偉大すぎるな、やっぱり

野太く生命力に満ちた、野性味溢れるが気品も同時に感じさせる声、
声のレンジの広さ、声量の豊かさといった本来の素質に加え、
おおらかな符割なのにリズミカルな節回し、キャッチーなメロ、
もちろんピコン(カリプソ独自の諧謔精神)の効かせ具合も素晴らしいのだろうけど、
そこまでカリブ訛りの英語が分からない私でも、歌声を聴くと一発で、
56年に「ジーンとダイナ」でさっそうと登場して以来、
マイティ・スパロウがカリプソの王者として君臨してきた理由が
分かるというもんだ。
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反骨と諧謔の塊という意味では、海を隔てたヨルバのアニクラボ大統領を
思い出したりもしますが、声自体の持つ魅力と圧力、カリスマ性でも
かなり共通する部分が多いですよね。
Strut Recordsがそういう視点からプッシュする部分も良く分かる。
主役に圧倒的な存在感があるため、バックの素晴らしいミュージシャンの名前が
ほぼ無名なままになっているのも、そういえば似てますね。
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スパロウ様の近影。

もっともフェラ・クティの場合はアルバム中心での活動だったために、
その音楽について今ではかなり分かりやすくなっているのですが、
シングル一発での風刺やネタで勝負するカリプソ界なだけに
スパロウについては分かりにくくて謎めいていますね。
(マニア心をくすぐる、とも言いますが)
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ということで、私も編集盤を中心に聴いている訳ですが、
お勧めは前述のStrutから出ている2枚組ですかね。
かなりマニアックな音源まで含まれているのですが、
どれも極太の歌と素晴らしい演奏に溢れています。
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アナログも欲しくなってきたが、ここはぐっと我慢の2文字です。

もう一歩進めるのだったら、曲の重複はあるけど、
Ice Recordから出ている4枚シリーズでしょうか。
ただ、このCDは注意が必要。
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カラーコピー的なジャケットのバージョンのものがあり、
ブックレットが1枚のペラペラで歌詞も付いていないので、
気を付けないといけないっす。
私の手持ちでは第2集と3集がこのペラペラ品です、はい。
まあ、中身は完璧なんですけどね。

それにしても、スパロウの歌ですが、最近気が付いたのだが、
キャブ・キャロウェイの影響が大きいですね。
朗々としていて、それでいてエッジの効いた大きな歌い回しなんか
相当近いというか、影響を受けているなぁと。
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まあ、当時映画になっていたぐらいなので、キャブ・キャロウェイの影響力は
物凄く広い範囲まで広がっているし、カリブ海のスパロウだって
影響を受けても何もおかしくないですよね。
なにせT-ボーン・ウォーカーからスリム・ゲイラード、
ディジー・ガレスピー、ジーン・アモンズに至る訳ですからねぇ。

もう一つ言えば、カリプソのピコンの影響力も面白いですね。
俺様自慢やライバルをディスる歌もそうだけど、時事ネタを上手く使って
権力者を小馬鹿にする歌も実に多く、そういう意味では
ヒップホップの源流である事は間違いない訳で、
北米とカリブ海(と南米)に拡がるブラックネスの環の面白さに
仕事なんかホッタラカシにして音楽に浸りまくりたくなるのですが、
まあ、そうもいかないのが渡世の義理というやつで、
ここでスパロウの様に気の利いたフレーズが出てくれば
私もラッパーとして生きていけるかもしれないのだが、
全くひねり出せないのが我ながら情けないところですね。
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by zhimuqing | 2014-06-04 23:28 | Funkentelechy | Comments(1)
Commented at 2014-06-07 08:54 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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