プリンスに聴かせたかった

今年は本当に音楽の当たり年で名作が連発した年。毎年、クリスマス商戦に向けてアルバムが多く発表されるのですが、今年も例年の通り。というか、充実した一年を象徴するかのように名作が連発で、嬉しい悲鳴ですね。

ということで、これは今年の名作群の中でも屈指の一枚。
Solange “A Seat at the Table”
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デビューした時は姉と比べて圧倒的に非力なアイドル路線の人だと思っていた私の見る目がなかったようですね。思い切って路線転換したセカンドを出した時にも結構びっくりしたのですが、ソランジュ、ついにこのサードで化けました。自由自在な音、滑らかに聴かせる声、才人を次々と首位に引き付ける力、ビヨンセほどお金持ちというかセレブになることは今後も多分ないでしょうが、長い目で見ると音楽性では姉のずっと上を行きそうな気がします。
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周囲に才人を呼び寄せるという意味では、このアルバムでは何といっても、ラファエル・サディーク‼に尽きますね。名作、というか化ける作品の陰にこの人あり!一時期のワーカホリックな感じがなく、少しペースダウンした感もあったサディークですが、こんな隠し玉を制作していたとは。全曲に絡んでいますが、いつものように縦横無尽の活躍ぶり。サディーク印のアルバムとしてはここ10年で最高峰だと思います。
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しかも最近こだわっていたレトロ・ソウル(でも実は新しい)路線ではなく、今のトレンドを踏まえての未来に向けたアフロ・フューチャリズムというか、未来のスピリチュアルなソウル路線での勝負!なのに、突き抜け過ぎずにポップな味わいも過去のブラックミュージックの精髄もしっかりと残すという。天才ラファエル・サディークの帰還ですね。もちろん、あの何気ないのにもの凄いサディークしか弾けないベースもたっぷり。たまりません。

主役の実力を引き出すのがサディークの音作りですが、それを差し引いても主役ソランジュの良さがあってこそ。やはり頭一つ、いや二つも三つも突き抜けた感があります。大声でシャウトすればソウルフルになるわけでないという事をここで見事に実証。丁寧、というより、誠実とかひたむきとか、そういう響きに満ち満ちた歌。もちろんそれだけでなくキュートな場面も艶めかしい場面もあるわけで、端的にいうと美しいということです。
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QティップとかAndré3000とかリル・ウェインとかThe DreamとかBJとか豪華なゲストの参加も目を引きますが、ソランジュの滑らかな声にふわふわとくるまれて、アルバムの流れを崩すこともなく、そこにその声がある必然性を感じさせるもの。そう、アルバムの流れが実の良い。インタールードを含め、個々の曲は文句なしの出来なのは言うまでもなく、アルバム一枚を聴きとおした後の充足感は格別なものがあります。全盛期に差し掛かろうとしている一つの才能に充たされる心地よさ、ですね。聴けば聴くほど味わいが深くなる大傑作。来年、このアルバムに匹敵するアルバムを聴くことが出来ればいいのですが、さすがに難しいのではないか、と思うのですね。個人的にはプリンスに聴かせてあげたかったな。ですよね?うう。
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モネイと仲良しなのはとても嬉しい!
で、エスペランサとトリオでグループ結成みたいなミラクルが起きてくれないかな?






クレジットで否応がなく目を引くのはディラン・ウィギンス。ウィギンズ姓=サディークの甥だと思うのだけど、どんな関係なのでしょう?ソランジュのバンドのメンバーでもあるようですがね。サディークというかウィギンズ家は14人兄弟なので、そろそろ息子世代が出てくるかと思っていましたが、ついに出てきたか!ということで、その辺の動きも楽しみですね。
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この写真を見る限り、ウィギンズ家なのは間違いないでしょう?
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by zhimuqing | 2016-12-20 23:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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