1967年の120曲から27曲を選んでみる

発売年度別にモータウンのシングルを厳選して
1枚のCDに収めようという、ごく一部で好評な試みの第4弾。
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またまた前回より半年のブランクを経て、ようやく1967年のリストを完成。
全盛期の65年~66年に比べると、やや空気が変わって来ていることが
まとめて聴いてみると良く分かります。
もちろん、67年にはデトロイトで暴動があり、テンプスのオーティスはインタビューで
あの暴動でそれまであった何かが変わってしまったと言っているのですが。
そこに表れた音楽を聴いてみると、一言で言えばファンキーな音への変遷。
付属の7インチシングルがスティーヴィーの”I Was Made To Love Her”なのも、
よく頷ける、というか、Hip-O Selectは流石に良く分かっている。

とりあえず、相変わらず個人的な趣味を爆発させたチョイスを
ここで披露させていただきましょう。
あの曲がない!とか、俺の好きなあの曲を選ばないのは
センス皆無だとか、そういう批判は完全に無視させていただきます。

1. Jr. Walker And the All Stars:Pucker Up Buttercup
2. Shorty Long:Chantilly Lace
3. Smokey Robinson & the Miracles
:The Love I Saw In You Was Just A Mirage
4. The Four Tops:Bernadette
5. Jimmy Ruffin:World So Wide Nowhere To Hide (From Your Heart)
6. Gladys Knight & the Pips:Take Me In Your Arms And Love Me
7. The Supremes:The Happening
8. The Temptations:All I Need
9. Marvin Gaye & Tammi Terrell:Ain't No Mountain High Enough
10. The Four Tops:I'll Turn To Stone

11. Stevie Wonder:I Was Made To Love Her
12. Smokey Robinson & the Miracles:More Love
13. The Elgins:It's Been A Long Long Time
14. The Temptations:You're My Everything
15. Brenda Holloway:You've Made Me So Very Happy
16. Marvin Gaye & Tammi Terrell:Your Precious Love
17. The Four Tops:You Keep Running Away
18. Stevie Wonder:I'm Wondering
19. The Temptations:(Loneliness Made Me Realize) It's You That I Need
20. Gladys Knight & the Pips:I Heard It Through The Grapevine

21. Edwin Starr:I Want My Baby Back
22. Smokey Robinson & the Miracles:I Second That Emotion
23. Martha Reeves & the Vandellas:Honey Chile
24. Jr. Walker and the All Stars:Come See About Me
25. The Temptations:I Wish It Would Rain
26. Marvin Gaye:You
27. Marvin Gaye:At Last (I Found A Love)


音としての勢いは申し分なしで、まだまだ全盛期の真っ盛りといっても
宇宙の隅々から賞賛されそうなレベルです。
コメントとしては、奇跡的に素晴らしいの一言です。
テムプスとマーヴィンが4曲ずつで最多。
製作陣だと、H=D=H関連が5曲、ハービー・フークワとジョニー・ブリストルが5曲、
絶好調のノーマン・ウィットフィールドが6曲。
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こちらはノーマンとバレット・ストロング

音や歌としての変化といえば、一気にファンク度が増している。
外に目を向けると、JBがファンク革命を行っているのがまさにこの時期。
“Bring it up”が67年1月、” Let yourself go”が4月、
問答無用の“Cold sweat”が7月、”I got the feelin’”が翌年3月。
スライ・ストーンが”Dance to the music”でデビューしたのも67年。
そう考えると、時代を牽引する音がヒッツヴィルから外部へ移動したのが、
この年かもしれないですね。

同時に、モータウンの面子にも大きな変化が現れたのがこの年ですね。
H=D=Hやシュープリームスがフローレンス・バラードが上層部と待遇で揉めて去り、
ずっと冷遇されていた西海岸在住のブレンダ・ハロウェイがベリー・ゴーディーに
末尾に“I’ll always love Motown and you”と書いた手紙を置いて去り、
これまた実力に見合ったプッシュをされなかったエルジンズは解散、
ジョー・スタブスからデニス・エドワーズにリードが変わったコントゥアーズも
67年のシングルがモータウンでの最後のシングルになる等、
なんだか寂しいというかやや陰のある逸話が目に付くのも、
過渡期に入りつつことの表れかなと。
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ブレンダ・ハロウェイ。時代が少し前か後ろにずれていたら、
もっともっと売れて大スターになっていただろうに。


とはいえ、新陳代謝が進むと良いことも当然あるわけで、
まずは新顔で目を惹くのは、なんと言ってもアシュフォード&シンプソン。
いきなり大名曲を連発。なんともフレッシュ!でロウ・ライク・スシ!
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こちらは垢ぬける前のアシュフォード&シンプソン。
でもいい味出している。


そして、そのおしどりコンビが持ってきた”Ain't No …”に小躍りして喜んだという
フークワとブリストルの仕事も大充実していて、これまた最高の一言。
テンプスのバンドのギタリストでバンド・マスターのコーネリアス・グラントと
その友人のロジャー・ペンザベンのコンビもいい仕事ぶり。
そして、ノーマン・ウィットフィールドとバレット・ストロングのタッグが
いよいよ本格活動というタイミング。
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テンプスに熱烈指導を行うフークアさん(立っている人)
やる気に溢れるオーティス(右から2番目)とラフィン(3番目)の対比が面白い。
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バンドマスター、コーネリアスさんはひそかに右端に写っていますね。

しかもファンク・ブラザーズのアルバイトに怒ったゴーディーが
ゴールドマイン、リック・ティック・レーベルを買収したので
エドウィン・スターやファンタスティック・フォー等の素晴らしいシンガーが入社。
歌手の陣容が厚くなったというか、ディープな人も増えてきており、
そういう意味ではより強化されている。
ジュニア・ウォーカーとフークワ=ブリストルとのコラボも絶好調だし。
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更に、ついにスティーヴィーも変声期が終わり、ファンキーに開花。
この時期の代表曲、“I Was Made To Love Her ”は
この後、体調が悪化して以前のように叩けなくなるベンジャミンと
もう少し好調が続くジェマーソンのコンビの有終の美。
この少し後に録音したグラディスの"悲しい噂"では、 
もう既にベンジャミンはドラムをまともに叩くことが出来ず、ハイハットを叩いているだけで、
メインのリズムはユリエル・ジョーンズが叩いているらしい。
もう一曲選んだスティービーの” I'm Wondering”はあまり有名ではないけど、
ハーモニカが効きまくるし、歌に込められたファンクネスが濃厚な隠れた名曲。
(この後、もっと濃度が濃くなっていくのですけどね)
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でも、もっと凄いのはマーヴィン・ゲイ!
66年はやや不調気味だったマーヴィンだが、タミー・テレルとのデュオで目覚めたのか、
ボルテージが一気に最高潮に達している。
続く68年ぐらいまでがマーヴィンの人生の中でも最もファンキーな時期ですね。
タミーとのコンビはもうこれは史上最高の男女デュオで、
これを上回る組み合わせは出てこないでしょうね。
(とはいえ、あくまでも歌っている間だけの仲ですけれども)
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対する?ディヴィッド・ラフィンはテンプス最後の年。
名曲揃いのテンプス時代の最後を飾る“All I Need”、
“You're My Everything”、“I Wish It Would Rain”の3連発。
エディ・ケンドリックスとのコンビもこれまた史上最高峰のコンビだし、
というより、この5人のバランスが史上最高なので、
もう少し曲を残してくれていたら良かったのですけどね。
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当時最新鋭のヴィデオで自分たちの振り付けを確認するテムプス。
これはいい写真だ。


と、まあ、そんなわけで、さらに続くモータウンの探求。
次は63年をやるか、それとも68年にするか、なかなか迷うところですね。
さてどうしよう。



ちなみにスモーキー・ロビンソンの大名曲"More Love"は
奥さんのクローデットに捧げたスモーキー史上もっとも個人的な曲。
ふとした時に聞いてしまうと、胸がかきむしられそうになりますね。
何度も流産してしまい、子供が出来なくて御免なさいと落ち込むクローデットに
「何度生き返ってもキミの悲しみを拭い、励まし、守る」と告げた曲。

I'll always belong only to you
Each day I'll be living to make sure
I'm giving you more love and more joy
Than age or time could ever destroy
My love will be so solid
It would take a hundred lifetimes
To live it down, wear it down, tear it down
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by zhimuqing | 2013-12-23 08:28 | Funkentelechy | Comments(0)
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