GET ON UP

まずは88年の例の事件からスタートという展開に
意表を突かれましたが、ありがちだとはいえ、これは成功でしょう。
事件性をかなり和らげていますが、まあガチなものにしてしまうと
ちょっと映画として成り立たなくなってしまいますからね。
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ジミ、スライ、JBと最近連発しているミュージシャンものの映画では
完成度とこだわりにおいて一番ですね。
アラン・リーズの目が光っているのでしょう、
ステージやミュージシャンへのこだわりが凄い。
時代劇で言うところの時代考証がバッチリ。

主役のチャドウィック・ボーズマンは巷で話題になっているほど
髪型以外のルックスは似ていない(脚が長すぎる)が、
話し方というか声そのものは本物が憑依したレベルで似ている。
体の動きに関しても、流石に全盛期のJBほどのキレはないが
75年以降ぐらいのJBよりは良いように思いました。
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劇中、特にライブのシーンで使われる音は吹き替えでなく、
おそらくは本物の音をリミックスして臨場感を増したもので
これを大きな音で観るだけでも価値があります。
(下手な吹き替えでなくて本当に良かった)

あえて注文を付けると、人間としてのJBを描こうとしたために、
JBの偉大さがもう一つ描けていない気がすることぐらいか。
バンドメンバーの出戻りを許す懐の深さとか、
自分の音楽をきちんと把握して説明できるクレバーな部分、
そして罰金を取るけど後でこっそりフォローする優しさなんかは
もう少し描写が必要だったかと。
(罰金後のフォローは懐柔の上手さとも言えますけど)

決別したメンバーを迎え入れる懐の深さだけでなく、
JBの元を去った後に同レベルの音楽を作ることが出来た人は
ほぼ皆無に等しいこと、についても触れて欲しかった。
ブーチーだけでないか、というのが私の意見。
勿論メイシオやフレッドのP-Funkでの貢献は素晴らしいが、
クリントンやバーニー、そしてブーチーあってこそ、という気がします。

あと、キング・レコードのシド・ネイサンとの確執なんかも
自伝では結構な枚数が割かれているし、必要だった気がします。
デビュー曲のPlease Please Pleaseの録音や
アポロシアターでのライブ録音のシーンで出て来るけど、
やり手のネイサンに対して、単に反発するだけでなく、
きっちり自分の音楽を説明するJBという図は
一人の偉大なミュージシャンとしてのJBを描くときに
欠かせないものだと思うだけにね。
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とはいえ、なにしろエピソードが多いJBですからね。
先日のトークショーでQB師さんは90分を超えた映画は
アメリカでは失敗してしまうと言っていましたが、
面白エピソードを列挙するだけでDVD10枚組の分量になりそうで、
その辺の取捨選択は大変だったろうと、心中お察しいたします(笑)。
サム・クック役で出て来るはずのラルフ・トレスヴァントの姿も
どこにも見当たらないし。
2時間強の映画だけど、おそらくカットされた場面もたくさんあるはずで、
その辺りはDVDの発売に期待したいっす。

あ、あと大事なことを忘れていました。
劇中に出て来るイボンヌ・フェアー役のティカ・サンプター!
た、たまらんです。
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その姿をスクリーンで観るだけでも価値があります、はい。
しかし、何故にイボンヌ・フェアー?
歴代のJBのレビューで一番の別嬪は多分タミー・テレルだと思うし、
長くいたのはマーヴァだと思うのだけど。
まあ、1,2を争う実力派ではあったので良しとしようか。

ということで、1回見ただけでは確認出来ていない部分も多数。
劇場公開中にもう一回観に行きたいなっと。



選曲はほぼばっちり。
ラストにあの曲を持ってくるとは予想していなかったので、
完全にやられました。

ボストンやパリでのライブの再現も素晴らしい。
どちらも本物の映像は画質があまり良くないので、
得した気分になります。

バンドメンバーはそれぞれ特徴が捉えられていて良い。
マシューズやドラモンド、クライドはしっかり出て来る。
バードはもっとゴツゴツしているはず。
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これを見てバードと分かる人はあまりいないはず。

ピンクニーは髪の毛ですぐに分かります。
ブーチー役はベースをもっと縦に構えた方が良かったかも。
あと、もう少し痩せてたほうがいいかな。
キャットフィッシュは激似です。
 
フレッドやピーウィーがあまり表に出ないのも残念。
私としてはメイシオよりもフレッドのほうが好きなだけに。
なによりもダニー・レイがきちんと出てこないのは
私としては重大な欠陥だと思う。
メイシオはこの時期にしては巨漢すぎる、とも。

メイシオ達の離脱とブーチー達の召喚のシーンは
JB史上屈指の劇的な場面なので、やっぱりライブ直前の交代劇として
描いてほしかったかな。

少年時代のJBは無垢な感じで可愛すぎるかな。
産まれたときからもっと目端の効いた感じだったと思うのだが。
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特に幼少期のエピソードはかなり創作が入っていると思いますが、
もはやJBはすでに伝説というか神話の人なので、
どう描いても問題ない気もしている。
というか、そういう物を全て内包出来る器、ですよね。

リトル・リチャードとの話はいい感じ。
JB出所後のライブにも出演した話が入るとなお良かったのだけど。
ブーチーとリック・ジェイムスも駆けつけていたし。
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とりあえず、映画の制作スタッフのJB愛を感じると同時に、
自分の中のJB愛をしっかりと感じることが出来たので、
満足です、はい。
ティカ・サンプター可愛いし。
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by zhimuqing | 2015-06-10 00:28 | Funkentelechy | Comments(2)
Commented by sawa at 2015-06-11 04:45 x
どーもです.

ワタシも先週末観てきました.おもしろかったです.

>>ブーチー役はベースをもっと縦に構えた方が良かったかも。
そうそう,同感.
Commented by zhimuqing at 2015-06-11 07:26
>> sawaさん

おはようございますっ!

面白いですよね。個人的には尺が10倍ぐらいあっても
良かったと思ったりもしますけど。
なんといっても、声のそっくり具合にビビりました。
スプリット(股割り)、全く出来ませんけど、
頑張ってやってみようかと。(ズボンが裂けると思いますが)

ということで、グッゴー!
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