アフロ万歳

70年代にCOCOレーベルを立ち上げたハーヴィー・アヴァーンといえば、
エディ・パルミエリの諸名盤の制作で有名なプロデューサーですが、
68年に発表したHarvey Averne Dozen名義のアルバム≪Viva Soul≫は
さすがにその才能が爆発した素晴らしいアルバムですね。
ブーガルーはラテンの正史?からは徒花扱いされていますが、
こういう流行を追った音楽にも、いやだからこそ、色々な仕掛けなんかが
隠されていたりするのが面白いところです。
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ブーガルーの名盤としてその筋で愛好されてきたアルバムですが、
ラテンの文脈だけで評価されるのはもったいない、というか、
デトロイト・マナー全開のソウル・アルバムとして聴いたほうが
その真価が分かりやすい気がしますね。
まあ、かくいう私も数年前にボンバから再発されて購入した時には、
うんうん、楽しいブーガルーだ、と聴き飛ばしていたのですけどね。
アルバムのタイトルは≪ソウル万歳!≫なのにね。

デトロイトものに毒された?耳では、何しろリードの歌がソウルフル。
アルバムには参加ミュージシャンのクレジットが何もなく、
どこのどなたが歌っているのかさっぱり分からないのがとても残念です。
もしかしてソウル界の誰かかなと思ったりもしないわけではないですが、
NYやキューバ、プエルトリコといったラテンの世界の界隈には、
他のジャンルでも確実に大スターになりそうな名歌手がゴロゴロしているので、
やっぱりラテン界の人なのかな?

まあ、このリードをとる男性ヴォーカルはとてもかっこいい!
60年代のデトロイト周辺の歌手と比べても遜色ない。
声の張りとタメ、バックの音との調和、タイトにもルーズにも決まります。
そのリードを前後左右?から支える女性のコーラスも華やかで魅力的です。
一部では、むしろこのコーラスのほうが人気があったりするのもよく分かります。
パンチも効いているし、アレンジと歌の力量とのバランスが取れていて、
この辺は編曲を担当したマーティー・シェラーの仕事なのでしょうか?

疾走感があふれるバックの演奏も(当然のことながら)素晴らしい。
エイトビートに多彩なパーカッションが絡むのはブーガルーならでは。
あと、随所に決まるキメの数々のかっこよさ。
ヴァイブ(これは流石にアヴァーンでしょう)とベースとのユニゾンが特に燃えます。
ヴァイブラフォンが多用されているのが、デトロイト感を高めますね。
ジャック・アシュフォードとかデイブ・ハミルトンなんかの職人技ってやつです。
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ただ、ヴァイブは元々マンボなんかの得意技であるわけで、
逆にラテン音楽がソウルに与えた影響の大きさを示しているとも言えるわけで、
そうなると、ソウルはラテン音楽の一種として捉えるべきだという、
発想の軸の転換を迫られるような気にもなるという、不思議な感じにも。
まあ、ジェマーソンのリズムの間隙を縫うようなフレージングも
ピストル・アレンのタムを中心に組み立てるリフもラテンの影響大だし、
ソウルの源流の一つであるニューオリンズもラテン音楽と言えるし、
アフロ音楽として考えると、ラテンもソウルも同じ音楽なわけで、
ジャンルに区切って聞く意味はあまりないのでしょうね。
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エディ・パルミエリと。

ということで、ブーガルーをいろいろ探求したくなるのだけど、
なにせ狭い世界なので、一度再発されたものはすぐに廃盤になるし、
そうなると入手困難になるのが、困ったところですね。
まあ、資金が限られている身としては、足で稼ぐしかないということで、
ボチボチ集めていくとしましょう。
それにしても、リードの歌手は一体誰なんでしょう?
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by zhimuqing | 2014-07-29 23:28 | Rumba DE Manbo! | Comments(0)
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