たしかにミラクルパンチだ!

「アジアのミラクルパンチ」
本屋に山積みされている、よくある日本人妻ものでもなく、
海外の危険な生活を自慢するものでも当然ない。
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ネットはもちろんのこと、電話さえも引かれていない
20年前のインドネシアの下町に飛び込むというだけで、
ある意味、玉砕的な体当たりだし、実際は相当苦労したのは
間違いないはずだが、おおらかでさりげない書きっぷりからは
その人柄がよく伝わってきますね。
それにしても、ネシアの下町で出産するというのは、
相当に根性が座っていないと出来ないですよね。
ま、本人もそうだけど、それを許す両親も凄いとも思いますが。

全体を通して書き綴られた文からは、著者の細胞がどのように感じたかが
溢れ出していて、20年たった今でも大層瑞々しい。
ダウン・トゥ・アースと言う言葉も思い出しますね。
文体のフットワークも抜群でリズミックで若い生命力を感じさせますね。
一貫して、結婚相手のンマ(祖母)への尊敬の念が滲みだすところもいい。

あくまでも自分の身の回りの出来事を内側から見つめているのだけど、
視線がまっすぐなので、モノや情報に溢れる当時の(そして今の)日本を
見透かすパースペクティブな深さまで到達することもあるのが素晴らしい。

苦労を苦労と思わせない愉快な話が続く。
冒頭から洗濯がいかに大変かを切々と説いてみる本はあまりないし、
お手伝いさんが来てくれたために、やることがなくなり悶々としてみる話も
海外駐在の奥様方とは別の次元の話で面白い。

個人的に、興味深く読んだのはやはりゼンコウのあたりかな。
私には謎の、そして出来たら敬遠したい、物凄く臭い料理の話。
作り方まで丁寧に書かれてあるし。

料理の作り方といえば、素材にこだわった美味しい唐揚げの作り方で
いきなり鶏を市場から買ってきてしめるところからスタートするのも
なかなか愉快ですね。
あとはイスラムでの風習で羊なんかを生贄にする話も
内側から素直な視線で観ていて面白い。
あと、一夫多妻制の話とかね。

白黒で写っている写真が綺麗みたいなので、
鮮明なカラーで見てみたかった気もしますが、
これは文庫本オリジナルなんで、仕方ないっすね。

ちなみに著者の今井千香子さんは実はバンド仲間。
58 Specialのフロントでドスを効かせてシャウトしている人ですね。
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こちらは20年後の姿!
付き合いはもうすぐ3年近くなるけど、
こんな本を出していることは全く知らなかったのです、はい。
知り合いの著作でも良くないと思ったものは薦めません。
残念ながら絶版なんですが、アマゾンで廉価で手に入るので、是非とも。
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by zhimuqing | 2014-08-31 00:28 | U GOTTA FRIEND | Comments(2)
Commented by ごっぱち at 2014-08-31 06:09 x
近所の図書館で発見した時は感動したよ。
まったくもって素晴らしい母ちゃんだ!
Commented by zhimuqing at 2014-08-31 13:06
>> 58兄さま

私はアマゾンで買ったのですが、本屋とか図書館で見つけると、
感動は更に深そうですね。
まったく凄い肝っ玉です、はい。
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