘗胆、一念通天、坐薪懸胆、心堅石穿、手ごろな価格で入手できるチャンスを狙っていたのですが、ようやくこのほど入手出来ました。粘ってみるものです。

元は67年発売、ファンク突入したJB初のライブ盤なのですが、翌年のアポロpart2があまりにも有名なもので、あまり顧みられることがなかったアルバム。しかも歓声なんかがオーバーダブされているということで、何となく更に評価が低くなっている感もあったのですが、いやいやどうしてJB屈指のライブ盤かと。
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それにしてもよくこんなチラシが残っていたものだ。

録音が67年1月14日なので、シングルで言うとちょうど"Bring It Up"の発売のタイミング、脂が乗りきった時期のJB、悪いはずがありません。フェイマス・フレイムスは離脱の直前、バンマスはピーウィー、バンドメンバーにはジャボ&クライド、バーナード・オドム(オーダム)、ジミー・ノーランとアルフォンゾ・ケラム、ピンクニー翁(この時はまだ若いけど)といったメンツ。メイシオは兵役で抜けているタイミングなのが残念ですが、ほぼ完ぺきな布陣。

このデラックス版はリマスターに加え、元の録音、土曜日14日の2分だけでなく翌日15日のショーの録音を交えて、当日のJBのショーが楽しめるよう再構築されています。個人的には全4セットがまるっと聴いてみたいのですが、使える音質のものが少なかったようで、ま、そこは仕方がありません。元のアルバムのリマスター(一枚目の方)は音がやや鮮明になって迫力が増したかな。それに対してライブの再構築版(2枚目)のほうはくっきりした音ではあるものの、音質は少し細め。でも楽器のフレーズはよく分かります。そんな細かいことは気にしてちまちま聴く音楽ではないのですが。
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普通ライブ盤になると演奏がホットになるあまりオリジナルの良さが無くなってしまうことも多いのですが、灼熱に燃えてはいるけどバンド全体がしっかりとドライブしていて、カッコいいとしか言えません。親分を盛り上げるためにバンドが一丸となって突き進むこの熱量は当然ながら他と比較するのが難しいです。あえて言うとサム・クックのハーレムでのライブかな。アリサのフィルモアは同じくらい素晴らしいものですが、どちらかというとバンドメンバーのアリサへの愛情が前面に押し出されていて似て異なるものだし。あとは思い浮かぶのはフェラ・クティぐらい。でも、70年代後半のこれだというライブ盤はなかったような気が。

目玉は何といっても“Papa’s Got A Brand New Bag”でしょう。演奏が長すぎてLPからカットされたとライナーにありますが、他のライブ盤でも一瞬しか演奏されたものしか残されていないので、これは本当に貴重な音源。しかもスタジオ版に比べると、100倍ラフでタフ。JBの喉も絶好調、おそらくダンスも絶好調だったことでしょう。会場のラテン・カジノ(シンシナティのガーデンではなかったそう)のマイクのセッティングが悪かったため、音が歪んだりもしますが、それも味のうち。

バラードがまた素晴らしい。フェイマス・フレイムスがまだいるので、ゴスペル臭の強いコーラスが楽しめるし、なによりもJBの泣きっぷりが凄い。演奏も以降のバンドよりもしっくりとはまっています。考えてみるとオリジナルを録音したメンツが大半を占めているので当たり前と言えば当たり前なのですけどね。
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さらには大傑作"Let Yourself Go"のスタジオ録音のアウトテイクまで。なんでもこの曲、このラテンカジノでのショーの後、会場で急遽録音したものだそうで、失敗した音まで入っていて、その場にいる感じになれて盛り上がります。

ということで、名盤とされるライブ・アット・ジ・アポロpart2と比べても、全く遜色ないこのアルバム。もう少し容易に聴けるようにしておくべきだとは思います。奇しくもJBのライブ・アルバムがまとめて何度目かの再発されたタイミングですが、こういう隠れたアルバムもしっかりとカタログに残しておくべきではないかと。それが人類の義務なのではなかろうか、と。

それはそうと、Hip-O Select、なんと閉鎖されたのですね。最近全くHip-Oからの再発がないと思っていたのですが。うーむ。
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モータウンのシングル集と並ぶ、あまりにも偉大すぎるこの偉業!
感謝の気持ちしかありません。
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by zhimuqing | 2016-12-08 21:00 | Funkentelechy | Comments(0)

超遅ればせながら

そうとう遅ればせながらスタートレック・ビヨンド。
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映画観に行かないと思いつつ、腰の重さを発揮していると、
気が付くと全国で上映しているのが2館のみ。
青森と兵庫のみ。
一瞬諦めかけましたが、よく見ると尼崎!
大阪市の隣ではないですか!
仕事で毎週のように大阪に来るのは猛烈に面倒ですが、
これは本当に助かりました。
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で、さっそく尼崎まで足を延ばしてみたのですが、
夜の最終上映はなんと重低音ウーハー上映だということで、
これは大いに得した気分ですね。
私の横の窓口で入場券買おうとした年配の男性は
「この回は音がものすごく大きいのですが大丈夫ですか?」と
忠告されていましたからね。
ちなみにその先輩?は「だから来たんだ!」と答えていましたが。
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さて、結論から言いますと、大正解でした。
リブートの第1作、相手役がカンバーバッジ先生の2作目、
しかも両方ともまさかのレナード・ニモイ登場という
まぎれもない「売り」があったのに対し、
今回は特に地味な印象で、私の周囲からも盟友1名以外からは
特にリアクションも無し。
どうかな?と思っていたのですがね。
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前2作に比べトレッキー魂をくすぐる仕掛けは少ないものの、
ドラマ版に比べるとものすごーく分かりやすくなってはいるものの、
スタートレックというかロッデンベリーが描きたかった理想が
描かれているような気がしますね。
トレッキー向けではなく、万人受けをする映画を作る方針のために、
多分一番犠牲にされたと思う部分だったので、
相当に濃度が薄められているものの、これは嬉しいポイントです。
(その思想をウーフラに主に表現させていたのも個人的に嬉しいかな)

あと、個人的に気に入った部分としては、

・小型宇宙船の大群、あれは私にとって新鮮!
 そしてのっけから大ピンチのエンタープライズ
 
・クルーみんなが活躍する場を設けるのも旧シリーズというか、
ニモイが監督した映画3,4作目を思い出させて嬉しいかな。
(エイブラムズっぽい演出だとも思うけど)

・カーク、スポック、マッコイの三馬鹿トリオ、というか
 スポックとマッコイのコンビのシーンが多いのも嬉しい!
 これがなくちゃ、TOSのリブートにはなりませんからね。

・全く予期していなかったPEの“Fight The Power”に盛り上がり、
ビースティーズの“Sabotage”に笑いました。
あれはマーズアタックへのオマージュ?
 賛否両論あるかもしれないけど、マーズアタック好きな私には
あれはアリです。

・ソフィア・ブテラ演じるジェイラーがカッコいい。
 スターウォーズのレイのようではありますが、それでもいい!

・ウーハーの効きまくった音はなかなかの圧巻でした。
 特にワープに入るときの音なんかは相当なもの。
 これは想定外だったので、本当にラッキーでしたね。


もっと背景を掘り下げてほしいとか、CGは合成感が強すぎるとか
その辺の注文はあるっちゃありますが、でもね、いいんです。
ラストのスポックが写真を見るシーン、
レナード・ニモイに捧ぐ、と続いて、その後にアントン・イェルチンに、と来たら、
もう無条件降伏するしかないじゃないですか。
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出来ることならもう一度大スクリーンで観たいので、
どこかで再放映してくれないかな?小さな映画館でもいいんで。
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by zhimuqing | 2016-12-07 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)

280%増しになるぞ

この11月末から12月頭というのは直前まで気づかなかったのですが、
結構なイベントが目白押しで、この間出張した私は失敗した!という感じですね。
特に残念だったのは、ジョージ・クリントンのディスクユニオン登場と
高村薫のサイン会でしょうか。

音楽のリリースも毎年のことですが、この時期リリースが活発になるのですが、
今年もいろいろ出ていて、出張から帰ると、いろいろ忙しい感じではあります。
で、一発目はこちら。

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坂本慎太郎のシングル「Disco IS(ディスコって)」。
前作の「ロボット」もそうでしたが、シングルで荒業をぶちかます坂本慎太郎、
なんとあのシュンスケ・オノをフックアップ、
トークボックスでカバーさせるという荒業です。



シュンスケ・オノといえば、その昔MM誌の千里眼、国分さんが発見?して
スライのカバーアルバムがクエストラブなんかにも絶賛されていた人ですが、
ここで投入するか?というか、ここで投入するしかない!という両者の邂逅。
絶妙すぎますね。
この組み合わせは今後もさらに深めていただきたいところです。

がしかし、これについてはおまけの話がありまして、
私は当然ドーナツ盤で入手していたのですが、
なんと33回転でターンテーブルに乗っけて聴いてしまったのですね。

知らず知らず回転数を落として聴くこの曲のあまりのドープさに
私はぶっ飛んでしまったわけですね。
もうこれは大事件だ!もの凄いのが出てしまった!と
一人で大コーフンして、何度もターンテーブルでかけては燃えるという、
自家発電的な何かを繰り返していたのですが、
10数回聴いて、そうだ、パソコンにも落としておこう!と思って
ターンテーブルのケーブルをいじっている時に気が付きました。
これ45回転じゃないって。

ということで、多分また世界でもあまり気が付かれていないかと思いますが、
この曲、是非とも33回転で一度聞いてみることをお勧めします。
ドープネスが280%ぐらいあがりますんで。
というか、45回転に戻れません、はい。
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by zhimuqing | 2016-12-05 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)