闘魂みなぎりますな

昨年入手出来て嬉しかったCDがこちら。
The Hesitationsの2枚。
と言っても知っている人はほとんどいないと思いますが、
デトロイトで60年代結構活躍していたグループ。
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もともとはクリーブランド出身のバンド。
クリーブランドといえば、オージェイズにウーマック兄弟、
マニアックなところで言うと、ルー・ラグランやラリー・ハンコック等、
かっこいいシンガーを輩出しているところですね。
クリーブランドで結成後、これまた同郷の士エドウィン・スターの紹介で
デトロイトに進出、ジャック・アシュフォードに認められて、
ジョー・ハンターやアシュフォードやマイク・テリー、
つまりパイド・パイパー・プロダクションの元で録音を開始。
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とまあ、偉そうに書いているのですが、私は英KENTから3年前に出た
パイド・パイパーの音源を集めた編集盤で詳細を知ったクチ。
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“Pied Piper Presents A New Concept In Detroit Soul”
ちなみに、この編集盤は本当に名曲揃い。
元ファンクブラザーズの独立派、
60年代デトロイトの裏街道の顔役による名曲集。
なかなか唸らされ、興奮させられるものが多いのですが、
その中でかっちょいい声と歌いまわしでひと際輝きを放っていたのが
このHesitationsですね。

なんといってもリードを取るジョージ・キング・スコット。
この声に尽きますね。
私が愛してやまないデイヴィド・ラフィン系というか、
当時のソウル界にちらほら出現するデトロイト荒馬系。
ここ数年の私の興味はいかにこのラフィン系を探し出すかにあり、
いつかその辺の声を集めた編集CDを作って、周囲の迷惑顧みず、
配りまくろうかと考えているわけですね。

探してみると、これが意外と見つかるのですよ。
お互いに影響を与えただろうから下積み時代のラフィンの同僚だった
メルヴィン・デイヴィスやスティーヴ・マンチャは別格としても、
有名なところ(本当に有名かは?ですが)ではバリノ・ブラザーズ、
マイナーというかマニア筋にのみ知られるところでは、
シドラでのプレシジョンズのビリー・プリンスとか
クール・サウンズの凄い声の人とか、バラッズの60年代のリードとか。
いかに当時ラフィン(というかテムプスでしょうね)の影響力が
強かったかという現れだと思うのですが、
70年代初頭を超えると、私の掘り込みが甘いせいか
ほとんど見つからなくなってしまうのも面白いです。
もっとも裾野の広さを考えると、後の時代にも必ずどこかにいるはずで、
その辺も今後の研究課題ですな。
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ソウル・スーパーマンの流れでこの格好!とてもイイのではないでしょうか?
ジョージ・スコットはコスチュームを着ている人だと推測。
その表情もたいへんよろしい!

で、今回入手した2枚のCDですが、
1枚は1stアルバムにインスト数曲を追加したもの、
もう一枚が2ndと3rdをそのままカップリングしたもの。
(もう一枚アルバムがある模様)
スコットの強靭な喉がパイド・パイパーの濃厚な音と相まって、
闘魂みなぎる感じですな。
演奏も達者なのですが、バンドが演奏している可能性は少ないかな?
パイド・パイパーといえば元ファンクブラザーズだし、
その辺の流れで凄腕が参加しているのは間違いないはず。
(さすがにジェマースンはいないと思いますが)
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ファーストのオリジナルのジャケット。

最後の4枚目は聴いていないので分かりませんが、
今のところ、私の中では断トツで1枚目ですね。
粗さの残ったノーザン・ストンパーが連打される中、
縦横無尽にキング・スコットが吠える、という理想的な音。
コーラスの分厚さも特筆すべき点かな。
女性コーラスが入っている曲も結構いけます。
パイド・パイパー印ですから曲も当然良いし。
ささくれだったドラム、シンプルなフレーズに徹するブッといベイス、
いいですねぇ。
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先頭の愛嬌のある悪ガキ風で可愛い人がスコットだとすると、
やっぱり売れてもおかしくないと思いますね。

もちろん2,3枚目も悪い出来ではないですが、
ヒットを狙うあまり、中途半端な選曲があるのが惜しい。
2枚目の冒頭を飾るのは“Born Free”、「野生のエルザ」のカバーですが、
個人的には馴染み深い曲ではあるし、
暑苦しい歌の密度は申し分ないのですが、
やはり何かが違う感じは否めませんね。
これがグループ最大のヒット曲になったことで、
道を見誤ってしまったのかもしれないし、
パイド・パイパー・プロダクションの勢いとも関係しているかも、と
思うのですが、その辺はまだ研究が必要ですね。
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セカンドのジャケ。
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こちらがサード。
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未聴の4枚目。でも曲目みると、ビートルズ2曲でポップス多数。
やっぱり厳しそうだ。

ジョージ・スコットは残念ながら68年2月にツアー先の車の中で
ピストルの誤射によるケガで亡くなってしまい、
そのままグループの勢いも失って解散ということに。
自前のバンドを持ち、熱いリードと分厚いコーラスもあるとなると、
70年代までしっかり活動していると、ファンク系のいいバンドに
化けたのではないか?と思うだけに、勿体なかったかな。

レズリーとメルヴィンのウィルスン兄弟のいるニュー・バースなんかが
すぐに思い浮かぶイメージですね。
経歴と流れから考えると、デトロイト・ノーザン直系を極めると、
ファンカ系(あそこまでドラッギーにはならないだろうけど)、
出身地のオハイオ直系で進化したとなると、オハイオ・プレイヤーズ系、
どちらに進んでも間違いはなかったと思うのですけどね。
ま、そんなわけで、オバマがやろうとしている銃規制は
がんがんやるべきだということで。
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by zhimuqing | 2016-01-13 19:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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