大事なことは何度でも言います

弁護士の小口幸人さんの5月21日のTwitter、分かりやすいので、引用させてもらいます

共謀罪の最大の問題は、警察の運用が恣意的になったときの、歯止めと情報公開と検証の制度がないことです。例えるならアクセル全開なのに、ハンドルとブレーキが見あたらない車。裁判所も歯止めにはならない。平成27年の逮捕令状の発布は100,880件もあるのに、却下はたった62件。


最低限、GPS最高裁判決の趣旨に沿って、プライバシーの領域に立入る捜査手法に、一律で令状規制をかける法規制が必要。スマホ押収時に吸い上げるデータを必要な範囲だけに限定する規制法も必要。運用状況の公開と、実施した捜査内容の検証の義務付け、捜索令状で収集した資料の事件後破棄も。


権力は必ず暴走する。警察とて同じ。警察は我が国最大の実力組織であり情報収集組織。警察が、共謀罪をどう運用し、どんな人の情報をどうやってどれくらい集めたのかが、どこかの時点で、法律に基づいて必ず明らかにされ、検証されるシステムを導入しない限り、共謀罪成立など許されない。


共謀罪が出来ても監視社会にらならない、という人には考えてほしい。今でも警察は犯罪を未然に防止しようと頑張っている。サボっているわけではない。そして共謀罪それ自体は、新たな権限を警察な与えるわけではない。じゃあ、どうやって警察は共謀罪を運用して、犯罪を計画段階で検挙するのか?


法律で明確に「黒」と明記されているわけではない、グレーな捜査手法をより幅広く用いるしか道はない。GPS捜査違憲判決が出る前のGPS捜査のようなグレーな手法です。Nシステムしかり、監視カメラのネットワーク化しかり、尾行や録音や通信履歴の任意開示など。XKEYSCOREもある


こういう手法は、裁判で「黒」とされると使えなくなる。GPSのように。グレーなら令状主義か法定されていないから任意捜査として行えるというのが警察のスタンス。警察は、犯罪の防止や犯人検挙という彼らなりの正義のために、有効で「明確に違法」でない手法があるなら使います。規制が必要


全国に30万人程いる警察官には、ぜひ発信してほしい。GPS発信機の取付や電池交換のために、違法に敷地内に立ち入ったことはありませんか?自分たちの捜査手法に疑問を感じたことはありませんか?共謀罪が成立したら、自分たちの仕事にどんな業務が増えそうですか?後ろめたさはありませんか?


少なくとも維新が呼んだ参考人が言及されていたように、違憲であったGPS捜査が、どれほど幅広く行われていたのか、そして入手した情報をどう運用していたのか、違憲となったあとGPS端末機をどう回収したのかなどの徹底した検証と公開が必要です。それなしの共謀罪成立など許されない。


いままでは、満員電車で両手を上げるように、犯罪者と間違えられないようにすることは可能でした。「既遂」処罰が原則だからです。でも「計画」処罰が可能になると、犯罪者と間違えられないようにするのは大変です。例えば痴漢計画と疑われないようにするには何をしますか?共謀罪は余りに危険。


もちろん、痴漢は共謀罪の対象に入っていません。でも、威力業務妨害罪は入っています。運用のされ方によっては、「座り込みの計画」を立てているという「疑い」を立証されたら、それだけで逮捕される恐れがあります。疑われないようにするために、声を上げるのをやめる社会が待っています。


共謀罪は、市民の自由な領域を、大幅に後退させる法案です。テロ対策ではないのですが、仮にテロ対策だとしても、自由を大幅に差し出してまで講じる必要はありますか?9.11後のW杯も日本で開催できました。サミットも開催できています。IOCは日本の安全を評価して東京開催にしました。


共謀罪がテロ対策でないことは、国連の立法ガイド執筆者であるバッサス氏の指摘で明白になりました。なぜ、政府は真実でない目的をかかげて、テロ対策名目で共謀罪をつくろうとしているのでしょうか?政治に無関心な方が疑問を持って立ち止まり呟くだけで、世論は動くでしょう。


共謀罪の共謀は、共謀共同正犯の「共謀」ではなく、実行されなくても「共謀」段階で罪にする法律です。対象の277の罪は今でも、既遂になれば全て犯罪ですし、共謀共同正犯も処罰されています。共謀罪は、この277をまとめて共謀した段階で、計画だけで実行されなくても罪にする法案です。


犯罪は、計画して準備して実行に移して結果に至るのが普通です。計画、準備、未遂、既遂の順です。被害者に現実の危険が生じるのは未遂と既遂なので、多くの行為は未遂と既遂までいったところで処罰しています。準備までいっても、実行に移されないなら現実の危険すら生じないからです。


政府は計画段階で処罰する共謀罪なのに、既遂までいった事例があることを二、三あげるだけで、だから共謀罪が必要だと述べるばかりで、なぜ計画段階で処罰しなければならないのかは何も説明していません。法律をつくる必要性を答弁していません。それなのに30時間だから採決なんて許されない。


計画で犯罪ということは、計画段階で検挙するための捜査を警察の任務にすることを意味します。その実施のためには計画の有無の捜査が必要になります。
この捜査で得られる情報は、どうしても色メガネを通した断片的な情報になるので、犯罪の計画でないのに、間違えて検挙される恐れが高いです。


間違えて逮捕しても、言い分聞いて「誤認逮捕でした」と直ちに認める文化が警察にあるならミスの被害は小さくても済みますが、警察はそうではありません。逮捕=犯人=社会的抹殺が社会で起きる現象だからこそ、警察にとって誤認逮捕は許されず、逮捕した人を有罪にすることが使命になります。


警察改革や捜査手法の新たな規制、そのために必要な令状なしで行っているグレーな捜査の実態解明、公表、検証を先にやった上で、捜査の規制法と同時に共謀罪を成立させるならともかく、それなしに共謀罪だけを導入するのは余りに危険です。アクセル全開なのに、ハンドルもブレーキも見あたらない
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by zhimuqing | 2017-06-14 23:22 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)
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