近所のハードオフの108円投売りコーナーで捕獲したCD3枚。
どれも盤面はきれいだし、ブックレットも問題なしで、〆て324円! キース・リチャーズの88年のソロアルバム≪Talk is Cheap≫。ブーツィーが参加した1曲目が目当てと思わせつつ(誰に対して?)、実はメロウ極まりない5曲目の“Make No Mistake”が聴きたかったのです。 元ラベルのサラ・ダッシュをデュエット相手に招いてのサザンソウル、というより、もろハイ・サウンドを再現して、キースが渋く歌い上げる曲。大昔ナイトジャック福岡で見た時に凄く好印象だったのですが、20年以上経って聴いた今のほうがその良さが良く分かりますね。 派手なことを一切やらないドラムのスティーヴ・ジョーダンの 圧倒的な推進力と駆動力!が特にイカすし、アイヴァン・ネヴィルの鍵盤もいい感じだけど、キースとダッシュの酸いも甘いもかみ分けた歌がとてもいい!ストーンズ関係の曲では今この瞬間一番好きかも。 1曲目のブーツィーとバーニーとメイシオが終結した“Big Enough”は、ミュートロンを効かせたブーツィーはスペースベースをかましすぎず、結構いい感じなのだけど、いかんせん曲が短すぎて、ノリがぐっと出てくる前に曲が終わってしまう。あと、先ほど褒めたのに手のひらを返すようだけど、この手の曲ではキースの歌も弱い。やっぱりスローナンバーでのソウルフルな曲のほうが合うのでしょうね。少しもったいないかも。 ちなみに他の曲は今のところあまり聴いていないので、コメントは出来ませんが、ジョーダンのドラムはとりあえず全編素晴らしい。とりあえず108円は大当たりですね。(なんか色々な人に怒られそうだな) テックスメックスもワンドロップもヒップホップもロックも同じジョーダン印で軽々とこなす腕前は素晴らしい。 2枚目はグレン・ジョーンズの≪Here I Am≫、94年作。残念ながら今のところ、メジャーからの最後のアルバムですが、比較的落ち着いた打ち込みの音をバックに縦横無尽に歌いまくります。曲もいい曲が多く、多少地味なところはあるものの、これは隠れた名盤と言っていいでしょう。 ほとんどの曲をグレン・ジョーンズがプロデュースしているのですが、そのため、よく言えばアルバム全体に統一感が、悪く言えば、メリハリに欠ける出来に。正直に言うと、どちらかと言えば、後者の感が強いのだが、(総じてジョーンズのアルバムでは多い傾向とも言えます)1曲1曲をじっくり聴くと、素晴らしい歌唱が味わえるし、随所にジョノビア・ジーターの歌がバシバシ聞こえるし、歌モノとしては相当充実した出来で、折に触れて愛聴出来そう。ブックレットを見ると、ジーター姓の名前がたくさん。やはり一族全員名歌手なんでしょうね、ジーター家。 一時期、ジェノビアと離婚したという噂もあって、私も心を痛めていたが、先日無事結婚22周年を迎えたらしい。 それにしても、個人的には時代に恵まれなかった人の感が強い。80年代の全盛期?には打ち込みの全盛時代でもあり、歌とバックとの有機的な結びつきが今ひとつ軽視されていたし、90年代半ば以降のネオソウルの波にもうまく乗れなかったし。でも、インディーで充実したアルバムが作れる今の時代だと、その実力を存分に活かすことが出来る可能性もあるし、80年代を代表するシンガーでもあるし、私は期待し続けているのです。頼みますよ! これは驚きのツーショット!グレン・ジョーンズとトニー・テリー!!最近一緒にツアーしているらしい!そのまま日本にも来てくれないだろうか? 最後の一枚はブラウンストーンの2作目にして今のところ最後のアルバム。90年代の女性コーラス・グループはアンヴォーグの衝撃から始まったので、他の時代に比べても実力派が多いと思うのだけど、その中でも3本の指に入るグループですね。 実力的にはアンヴォーグとブラウンストーンとエクスケイプですね。ちなみに、ルックスについてもアンヴォーグはやっぱり3本の指に入るけど、おっと、それ以上、踏み込むことは野暮というものですね。マキシーの男前なルックスが少し怖い等と言うのは、野暮の極みですな。 1枚目のアルバムは発売後すぐに買ったのだけど、(でも今どこにあるのか分からない)2枚目は友人に借りて聴いていたので、優先度が低くなり、これまで買いそびれていたのですね。 リードを取るニコール・ギルバートの歌力はやっぱり凄い。インディーから出したソロのアルバムも凄かったけど、優雅さと力強さと説得力の三位一体、素晴らしい。コーラスが少し厚すぎる感じはあって、昔1stを聴いたときは少し違和感があったけど、今聴くと、これはこれで、コンテンポラリーなゴスペル由来と言う感じで、これはこれでありだと思いますね。 マイケルのMJJレーベルから出ていただけあって、有名どころのプロデューサーが参加しているけど、個人的にはソウルショック&カーリーンのコンビ作が好きかな。ロドニー・ジャーキンスも後のマイケルとのコラボの時のように厚化粧にならない音作りで、この頃は本当に良かったな、と。 とはいえ、肝はやっぱりニコール・ギルバートですね。リードでの歌いっぷりもそうだけど、プロデュースにも、ヴォーカルのアレンジにも縦横無尽の活躍。別に消えてしまったわけではないけど、もっと色々なタイプの曲を歌う姿が見てみたいものだ。
by zhimuqing
| 2014-07-27 20:00
| Funkentelechy
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