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これはお勧め

トリバリスタスの新作。カルリーニョス・ブラウン、アルナンド・アントゥネス、そしてマリーザ・モンチのトリオ。
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トリバリスタス、一度きりのスペシャルユニットのようなものかと思ってました。まさかの新作。3人の個性が織りなす魔法の音楽。細かい言葉は不要ですね。黙って聞き惚れるのみ。購入してから2か月経った今もただ聞き惚れています。

それにしても声の混ざり方が実に素晴らしい。いつも艶やかなマリーザ・モンチの歌がアントゥネスとブラウンの声と混ざると、さらに艶やかになる不思議。アントゥネスの乾いた声とモンチの組み合わせは絶品ですが、随所に入るブラウンのアフロ成分濃厚な響きがこれまた効いていますよね。モンチの声にうっすらと漂う、オブラートに包まれた毒薬のような棘も更にうまい具合にほんの僅か、ごく僅かだけ顔を出す、その塩梅にも痺れます。
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きめ細やかな音作りはさらに磨きがかかっていますね。1曲の中に使っている楽器の種類は相変わらず大量で、しかも秘かにフェイドインして秘かに消えていく音も多く、聴けば聴くほど新しい発見があるのですが、その音は聴き手の想像力を掻き立てつつも、あくまでも歌を際立たせるためのもの。精緻を極めた細工のような音に溜息しか出ません。あと、このユニットの勝因?はやっぱりカルリーニョス・ブラウンのリズムですよね。ドラム、カホーン、コンガ、ビリンバウ、クラーベから電子音まで。この躍動感は本当に大切な要素

個人的に特に印象に残るのはどこかへんてこなエレキ・ギターなのですが、クレジットされているのはDadiとPedro Babyの二人。Dadiは私にはわりと馴染みが深くてジョルジ・ベンの2大傑作、“A Banda Do Zé Pretinho”と“África Brasil”やカエターノの“Circuladô”のライブ盤でベースを弾いている人ですね。なので、印象に残るへんてこなギターを弾いているのはPedro Babyなのでしょう。(関係ないけど、なんだかアンジェラ・ベイビーみたいな名前です)
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たしかにヘンテコギター、弾けそうな感じではあります。(失礼)

ということで、同時に発売されているDVDも買っておいた方が良いのか?と思っているのですが、Youtubeにあるこの映像はDVDと一緒のものなのかしらん?



小物関係の多彩さは映像を見るとよく分かりますが、屈託がない楽しそうなモンチの姿。モンチの声に毒薬が…みたいな私の勝手な感想を大いに裏切るような姿。ま、それはそれでよいではないか!ということで。今年屈指のアルバムですね。ライブ、観たいけど、日本では無理でしょうね。
by zhimuqing | 2017-12-11 00:28 | Chega de Saudade | Comments(0)
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