ゴーディー節全開!

短期の出張に行ったのだが、前々日に古本で見つけてしまったから、
これはもう仕事の邪魔になって仕方なかったのですね。
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To Be Loved: The Music, The Magic, The Memory of Motown
by Berry Gordy
邦題:モータウン、わが愛と夢

ゴーディーの自伝が出版されていたなんて全く知らなかったので、
驚いてしまいましたね。翻訳は吉岡正晴。
吉岡正晴のライナーノーツはもう一つ面白みに欠けていて、
かといってマニアックな情報も少なく、正直あまり参考にしないのですが、
こういう翻訳では丁寧な仕事ぶりと読みやすい文章で信頼が置けますね。
途中に入る注釈が丁寧過ぎる部分もありますが、
これは読みものとして間口を広げるために必要だとも思いますし。
(本人の後書きでも書いてますね)

で、なんといってもモータウンを一代で築いた男の自伝ですから
面白くないはずもない訳ですが、何と言いますかね、
本一冊かけてダイアナ・ロスへの熱い思いを語り尽くすという、
その過剰なアティテュードが全くもってゴーディーのイメージ通り。
そんなに赤裸々に書き下ろさなくても、と誰もが思うでしょうが、
ゴーディーはそんなことは全く気にしませんね。
姉のグウェンとアンナに捧げられているのですけどね、この本は。
途中からダイアナ・ロスしか目に入らなくなる溺愛ぶり。
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このロスの目は相当恐ろしいけどね。

ダイアナへの熱い思いからすると枝葉に過ぎないのだろうけど、
例えばスティーヴィーを如何に重要視していたか?とか、
モータウン25出演前にマーヴィンとサシで話をしたことや、
ミラクルズを気に行ったのはスモーキーの才能を見抜いたというより、
実はクローデットに惹かれたからだとか(これは仕方ないかな)、
ジャクソン5をオーディションした時の葛藤だとか、
そういうゴーディーサイドから語られる当時の逸話が面白すぎる。
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個人的には、ミッキー・スティーヴンスが独立する時のやりとりや
メリー・ウェルズを凄く気に入っていた話は
良くあるモータウンのストーリーとは違った見方で、
これまたなかなか新鮮で興味を弾かれる部分かな。
逆にデトロイトからLAに拠点を移した時に置いてけぼりになった
ミュージシャンやシンガーに対する想いが感じられないのは少し寂しいかも。
(ダイアナ・ロスへの熱愛故なのかもしれないけど)
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クリス・クラークと愛人関係にあったのは予想通りだけど、
シリータのことは歌手として気に入っていたというのも初耳で、
家にあるシリータのアルバムをもう少し聴きこまねば、とも。
噂の才色兼備の二番目の奥さん、レイノマの写真も初めて見ましたが、
やはり相当にカッコイイ。
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知人のMさんに似ている。

ゴーディー節は当然そこかしこに散りばめられておりますが、
それはまだ読んだことがない人のために取っておきましょう。
“29歳だから何なんだ。おれは39歳であろうと49歳であろうと諦めない
明日という日から変わるかもしれない”等等、名言多数です。

あと、本を読んでやはり強く感じるのは、社長としてよりも
ライターやプロデューサーとしての自負が強いことでしょうね。
これまでゴーディーというと、私にはどうしても社長のイメージが
強すぎたので、それも意外な感じですね。
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スモーキーと。

改めてゴーディーが関連している曲を思い返してみると、
ジャクソン5初期の4連発での仕事を除くと、例えばコントゥアーズとか
ジュニア・ウォーカーとか、バレット・ストロングの“Money”とか、
モータウンの名曲の中でもアーシー度が特に濃厚。
このオヤジさんはそういう意味でも首尾一貫しているな、と
思ったりもする訳で、ゴーディーの作った曲でCD1枚分ぐらい
じっくりと選曲してみなきゃいかんなぁと思う訳ですね。
もちろん1曲目はダイアナ・ロスへの秘めた思いを
マーヴィン・ゲイに歌わせた(なんとまあ屈折した)あの曲からスタートだな。
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by zhimuqing | 2014-12-19 00:17 | Funkentelechy | Comments(0)
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