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試掘する余力はないのだけど

クインシー・ジョーンズが手がけたサントラ≪Dollar$≫。
サンプリング・ソースとしても人気があるアルバムですが、
フラッシュ・ディスク・ランチにて捕獲。
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71年のクインシー作ですから、メンツは超豪華ですね。
ギターはデヴィT、エリック・ゲイル、アーサー・アダムズ他、
ベースはレイ・ブラウンとチャック・レイニー、ドラムはポール・ハンフリー。
キーボードにはビリー・プレストンの名も。
まあ、間違いないメンツですよね。
ボーカルには、ロバータ・フラックに加え、リトル・リチャード!
個人的にはハンフリーの名前が決め手になったかな。

アルバム自体はわりと純然たるサウンドトラックという感じで、
インストの小品が並ぶわけですが、流石にこの演奏陣で、しかも71年。
ゴージャスかつメロウかつファンキーな音がそこかしこに満載で、
DJに重宝されるのも、頷ける話ですね。

一発でその人と分かる音を出すチャック・レイニーは、
多分この時期から少し後までぐらいが最高に輝いていた時期。
演奏の凄みは言うことが無い。
ジャズ界屈指の強力な推進力を持つレイ・ブラウンは
レイニーばり(というよりむしろその元祖ですね)のハイノート使いがカッコいい。
スリルとテクニックと安定感を高いレベルで兼ね備えたこの二人を
同時にセッションに呼ぶなんて、クインシーぐらいしか出来ない芸当です。

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個人的には、リトル・リチャードの歌とピアノがフューチャーされた
“Money Is”に尽きますかね。
ハイハット捌きも実に見事なハンフリーのキレと粘りの調和したドラミングに
レイニーの粒を揃えた、それでいて柔らかいベースが重なるとなると、
悪くなるはずもありませんね。
この時期には既に低調な活動になっていたリトル・リチャードも
流石に全盛期の爆発、というか暴発力はないものの、
技巧とかそういうものを振り捨てた、がむしゃらさが大変美しいですね。
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もう1曲、リチャードがフューチャーされた曲はもっとリチャードよりの曲
もちろんこれも悪くないですが、出会い頭の一発という点では先の曲に譲るかな。
この時期のリチャードのアルバムは一度も聴いたことはありませんが、
もしかすると70年代~80年代初頭にかけてのレイ・チャールズみたいに、
宝石の原石が隠れているような気もするんですけどね。
その辺を試掘してみるまでの余裕と余力がないなぁ。
そのうち、気が向いたときにでも、ということで、
誰か代わりに発掘してくださいませ。
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もっともクインシーのほうが隠れた名曲が多いでしょうね。
というか、もう既に隠れていなさそうだけど。
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モヤーン氏の敬愛するサミー・デイヴィス・Jrとの作品にも
カッコいいのが隠れてそう。
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by zhimuqing | 2014-06-25 00:28 | Blues 4 Terapin | Comments(0)
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