一つだけ間違いがあるけど

遅ればせながら、昨年の秋に出版されていた本を読了。
【JB論 ジェイムズ・ブラウン 闘論集 1959-2007】ですね。
1959年から2007年までのJBに関する様々な記事やインタビューを
まとめたもので、編集はネルスン・ジョージとアラン・リーズ。
世界最高のJBマニアのクリフ・ホワイトは?とも思いましたが、
当たり前だが、クリフ・ホワイトの書いた記事ももちろん収録。
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頭角を現してきた60年代初頭、スター街道一直線の60年代後半、
押しも押されぬオピニオンリーダーとしての70年代半ばまで、
ディスコに押されて低迷気味になってきた70年代後半、
ヒップホップに再発見され意気上がる80年代、
うまくいかない夫婦関係とドラッグでぼろぼろになる80年代後半、
そして元気に(専制的に、ともいう)振る舞う晩年と、
時代の変遷とともにJBに対する外野の見方が変わっていく様子が
ありありと描かれていて、ほとんど目新しい情報はないものの、
やっぱりJBの話は相当面白い。
ちなみに日本のライターの中にはあせった人もいるかもね。
こっそり元ネタにしていたんだなと、私にも分かっちゃいましたよ。
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全盛期の絶賛口調の記事よりも、やや人気にかげりが出た頃の記事のほうが
読み物としては面白いのは仕方がない。
バンドメンバーとの軋轢とか、巨大になりすぎたエゴが暴発する様子が
繰り返し描かれるが、でも、そこはジェイムズ・ブラウンですからね。
JBの凄さが増すことがあっても、損なわれることは一切ない。

JBが自分の音楽を「20世紀におけるアメリカ最大の音楽的革新」と考えていると
記事に書かれているが、21世紀も15年過ぎようとしている今から考えてみると、
それは少しだけ間違えている。
「アメリカ最大」ではなく、「世界最大」ですね。
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収録された記事で面白いのは、まずはアラン・リーズの書いたもの。
なんと言っても、69年から74年までのJBのツアー・ディレクターですからね。
このあたりの記事は実はワックス・ポエティックスで既に日本にも紹介済みとはいえ、
内側の人であり、一方で白人であるということでアウトサイダーでもあるという、
リーズの視点からのレポートと言うのは何度読んでも面白い。

読んだことがあると言えば、編集盤≪Funk Power≫に載ってたチャックDの文も
当然ながら読み応えがありますね。
あと、初見のものでは、アフリカ・バンバータとの“ユニティ”の時期の取材も面白い。
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バンバータはやっぱりクールだな。
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そして、やっぱりびっくりするのが、クリフ・ホワイトの77年の文章ですね。
77年の時点でバックのミュージシャンにもきっちり光を当てている。
この辺はホワイトが数ある素晴らしい編集盤を作る際にも
非常に大事にしてきた部分であり、本当に世界中の音楽好きは
ホワイトの業績に心から感謝しないといけません。
この人がいなければ、JBとその配下のミュージシャンの業績は
もっと曖昧模糊なものになっていたことは間違いないです。
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ちなみに、バックのミュージシャンへの締め付けと不満については、
他の人の記事でも触れられていて、それが意外に面白かったりもするのですが、
ホワイトはその辺に触れつつも、彼らのほとんどがJBの元を離れた後に、
JB時代のレベルを超えられなかったことを77年の時点でしっかり指摘しているのも凄い。
(ここはジョージ・クリントンと他のPファンクの面々にもしっかり当てはまりますね)
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記事の中で評判の悪かった胸像。でも一度は観てみたい!

ということで、まず読むべきはJBの自伝のほうだと思うけど、
例えば3篇入っているアラン・リーズの文章を読んだことがないような人は
やっぱりこの本を入手することをお勧めしますね。間違いありません。
でも、その前にクリフ・ホワイトの編集盤のほうが先かな、やっぱり。
あと、気になるのが未発表になっているという、スライ&ロビーとのセッションだな。
そんなのがあるなんて知らなかったぞ!クリフはん、頼みますよ!
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ここだけの秘密だが、今は故郷クロノスに帰って、
クリンゴン最高評議会のメンバーになっているらしいぞ。
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by zhimuqing | 2014-10-05 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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