ナクバ

本日4月5日は私の祖母の誕生日です。

祖母は鹿児島のS市生まれで、こよなく西郷隆盛を敬愛していました。
おばあちゃんっ子だった私は祖母の話を聞くのが大好きでした。
街を流れる川にいたオオウナギの話とか、野山にたくさんいたウサギの話とか
桜島が噴火した話とか、子供心に面白い話が満載でした。
それらは、もちろん私が実際に経験した話ではありませんが、
その祖母の記憶は私に引き継がれていると強く感じます。

名前も変わってしまった今のS市も、子供の頃に私が遊びに行ったS市も
祖母が子供の頃に過ごしたS市も、全く違う風景なのでしょうけど、
祖母との交流で引き継がれた空間の記憶は続いているのだと信じたいのです。

さて広河隆一の映画「パレスチナ1948 NAKUBA」が上映中です。
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60年前のイスラエル建国時に地図から消されてしまったパレスチナ人の村々を
40年間にわたり取材して作られたドキュメンタリー映画です。
パレスチナ人だけでなく、イスラエル人の人々も多数協力しています。

細かい内容なあえて書きませんが、
一つの共同体が消されてしまっている悲しみは深く心を打ちます。
それまで住んでいた村は完全に廃墟となり、そこに住んでいた人々の数も少なくなり、
記憶も記録も消え去ろうとしているその事実をこの映画は丹念に拾い上げています。

映画の取材に協力している良識的なイスラエル人の存在が救いです。
「アラブ人を追い出せ」「ユダヤ人を追い出せ」といった一方的な考えでなく、
亡くなったエドワード・サイードが提唱していたように
アラブ人・ユダヤ人が同じ権利を持つ一つの国家を作ることしか
根本的な解決方法は無いと思います。

「存在した証の記録」をきちんと残していくこの映画は、
その困難な道のりを確実に進めていくとても意義のある作品だと思います。
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by zhimuqing | 2008-04-05 13:46 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)
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