里山とユヌスとエンデと

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先日購入した新書『里山資本主義』、ざっくりとしているが、
色々と示唆に富んだ実に面白い本だ。
過疎化が進む中国山地の町の挑戦のルポルタージュだが、
都市部に住んでいる人間からは見えにくく(見えなく)なっている視点に
色々気付かされ、とても新鮮な印象を受ける。

特に興味を覚えるのが、地域をごく小さい区割りに仕切った上で、
その地域の経済上の収支差を見る、という考え方。
エネルギーや食糧を外部から調達すると都会にカネが移動してしまう、
カネの流出を防ぐために可能な限りコミュニティ内で調達するという考えは、
例えばアメリカの黒人街のカネが大手企業に吸いとられてしまい、
コミュニティ内でカネが回っていかず、結果としてコミュニティが
なかなか育っていかないという話を色々と読んでいたこともあるのだが、
それを過疎の問題に当てはめる想像力が私にはなかったのですね。

それにしても、私なんか経済のことを(よく分からないなりに)考えると、
どうしてもスケールをでかくすることに目が行ってしまうが、
例えばバングラデシュのグラミン銀行のマイクロクレジットの試みや
主婦を活用したインドでのヤクルト・レディによる販売の強化のように、
単位を小さく区切って考えることも、こういう時代では相当有効なのだなと、
色々考えさせられますね。
この単位を小さく区切る発想とミヒャエル・エンデが提唱していた
時間が経つと共に価値が減る貨幣の仕組みを併用出来たりすると、
世の中が劇的に変わりそうな気がしたりもするので、
その辺を一回じっくりと考えてみるのもいいかもしれない。
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もちろん本文での一部の論の進め方には独特の臭み?もありますが、
そんなことはごくごく些細なこと。
NHKの広島取材班と藻谷浩介の共著だが、NW9の某キャスターの発言とは
正反対の方向性を持った広島取材班に惜しみない拍手を進呈したい。
オリンピックだのアホノミクスだのと浮かれる気分になれない人は是非とも。
続編にも大いに期待しています。
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思えば、この本もNHKのドキュメンタリー発だった。
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by zhimuqing | 2013-10-22 00:28 | Mickey's Monkey Job | Comments(0)
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