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なんちゅう若々しさ

御年83歳のジョアン・ドナートの新作は息子ドナチーニョとのコンビでのシンセなファンクというかブギー。若手バンドを引き連れ、アフロビートを見事に解釈した前作にもずいぶん驚きましたが、なんちゅう若々しさ。


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音自体は最近の流行に乗ったシンセ・ブギー、ザップだったりスレイブだったりと元ネタが透けて見えるものではありますが、そういう音作り自体が私のストライクゾーンなわけで、気持ちの良い音にただ身を任せるだけです。そうそう、曲自体の出来が良いのもポイントです。ドナチーニョによるトークボックスもヴォ―コーダーもかっこよいというか、ツボを見事にとらえたもの。センスいいです。

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つまり、一聴するとドナチーニョのソロ作にスペシャルゲストでジョアン・ドナートが参加しましたよ、と聞こえてしまうもの。なのですが、いえいえどうしてあの合気道の達人のような、重力を自在に操るような鍵盤のカッティングが結局は全てを握っているという、ドナート翁の威力がまたもや発揮されたアルバム。名盤すぎる前作≪DONATO ELETRICO≫を聴いた時にてっきりバックを務めているビシーガ70の功績かと思い、慌ててビシーガ70を聴いてみるとそんなに騒ぐほどのものではなく、改めてドナートの凄さを思い知らされたのを思い出しました。
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ドナートは数曲で歌も歌うし、あのメロウすぎるコード進行も聴かせてくれるわけで、個人的には当然大満足。ですが、せっかくなのでドナートがシンセ・ブギ―な曲でどんなメロディーを紡ぐか?とか、シンセ・ブギーなリズムにどんなコード進行を乗せるか?というところまで聴いてみたかった気もしますが、それは贅沢なのかもしれませんね。

仲睦まじい二人の様子を見ると、ドナートはもしかするとドナチーニョの才能を世に知らしめたかったのかもしれないし。メロウサイドなドナートを味わってほしい向きには、なんと今年もう一枚ボッサなアルバムが出ているらしいので、そちらで楽しんでくれという事なのでしょう。ということで、LPは日本盤出てますけど、これは音も相当良いので、あるうちに入手して降りたほうが良いかもしれませんよってことで。

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ドナート翁、満面の笑み

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二人でモントルーでライブやったりしている模様

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by zhimuqing | 2017-09-17 16:06 | Chega de Saudade | Comments(0)
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