突き抜けるにも程がある!

そのLPを買ったのはミナミのフォレバー・レコードだったと思うのだが、
家に帰って開封してみると、ヨーク様のデカいポスターが入っていて、
そのあまりにパンチの効いたお写真、ややお化粧も施して、に
別の意味でのガッツポーズが出たような気がする。
(久しぶりに取り出してみても、パンチの聴き具合は変わらない)
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ダレ得という、普段使わない言葉を思い出す。

ということで、その筋、甘茶ソウル街道では非常に評価が高いDr.York。
あのドレイが憧れて、自分の名前にもDr.を付けたというのは、
私がたった今でっち上げたデマ情報ですが、
機械化が進み柔らかさを失っていた80年代半ばのソウルの歌ものとしては
圧倒的とは言わないけれど、確かにイケる甘めの音作りと歌いっぷりで
当時(一部で)かなりの人気を博したというのも頷けますね。
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プレミアがついているので、セカンドやサードは未聴・未入手ですが、
私の持っているこの1stアルバムは、打ち込みのドラムの音も控えめな
鼓膜に優しい音質になっており、生楽器ともあまり違和感がないのが◎。
85年にしては打ち込みがほぼドラムのみなのは、
おそらく予算上の都合だと思うけど、それがかえって効果があったという感じ。

こもった曇りガラスのような音質もチープではあるが、
それが味わい深さやくどすぎない甘さに繋がっていて、
まあカネをかければよいという物でもないという見本になるものですね。
もっともセカンドやサードでは結構打ち込み臭がきついらしく、
こういう天然の味わいはやはり天然でしか産出しえないものなのでしょう。

歌にしても超絶技巧でなく、力強く歌い込んだり、
ファルセットを敷き詰めたりすることも無いが、
ソフトに滑らかに迫る歌い口には独特な旨みがあり、
90年代以降のナヨっとした歌手の先駆けとも言えるもの。
リズムナンバーもいいけど、やっぱりバラードですかね。
スタイリスティックスの"You're My Everything"は名曲なので当然良いが、
ベストは冒頭とラストを飾る"It's Only A Dream"がベストだな。
メロウなギターの乗せ方も素晴らしいし、むせび泣くサックスも良く、
この人のクリエイターとしての才能を感じさせますな。

67以上の別名を持つ男、Dr.ヨークはかなりヘンテコな経歴の人。
母親はアメリカ人のようだが、本人の生まれはエジプトの南部ヌビア地方。
子供の頃にアメリカに戻り、ミュージシャンになったのだが、
エジプトで神学なんかの博士号を取る等、かなり変わった経歴。
(おそらく母親譲りなのだと思われるのだが)

それだけだったら、もう一歩進めばサンラーとかクリントンに接近!なのだが、
流石にルックスを見るだけで分かるように、ヨーク博士はタダものではなく、
もう一歩どころか、完全に突き抜けて、ヌワビアン・ネイションという教団を結成。
ブラック・ムスリムの流れを組んでいる教団等と言われているのだが、
古代エジプトとかピラミッドとかUFOとか陰謀論をごった煮にした教義で
一緒に考えるのはお互い?にとって良くない気がする。
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うーむ、本人と側近は少なくとも楽しそうだが。
ちなみにブラック・ムスリムというか5%ネイションについては、こちらが詳しい!
凄すぎるブログです。

スコーンと突き抜けたヨーク博士、信徒には徹底した禁欲を言いつけ、
本人は“I do not live under your law”と好き放題楽しんでいたのはいいが、
100人を超える児童虐待の罪に問われ、懲役135年の刑に服しているそう。
(まあ、禁欲とか道徳とか愛国心を語るヤツにはこういう人が多いのは有名な話だが)
そのパワーをファンクの方に向けていたら良かったのに、と思いつつ、
流石にこのような状態では廃盤の再発はアスカのCD再発より難しかろうと
思ったりもするのですね。勿体ないですな。
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ライブでのセッティングだったら、相当愉快な図なんだけどね。

ということで、明日から大阪に出張。
ミナミに行く時間が作れるかどうか分かりませんが、
フォレバー・レコードはじめ、あの辺りのレコード屋がどうなったか?
見に行ってみることにしましょう。
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こちらは本日我が家に来た宇宙からの使者。
カワイイ!
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by zhimuqing | 2014-05-28 23:28 | Make Me Wanna Holler | Comments(0)
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