英ケントから再発されたボー・カークランド&ルース・デイヴィス、
数年前に再発されていたと思うのだが、最近全く見なくなっていたので、
大変ありがたいリイッシューですね。
しかも当時所属していたクラリッジのシングルも6曲加えるという、
まさにケントならではのお仕事、素晴らしい。
70年代屈指の男女デュオとして知られるアルバムですが、
ここで展開されるのはどちらかというと中庸の美。
キラキラッに輝くタミー・テレルとマーヴィン・ゲイのデュオ、
ああいう甘みと旨みと気品と凄み、そして苦味という全方位的に
研ぎ澄まされた音、超高級店のフルコースのような音を
期待してはいけません。
あくまでも定食屋での安心できる定番の料理のほうです。
とはいえ、この定番の普通に聴きやすい、というのは、
するりと耳に入ってくる喉越し(耳越し、ですな)とは裏腹に
歌い手もバックも曲作りもかなりの実力がないと出来ないもの。
必要以上にスリリングな節回し、華麗でドラマティックな展開、
そういうものはここにはあまり含まれていないし、
どちらかというと垢抜けないといったほうがいい音ですが、
聴きこめば聴きこむほど、しぶとい音楽性に唸らされるのだ。
そういう意味では、グループとしてのシャーデーからオサレ成分を抜いて、
人懐っこさと田舎っぽさを大幅に増量した感じといえば分かるかな?
まあ、この写真を見てフルコースを期待する人は
失礼ながらあまりいないかな。
でも、人の良さは滲み出ていますね。
良い友達になれそうな感じ。
時代背景もあり、やや甘めの少しいなたいディスコっぽい音作りですが、
バックの音、特にドラムやベースはいい音で録られていて、
大音量にして聞けば聞くほど、気持ち良くなるという特性がありますね。
イギリスのクラブシーンで人気だというのも頷けます。
ライナーはまだ読み込めていないけど、参加ミュージシャンも気になります。
最近、一気に再発されたCBSの70年代後半のアーバンなソウル、
例えばZZヒルとかタイロン・デイヴィスとか、その辺の音がとみに
気持ち良く感じている私には、非常にいい感じです。
マーヴィン&タミーをまだ聴いていない人、持っていない人には
そちらを先に入手することを勧めますが、この冬の時期に
ほっこりしたい人には買って損はしないですよ、ということで。
こちらはボー・カークランドakaマイク・ジェイムズ・カークランドのソロ。
本名のマイク・ジェイムズをボーに変えたのは、マイケルと似ていると思ったためだそう。
間違える人はいないと思うけどね。
中身は残念ながら私は未聴。
でも出来自体はデュオ盤のほうがいいらしいです、はい。
こちらは言わずと知れた世界最高峰のデュオ。
二人の歌も凄いが、ファンクブラザーズの演奏、アシュフォード&シンプソンの曲、
ハーヴィー・フークワとジョニー・ブリストルのプロデュース、
どの切り口からみても完璧だ。異論は認めません。
個人的には80年代最高はこの二人かな、アレックスとシェレール。
デュオ・アルバムを発売しなかったことは本当に勿体ない。
適当な画像がないが、パティ・ラベルとウーマックの組み合わせも最高だ!
万人向けではないですけどね。