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デュオものの最高峰だ

LPをデータ化するのは結構楽しいのだが、
意外に(予想通り、ともいうけど)手間がかかりますね。
なもんで、色々買ってもなかなかデータ化が進まないのでありますが、
よく考えてみると、CDのデータ化が簡単すぎるのであって、
音楽を大事に聴くという観点からは決して悪いことではないな、と
そんなオッサン臭いことを考えたりもするのですね。
最近なんかCDをプレイヤーで一回も聴かずに
いきなりリッピングすることもありますからね。
まあ、音楽をいきなりデータで買う若い人から見ると、
単なるオッサンの戯言って感じなのだろうけど。

ということで、正月に買ったラリー・ハンコックのトゥルース。
名盤の誉れ高いトゥルースの唯一のアルバムですが、
たしかに世評に違わず、歌良し、曲良し、演奏良しの
3拍子揃ったバランスの取れたソウルの名盤ですね。
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ジャケットもやっぱりいいね。やや年季が入っている感もあるけど。

ラリー・ハンコックの名前ばかりがピックアップされるけど、
ハンコックともう一人のリード、レオ・グリーンとの
熱いヴォーカル・バトルこそが最大のポイントですね。
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向かって左がレオさん、右がラリーさん。
撮影時のポジショニングはレオ・グリーンの方が上手か?

層の厚いソウル界、名デュオやナイスなツイン・リードは数あれど、
バリトンとファルセットとかの組み合わせではなく、
シャウター2人がガチンコで張り合うタイプ、
しかも都会的な持ち味を持ち合わせた、となると、
このコンビに匹敵できそうなコンビは、なかなか思い当たらない。
マクファーデン&ホワイトヘッドぐらいではないかな?
サム&デイヴはもちろん熱いけど、やはりあれは南部の香りが強いし、
ラフィン兄弟は兄弟間の熱量のバランスが悪いし(そこがいいのだけど)、
ケイシー&ジョジョのジョジョはシャウターって感じでないし。

ハンコックはオージェイズのエディ・リヴァートの従兄弟だけあって、
メロウな時の歌はかなりエディっぽくなるが、
もう少し小回りが利く感じだけど、声の張りも伸びもまさしく本格派。
一方、対抗?して吠えまくる、よりラフなシャウターのレオ・グリーンは
サム&デイヴのデイヴ・プレイターにも少し似た声質だけど、
歌手としてずっとレベルが高く、ジーン・マクファーデンに近いかな。

ということで、リヴァートとマクファーデンがデュオになった感じなんだけど、
プロデュースも元オージェイズのボビー・マシーが担当していて、
そうなるとほぼオージェイズか?となるわけだけど、
80年前後というのは、オージェイズもやや低迷時代とされていて、
アルバムThe Year 2000は個人的に名盤だと思っているけど、
やや迷いがあったオージェイズよりも勢いでは勝っているか?
そういう意味でもやっぱりライバルはマクファーデン&ホワイトヘッドかな。
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エディとその息子二人。
こうやって見ると、エディとラリーはいとこ同士だけど、あまり似てないな。

アルバムは全部で6曲しか入っていないけど、どれも実にハイレベル。
曲自体では中級の曲もあるけど、二人の素晴らしい歌がそんなことを
全く気にさせない。
手堅いけど、スリルに欠けるなんてこともない演奏陣も見事に歌を引きたてる。
ライターとして、1曲にエディ・リヴァートが参加しているのも目を引くけど、
この頃、オーティスによってテムプスを首にされたデニス・エドワーズが
3曲、しかもキーボードの演奏で参加しているのも興味深い。
(この直後、その自作曲を引っ提げてテムプスに復帰するのだが)

メロウな曲もアップの曲もどれもいい。
メロウな曲でも甘さに流れず、バシィィと筋の通ったビターな歌唱に
思わず笑みがこぼれるというものだけど、
やはり冒頭のタイトル・トラックでの爆裂ダンサーに尽きるかな。
テムプスのカバー・バージョンも完全に上回るし、
後半のリズムブレイクでの二人の掛け合いには聴いている方も
思わず拳を握りしめる、てなもんだ。

そんなわけで、他の録音も気になるところだけど、
ラリー・ハンコックは70年代初頭にS.O.U.L.というグループで、
80年代にソロ・アルバムがあるらしいのだが、レコードは入手困難だけど、
この辺はCD化されているので割と楽に入手出来るみたいだし、 
レオ・グリーンも数年前まとめて再発されたImperial Wondersで
まとめて聴けるようなので、まあ、この辺から聴いてみようと思いつつ、
こういうのって、TruthのCDのように気が付くと入手困難になりそうなので、
早めに探すことにしよう。(出来たら中古盤で)
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レア盤で有名なハンコックのソロ作。スリラー座り。
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ジャケ的には、絶対こっちだな。
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インペリアル・ワンダースにハンコックを加えたのが、
オリジナルのTruthと聞いたこともあるので、
この辺はやっぱり聴いとかないとまずい感じだな。
by zhimuqing | 2014-02-13 00:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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