A black SUMMER’S night with Musze

正直、会場のほとんど全員が驚いたのではないか?
私も本当に驚きました。
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マックスウェル待望の初来日公演、私も期待はしていたし、
Youtube等で過去のライブ映像はかなり観ていたほうですが、
歌唱、演奏、構成、ダンス、アレンジ、照明、スクリーンの映像、
完成度、包容力、愛嬌、時折見せる三の線、
なによりも一回一回のパフォーマンスに集中する真摯な姿勢、
完璧なライブパフォーマンスだったことに異論のある人はいないのでは?

ライブ冒頭、ステージが暗転してから流されたのが
プリンスの”Kiss”。それもたっぷり2コーラス。
ここで観客の心を鷲掴み、私は茫然。
後ろのスクリーンにはマンデラやキング牧師、ベラフォンテに交じり、
プリンスの姿が映し出され、マルコムXの有名なポーズを取ってみせる
マクスウェルの姿も映し出される。

温まりまくったところで、オープニングと言ったらこの曲、
“The Urban Theme”がぶち込まれ、血圧が上がりまくるのですが、
その時、スクリーンの隙間から唐突に日の丸が出てきて、
ゆらゆらと揺れていて、一緒に言っていたサンディ君が
あれ、マックスウェルがやってたら大爆笑なのに、と言っていると、
本当にスクリーンの隙間から、旗を持ってマックスウェルが登場。
“Dancewitme”を歌いながら、旗を振りながら歌うマックス。
もう最高に幸せな気分で大爆笑。
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選曲は全ての過去のアルバムから満遍なく選ばれたベスト選的な曲。
私の好きな曲はほぼ入っていたかな。
その後は2枚目の“Everwanting”、4枚目の“Bad Habbit”と続いて、
息も絶え絶えに。
この辺の過去の曲をしっかり自分自身が愛している感じからは
アルバムを作る時にこの人がいかに精魂を注ぎ込んでいるかと
証明しているように思えて、ああ信頼できる人だな、と。

完璧なパフォーマンスもまたしかり。
完璧すぎると言うしかないものではあるのですが、
完璧といっても息が詰まりそうになるものではなく、
肌理の細かい繊細さを極めつつ、細胞の隅々まで滋味が行き渡るような、
かつ筋肉の躍動感も持ち合わせたパフォーマンス。
繊細さは予想していましたが(その予想を遥かに超えてはいたけど)、
躍動する筋肉の美しさは遥かに予想を超えるものでした。
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ですから、会場に押しかけている女性陣の反応は推して知るべし。
数年前エリック・ベネイを見た時も大概のものでしたが、
それを遥かに凌駕してました。

歌の一声一声、身のこなしの一挙一動、皆さんの反応は
優れたジャズミュージシャンの間の呼応のようなもの。
出てきて歌い始めると、皆さん大号泣だし、
♡マークを手で作ると、皆さん即座に♡マークを返すし、
メンバーのソロが始まっても、皆さんマックスウェルを追っているし、
その美貌で有名なコーラスのラティーナ・ウェブが出てくると、
口々に「負けた」と言っているし(あの胸は本物よね、とも)、
汗まみれになったシャツを指して、シャツが欲しいと言っているし。
ま、男性の私も気持ちはよく分かります。
もうちょっとやられたら、私もパンツ投げたくなったかも。
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それにしても乱れないブレス、変幻自在なフレージング、
演奏を引っ張るグルーヴ、歌手としてのマックスウェルが
堪能できたのも大きかった。本物はもの凄いな、と。

バンドの素晴らしさは予想していたのだけど、
クリス・デイヴ、ロバート・グラスパーがいた前アルバムの
ツアーメンバーには流石に負けるかな、と思っていたのですが、
マックスウェルの手にかかれば、レベルが落ちるはずもなく、
これまた期待以上の演奏。

バンマスはグラスパーの相棒、デリック・ホッジがベース、
マックスウェルの最初期からの相棒、フッド・デイヴィッドがギター。
トランペットのキーヨンのミュートソロは聴きものだし、
ケニスのサックスはステュワート・マシューマンとは違い、
フュージョン色が薄くてはるかに好み。
この二人は一年前のディンジェロのライブでも来てましたね。
鍵盤の二人のソロもソウルフルで良かったが、
シェドリック・ミッチェルの捻じれて宇宙にワープするようなオルガンに
大興奮しました
ドラムのダレル・ホーウェルのドラムはワイルドに叩きまくるのに
歌の微妙な変化にも呼応していて、私の耳は歌とこのドラムに
集中していたと言っても過言ではないかも。

ただ、一つだけ残念だったのは前方にいた私の位置では、
低音がボワッとしていて、ホッジのベースの細かいニュアンスが
正確に聞き取れなかったかも、というところかな。
でも、それはあまり大きな問題ではないですね。
マックスウェルの体のムーヴ、体内のグルーヴが体現されたものだと
感じさせる演奏で、そこには無駄な音が一切ないもの。
キメの一つ一つまで練りに練られた演奏、でも生き生きとしていて、
本当に理想郷のようでした。
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それにしても美しいウェブ嬢。
並みのフロントマンだと100%喰われて、視線はこちらにくぎ付けでしょう。

練り込まれているのは照明や後方スクリーンに映し出される映像も同じ。
日本でのたった一回のライブのために、
スクリーンの映像に日本語を入れてくるわ、
大名曲“Loveyou”にプリンスの映像を入れて泣かしにかかったかと思うと、
千代の富士がスクリーンに映し出されてびっくり。
更には永六輔ときて、最後は何と大橋巨泉。
このライブで一番ファンクネスが濃厚になった瞬間。
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千代の富士は日本の文化に対する敬意を表していたと思いますが、
永六輔と大橋巨泉はその思想を含めてのチョイスだったかと。
日本側のスタッフの意見もあったでしょうが、
完璧主義者のマックスウェルなので、しっかりその辺は調べていたはず。
でもまあ、マックスウェル、大橋巨泉の笑顔をバックに歌うという図は
猛烈にファンクでシュール、やはり天才のみが起こす業でもあるな、と。
心から大爆笑しつつ、周りはみんな涙する、泣き笑いの図。
一回しかないライブに書ける意気込み、もてなしの心、感服しましたね。
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一体、誰が巨泉との共演を予想できたであろうか?

アル・グリーンやプリンス、マーヴィンやサム・クック、
こういうレジェンドの影響を受けて音楽を始めたのだけど、
そのレジェンドに恥ずかしくない音楽をしっかりと作りたい、と
前日のトークショーで話をしていたのだけど、
たしかにその言葉に全く嘘がないパフォーマンスでした。
今回のライブでのプリンス愛もまたしかり。
“Adore”のコーラスを“Fortunate”の中に混ぜて歌ってくれた時は
気絶しそうでした。
そういえば“Payback”のリフを“Get To Know Ya”に混ぜてもいましたね。

一年前の同じ日にZEPP東京でみたディアンジェロも凄かったが、
マックスウェルの見せて(魅せて)くれたパフォーマンスも
また奇跡のように神がかっていたかと。
本人も観客のリアクションに上機嫌だったようだし、
すぐに戻ってくるといった本人の言葉を信じて、
再来日を待っていますよ。
でもって、今回やらなかった“Pretty WIngs”をお願い!

1. Urban Theme
2. Dancewitme
3. Everwanting
4. Bad Habits
5. Love You
6. Hostage
7. This Woman’s Work
8. Lifetime
9. Lake By The Ocean
10. 1990X
11. Sumthin’ Sumthin’
12. Get To Know Ya
13. Fortnate
14. Let The Churich Say Amen
15. Ascension


Maxwell : Vocal
Derek Hodge : Bass, Keys
Hod David : Guitar
Daryl Howell : Drums
Shedrick Mitchell : Organ, Keys
Travis Sayles : Keys
Keyon Harrod : Trumpet, Backing Vocal
Kenneth Whalum Ⅲ : Sax, Backing Vocal
LaTina Webb : Backing Vocal
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ライブ終了後も色々と楽しいことがあったのだが、
それはまた別の機会に。
それにしても、今年はもの凄い年だ。
春にディアンジェロを2回見て、夏にマックスウェル。
9月に来るジル・スコットが観れないのが残念だ。
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by zhimuqing | 2016-08-20 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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