カテゴリ:Rumba DE Manbo!( 58 )

También adoramos la música

永らく「予告された」アルバムだったクァンティックの声、ニディア・ゴンゴーラの待望のソロ・アルバム。艶や
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かな佇まいと美しい歌で私を存分に魅了したあの嵐の中の来日公演から3年、随分と待たされたものです。結局クァンティックとの双頭名義となっており、ニディア・ゴンゴーラの完全なソロ名義のほうが嬉しかったのにとも思ったのですが、よく考えてみるとクァンティックの名前がはっきりと入っている方が売り上げもずっと良いだろうし、これはウィル・ホランドの配慮なのでしょうね。
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アルバム発売と同時に3月に唐突に発表された”Que Me Duele”はリズムが打ち込みメインで、ここ最近のクァンティックのその手の音にしっくり来ていない私はどうかな?と心配していたのですが、これは完全に杞憂でした。Ondatropicaの2枚目もそうですが、クァンティック、6,7年前の勢いが戻ってきた感じがあります。
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ひたすら心地よい音はミニマルなダンスミュージックへ接近しているようで、ニディアの声も素材的に使われているように聞こえますが、アルバムを通して何度も聴いているうちに違った味わいが染み出てくることに気づかされます。端的にいうと、ニディアの声に豊富に含まれるアフロ成分の抽出、ですね。ヴードゥー(コロンビア東岸ですので、カンドンブレとサンテリアが半々か)のマンボ(祭司、男性の場合はウンガンですね)として、精霊を自在に呼び寄せるニディアの声の魅力に焦点を当てたものように感じています。
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ニディアの歌は分かりやすく超絶技巧を凝らしたものではありませんが、曲の展開に合わせて旨味成分の濃度をめまぐるしく変化させることが出来るのが最大の強み。もちろんある程度意識的に歌い方を変えているとは思うのですが、意識せずに細胞が勝手に反応してしまう体質であると信じたいところです。あの嵐の中の来日公演なんかは特にその体質が表出したものだったと思うのですね。ステージに現れるだけで色彩が増えて、ぎゅっと空気の密度が濃縮してしまう感じ。で、
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ニディアのソロ・アルバムを作ろうとする時に、普段からその体質を目の当たりにしているであろうウィル・ホランドがオリシャを呼び出すマンボ体質を前面に押し出したくなるのは当然かなと。ただそこにクァンティック流の優美なアフロカリビアンな生バンドではなく、もう少しポップ寄りに寄せた音、しかも声を活かしきるためにクァンティックの周囲の達人をさりげなく配置させたところが挑戦でもあり、流石の目配りでもあり、このアルバムの成功の要因でもあると思います。
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特に効いているのはオンダトロピカにも登場しているエステバン・コペートのマリンバと来日公演にも同行していたSylvester Onyejiakaのフルート。特にアフロ成分をまき散らすコペートのマリンバはニディアの声との相性が抜群でタフな哀感をどんどん引き出していて、この人が参加した5曲はやっぱりアルバムの肝かなと。プリンスの最後のアルバムにも参加していたSly5thAveことシルベスター・オニーエイジアカ(読み方が正しいのかどうかは未だに分からないのだ)のフルートも幽玄かつファンキーで、私がファンキーなフルート好きであることを差し引いてもカッコいいことこの上なし。パーカッションの常連、フレディー・コロラドもいますね。あとはホランド印がしっかりと刻み込まれたギターの刻みの良さは言うまでもありません。
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実はアルバムの最大の肝は4曲入っているフィールドレコーディングらしきトラディッション。ニディア・ゴンゴーラの出自というか、根っこがどこに繋がっているかをこれ以上ない形で証明しています。通すべき筋を通したと言っても良い。個人的な希望ではフィジカルでなくてよいので、全曲このスタイルで録音したものを出してほしいぐらい。

ということで、本年屈指のアルバムであることは確定したこの≪Curao≫、ニディア・ゴンゴーラ本人にその旨伝えたところ、本人からいただいたお返事は“Muchas gracias , espero les guste mucho y lo disfrute”。ええ全曲好きですし、ええ楽しんでおりますとも!
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by zhimuqing | 2017-05-27 23:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)

DJ BETO!!!

音楽評論家/DJの大石初さんはとても信頼できるセンスを持っていて、クァンティックのライナー等を書いている他、日本の音頭や祭りについてもかなり面白い本を出している人。その大石さんが所属するDJ集団、Tokyo Sabrosoの活動も当然最高に面白いのですが、昨日ネットに出ていた情報を見て驚きましたよ。Soundwayから素晴らしいラテンのコンピを山ほど出しているDJ BETOを6月に呼んでしまうみたい。
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もうね、このSoundwayから6枚も出ている編集盤はコロンビアやパナマの隠れたクンビアやサルサ、ファンクなんかをこれでもか!というぐらいてんこ盛りにしているウルトラお買い得盤で、それこそ一昨日も車の中で聴いていたほどの愛聴盤。

やはり個人的に衝撃だったのは、PANAMA!でしょう。これとクァンティックのTradition in transitionが私のとっての決定打でしたね。それまでも結構聴いていたラテンがソウルやファンクと繋がったというか、カリブ海を中心とするアフロな音楽が自分の中ではっきりと等高線で結ばれたと言いますか。
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はっきり言って、PANAMA!シリーズの3枚は必携です!

編集盤に入っている名曲群はその時の自分の気分、モード次第で聞こえ方が変わる(=お勧め曲が変わる)ので、一曲一曲を挙げていくのはやめておきますが、何度聴いても想像力がかき立てられる上、収録曲も多い実にお買い得盤であることも特筆すべきことですね。正直言うと、かっこいい曲が多いので、あまり人に教えたくない気持ちも。

なんといっても、クァンティックをコロンビアに導いた男ですからね。6月16日からの日本ツアーは本当に楽しみですね。私は18日の東京で行く予定!うっ!
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by zhimuqing | 2017-04-25 07:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)

慌ててゲットする!

日曜の午前中に帰国して、深夜便であまり眠れなかったので一寝入りして、昼過ぎに起きてご飯を食べて次にやることはと言えば、レコード屋へゴー!なのですね。何をそんなに大慌てしているかと言えば、言わずもがな、です。出張中に発売されていたOndatrópicaの新作をゲットしなくては落ち着いていられないてなもんです。

あまり人には言っていなかったのですが、クァンティックことウィル・ホランドの全盛期は2011~12年だったのかな?と正直思っていたのですね。≪Magnetica≫も≪1000 Watts≫も≪ウエスタン・トランシエント≫、どのアルバムもアヴェレージを軽く超えていたし、14年の嵐の中での壮絶にて楽しすぎるライブも最高だったし、その優れたミュージシャンシップと審美眼には1000ワットの信頼を置いていることに変わりはない訳ですが、コロンビアのレジェンドから少し距離を置いて(いるように見えたのだ)、個人作業をメインにしたこの1,2年の音からは11~12年頃の音に感じられた優雅なファンクネスやしぶとさが薄れているような気がしていたのですね。
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ジャケもそんなに好みではなかったし。

そんな中で昨年の秋冬に発売予定だったのに延期され、突然先週発売されたOndatrópicaの2作目、今後を占ううえでかなりドキドキものだったわけですが、さすがはウィル・ホランド、私の完全な杞憂だったようです。17年度ベスト10は確実、どころか、3月21日時点では文句なしの№1かと。

参加しているメンツは実は前作とは結構違っていて、半分以上の人が入れ替わっていますね。ウィルソン・ヴィヴェロス、ニディア・ゴンゴーラ、フレディ・コロラドのいつも3人に、ミチ・サルミエントやペドロ・オヘーダ等は変わらないものの、アルフレッド・リナレスやフルコ、フェルナンド・シルヴァの名前は見当たりませんね。ということで、ブエナヴィスタのコロンビア版と言われた前作とは少し毛色が違うと言ったほうがいいかもしれませんね。
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B+によるインナーの写真は相変わらず超絶いい感じ!

とにもかくにもオープニングからの4連発(=A面)がかっこよすぎます。もう、クァンティックに私が求めてやまない音。優雅でいてタフ、柔らかいのに筋肉質。コロンビアのレジェンドと活きの良い若手を集めてコロンビアの粋を突き詰めた前作に比べると、バリエーションはより広め。より汎アフリカ的というかアフロビートやレゲエのこれまた粋の部分をこっそりとコロンビアの音の中に融かしこんでいるのは、キュレーターとして圧倒的に優れているウィル・ホランドならでは、の技ですね。

それにしても冒頭4曲の流れ、ごった煮具合は完璧。ラテン、ファンク、アフロビートなドラム、フォルクローレ云々。アフロビートな“Hummingbird”の直後に始まる“De Mar A Mar”でのニディア・ゴンゴーラの歌の素晴らしいこと。(作曲もニディア!)そうそう、前作と違いドラムセットを使っている曲が多いのだけど、私が敬愛するウィルスン・ヴィヴェロス師のドラムがまずは最高です。完全にクァンティックになくてはならないミュージシャンですよね (音的にもキャラ的にも) 。
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アルバムのレコーディングはコロンビアのプロビデンシア島とボゴタで行われたとのこと。クレジットを眺めていると、どうやらボゴタでDIY的な録音を済ませたのち、ベテラン勢を中心に島でのセッションに出かけた模様。それは今の都市部の音楽と古き良き伝統が残る汎アフリカな音楽両方を視野に収めた作戦なのだと思いますが、正直言うと圧倒的に良いのはプロビデンシア・セッションのほう。ま、私が求めている音の志向からいうと、当然そうなりますよね。

ドラムはヴィヴェロスとペドロ・オヘーダが半々ぐらい?ハードは手数が多めの曲はオヘーダの出番ですが、さすがにかっこいいっす。ベースは共同制作者のマリオ・ガレアーノがほぼすべて担当していますが、前作よりももっとイケイケ度合いが強く、好みが分かれるかもしれませんね。私としては、フェルナンド・シルヴァのベースも聴きたかったかも。クァンティックの声ともいえるニディア・ゴンゴーラのリードは1曲のみで、少なすぎる!と一瞬思ったのですが、冷静に考えるとクァンティックと作ったソロアルバムが再来月発売なので、出番が少ないのは仕方ありませんな。随所に入るスライドギターもかっちょいいです。

初めに聴いた時は、中盤以降出てくるハードなクラブノリの曲がもう一つ流れを削いでいる感じを受けていたのですが、何回も聴き続けている間に少し慣れてきたかな。でも良し悪しは別としても、“Estar Contigo”や“Come Back Again”、 “Trustin´”、“Bogota”の4曲は他のアルバムにまとめたほうが良かったような。がしかし、そこで聴けるウィル・ホランドのまろやかなリズムギターは最高だったりするのでタチ?が悪い。
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ということで、現時点では今年度の最高傑作のアルバム。年間通してもトップ3は堅いでしょう。ウィル・ホランド、まだまだいけますね!余力残しています。まだ入手していない人は一日でも早く買ったほうが良い。ですが、クァンティックの良さはライブにあることを知ってしまった私としては、まだまだ足りません。5月にニディアのアルバムが出てもおそらくまだ足りません。毎度毎度で申し訳ないですが、オンダトロピカでの来日、これを何とかして実現してほしいのですよね。
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by zhimuqing | 2017-03-22 08:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)

予告されたアルバム

随分前から予告されていたニディア・ゴンゴーラをメインに据えたクァンティックのアルバムが満を持して5月に発売!
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あの台風の中での最高のライブで我々を魅了したニディア・ゴンゴーラの実質ソロ、楽しみすぎます。アルバム通してあの声が聴けるとなれば、それだけでも十分ではありますが、可能であれば最近のクァンティックの音ではなく、ちょい前の優雅できらびやかなボゴタの香り満載で仕上げてきてくれたら、嬉しいのですが。でも、シングルは最近の音っぽいかな。



リミテッド・エディションというのがあるらしく、先走って英Tru Thoughtsに注文しそうになりましたが、英ポンドおよび送料が高く5000円になってしまうので、ぐっとこらえました、はい。でも発売より1週間前に発送してくれるんですよね。ウーン、ガマンガマン。
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by zhimuqing | 2017-03-09 00:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)

もう一回だけでいいので来日を!

最近は怒涛の勢いで7インチが再発されているのですが、
流石にこれを追いかけていては、お金がいくらあっても足りないので、
見て見ないふりをしているのですが、これが出ちゃうと仕方ない。
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Mighty Sparrow “Under My Skin / You Don’t Love Me”
マイティ・スパロウの65年の大傑作ですね。
オリジナルのシングルは軽く1000ドルを超えるもの。

A面はもちろんコール・ポーターの大名曲。
一番有名なのはもちろんシナトラですね。
シナトラと某有名ロックバンドのヴォーカルがデュエットしたのを
昔聴いて、そのベタッとした仕上がりに後ずさりしたものですが、
ここでのスパロウ大王の豪放な歌いっぷりこそが
この曲の本来の姿ではなかろうか?と思うわけです。



邦題「僕は君に首ったけ」という曲なだけに
いつもよりもジェントルと言えばジェントルですが、
随所に迎えきれない勢いに満ち溢れていて、
ここで歌う「首ったけ」というのは首相撲のことなのか?と
思わされたりする、その縦横無尽な勢いこそが美しい。
先日亡くなったバスター兄貴もそうですが、
粋と言うか鯔背というか男の生命力を感じさせますね。
かっこいいです。

ちなみにB面の“You Don’t Love Me”も問答無用のスパロウ印。
強がって見せたり、弱気になってみたり、というスパロウの技?が
さえまくる名作でこれも甲乙つけがたい、というか、
スパロウ印はこちらのほうが更に強力かも。
それにしてもスパロウにはこのレベルの名曲がゴロゴロしているようで、
これはもしかするとプエンテ山脈よりも森が深いのではないか?と
思ったりもするのですが、どうでしょう?
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強いスズメというと、チープサイドを想像する私ですが、
80超えてまだまだ元気なスパロウ翁、もう一回来日を!
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by zhimuqing | 2016-09-12 21:14 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)

よっしゃ!

カエターノ、単独公演ゲット!
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なぜか大阪だけで単独公演とのことで、
こういう展開になると大阪での拠点があるのは
本当にありがたい!(いつもは、いやいや大阪に行っているのに、ね)
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それにしても今年はディアンジェロ、マックスウェルにカエターノ。
タイ出張で残念ながら行けない(泣)ジル・スコットも来ますし、
個人的には信じられないほどの来日ラッシュです。
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カエターノは東京ではフェスに出るだけなんですが、
これをどうするか?も問題ですね。
ヨメさんにどうするか聞いてみないと。
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by zhimuqing | 2016-08-26 10:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)

シナプスがつながる

「ニューオリンズはカリブ海の一番北の島」と言ったのは、
ネヴィル家の末弟シリル様ですが、レゲエが完全に確立する前の
ジャメイカの音楽をいろいろ聴き漁っている今日この頃、
まさにこの言葉が実にしっくり来るようになったというわけです。

私が熱心に聴いていたのはジャメイカだとロックステディー以降、
ニューオリンズだとフェスにミーターズ、ドクター・ジョンだったもんで、
ミットゥー聴いて、おぉミーターズやんけ!と感じ入ることはあったのですが、
むしろインプレッションズというかカーティスの影響のほうが
強いように感じていたわけで、距離的な近さは頭で分かっていたものの
直接の関係性、先ほどのシリルの言葉で言うところの
カリブ海としてのニューオリンズという感触が掴めていなかったのですね。

ですが、先日ここで触れたリー・ペリーの最初期の音源集や
プリンス・バスターなんかをじっくりと聴いている耳で
ニューオリンズのもう少し前、ソウル以前のR&Bの時代の音を
改めて聴いてみると、これはもう、誰が聴いても
はっきり繋がっているのが分かるレベル。
繋がりというよりもほぼ地続き、分かりやすく福岡近郊で例えると、
志賀島ぐらいはっきりと繋がっているのが分かるレベルなのですね。
それにしても、世間的には常識なのかもしれませんが、
こういう偉大なる繋がりが感じ取れた時というのは燃えますね!
(萌えるでも当然可、です)
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60年代のキングストンで一番喧嘩が強かったバスター兄貴。
誰もが恐れる有名ギャングを一人で追い回したとか、
アリとスパーリングやってパンチ顔面に食らわせた等の伝説も多数。
大陸にパンチしたら、吹き飛んだ塵によって氷河期になって恐竜が絶滅したとか、
パンチで陥没した場所が後にカリブ海になったとか。

この辺りのニューオリンズの手持ちの音源はあまり多くないのですが、
その昔、Pヴァインから発売されていた「ガンボ・ヤ・ヤvol.2」が
そのものズバリ!という感じで燃えますね。
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昔、入手した時はアラン・トゥーサンものを中心に集めた(=60年代)の
Vol.1 のほうがファンキーでカッコいいなぁ、と思っていたものですが、
当時は聴覚細胞から脳内ファンク細胞に繋がるシナプスが形成されておらず、
シナプス小胞から発射される化学シナプス、ファンカノスチヌウスを
後シナプス細胞の受容体がうまく受け取り損ねていたか、
もしくはシナプス間隙が広すぎたかどちらかなのでしょう。
今日現在は全く甲乙つけがたい感じというか、
きちんと聴きこめていなかったので、vol.2のほうが新鮮ですな。

名編集盤として名高いだけに、ほぼ全編カッチョいいのは当たりまえ。
綺羅星のようなタレントによる名演の連発で悶絶てなもんですが、
特にインペリアル、スペシャリティー関連かな。
特に50年代後半の曲はイイ!実にいい!

デイブ・バーソロミュー絡みの仕事は不勉強にして
全く聴いていなかったのですが、本当に素晴らしい。
荒馬のように跳ね上がるシンバル、バスーンと決まるバスドラ、
ドライブするサックス、豪快だったりセンチだったりする歌。
跳ね回るピアノのカッコよさは言うまでもないですよね。
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バーソロミューといえば、スマイリー・ルイスやファッツ・ドミノとの
4枚組ボックスセットがたしか随分前に発売されていて、
あれは多分今だったら格安で購入できるはず、とか妄想する私。

あと、このVol.2で今この瞬間気に入っているのは、
ヒューイ・スミスとロイ・モントレルかな。
ドクター・ジョンによると、天才作曲家ヒューイ・スミスは
童謡やインディアンのチャントをベースに曲を書いていたそうだが、
“Don’t you just know it” での抜群のフックはどうだ!



男女の混成リードでの展開、子供でも(こそ)歌いたくなるコーラス、
完全にファンクの始祖ですね。スライみたいですね。
これは早速掘り下げていく必要がありそうですね。
昔の記憶でPヴァインから2枚ぐらいCD出てた気がしますが、
まだ入手できるのかしらん?
何となく入手は難しそうですな。
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ドクターの師匠として知られるギタリスト、ロイ・モンテレルは
実に豪放な歌いっぷり、惚れますね。
ドクターが親から買ってもらった安物のギターを見るなりぶっ壊し、
青くなったドクターを尻目に、きちんとしたギターを買ってやれと
親御さんに言ったという逸話も頷けます。



これまた一緒にウーゥオォーと声を出したくなる、そういう曲。
メリハリが付きまくったリズムのカッコよさ、
こういう曲こそ世の中に知られるべき曲かな、ということで、
色々集めたくなるのですが、ライナーを読むとシングルが2枚のみ。
なんとも残念なのですが、逆に考えるとこのレベルの怪人や怪物が
当時のニューオリンズにゴロゴロいたということの証明になる気もして、
色々掘り下げられそうなので楽しそうでもありますね。

その他にもまあ、名曲揃いで、ほぼ弱点無し。
名(編集)盤の誉れ高いのもよく分かります。
アート、アーロン、ドーシー、いい湯加減な歌が目立ちますが、
決してゆるい演奏でないことにも注目したいですね。
ゆるく、でもスリリングに聴かせるこの歌唱力と演奏力、アレンジ、
まったく恐ろしくなりますね。

とまあ、そういうわけでガンボの底なし沼にズブズブと沈み込んでいきそう。
どこから手を付けようかな?シャーリー&リー?ヒューイ・スミス?
スマイリー・ルイス?ジェシー・ヒル?基本のキでファッツ・ドミノ?
うーん、沼地が広すぎて的が絞れないぞ!
とりあえずネヴィルズとドクター・ジョンの自伝読み返しながら、
構想を練ることにしましょう!
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これもデイヴィッド・リッツの仕事。
ドクタージョンの自伝と合わせて読むべし。
そうそう、プリンス・バスターの自伝も読んでみたいなぁ。
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by zhimuqing | 2016-03-15 07:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)

レタスのようにシャキシャキした

モヤーン氏が打ち合わせのために上京。
秘密の儀式!?で7年ぶりにマクンヴァ・アーケストラ復活で
打ち合わせというか、音合わせというか、
まあ、そんな感じでプリマクさんと3人でスタジオへ。
以前よりアフロ成分溢れたドラミングに興奮するも、
私の調子が今一つで、ジャストフィットなフレーズが
宇宙から降りてこず、意外に苦労する羽目に。
ま、そういうのを含めて非常に楽しめたのですね。
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スタジオに行く前にペダルを使った遊びを開発した二人。
精神年齢が近いのかもしれない。肉体年齢の差は言わずが華。

で、練習後、深夜に部屋で眠気をこらえつつ、
色々な音楽を散々聴くのも、学生の時から変わらない流れ。
プエンテ、カマシ・ワシントン、古いカリプソ、パラゴンズ、
カエターノ、リーボウ、JB、マンチャ、カーク、オーガスタス・パブロ。
もう見事なまでのごった煮ですが、これもまたいつもの通り。
こういう話が出来る人は本当に貴重です。

さて、翌日は二人でスタジオで練習しようか?と言っていたが、
水族館に行きたいとのことで、急遽ヨウと3人!で葛西まで。
人は少なくて良かったのですが、ま、あれですな、
子供を間に挟んで3人で手をつないで葛西臨海公園を歩く図は、
ある意味、最先端のカップル的に見えないこともなく、
妻子ある身の私、しかも相手はもうすぐ新郎になるオッサン。
しかもドラム&ベースのコンビということで、
なんだか複雑な関係のようで、おう、これは傍から見ると
結構面白いのではないか?と思ったのですが、
今考えると、別に何にも面白くないのが不思議です。

3人で水族館を観た後、空港まで車で送ったのですが、
車中で盛り上がったのがウィルソン・ヴィヴェロスのドラミング。
一昨年のクァンティックの来日公演で素晴らしいスティック捌きで、
見た人全員の心を鷲掴みにしたヴィヴェロス師匠。
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おそらく元々はティンバレスの人だと思うのですが、
クァンティックのアルバムで見せるドラミングは
なかなかの絶品なのですね。
あまり話題にならなかったクァンティックの最新作でも
アメリカの古き良きフォーマルな音楽を演っているのに
ヴィヴェロス師匠の太鼓にどこかストレンジな空気感が出ていて、
これがアルバムの面白さの中心になっていたのですね。

勉強不足なので、ヴィヴェロスは過去所属してグループ、
Los TupamarosとかGuayacán Orquestaなんかを聴いておらず、
Youtube等で見ても、いなたいという面白みは感じますが、
肝心の音にもう一つ面白みを感じなかったりするのですが、
その辺は私のアンテナがまだ十分に育ちきっていないのでしょう。
今のところ、ヴィヴェロスさんが面白いのは
クァンティックとの諸作に尽きるというのが
現時点での所感でございます。
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さて、そんな中でも圧倒的に面白いのは、
クァンティックとアリス・ラッセルとのコラボ作。
思えば大豊作だった2012年の中でも屈指の1枚ですが、
このアルバムの半分でドラムを担当しているのがヴィヴェロス師匠。
どれも名演と呼ぶにふさわしい出来ですが、
破壊力でももっとも痺れるのが“Here Again”。

ティンバレスのマエストロであるヴィヴェロスが叩くドラムは
ティンバレスのスティック捌きが発展したものであるようで、
フィルインの間合いやタイミング等を聴くと
ああ、この人はティンバレーロだなと強く感じさせるもの。
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もちろん、そこに私なんかは痺れるわけですが、
ヴィヴェロスのドラミングにはもう一つ別の魅力もありますね。
べとつかない、しゃきっとした、採れたてのレタスのような、
いやそれはちょっと違うか、まあ、シャキシャキしたリズムが
非常に気持ちいいのですね。音の分離も抜群。
ぱらっとした強火で炒めた炒飯のようなスネアの音の感じは
私が愛してやまないポール・ハンフリーのよう。

やはりその辺のチョイスの目を持っているクァンティックは
流石に名の通ったキュレーターというか、ディガーですね。
その目というか耳をもったミュージシャンがコロンビアに
しっかり根を下ろして音楽活動を行った結果であるとも言えますね。
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その良さが分かっていたからこその新作での起用なのでしょうが、
やはりね、それでもクァンティックには、もう少しコロンビアを
掘り下げてほしいのですよね。
オンダトロピカ(第2弾はいつなのか?)もそうだし、
ニディア・ゴンゴーラとのコラボ(一体いつ出るのだ?)もそうだし、
フラワリング・インフェルノでのダブの追及もある。
まだまだカリにやり残したものがたくさんあるよ、と伝えたいなぁ。
私が今一番聴きたいのは、インフェルノでのダブな音像の中で
ヴィヴェロスが叩くドラミングがどんな感じか?ということなんですけどね。
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なにはともあれ、オンダトロピカでの来日を激しき希望!
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by zhimuqing | 2016-01-19 23:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)

まさに正鵠

実はラテンについては、70年代以降のサルサ等はあまり好物ではなく、
一番好きなのは50年代のマンボだとかその周辺の音なのですね。
やはりあの頃のプエンテやコルティーホの華麗な音こそが
一番燃えるのですな。

で、60年代のブーガルーは一瞬で姿を消した過渡期のラテン。
時代の徒花的な存在ではあるのですが、
ソウルやロックを取り入れたとされるその音は、
それまで/それ以降の音に比べると、直線的というか、分かりやすく、
二級品的な扱いを受けることも多いのですが、
いやいやどうして、街のアンチャン的なタフな空気感は
これはもう私の非常に好むところのものでありますな。
ちなみに、8ビートを取り入れたとも言われますが、
そこにあるのはロックというよりソウルの高揚感だと思います、はい。
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で、このニッティ・グリッティ・セクステットですが、
今年再発されたラテン関連でもっとも気に入っている一枚ですね。
まずメンバーが凄いのですね。
プエンテ、チャーリー・パルミエリ、ボビー・ロドリゲス、ルイ・ラミレス、
ジョー・キューバ、リカルド・レイ・・・。
そうそうたるメンツが集まったスタジオ録音全10曲。

ラテン界はなぜかこういうオールスターでのセッションが多く、
なんとかオールスターズ的な録音が多々ありますね。
しかもそういうセッションではスターの意地と意地がぶつかり合う、
意地の張り合い的な、マディvsウルフ的に殺気立たず、
かといって馴れ合ったようなベタベタすることもない。
かっこいい音をきっちりと組み上げていこうというようなスタンスが
多いのはいったい何故なのでしょうか?
この業界が比較的狭いこと、音楽的にそれぞれの重ね方が重要なこと、
あと特定のパート、ヴォーカルとかギターとか、ではなく、
それぞれの楽器のマエストロがバンドの顔になることが出来ること、
色々な要素があるように思うのですが、
今のところはよく分かりませんな。
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検索すると、簡単にレジェンド集合写真?が出てきますよね。

さて、このアルバムはそんなレジェンドやマエストロが集まって
がっちりとブーガルーをやったというだけでも価値があるのですが、
これだけの名うての面々ですから、若い衆の青臭さ等はなく、
良い意味でゴージャスな演奏ですね。
まさにニッティ・グリッティ!
ラミレスのヴァイヴも相当効いていますが、やはりこのリズムですから
パルミエーリのオルガンがかっこいいですな。
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コロも相当に練られていて、実にいい感じだし、
プエンテのティンバレスとキューバのコンガの組み合わせも
最高だとしか言いようがない。
(当たり前といえばこれ以上当たり前もないわけですが)
あと、ロドリゲスのベースはやはりモダンですね。
次の世代へと続いていく、新しいセンスをビシバシと感じます。

ということで、そろそろ中古も結構見当たるようになったし、
見かけたときには是非とも。
あと、セッションが10曲だけで終わったとは思わないので、
第2弾にも期待してます。(なんの根拠もない話ですけどね)
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by zhimuqing | 2015-12-13 08:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)

楽しいアルバムです、はい

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トニー・スカールのサルサによるマイコー追悼プロジェクトですが、
これはなかなかの出来ですね。
数々のトリビュートものあれど、面白さではトップレベルかと。
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ティト・ニエベスとかインディア等等、シンガーには
その世界の有名人がわらわらと参加していますが、
元々はクラウド・ファウンディングを募って制作したものらしく、
ふんだんな予算があったわけでない中で、
これだけのアルバムを作った手腕にまず拍手ですね。
パチパチパチ。
写真を見ると、ずいぶん若いんですけどね。
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スカール(スーカル?)は左側のお兄さんね。
ちなみに右のおじさんはブルース・スウェディエン!
録音にスウェディエンを引っ張り出しているとは!
(注:マイケルの3部作のメインエンジニアです)

何はともあれ、アレンジ力の勝利かな、と。
当初は参加を渋っていたニエベスが参加を決めたのも
バンドによるデモ演奏を聴いたから、というのも
確かにそうだろうと、頷けるレベルですね。
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ほとんど曲が前半は原曲に比較的忠実なアレンジなのですが、
随所に挟み込まれたサルサ感が強いコードの効き目が強く、
スカールのアレンジ力の凄さを見せつけますね。
コードを一つ挟むだけでグッとカリブ感が高まるのが
本当に面白く、これは勉強し甲斐がありそうですね。

で、後半はデスカルガといいましょうか、
原曲から離れてダンスパートに入っていくのですが、
ここが絶品なんですね。
そこは躍らせてナンボのサルサですから、
ここがかっこよくないとダメダメな訳ですが、
かっこいい上に、よく聞くと超絶に複雑な演奏で、
しかも、そうは聴こえない、というラテン界の奥深さが垣間見えます。
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原曲と違うなんて野暮なことを言う人はいないかと思いますが、
そこかしこに原曲を意識したフレーズが散りばめられていて、
スカールのマイケル愛がビシバシと感じられるのも◎。
単にいい曲、いいフレーズをループさせて一丁上がり!という
そういう感じからは100億光年離れております。

曲に関していうと、メロをサルサに完璧に乗せることが出来た曲と
100%フィットしたわけではない曲もありますが、
まあ、それは仕方ないでしょう。
個人的にはやっぱりThrillerやBADの曲が好き、
というより、私の原曲への思い入れの差ですね。
サルサにするんだったら、Earth SongやYou are not aloneは
不要だったかな、と。
逆に圧倒的なのはSmooth Criminal。
この曲のカバーとして最高峰だと断言しましょう。
映像を見てもらうほうが早いっすね。



シンガーはみなさん、やっぱりうまい。
男の私が聴いてもラテン界の男前でセクシーな声が勢ぞろい。
人によっては濃すぎると感じるかもしれないですが、
これもラテン界の常。小娘には退散してもらうしかありません。
それぞれアドリブ的に差し込むフレージングに魅せられますが、
中でも「今夜はブギ―ナイト」!を歌うMichael Stuartは
声の響かせ方が良かった頃のジョージ・マイケル的で
糖分過多気味な後口が癖になりそうです。
Outsideをカバーしてほしい、というのはマニアすぎるかな。
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頭部だけを見ると、ケムかシーローか、という感じですね。

が、しかし、一番私が気に入っているのはジーン・ロドリゲス。
マイケルに随分寄せている!とは車で一緒に聴いていたPさん。
おそらくメインで歌っている人の中で一番無名の人だが、
しなやかな筋力を感じさせる歌いまわしが大変良い。
そこに挟み込む自由なフレージングが実に魅力的で
これは逸材なのではないでしょうか?
今後の活躍が楽しみですね。
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先日このメンツを集め、さらにシーラEをホストに
ライブをやって、テレビでも放映された模様。
うー、観たい!と思っていたところ、DVD化までされるそうで、
トニー・スカールの勢いは増すばかりですね。
流石にそのメンツでの来日公演はなさそうだと思いますが、
まずはオリジナルの新作を早く出してみたいところでありますね。
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まずその前にライブの映像ですね。
このゴージャスな空間はすごい!
シーラE、昔の姿を想像するとあれですが、
でも再来年で還暦と考えると、凄いことですね、はい。
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それにしてもパーカッションのこれ見よがしなソロを入れないあたり、
(それはそれで好きなのだけど)
老獪な感じもあり、このペルー出身の若者の今後が楽しみですね。
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by zhimuqing | 2015-11-05 18:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(2)