危ないところでした

あまり時間をおかずにドクター・ジョンの新作が登場。
素晴らしかったヴードゥー全開の前作を受けての新作、
しかもサッチモの曲をドクター・ジョンがカバーとなると、
期待もいや増すというもの。
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正直に言いますとね、初めの印象はもう一つだったんですよね。
ドクターの作品の中では中レベルかな、期待しすぎたかな?等と
したり顔で分かった気になっていたのです。
危ないところでした。

オープニングの“この素晴らしき世界”は
ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマのぶ厚いコーラスが効いていて、
最高の出だしなんだけど、2曲目のファンク(いやフォンクか)仕立ての
“マック・ザ・ナイフ”がソツが無さ過ぎて破綻がないというか、
引っ掛かりが少なすぎる気がして、テンションが盛り下がってしまったのですね。
もう一つカッコ良くないラップも邪魔だし。

たくさん参加しているゲストの中で一番期待していたアンソニー・ハミルトンの
“Sometimes I Feel Like …”もベタっとした感じで、平板だし。
バンドの演奏は上手いけど、つるつるし過ぎているし…、と
危うく棚の肥やしになるところでしたよ。
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このアルバムのメイン・ディッシュは中盤以降ですね。
7曲目の“That’s My Home”からアルバムラストまでの流れは完璧。
ファンク調、しかもツルツルしたスムーズジャズ方面に近い、ではなく、
よりトラディッショナルなスタイルに近い方が気持ち良いですね。
ドクター・ジョンのピアノや歌はいつでも文句なしだが、
そういう曲調の方がより映えるのは間違いない。
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あと、ゲストのヴォーカル陣も豪華(人によっては渋いだけかも)ですが、
ボニー・レイット、レディシ、シェメキア・コープランド、
いずれも甲乙つけがたい。それにしてもレディシは本当に幅が広い。
レイット姐さんはギター弾いてくれていたらもっと良かったのに!
3曲目で猛烈にスペイン語でのラップというか語りを聞かせるテルマリーは
相当カッコいいので、色々漁ってみたいぞなもし。
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意図しなかったのだけど、写真が一番でかくなってしもうた。

このアルバムはサッチモのトリビュートなんで、もう一つの売りは
トランペッターがたくさんフューチャーされているところですね。
その味わいを聴き比べるだけでも相当面白い。
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名前を見ずに好みを探ろうとしてみたのだが、
ひしゃげたフレージングがヒップな9曲目“Wrap Your Troubles”と
ガラっぱちな破裂音が気持ち良い5曲目“Gut Bucket Blues”が良い!と
ブックレットを確認すると、テレンス・ブランチャードとニコラス・ペイトン!

(私的には)有名でない人を持ち上げて見栄を張りたかったのに、
あまりにも有名どころだったので、なんだかガッカリ、
いや別にがっかりする必要もないのですけどね。
あとは“That’s My Home”でのまろやかの度合いが過ぎてファンキーな
ウェンデル・ブルニアスのフリューゲルホルンが素晴らしい。

ということで、初めの印象と結構異なって、いまや愛聴盤なのですが、
私は知らなかったのですが、バックバンドのLower 9-11、
新しい方向に進みたいというドクターの意を受けて、すでに解散していたのですね。
ドラムのハーマン・アーネストⅢはかなり好きだったんですけどね。
ああ、最近の来日ライブ、観に行っていなかったからねぇ。
これまた失敗だ!

ということで、それはさておき、御歳73歳でもまだまだ全盛期のドクター、
出たばっかりのこのタイミングで言うのもなんですが、
次回作も期待していますよ!
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by zhimuqing | 2014-08-27 18:14 | Funkentelechy | Comments(0)
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