魂を抜かれる

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個人的には近年まれにみるほど予習していたつもりだったのですね。

昔と違い今はネットで探せば、いくらでも映像や音源が転がっているわけで、
復活以降のDの同行は逐一追ってきていた私。
当然現在進行中のツアーでのセットリストや曲の展開はもちろん、
Ðの身振り手振りまで頭に叩き込んでいったつもりだったし、
素晴らしいものになることも分かっているつもりだったのだ。
そんな諸々の「つもり」を軽々と飛び越えていくÐ。
あまりに素晴らしいステージに完全に魂を抜かれました。
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PAがあまり良くなく、低音がボワボワしていて
D達の繊細な歌やピノのベースの旨みが損なわれていたとか、
細かい注文はあるのだけど、そんな細かいことはどうでもいい。
あれから数日経ち、南タイに滞在している今日にいたっても
私の魂がゼップ東京でゆらゆらしているような、そんな気持ちですな。
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ファンク (広義においても、狭義においても)の正当な継承者だとは
信じて疑わなかった私ですが、やはり本物のファンカティアー、
それも全盛期の凄まじい肉体のダイナミズムを目の当たりにすると、
ただただもう圧倒されるだけ。まさにぶっちぎり。
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JBの掌握力と瞬発力、スライの連帯感とシニカルな視点、
ファンカデリックのドラッギーな肌艶と高揚感、カーティスの慈愛、
プリンスの愛嬌と躍動感、フィッシュボーンの心意気、
そういう偉人の遺産をしっかりと引き継いだうえで、
ダブ革命以降ならではのボトムの太さや音像や
サンプリング世代ならではのリズムの撚れまで飲み込む咀嚼力で
徹底的に2015年現在、いやもっと未来までのファンクを
見(魅)せつけてくれた、というのが一番しっくりくるかな。
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例えば全盛期のMJやプリンスのように完璧にコントロールされた
ボディ・ムーヴを魅せるわけではないが、
逆に作りこまれすぎない、その動きから生々しいファンクネスが
滴り落ちていると思う。
JBのようにバンドメンバーを鉄の規律でまとめ上げるのでもないが、
バンドメンバーというよりも、むしろバンドの一員というスタンスには
ヒップホップ世代ならではの集団感覚もあるだろうし、
生前のジミが求めてやまなかったものを掌中にした喜びを感じる。
ジミやクリントンのようにライブの演奏で大幅に逸脱するわけでもないが、
ものすごい演奏を繰り広げつつ、Dの一挙手一投足に集中するメンバーの
緊張感漲る様子からは同種の自由度をまた感じさせる。
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豪勢なバンドメンバーも本当に豪勢としか言いようがない。
初めから判っていたが、見るべきところ、見たい人が多すぎて、
困ってしまう。
まさかのジョイ・ギリアムの見事な歌と振付(もっとじっくり見たかった)、
敬愛するピノ・パラディーノのリズムのノリ(もっとじっくり見たかった)、
リズムの新たな地平を開拓するクリス・デイヴ(もっとじっくり見たかった)、
いなたいチキンスクラッチとほろ苦甘なギターを共存させる
アイザイア・シャーキー(もっとじっくり見たかった)、
良い感じで枯れてかっこよくなったジェシ(もっと…以下略)。
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どこから見ても弱点がないどころか、ほぼ全面的に強力なメンツが
揃っているバンドというのも過去にあまり類を見ない。
ヴードゥー・ツアーでのソウルトロニックスは多分過去最高の
ファンクバンドだったが、今回のヴァンガードも負けていない。
この人材をきっちりピックアップしてくるÐのセンスもさることながら
逆に、いくらでも仕事があるだろうこの人材を引き付けるÐの魅力を
生で見ることで改めて感じ取れたようにも思いますね。
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それにしても、このメンツをバックにしながら、
観客の視線と聴覚を自分一人に集中させるÐの力たるや。
眩いばかりの光を放ちつつ、観客からの反射光を全て吸い込み
更にその輝きを増す永久機関のような、
無尽蔵の底無し沼のように尽きることがないファンクネス。
こればかりはやはり生で見ないと分からない。
生で見て初めて実体が捉えられた気もするが、
実際には何も捉えることが出来ていないというのは、
まったく禅僧の問答のようなものでもありますな。
ライブ終了直後ですら、夢心地というか、
夢でも見たのではないか?という心持ちですからね。
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Ðが復活してくれたことに世の中の諸々に感謝し続けていた私、
この歳になってライブを見ながらあんなに大声を上げ続けるというのも
正直予想していなかったわけですが、ラストの“Untitled”で涙腺決壊。
ホーリーゴーストが世に出される1stヴァースの終わり頃。
でもね、周りも結構みなさん、決壊してましたね。
特に私の真後ろで全編歌っていたお兄さんも
一人横で見ていた小柄なお姉さんも、みんなね。

やっぱり1回だけじゃ物足りないね。
最低でも3回は続けてみないとね。
本人達もかなり満足してもらえたように思いますが、
出来る限り早く帰ってきてほしいなぁ。
Thank you Japan for being a part of these 3 incredible shows.
Hope to see you again soon.

単純王の私はこの言葉、本気で信じているぞ!
来月でもいいぞ!毎月でもいいぞ!
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さあ、問題です、私はどこにいるでしょう!
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こっちはもっと難しいぞ!

D’Angelo & The Vanguard
Zepp Tokyo, Aug.18, 2015

① Ain't That Easy
② Vanguard Theme
③ Betray My Heart
④ Spanish Joint
⑤ Really Love
⑥ The Charade
⑦ Brown Sugar
⑧ Sugah Daddy
⑨ Left & Right
⑩ Chicken Grease
⑪ Untitled




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尻子玉も肝っ玉も何もかも抜き取られた男達の写真。
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翌日さっそくスタジオでクリス・デイヴのまねを試みる男。
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by zhimuqing | 2015-08-19 02:23 | Funkentelechy | Comments(2)
Commented by Hi at 2015-08-25 06:00 x
マゴノシーンさま

こんばんは!?おはようございますかしらん。。
マイアミでございます。

10/6 D氏はマイアミの予定のようでございます?!
マゴノシーンさま、こちらで鑑賞はいかがでしょうか??
…と サクッと耳打ち。。。

サンテリアについては 近く近しいキューバ人に教示賜る予定です。

取り急ぎ!耳打ちしたくなりましたので!!
タイ…美味しそう/楽しそうです♪
Commented by zhimuqing at 2015-08-25 11:06
>> Hiさま

おはようございます!

まさかのマイアミ⇔タイですね。
うーん、なんだか不思議です。

Dさん、10月6日マイアミですか。
10月6日といえば、こちらでは5日。
これはあれをこうやって、これをナニしていけば・・・
すみません、やっぱり難しいっす。

というより10月23日―25日のアリゾナ・ジャズフェスティバルが
ものすごいっす。
バドゥ、マックスウェル、ハミルトン、ケム、スウェット
ベイビーフェイス、ジョデシ、レディシにルーツやコモン。
ああ、うらやましすぎます。

そうそう、羨ましすぎるといえば、キューバ人直伝のサンテリア講習会?
お、面白そうだ。本当に羨ましすぎます‼‼‼
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