ミスター・ディグに完敗続き

先日、職場にその存在が確認されたソウル好きのH氏、
昼休みに時間があると二人でミーティング・コーナーにこもって、
ソウル談義に花を咲かせているのだが、職場の一部から
付き合い始めのラブラブなカップルのようだと言われることもあり、
近いうちにゲイ疑惑が出るかもしれないという有様で、
まあ先方は男前だし、ベターリブイッアンセッド!てなもんで、
もはや、これは組織内の秘密組織ですね。
セクション31ならぬ、エージェント・ダブルオーセブンでもなくて、
エージェント・ダブルオーソウルという感じですな。
ちなみにこのHさん、名前の漢字を英語に直すとDigということで、
やはり名は体を表す、というやつですね。

それにしても、昼間に会社でハーヴィー・フークワの人脈の凄さとか、
フラミンゴスからデルズに繋がるコーラス・グループの流れとか
60年代のデトロイトには怪物級のシンガーがうようよしていたとか、
イギリスのKENTから出る編集盤は痒いところに手が届いて、
とてもありがたいけど、そのせいで家庭では肩身が狭くなるとか、
福岡にはまともなレコ屋はJUKEしかないとか、
とまあ、そういう話が尽きないわけで、まったく困ったものです。
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福岡在住の音楽好きがみんなお世話になっている名店!

で、CDについても貸し借りを開始しているわけですね。
私はといえば、ヒアリング調査?にて持っていないことが判明した、
スペンサー・ウィギンスのフェイム編集盤とか、
トミー・テイトのKOKOの編集盤、それからデルズのブートDVDを
ぶちかましてみたわけですが、敵もさるもの、というか、
とても高いブロックでこちらの攻撃を迎撃してくるのだ。

なんと、こちらがデトロイトに興味があるということで、
ロバート・ワードの60年代の音源集。
こちらの弱みをついたニューヨーク・ディープのナイト・ブラザーズ。
さらには、ワーナーから以前出ていた鈴木啓志によるソロシンガーと
グループのシングルを集めた編集盤2枚。
その流れを汲んだKENTから出たアポロスの編集盤。
年季の違いを見せ付けられますね。

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オハイオ・プレイヤーズの前身のオハイオ・アンタッチャブルズの
リーダー兼ギタリストのロバート・ワードは90年代に復活した時に
結構その筋で話題になっていたが、60年代の音を聞くのは初めて。
(ちなみにワードと入れ替わりに加入したのがシュガーフットですね)

まずは何より、歌いっぷりが良い。
フレーズをこねくり回さず、直球でドスンと攻める幹事。
その歌い口だけでもイケますが、同時にトレモロを利かせまくった
ギター・ワークによってなんともストレンジな風味が加わり、
ブルース度が80%ぐらい混じった、垢抜けない音かもしれないが、
2013年の今の耳で聞くと、非常に刺激的で味わい深い。
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リズムの切れ味は素晴らしいが、それもそのはずブックレットによると、
大半の曲をモータウンのファンク・ブラザーズが担当しているし、
それ以外の曲はオハイオ・プレイヤーズ絡みの名前もちらほら。
(ベースにマーシャル・ジョーンズの名前も!)
ドン・デイヴィスのグルーヴズヴィル関係だし、
この流れでファルコンズとかピケットの1st等も録音されているわけで
そういうソウルの歴史的な意味でも非常に大きなものなのだなと納得。
それにしてもこの時代のデトロイトはつくづく恐ろしい時代だ!
タイムスリップして観に行ってみたいものだ!

ナイト・ブラザーズはこれまで完全にノーマークだったグループ。
その世界ではたいへん著名なコンビらしい。(全く不勉強な自分を反省)
ブラザーズと名前がついているものの、二人は別に兄弟ではなく、
まあ言ってみると、叶姉妹のようなものといったらいいのかな?
(そういえば、叶姉妹、今何をしているのだろう?)
ソウル・デュオの走りですが、まだソウル音楽のフォーマットが
固まる前の凸凹した音をバックに二人が咆哮するという、
これまた、いなたくも美しい音楽です。(でも一般受けしなさそう)
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Knight Brothers名義の曲に加え、チェスでのThe Carltons名義の曲も
含まれており、二人の主要な曲がほとんど聴けるものとなっている模様。
カールトンズでの曲は当時のシカゴ・ソウルのスタイル、
つまりは、インプレッションズ風ただし野趣溢れる、という感じで、
それはそれで聴きごたえはあるのだけど、
それよりもやはりシカゴシカゴしていないデュオ名義での音の方が
様式が完成していないだけに刺激が強い気がする。
ニューヨーク系のディープ・ソウルはソロモン・バークと
ハーワード・テイトぐらいしか聞いていなかったが、
やはりこの辺はきっちり聴いておかないといけないなと痛感。
参りました。

で、ワーナーでの編集盤2枚ですが、これは15年ぐらい前に
デイヴィッド・ラフィンやニュー・バースと一緒に再発されたもの。
当時は当然買いそびれていて、その後ディスク・ユニオンの
廃盤コーナーに高々と掲げられているのを指を咥えて眺めていた2枚。
プラス、グループ編に入っている女性コーラス・グループのアポラス!
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馴染みの無い名前が並んでいますが、鈴木啓志がチョイスしたものだけに
濃厚で無骨な音がこれでもかと続くわけで、高値で取引されていることも
十分に理解出来る内容ですね、この2枚。
こちらはまだあまり細かいところまで聞き込むことが出来ていないのだが、
特に、気に入ったのというか、一聴して心を掴まれたのは、
Lou Ragland とThe Apollas、そしてCool Soundsですね。

ルー・ラグランはレア盤として有名なLPが数枚あり、
たしか昨年あたりに米Numeroからまとめて再発された時に、
マニアの方々が大騒ぎしていたのですが、
たしかに、それだけの価値がありますね。
しなやかで力強い声と節回し、この人は物凄いなぁ。
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Numero、年末のミネアポリスものの再発の前に、
とうとう手を出さざるを得ない状態まで追い込まれた感じですね。

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アポラスは英Kentからの再発盤が以前から気になっていたグループ。
これももっと早く入手しておくべきだったものですね。
ゴスペル丸出しのゴツゴツした歌いっぷりが実に清々しい。
(女性を評する言葉ではないけど、最大の褒め言葉です、念のため)
西海岸のグループというイメージが強かったけど、
必ずしも音はそういうわけではないですね。
ワーナーの編集盤で完全にノックアウトされた私は
そういうわけで、お借りしたKentでの編集盤は聴かずに返すことに決定。
これは買うしかないからね。

Cool SoundsはB級のグループサウンズみたいな名前だが、
リードを取る男女が物凄く、特にバリトンのリードの方は
もろ私好みのラフィンとかバリノとか、あの辺のカッコ良すぎる、
あの感じがバシバシ出ていて、もうたまりません。
92年の時点のライナーではかなり正体が不明なようですが、
その後20年経った今、ある程度解明されたりしているのかな?
もっと聴きたいぞ!

ということで、こういうCD貸していただけるのは大変ありがたいけど、
その奥に広がっている世界を更に探求したくなるので、
それはそれで、まったく困ったものです。
借りたCDも家に1枚もっと来たくなりますからね。うーむ。
とりあえず昼休みのミーティングだけでは、まったく時間が足りないので、
放課後?の活動を近々実施しなくては!

自宅でご覧ください、と、出張中に社内メールで送られていたのが、
こちらの画像。なんとクロード・ジーター!



よりによってスワン・シルバートーンズのジーター師ですか!

対抗して、私が送ったのはこちら。



オーティス・レディングが司会しているオベイションズ。
すると、これはThe Beat!なんじゃないの?と返され、
こちらはまたしても完敗だ。
連敗続きだな、まったくもう!
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by zhimuqing | 2013-10-12 00:28 | Funkentelechy | Comments(2)
Commented by ケンドリックス at 2013-10-12 12:28 x
なんだかすごい事になっているようですね。
今後が楽しみですね。
Commented by zhimuqing at 2013-10-12 18:20
>> ケンドリックスさま

Hさん改めディグさんの掘り起こしっぷりは相当なもんです。
昼休みにフェイムとハイの選ぶ歌手の違いについて、
話し合うことが出来るというのは、正直予想していない展開です。
ファンクはほとんど聴いていない模様ですけどね。
この先どうなるのか、楽しみです、はい。
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