マンボ、独走!

代官山は意外に遠くてなかなか足を延ばす機会がないので、「晴れたら空に豆まいて」に入るのもかなり昔の梅津和時依頼の2回目。今回はギター・マガジンのカリブ海特集のイベント。あの特集自体が無茶な感じだったのですが、その筋のギタリストが一堂に会してみんなでギターを弾くという、これまた無茶な催し。

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イベントはギター・マガジンの編集者とワダマンボとのトークから始まったのですが、ワダマンボのトークは吾妻さん直系で大変面白く、しかも色々と気づかされることも多くて、もっと聞きたかったというのが正直な感想。ギター・マガジンの特集がジャメイカの偉人3名が中心となっていたため、話の流れがどうしてもロック・ステディやレゲエ方面に偏ってしまうのは仕方がないところ。


でも折角のワダマンボですから、もっとカリブ海全体に話を広げても良かったもと思いますが、それは仕方ないのでしょう。誰もついていけませんから、ワダマンボ。カリプソ界を中心としたギタリストについてのワダマンボの記事、編集部の人は誰もチェック出来なかったそうですから。記事で紹介されているギタリストの音源どころか名前を誰も聞いたことがなく、しかもネットで探しても音源がアップされておらず、原稿のチェックが何も出来ない(=ワダマンボが適当に記事を書いていたとしても誰も真偽が分からない)レベルですからね。


他にも編集時の裏話的なものでも興味深い話がたくさん。少し耳が遠くなってきているアーネスト・ラングリン、電話インタビュアーの質問に対して全く違う趣旨の答えを返してくるのだけど、その答えがいい話なので仕方なく記事では質問の方を回答に合わせて編集したとか、ハックス・ブラウンのインタビューが急遽取れたので、奏法解説のページを泣く泣く削ったとか、編集部の試行錯誤が随所に伺えるいいお話。ビザールギターという言葉を作ったのは前の編集長だとか、特に名を秘しますがカスラックと音楽誌の攻防の話も。

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ステージに置いてあるビザールギターの数々について熱く語るマンボ氏。


トークの後は、ワダマンボ+アンドウケンジロウのデュオ。ワダマンボ、実に聴かせます。ゴリゴリ、いや違うな、原石のゴツゴツした部分をうまいこと残して磨き上げたかのようなギターが実に素晴らしい。ちょっとしたカッティングでも別格の輝きが。鋭角にねじれるようなソロもかっこいい。カリブ海の北から南まで自在に漂うようなスタイリストぶりはお見事。私はカセットコンロスのリズムセクションがもの凄く好きなのですが、ワダマンボのソロや今回のデュオも観ておくべきだなと痛感。かっこいいっす。


第3部の東京のロック・ステディ/レゲエ界隈の猛者を集めたセッションバンドでは、ヤギー&小粥鐵人両氏のドラム&ベースがいつものように快調で素晴らしい。何度見ても勉強になりますね。Matt Soundsの二人のギターの絡みを楽しみにしていたのですが、ステージ上には4人のギタリストがいるわけで、二人の微妙な絡みをじっくり聴けなかったことが少し残念ですが、それでも秋廣シンイチロウの音価を自在に変えるカッティングの凄みには改めて感じ入りましたし、何よりも今年屈指の名曲と思っているBaku’s Steadyが聴けたのが嬉しかったです。これはなんとか7インチをお願いしたいところですね。

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ということで、驚きのギター・マガジンのイベント、10年殺しの特集(一度やると10年間はその特集は出来ない、という意味らしい)なので、今後私の興味を引きそうなイベントはそうそうないとは思いますが、なかなか面白い企画。こういう事だったら去年やっていたジャズファンクのイベントも観に行っておくべきだったなと後悔しながら帰ったのであります。


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by zhimuqing | 2017-09-11 00:07 | Open the gate | Comments(0)
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