惜しい、とても惜しい

マニア界隈で話題になっているアリ・テナントの新作は98年の“Crucial”以来なんで19年ぶり2枚目のアルバム。2枚目が発売されたと聞いて居てもたってもいられなくなり方々を駆け回るも、インディーものの悲しいところでなかなか入手できず、更に思いは募るという具合だったわけですが、ボン兄貴のおかげで先日無事入手。いつもお世話になっております。
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何といってもタイトル名“Crucial”がプリンスの未発表アルバムを思い起こさせるし、アル・グリーンの再来的な触れ込みで発売されていたので、私も興奮しながら買いに行ったものですが、あまり聴きこめないまま今日に至るのであります。あまりのめり込めなかった原因は自分の中では割とはっきりとしていて、音というかミックスが好みでなかったことに尽きるかな。歌のうまさは文句なしだし、ファミリースタンドによる曲も割と好みだったんだけど、特にヴォーカルの扱いがどうしても好きになれなかったのですね。
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ジャケットは1枚目の方がずっと好き。

ということでアリ2枚目のアルバムですが、昔に比べると声は滑らかに成熟した模様。アル・グリーンというよりもルーサー、ただしちょっと肌理が粗めという感じで、やはりいいシンガーだな、と。一曲ずつ丁寧に聴いてみると、曲も良い。曲が短めなのも悪くない。

でもね、やっぱりミックスが私にしっくりと来ない。低音から高音、ヴォーカルからドラムまで全音域のレベルが押しなべて高すぎるのか、歌や楽器それぞれの音のバランスにメリハリがない。リードもバックコーラスも同じレベルで録音されているような感じで、聴き手が呼吸する隙間がないように思えてしまうのですね。単品でポンと聴くととてもいいだけになんとも勿体ない。

思えば、UKソウル系では割と多いミックスのような気がしますね。その昔お蔵入りになったラファエル・サディーク制作のオーティス&シュグのアルバムが英エクスパンションから再発された時も、その前に入手していたUSシングル盤との音の違いに驚いたことを思い出しました。ささくれだったところがないというか平面的でつるつるした感触。Jポップのようでもあり、私の好みではないんですよね。
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これは自信をもって言えるのだけど、生でのアリ・テナントは間違いなく最高のはず。今回のアルバムはおそらく日本ではそこそこ売れているはずだし、何かのきっかけで来日してくれれば、この録音で感じる不満は全部解消されて歓喜の涙を流させてくれる予感がする、というかその予感しかないのだけど、日本に来てくれないかな?
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by zhimuqing | 2017-03-18 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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