今年屈指の一枚

このところアンダーソン・パックをずっと聴いているのです。
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ここ数年のトレンドへの目配りはもちろんのこと、
過去の遺産への素晴らしい解釈も十二分になされた音作り。
しかも良い塩梅で親しみやすさもあるというこのアルバム、
はっきり言って今年屈指の名作でしょう。
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大挙して参加しているゲスト陣を見れば
その注目度もよく分かるというものですね。
マッドリブ、ナインス・ワンダー、スクールボーイQ、クウェリ、
シカゴ・キッド、グラスパーにクリス・デイヴ!何たるメンツ。

個人的にはどうしても注目せざるを得ないのが、
クリス・デイヴ+パラディーノ+シャーキーの必殺トリオに
ロバート・グラスパーが加わったインタールードですが、
こんなに濃厚な4人が登場しても、本人の個性が一切揺るがない。
というか、誰が来ても、自分の側にしっかり寄せることが
出来ているのが素晴らしい。
既にブレイクしているとはいえるのですが、
今後アーティストとしても裏方としても大爆発することは
誰が見ても自明の理ですな。
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豪華なゲスト陣では、アンドレ的なフロウを聞かせる
スクールボーイQが素晴らしい、かと。
ブラックヒッピーズとしてのアルバム、いつ出るのだ?

楽器1音1音の音色選びに相当気を使っているのだろうが、
必要最小限の音しか使わず、それでいて色気のある音像に
仕上げていることには驚かざるを得ないのですが、
揺らめくような、ささくれ立つような歌の説得力もまた凄いものです。
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ケンドリック・ラマー以降というよりは
ウエストコースト直系のレイドバックしたフロウ(歌も含め)は
リズムというかドラムとベースに対して滑空するのですが、
単に柔らかく乗っけていくだけではなく、
少しだけひねったり捩ったりしてアクセントを
微妙に(本当に微妙に)変えてくるところに豊富な旨味成分が。
単にかっこいいリズムを作るだけでなく、
声の活かし方を十分に把握しているのは全く凄いことですね。
ドラマーとしての能力に由来しているのかもね。
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演奏の部分で言えば、ドラムとベースが特に好みですね。
ドラムの処理に対するセンスがよいのは
ドラマーなので当然(でもないのですけどね)としても、
実際に叩いているのが1曲しかないのが残念。
次作はもっとドラム叩いてほしいものです。
ベースのフレージングや音価に関しては
本当に繊細なところを突いていて、これが本人の指示なのか、
仲間のベーシスト連の技なのかは分かりませんが、
私は前者の説を取りたいところです。

ということで、今年の年間ベスト5いや3は堅いかな、と。
他の対抗馬はマックスウェル、坂本慎太郎の新作、
それにまだレビューしていないKINGぐらいかな。
昨年に比べると今年は豊作で楽しみが多くていいですね!
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by zhimuqing | 2016-06-05 18:53 | Funkentelechy | Comments(0)
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